俳優の田中道子が、2022年末に合格した国家資格「一級建築士」について語った。
田中が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『START LINE』(ナビゲーター:長谷川ミラ)のワンコーナー「AWESOME COLORS」の2月17日(金)オンエア。
長谷川:一発合格というのがすごいです。
田中:周りの人からは「快挙だ」と言っていただきました。
長谷川:もともと大学で建築を学ばれていたということですか?
田中:大学生のころもフリーのモデルとして活動はしていたんですけど、けっこうほそぼそとした活動で、就職というよりは「改めてちゃんと安定した職につこう」と親にも言われていたんです。それで建築(の道)を目指しました。
長谷川:学校は、公立の静岡文化芸術大学デザイン学部空間造形学科を卒業されています。
田中:空間造形学科ってめずらしい名前なんですが、私もともとかなりのゲームオタクなんです。
長谷川:本当に意外!
田中:学生のときは1日10時間とかやっていたんです。特にそのなかでも『ファイナルファンタジー』シリーズ。知ってますか?
長谷川:知ってます! 私はしないのですが、王道ですよね。
田中:日本を代表するゲームだと私は思ってます。その『ファイナルファンタジー』のゲーム会社に就職したくて。というのも、ファンタジーの世界観の作画をしたかったんです。お城があったり、空に車が飛んでいたり、そういう街のデザインをしたくて。3D空間をデザインできると思って空間造形学科に行ったら、まさかの建築で(笑)。最初は建築の「け」の字も知らずに入ったので、開校きっての落ちこぼれじゃないかってぐらい。
長谷川:えー!
田中:勉強についていけなくて。そのときは正直、(勉強を)やらされていたんです。
転機となったのは、東日本大震災。建築士の活躍をみて、「あれ、いま私が勉強してることって極めたら世間の役に立つじゃない?」と、意識が大きく変化したのだそう。
長谷川:入学したときは予想と違ったけれども、でも東日本大震災もあって前向きに取り組まれたと。
田中:仕事とかもそうですよね。「3年やれ」とかよく言うけど、確かに3年もやると好きになってくるんだと思うんです。
長谷川:数カ月とか1年だとまだわからないというか、体験していない出来事だったり分野があったりしますよね。
田中:最初はコンクリート造のなかに鉄筋が入っているということも知らずに授業を受けているから、先生の話が1個もわからなくて。だけど理解してくると、先生が言っていることもちょっとずつわかってきて、自分なりの意見も出てくる。物事って3年やるといいんだなと。
長谷川:そのときに二級建築士に合格されているんですね。
田中:卒業して、すぐにとりました。就職活動をしているときに芸能界にスカウトしていただいたんです。私は中学生のころにアクション俳優という職業に憧れを持っていた時期があって。建築のお仕事は歳をとってからでもできるお仕事かなというのもあって、チャンスをいただけたので芸能界もやってみたいという、ずいぶん強欲な性格で(笑)。
長谷川:建築士に合格したもののそこは一旦置いておいて、芸能界デビューされたということだったんですね。
田中:そのころは実務経験がないと一級建築士を受験することもできなかったんです。最初は芸能界を本業として、いずれタイミングがあったら受けられたらいいなと。そんなときに令和2年度で法律が緩和されて、実務がなくても先に試験自体は受けられることになったんですよ。
長谷川:それを聞いたときにはすぐに「受けなきゃ」という感じだったんですか?
田中:そのときは離れすぎていてブランクがあったので「いまさら戻っても」というのはあったんですけど、ちょうどそのときがコロナ禍だったんです。
田中はコロナ禍で仕事がストップしたことをポジティブにとらえ、一級建築士になるための勉強を始めたそうだ。一級建築士と二級建築士の違いについて解説した。
田中:簡単に言ってしまうと建築できる規模が違います。いままで持っていた二級はだいたい住宅規模です。二階建て、三階建てまで、300平米までとか細かく決まっているんですけど、一級は無限なんです。(J-WAVEがある)この六本木ヒルズだって……。
長谷川:六本木ヒルズ作れるんですか!?
田中:実務をつめば。
長谷川:一級と二級はかなり大きな差なんですね。
田中:コロナ禍で「時間があるぞ」と思って始めたんですけど、ありがたいことにいろいろお仕事をいただいて、予想に反して時間がまったくとれなかったんです。2022年は初舞台・初主演をやらせていただいて。あとはドラマが入るとスケジュールを確保されるので、資格の学校に通えなかったり、思ったように勉強は進まなかったんですけど、その解消法って「寝る時間を削る」しかなかったんですよね。
長谷川:そうですよね。
田中:本業に穴を開けるのは絶対に許されないと思っていたので。いまは体調を崩すと仕事がストップしてしまうご時世なので。
長谷川:ちょっとでも崩せないですからね。
田中:なるべく睡眠時間は確保したいんですが、試験前とかになると2、3時間寝るだけで。トイレにいる時間も勉強していました。
長谷川:カツカツですね。
田中:とにかくなにもしない時間がなかったといってもよくて。
長谷川:もともとそういう性格でしたか?
田中:そうですね、無駄な時間が好きじゃなくて。時間を確保する理由は、とにかくゲームがしたい、漫画が読みたい、とにかくベッドでごろごろするのが好きなんですけど、(資格試験のために)その時間をすべてなくしました。友だちとワイワイ話したりお酒を飲むのも好きだったんですけど、全部断わりました。
長谷川:思い立ってからどのくらいで取得できたんでしょうか。
田中:勉強を始めてからは1年3カ月ぐらいでした。
長谷川:それって短い?
田中:平均3年とは言われています。私は「こんなの3年もできない」と思ったので。友だちが減ってもいいと思って全部断わって、とにかく勉強時間にあてました。
田中:恐ろしい話なんですが、本番で焦って実力の半分も出なかったという人が3割ぐらいいるんです。人生を左右する試験、受験、これからみなさん控えていると思うんですけど、人間ってあがっちゃうんです。なので私は初舞台とか初ドラマとかをやるときには、前日までイメトレを繰り返して、どんな不測の事態も先に想定しておきます。
長谷川:プランABCD、この場合はあっちいくな、こっちいくなとか、そういうイメトレですか?
田中:そうです。そうなったときは「1回10秒深呼吸しよう」とかいろいろ決めていきます。周りの音とかもすごく気になるから、私は家で勉強しているときはテレビやYouTubeをつけて、とにかくうるさくした状態にします。それでも集中するときって周りの音が聞こえなくなるので、そういう時間を無理やり作りました。
長谷川:確かに勉強するときってすごく静かな環境で、携帯も置いて「集中!」っていうイメージだけど、実際の試験になると、鉛筆を落とす子がいたり、貧乏ゆすりする子もいたり。
田中:そうなんです。隣の席の人とか筆圧がすごいんですよ。カツカツコツコツって。本当に本番って気になっちゃうんですけど、それに耐えうるために、とにかく雑音を気にしない練習。それも練習の一部だと思うので。いま勉強熱心にやってらっしゃる方、ラジオとか聴きながらやってほしいなと思います。
長谷川:資格取得を経て、さらなる夢というか展望はありますか?
田中:父が教師なんです。だから小さいころから子どもに教える仕事に対して特別な意識があって。やっぱり日本をよりよくするためには教育だろうとずっと思っているところがあるんです。そうしたときに、想像力を育てるためにも、子どもが関わる施設、学校とか広い意味でのスクールの設計をしてみたいなと大学生のころから憧れています。
『START LINE』では、好奇心のおもむくまま「すべき」より「したい」気持ちを大切にリスナーと一緒に自分を探す旅をお届け。放送は毎週金曜の16時30分から。
田中が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『START LINE』(ナビゲーター:長谷川ミラ)のワンコーナー「AWESOME COLORS」の2月17日(金)オンエア。
大学での勉強は“やらされている”感覚だったが…転機は?
田中は「ミス・ワールド2013」日本代表。2016年に俳優に転身し、ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』シリーズや『六本木クラス』(ともにテレビ朝日系)など、数々の話題作に出演。俳優として活躍するかたわら、2022年12月に難関の国家資格のひとつである一級建築士にストレート合格した。長谷川:一発合格というのがすごいです。
田中:周りの人からは「快挙だ」と言っていただきました。
長谷川:もともと大学で建築を学ばれていたということですか?
田中:大学生のころもフリーのモデルとして活動はしていたんですけど、けっこうほそぼそとした活動で、就職というよりは「改めてちゃんと安定した職につこう」と親にも言われていたんです。それで建築(の道)を目指しました。
長谷川:学校は、公立の静岡文化芸術大学デザイン学部空間造形学科を卒業されています。
田中:空間造形学科ってめずらしい名前なんですが、私もともとかなりのゲームオタクなんです。
長谷川:本当に意外!
田中:学生のときは1日10時間とかやっていたんです。特にそのなかでも『ファイナルファンタジー』シリーズ。知ってますか?
長谷川:知ってます! 私はしないのですが、王道ですよね。
田中:日本を代表するゲームだと私は思ってます。その『ファイナルファンタジー』のゲーム会社に就職したくて。というのも、ファンタジーの世界観の作画をしたかったんです。お城があったり、空に車が飛んでいたり、そういう街のデザインをしたくて。3D空間をデザインできると思って空間造形学科に行ったら、まさかの建築で(笑)。最初は建築の「け」の字も知らずに入ったので、開校きっての落ちこぼれじゃないかってぐらい。
長谷川:えー!
田中:勉強についていけなくて。そのときは正直、(勉強を)やらされていたんです。
転機となったのは、東日本大震災。建築士の活躍をみて、「あれ、いま私が勉強してることって極めたら世間の役に立つじゃない?」と、意識が大きく変化したのだそう。
長谷川:入学したときは予想と違ったけれども、でも東日本大震災もあって前向きに取り組まれたと。
田中:仕事とかもそうですよね。「3年やれ」とかよく言うけど、確かに3年もやると好きになってくるんだと思うんです。
長谷川:数カ月とか1年だとまだわからないというか、体験していない出来事だったり分野があったりしますよね。
田中:最初はコンクリート造のなかに鉄筋が入っているということも知らずに授業を受けているから、先生の話が1個もわからなくて。だけど理解してくると、先生が言っていることもちょっとずつわかってきて、自分なりの意見も出てくる。物事って3年やるといいんだなと。
長谷川:そのときに二級建築士に合格されているんですね。
田中:卒業して、すぐにとりました。就職活動をしているときに芸能界にスカウトしていただいたんです。私は中学生のころにアクション俳優という職業に憧れを持っていた時期があって。建築のお仕事は歳をとってからでもできるお仕事かなというのもあって、チャンスをいただけたので芸能界もやってみたいという、ずいぶん強欲な性格で(笑)。
長谷川:建築士に合格したもののそこは一旦置いておいて、芸能界デビューされたということだったんですね。
田中:そのころは実務経験がないと一級建築士を受験することもできなかったんです。最初は芸能界を本業として、いずれタイミングがあったら受けられたらいいなと。そんなときに令和2年度で法律が緩和されて、実務がなくても先に試験自体は受けられることになったんですよ。
長谷川:それを聞いたときにはすぐに「受けなきゃ」という感じだったんですか?
田中:そのときは離れすぎていてブランクがあったので「いまさら戻っても」というのはあったんですけど、ちょうどそのときがコロナ禍だったんです。
田中はコロナ禍で仕事がストップしたことをポジティブにとらえ、一級建築士になるための勉強を始めたそうだ。一級建築士と二級建築士の違いについて解説した。
田中:簡単に言ってしまうと建築できる規模が違います。いままで持っていた二級はだいたい住宅規模です。二階建て、三階建てまで、300平米までとか細かく決まっているんですけど、一級は無限なんです。(J-WAVEがある)この六本木ヒルズだって……。
長谷川:六本木ヒルズ作れるんですか!?
