音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
令和ギャルクルー・KissGelzがつくる東京カルチャー。好きなことを突き詰めて、新しいものを発信していきたい

令和ギャルクルー・KissGelzがつくる東京カルチャー。好きなことを突き詰めて、新しいものを発信していきたい

J-WAVEが共同プロデュースするオンラインマガジン「守破離 -SHUHARI-」。“守破離”とは剣道や茶道などの修業における段階を示したもの。「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。(※1)そんな“守破離”と“音”を切り口に人物のスタイルをリアルに掘り下げ、オリジナルインタビューをInstagramとJ-WAVE NEWSで配信していく。 (※1)引用:デジタル大辞泉「守破離」より

今回は、90’s~00’sカルチャーをこよなく愛する令和ギャル、MANON、Dan、Kanoによるカルチャークルー・KissGelz。音楽、アート、スタイリング、モデルなど、企画から表現までを自らおこなう彼女らに、活動のはじまりや影響を受けたカルチャー、これまでの道のり、そして今後の思いについて訊いた。

KissGelzのこれまでとこれから。それぞれの「守破離」をインタビュー

──自己紹介お願いします。

MANON:MANONです。東京に住みながらアーティスト活動をしています。

Dan:Danです。クリエイティブディレクター、映像、グラフィックデザイン…色々やってます。

Kano:ロジャース歌乃です。大学に通いながら、モデルと3Dクリエイターをやっています。
202211182.jpg

Photo by MIYO

──みなさんのキャリアのスタートを教えてください。また、影響を受けたものや活動のきっかけとなったものはありますか?

MANON:中学1年生くらいの頃、きゃりーぱみゅぱみゅさんに憧れて事務所ASOBISYSTEMに入りました。当時は地元の福岡に住みながらモデル活動をたまにしていましたが、とにかくきゃりーさんが神!って思っていたので、ずっと音楽をやりたかったんです。17歳で上京して、やっと自分でも作ってアーティスト活動ができるようになりました。

Dan:色々やってますけど、私のキャリアは映像がスタートでした。そのあと雑誌「NYLON」のレイアウトがきっかけでデザインもしたり、アーティストと関わりが増えてMV監督をするようになったり、色々しているうちにスタイリングまで自分で全部できるようになって、気が付いたらなんでも屋さんになっちゃいました。何してる人ですか?ってよく聞かれるんですけど、お願いされたら何でもやります。 私の家庭は昔からすごい厳しくて…高校生の頃は門限が18時とかだったかな。夜はどこにも遊びにいけないし、友達もあんまりいなかったからとにかく家にいる時間が長くて、近所のビデオレンタルショップでDVDを借りてよく映画を見てました。そんな中、高校2年生の頃に映画「タイタニック」を見て、悲しい物語をこんなにも美しく表現して、1997年につくられた作品が約20年の時を経て人の心を揺さぶることができるんだ、と思ってめちゃめちゃ感動したんです。そこから映像の世界に魅了されて、自分もやってみようと始めました。

MANON:Danちゃんのことは昔からInstagramで活動を見ていたので、はじめは趣味で作っていたものがだんだんお仕事になっているのを見ていて、私もめっちゃうれしい。すごい!

Kano:DJを始めたきっかけは、自分たちのイベントですね。事務所がたまたま一緒の私たち3人が仲良くなって、ティーンエイジャーが集まる面白いことを東京でやりたいよねって話してて。3人でギャルサーみたいなグループをつくってDJして、イベントやろうってなりました。3Dアートは、YouTubeで動画をみてはじめたのがきっかけです。昔からフィギュアとかぬいぐるみがめっちゃ好きでつくる動画をYouTubeで見まくってたら、3DやCG制作のチュートリアル動画がおすすめにたくさん出てくるようになって。見てるうちに私もできそうだなと思ってBlender(※1)をダウンロードしてみたら、作るのが楽しくてどんどんハマっていきました。 特別なロールモデルはいないんですが、毎日関わってくれてる友達や、見てるアニメ、触れているカルチャーすべてに日々影響を受けているなと感じます。

(※1)Blender
3DCGアニメーションを作成するための統合環境アプリケーション。
202211183.jpg

Photo by Miki Anzai (Showcase)

──自分のスタイルはどのように確立していったのですか?今後やりたいことは?

MANON:アーティスト活動を始めた頃はすごい恥ずかしがり屋で、ライブの度にどうしたらいいかわからなくなっちゃって、ステージに立つのが苦手でした。そんな中、高校生のときゆるふわギャング(※2)のライブを見てNENEさんのパワフルなパフォーマンスにめちゃめちゃ刺激を受けて、そこから「ライブは自分を解放するものなんだ」って考えるようになったんです。その後も悩んだりトライしたり試行錯誤していたんですが、もうひとつ大きな転機がありました。2021年に大阪で開催されたイベント「CIRCUS × CIRCUS」のアフターパーティーに出演したときに、ほぼ新曲でのパフォーマンスにチャレンジしたんです。お客さんも知らない曲でノッてもらえるかわからないし本番直前までずっと緊張してたんですけど、始まったらどこかで突然ふっ切れて自分が爆発できたんです。そしたらお客さんもめっちゃ盛り上がって。ライブを盛り上げるっていう感覚を掴めたというか、自分の殻を破れたなって思った瞬間でした。

あと東京に来てから、人との繋がりがすごく大切だなと感じています。先輩たちが若い人を引っ張ってくれる。例えば、オカモトレイジさんは有名人でキャリアもすごいのに私たちみたいに若いアーティストをイベントでフックアップしてくれたり。東京は都会だけど、福岡とは違う特別な繋がりがあるなって思いました。そんな先輩たちのおかげで今の私があるし、本当に感謝しています。私もそういう大人になりたいな。

