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ファミマの靴下は700万足突破。ヒットの背景を専門家が解説

ファミマの靴下は700万足突破。ヒットの背景を専門家が解説

最新のコンビニビジネスについて、百年コンサルティング代表・鈴木貴博さんが語った。ファミリーマートの靴下がヒットした理由とは?

この内容をお届けしたのは、J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ・ノイハウス萌菜)のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」。11月1日(火)のオンエア内容をテキストで紹介する。  

ファミリーマートの靴下が大人気

コンビニで買える衣料品の常識が大きく進化している昨今。ファミリーマートのアパレルブランドでは、オリジナルソックスの販売数が夏までに700万足を突破するなど大ヒットしている。今回は、経営戦略コンサルタントで百年コンサルティングの代表を務める鈴木貴博さんから、コンビニの衣装品戦略について聞いた。
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サッシャ:僕が夏場に着ていた黒いTシャツは全部ファミマで売っているものです。

ノイハウス:そうなんだ!

鈴木:今ね、ファミマの品質めちゃくちゃ上がっています。

ノイハウス:デザインしている人もこだわっているんですか?

鈴木:ファミマの靴下とかは人気デザイナーの落合宏理を起用しているんですよ。この方は色使いがすごく独特な方なんだよね。ファミマのソックスってファミマ色以外の色も増えているでしょう?

サッシャ:そうですね。あとは縫製がいいですし、生地がいいですよね。ちゃんとした衣料品店で買うのと遜色がないというか。
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カラーバリエーションも豊富なファミリーマートの靴下

鈴木:そうそう。2021年に交代しちゃったんですけど、ファミマソックスができた当時のファミマの社長って澤田貴司さんという、ユニクロでナンバー2だった方なんですよ。

ノイハウス:そこの関係性があるかもしれないですね。なるほど。

ファミリーマートの衣料品がヒットしたのは、インフルエンサーの影響が大きかったのではないかと鈴木さんは語る。

鈴木:木村拓哉さんがそれっぽいものを着ているっていうのが拡散したりね。水泳の池江璃花子さんはファミマのソックスを全色持っているそうですよ。

サッシャ:そうなんですか! 今ってパステルカラーみたいなものとかいろいろ増えていますよね。

鈴木:色の名前がいいんだよね。ライムイエローとかあかね色とかね。

ノイハウス:素敵。

ちょっとした贅沢をコンビニに求めるようになった

コンビニの衣料品が売れる背景には、利用客の購入する商品に変化が生じたのではないかと鈴木さんは分析する。

鈴木:興味深い話があるのですが、最近セブンイレブンの売上高がコロナ禍前に戻ったと発表したんですよ。よく見るとコンビニのお客さんの数って減っていて、コロナ禍前に比べると11パーセントマイナスなんですね。売上高が回復した理由は、客単価が13.5パーセントも増えたんですよ。

サッシャ:なるほどね。1割客が減ったけど、1割以上単価が増えたと。

鈴木:みんなけっこう贅沢なものを買うようになってきているんですよ。ここが大きな変化なんですね。

ノイハウス:お菓子を買うならちょっと高そうなものを買おうかなみたいに、ちょっと感覚がシフトしたってことですよね。

鈴木:そうなんです。中流層の日本人がちょっと手を伸ばす贅沢をしようって流れになっています。そのなかの1つがファミマの390円のオリジナルソックスなんです。

ノイハウス:なるほど! 他のコンビニでも何か取組みがあるのでしょうか?

鈴木:今はコンビニ各社がすごく個性を出しているんですね。セブンイレブンはセブンプレミアムゴールドといった食品に力を入れていたり、ローソンは無印良品の棚を作っています。みんな、ちょっと手が届く贅沢なものを出し始めていますね。

ノイハウス:ファミリーマートは自社ブランドとしてアパレルをスタートしたんですね。

鈴木:はい。自分でやるこだわりが強くって、ものづくりのファミマ的なところが出てきていますね。
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ファミリーマートでは、ファッションデザイナーの落合宏理氏との共同開発のもと、「いい素材、いい技術、いいデザイン。」のコンセプトを掲げ、2021年3月からオリジナルブランドの「コンビニエンスウェア」を全国展開をしている。

サッシャ:ちょっと前はどこに入っても差がないってところがコンビニのいいところだったのかもしれないですが、今はブランドごとに色を出していくことが重要になっているんですね。

鈴木:コンビニチェーンごとに置いてあるものがけっこう違うので、そのあたりも見てみると面白いですよ。

衣料品をドラッグストアで見かける未来が来る!?

コンビニでのアパレルの売り上げが好調になったことにより、衣料品の「ついで買い」ができる店舗が増えていく可能性が高いという。

鈴木:アメリカですとドラッグストアでけっこう衣料品が売っているじゃないですか。日本も今って薬局チェーンがすごく増えているんですけど、まだ衣料品売り場がないんです。ワークマンの靴下とかユニクロの下着を出したり、いろいろやれることはあると思います。

ノイハウス:何かのついでに服が買えるとお得感がありますよね。

鈴木:「ここで買えるんだ」ってブランドだと、ついつい買っちゃいますよね。

ノイハウス:コンビニの次の課題としては何が残っていますか?

鈴木:コンビニは元々、お店のスペースが限られているんですね。全部で4,000品目しか置く場所がないから、いかに限られたものにするかを考えないといけない。そうなると、ソックスを売るっていうのはすごく正しい。ワンサイズだから1つしか置かなくていいわけです。

サッシャ:1品だけど多くの人にリーチできるものですね。

鈴木:ファミマで売っている今治タオルの色が鮮やかになっているのって気付いています?

サッシャ:そうなんですか!?

鈴木:成功したなかで売り場に置けるものをどう増やしていくかをすごく考えているんですよね。そういうことをやっていくのがコンビニの課題ですね。

J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「SAISON CARD ON THE EDGE」では、毎回ニューノーマル時代のさまざまなエッジにフォーカスする。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。

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