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猫との距離を縮める秘訣とは? 猫写真家・沖 昌之が明かす

猫との距離を縮める秘訣とは? 猫写真家・沖 昌之が明かす

アパレル企業勤務を経て、ある猫との出会いをきっかけに37歳で猫写真家として独立した沖 昌之氏が、猫にカメラを向ける時の心構えや、海外での猫の思い出を語った。

沖氏が登場したのは、ゲストに様々な国での旅の思い出を聞くJ-WAVEで放送中の番組『ANA WORLD AIR CURRENT』(ナビゲーター:葉加瀬太郎)。オンエアは6月24日(土)。

仕事の休憩時間中に公園で出会った猫

沖氏は1978年、兵庫県神戸市生まれ。2009年からアパレル企業に勤務し、そこで宣伝用の人物や商品の撮影をする中、カメラに興味を持つように。2015年に会社を辞め、ある猫との出会いをきっかけに猫写真家として独立。これまで18冊の猫写真集を出版している。最新刊は今年3月出版の『日常にゃ飯事』。

写真との関わりについて聞くと、元々写真が嫌いだったが「その(アパレル)会社に勤めたときに仕事上どうしてもカメラを使わなきゃいけなくなってきて」「その会社は社長が写真のことをすごく大好きで、めちゃめちゃダメ出しをするんです」という環境で「徐々に写真が楽しくなってきて、趣味に」なったそう。

しかし「趣味で撮った写真をSNSに上げてもいいねがそんなに付かなくて、それはやっぱり、本気でやってる方と比べると自分の写真は大したことがないというのは分かってたのですが、仕事の休憩時間中に会社の近くの公園でやさぐれてたんです」と沖氏。その公園で「ぶさにゃん先輩って勝手に名付けてる」という猫と出会い「心射抜かれて、猫を撮りたいって。もともと猫好きだったんですけど、被写体を猫にしたいって思ってやり始めたんです」と、猫を撮影し始めたきっかけを明かした。

ターニングポイントとして挙げたのが2017年出版の『必死すぎるネコ』。「猫っていろんなことに興味を示すけど、『これ』ってなったときにはもう周りを見ずにすごい表情で転がったり、何かで遊んでたり。喧嘩のときの表情とかも鬼の形相じゃないですか」、そんな「必死な瞬間」「猫の心が見える瞬間」を撮ったという。

葉加瀬が「必死な姿を撮ろうと思うと、できるだけ自然な姿を撮らなきゃならないじゃない。コツはありますか」と尋ねると、沖氏は猫との距離感の近づき方を語った。

「最初の方、撮りに行ったときに、全然近づいてないのに逃げる猫ちゃんがいたんですね。(近付いてないのに)めっちゃ逃げるくせに、ご近所のおばちゃんが近距離で自転車で横切っていくときは逃げないんだ、あれ? って思って。僕の方が気遣ってるのに逃げられるって何でだろう? って思っていたときに、そのおばちゃんは日々横を通りすぎていく存在で、猫からすると自然の一つであって、僕は異質なんだっていうことに気づいた」という。そこで「これはもう通うしかない」と思い、ひたすら通うことで「この男はこの時間に何かひょろっときて、何か構えて、というのが(猫にとって)日常になれば」自身の存在が「自然になっていく」ようになるのではと考えたそう。

通い方も季節によって異なるそうで「猫ちゃんも人と同じで、過ごしやすいタイミングで動き出すんですよね」と沖氏。「人ってやっぱり春と秋、お出かけしたくなるじゃないですか。(同じく)猫も日中も夜も天候がよければ歩きまわる」一方、「夏はすごく暑いと、日中も日陰に隠れてしまうんですよ」といい、夏は夜明け前の「3時から4時の日が昇ってくるぐらい」から「朝9時くらい」の間で撮影、その後家に帰り「僕も猫と同じように日中寝て、(午後)3時半ぐらいに僕も動き出してそこから日没の7時とか、夜の8時とかまで撮影する」とその工夫を明かした。

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世界での猫の思い出 台湾とトルコのエピソード

放送では猫にまつわる世界の思い出についてもトーク。

まず沖氏が挙げたのは台湾のホウトンという村。「もともとは炭鉱の村だったんですけど、炭鉱ができなくなったときに、村おこしで猫の村にした」と沖氏。もともと猫がたくさんいたが、たくさんいたのは平地側。すると事故が起こりやすいため猫を山側に連れていき「そこに住んでらっしゃる方にお世話の仕方とかを伝えて」、さらに猫のオブジェや猫の絵、猫型のパイナップルケーキなども登場し「猫の聖地」となったそう。

続いて挙げたのはトルコのイスタンブール。コロナ禍前に沖氏とともに行く「猫ツアー」を企画していたそうで、そのツアーの予習のために訪れたイスタンブールでの景色を「日本で言う銀座みたいなブティック通りのところに、そこで何かお高く止まってる猫ちゃんがいて」と表現。もし銀座であれば「(猫が)こんなところに!」と驚くのではないかとしつつ、一方で「それが全くなくて」とイスタンブールの雰囲気を表現。

「カフェで食事が終わった後のお皿が並んでるところに猫ちゃんが上って、残飯を狙ってたりとか、もう本当に溶け込んでいるんですよね」「それを店員が嫌がるわけでもなく見守ってる」「もうずっとそういう(共存する)暮らしをしてるのかな」と感じたそう。

葉加瀬太郎がお届けする『ANA WORLD AIR CURRENT』は、J-WAVEで毎週土曜の19:00-19:54オンエア。

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2023年7月1日28時59分まで

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毎週土曜
19:00-20:00