田中:実務をつめば。
長谷川:一級と二級はかなり大きな差なんですね。
寝る間を惜しんで勉強
最近話題になっている社会人の学び直し「リスキリング」。田中は多忙な俳優業のなかどのように勉強時間を確保したのかを語った。田中:コロナ禍で「時間があるぞ」と思って始めたんですけど、ありがたいことにいろいろお仕事をいただいて、予想に反して時間がまったくとれなかったんです。2022年は初舞台・初主演をやらせていただいて。あとはドラマが入るとスケジュールを確保されるので、資格の学校に通えなかったり、思ったように勉強は進まなかったんですけど、その解消法って「寝る時間を削る」しかなかったんですよね。
長谷川:そうですよね。
田中:本業に穴を開けるのは絶対に許されないと思っていたので。いまは体調を崩すと仕事がストップしてしまうご時世なので。
長谷川:ちょっとでも崩せないですからね。
田中:なるべく睡眠時間は確保したいんですが、試験前とかになると2、3時間寝るだけで。トイレにいる時間も勉強していました。
長谷川:カツカツですね。
田中:とにかくなにもしない時間がなかったといってもよくて。
長谷川:もともとそういう性格でしたか?
田中:そうですね、無駄な時間が好きじゃなくて。時間を確保する理由は、とにかくゲームがしたい、漫画が読みたい、とにかくベッドでごろごろするのが好きなんですけど、(資格試験のために)その時間をすべてなくしました。友だちとワイワイ話したりお酒を飲むのも好きだったんですけど、全部断わりました。
長谷川:思い立ってからどのくらいで取得できたんでしょうか。
田中:勉強を始めてからは1年3カ月ぐらいでした。
長谷川:それって短い?
田中:平均3年とは言われています。私は「こんなの3年もできない」と思ったので。友だちが減ってもいいと思って全部断わって、とにかく勉強時間にあてました。
勉強のコツは「雑音」に慣れておくこと
田中は試験に挑む際の心構えや勉強をするコツについて語った。田中:恐ろしい話なんですが、本番で焦って実力の半分も出なかったという人が3割ぐらいいるんです。人生を左右する試験、受験、これからみなさん控えていると思うんですけど、人間ってあがっちゃうんです。なので私は初舞台とか初ドラマとかをやるときには、前日までイメトレを繰り返して、どんな不測の事態も先に想定しておきます。
長谷川:プランABCD、この場合はあっちいくな、こっちいくなとか、そういうイメトレですか?
田中:そうです。そうなったときは「1回10秒深呼吸しよう」とかいろいろ決めていきます。周りの音とかもすごく気になるから、私は家で勉強しているときはテレビやYouTubeをつけて、とにかくうるさくした状態にします。それでも集中するときって周りの音が聞こえなくなるので、そういう時間を無理やり作りました。
長谷川:確かに勉強するときってすごく静かな環境で、携帯も置いて「集中!」っていうイメージだけど、実際の試験になると、鉛筆を落とす子がいたり、貧乏ゆすりする子もいたり。
田中:そうなんです。隣の席の人とか筆圧がすごいんですよ。カツカツコツコツって。本当に本番って気になっちゃうんですけど、それに耐えうるために、とにかく雑音を気にしない練習。それも練習の一部だと思うので。いま勉強熱心にやってらっしゃる方、ラジオとか聴きながらやってほしいなと思います。
長谷川:資格取得を経て、さらなる夢というか展望はありますか?
田中:父が教師なんです。だから小さいころから子どもに教える仕事に対して特別な意識があって。やっぱり日本をよりよくするためには教育だろうとずっと思っているところがあるんです。そうしたときに、想像力を育てるためにも、子どもが関わる施設、学校とか広い意味でのスクールの設計をしてみたいなと大学生のころから憧れています。
『START LINE』では、好奇心のおもむくまま「すべき」より「したい」気持ちを大切にリスナーと一緒に自分を探す旅をお届け。放送は毎週金曜の16時30分から。
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2023年2月24日28時59分まで
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長谷川ミラ