Dan:映像づくりをはじめた頃はお金もなくてカメラも買えなかったし、個人的に好きな1950年代~2000年代あたりの音楽やVHSみたいな古い映画の質感を取り入れたくて、全部iPhoneで撮って、加工して、デザインまでしてたんです。当時はまだiPhoneが普及してなかったから全然受け入れてもらえなかったんですけど、今じゃiPhoneで撮影するのもスタンダードになってきましたよね。否定されて悔しい思いもしましたが、長年iPhoneで作業してきたおかげで何でもできるようになったしかなり極められたと思います(笑)今はカメラもPCもiPhoneも使って製作するようになりましたが、映像の技術は学びながらも初心は忘れず、ずっと好きで大切にしてきた「昔っぽさ」と私が感じてる令和の「今っぽさ」をうまく混ぜ合わせて自分らしさを出したいなと思っています。これからも自分のスタイルを出してもっと色々やりたいです。

Kano:私はとにかく日本、東京のカルチャーが大好き。小さい頃からこの街が本当に好きで、実は街づくりがしたくて建築家を目指していたんです。でも大学受験でうまくいかず諦めてしまったんですけど、いま自分がやっている「3Dアート」と「何か面白い企画をつくって発信する」ことが建築家としてやりたかったことに通じてるなって気が付いて。3Dアートでは、バーチャル上で自分の考えた立体物…大好きなフィギュアから建物、街までつくることもできる。さらにモデルやDJ活動で自分を表現したり、イベントを企画したり、東京のシーンに入り込めてるというかカルチャーをつくる一員になれてるなと思っています。当初の夢とは違う形だけど、好きな思いを大切にしながら色んなことに落とし込んで実現できているから、いますごい楽しい。これからも枠を広げて多様なカタチで東京のカルチャーを作っていきたいです。
202211184.jpg

Photo by Miki Anzai (Showcase)

「音」

──普段はどんな音楽を聴いていますか?

MANON:自分がつくっている音楽に似ているBPM早めの曲やハイパーポップ、エレクトロな曲を聴くことが多いですが、最近はビジュアル系にハマってます。 L'Arc〜en〜Ciel、黒夢、SHAZNAとかばっかり聴いています。

Dan:基本はジャンル問わず50年代から90年代の音楽を幅広く聴きますが、特にUSのHIPHOPと韓国のHIPHOPを聴くことが多いです。

Kano:私もハイパーな曲がめっちゃ大好きでいつも聴いてます。でも最近はヒップホップの中にロックなバイブスがある曲がめっちゃかっこいいなって思ってます。

──最近ハマっている音楽は?

MANON:Fake Friends / MANON
10月14日に4ヶ⽉連続リリース第1弾の曲「Fake Friends」を公開しました。今まではポジティブでハッピーな毎日が楽しい!みたいな曲を書いてたんですけど、この曲はかなり内省的でダークな歌詞。だからといって暗い曲というわけではなくて、ネガティブな気持ちを捨てて自分で突き進む、強い気持ちが込められた曲になりました。「そういう歌詞を書けるようになったんだ」という驚きと自分の成長も感じられて、めっちゃ気に入ってます。 連続リリース第2弾以降も準備しているので、楽しみにしててください。



Dan:Picture in my mind / PinkPantheress
最近よく聴くのは、UKのシンガーPinkPantheress。UKカルチャーがとにかく大好きで、インディロックとか、ハイパーっぽい感じの曲を聴いてます。



Kano:TROLL ME / six impala × MANON
リリース前にこっそり聴かせてもらったときからずっと大好き。この前ライブで歌っているのを初めて聴いたら、もう歌…というより暴れてる!普段とは別人のMANONが本当にかっこよくて衝撃で、もっと好きになったな。



Interview:Gaku Jungnickel Edit / Text:Kana Shionoya

PROFILE

KissGelz.jpg
KissGelz
キスジェルズ。90’s〜00’sをこよなく愛する令和ギャル、MANON、Dan、Kanoによるクリエイティブクルー
Instagram

MANON
次世代カルチャーアイコンとの呼び声が高い、福岡県出身の20歳。dodo、LEX といった新鋭アーティストから、藤原ヒロシ、ケロ・ケロ・ボニト、最新作「TROLL ME」ではBring Me The HorizonのRemixで話題のプロデューサー集団six impalaなど、多岐のコラボも話題になってきたアーティスト活動、ストリートからモードまで着こなすモデル活動と、音楽・ファッションを横断した活躍で注目を集めている。
WEBInstagramTwitterTikTokYouTube

Dan
フィリピン×日本のダブル。中学生の時から動画制作やグラフィックデザインに携わりながら、モデルとして活動も行う。ブランドのPR動画やタレントのYouTube動画、フライヤーデザインまで幅広く手掛けるZ世代のクリエイター。最近では、アーティストコレクティブ『bala』としても活動中。
WEBInstagramTikTokYouTube

Kano
2002年生まれ、神奈川県横浜市出身の20歳。オーストラリアと日本のダブル、日本語と英語のバイリンガル。大学進学を機にモデル/タレントとしての活動を開始し、未経験ながらもアパレルブランドやファッション誌を中心に活躍中。また、ハンドメイドアクセサリーや3DCGの制作など、クリエイターとしての一面も持ち合わせる。 WEBInstagramTwitterTikTok

「守破離 -SHUHARI-」
ー師から学び、型を破り、確立するー
"守破離"を切り口に「人」のスタイルをリアルに掘り下げるオンラインマガジン
https://www.instagram.com/shuhari_official/

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン