J-WAVEが共同プロデュースするオンラインマガジン「守破離 -SHUHARI-」。“守破離”とは剣道や茶道などの修業における段階を示したもの。「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。(※1)
そんな“守破離”と“音”を切り口に人物のスタイルをリアルに掘り下げ、オリジナルインタビューをInstagramとJ-WAVE NEWSで配信していく。
(※1)引用:デジタル大辞泉「守破離」より
【過去の「守破離 -SHUHARI-」インタビュー】
6月30日(金)の第2回開催を目前に、キュレーターの松下マサナオと、前回の出演アーティストである日向秀和、類家心平、NAGAN SERVER、Nao Kawamuraのインタビューを通して「NON-SCRIPT=筋書きのない」魅力を紐解いていく。
──初回“NON-SCRIPT”のキャスティングはどのように決めたのですか?
松下マサナオ(以下、松下): 過去にTRUNK(HOTEL)で2回ほどラウンジセッションみたいなことをやったことがあり、そのつながりで企画・運営のめぐちゃんや横井くんと話していてこのイベントを立ち上げることになりました。「NON-SCRIPT=筋書きのない」をコンセプトに何かやりたいと声をかけてもらったので、はじめは2組のバンドとDJを基本的な座組で考えていました。
いろいろ考えている中で、まずは僕が所属しているバンドで担当して"NON-SCRIPT"の部分を表現したいと思いついたんです。それでインプロ/即興だけでやるバンド・HHMMでずっと一緒にやっているひなっち(日向秀和)に声をかけました。次にゲストを考えたときに、ここのラウンジにはトランペットの音が合うだろうなと思って、ひなっちと声を揃えて類家さん(類家心平)にお願いしよう! とご連絡をしました。でもこのメンバーだと渋谷っぽさがでないので、ラッパーのSERVER(NAGAN SERVER)に入ってもらいました。彼が渋谷感担当です(笑)
もう一組は僕らとの違いも出るように、歌物でポップだけど、最前線で色んな音楽を聴いていて音楽をやってるバンドを呼びたくて。最初はモノンクルが出演を予定していたのですが、ボーカルの沙良ちゃんが体調不良になっちゃって出演も断念せざるを得なくなってしまいました。 沙良ちゃん本人とも相談して、お互いが大好きなシンガーでこのイベントに呼びたい人……Naoちゃん(Nao Kawamura)にオファーしたら奇跡的にスケジュールが空いていて、急きょでしたが出演してくれることになりました。僕たちはみんなでBBQするくらい普段も仲いいんです。
──普段から親交のあるメンバーが集まったんですね。
松下:僕の家でよくいろんな友達を15~20人くらい集めてBBQやるんですよ。そこで会ったことのある人たちがたまたま多いですね。モノンクルの2人もそうだし。友達の延長線上で音楽があるし、音楽の延長線上で友達や先輩があると思っているので、みんなで山も行くし、キャンプも行く。
Nao Kawamura(以下、Nao): それこそ私のサポートメンバーでスーパーベーシストのシンくんと出会ったのも、マサナオさんの会でした。
松下: 確かに。いろんな人が友だち連れてきたりするから、俺の知らないやつが家に来てるときもある!(笑)
Nao: でも、なんかその感じがいいですよね。どういう人かわからない状態で仲よくするって、すごく仲よくなりやすいと思うんですよ。私は上下関係があんまり好きじゃなくて、マサナオさんはそういうのを一切持ってない。本当にフラットに接してくれて、人との付き合い方もお手本の先輩です。リスペクト。
NAGAN SERVER(以下、SERVER): セッションやライブ中にもそういう信頼感とかは関係しますよね。初めて出会った人でも、「この人の繋がりで集まったメンバーだったら大丈夫っしょ」みたいなのもやっぱありますね。だから今回も違和感も不安もなかったですね。
──即興のときはなにか準備するんですか?
SERVER: 何も決めない! なんか決めてやったら決まらないことがあるんですよ。決めてないほうがハマるときが僕は多いですね。
日向秀和(以下、日向): だからうまくいくときの達成感がすごい。
類家心平(以下、類家): 決まったフォーマットの仕事やバンドを普段はみんなそれぞれやっていて、そこでの経験はもちろん出るんですけど、それよりやっぱりその瞬発力がめちゃくちゃ大事で。なんかもう違う筋肉使ってる感じですね。
日向: だってすげえ腹減るもんね。
Nao: ボーカルだとなかなかフリーセッションみたいなのがないから、楽曲があって準備して、曲の中でフリーにやることが多いので、なんか全然違いますね。
類家: 僕たちのインプロビゼーションを、お客さんが楽しかったって思って帰ってもらえていたら嬉しいです。
松下: どうでもいいことをやっているようで、実は僕はちゃんと考えながらやっているので、インプロビゼーションではないのかも。ずっと作曲してるような気持ちでやっています。絶対にミスらないリハーサルみたいな。
SERVER: 声と楽器はまたちょっと違うかもしれないですね。僕はフレーズみたいな言葉が1個でもあったら、それが邪魔することになるので何も出なくなったりする。音楽に自然に反応して出た言葉のほうが絶対いいなって思っています。だからもうその日どんなフレーズ言ったかは覚えてない(笑)
松下: うちらは毎回録音してるんですよ。そのままいい箇所をリミックスしてる。
Nao: 私も今日やった新曲はセッションの中でできた曲なので、今みんなの話を聴いていてそういう作曲的なマインドはあるのかなと思いました。
──ご自身のスタイル、こだわりを教えてください。
松下: その場の空気によって変わるので、常に自分を変えて演奏しています。でも、やっぱり基本的に人はそんなに変わらないじゃないですか。それでも相手にフィットするものをできるだけ探して、 かつクリエイティブで、そこにステイするみたいな感じにできるようにどの現場でもトライしています。
日向: ちゃんと残せるといいなと思ってやっています。プリセッションってけっこう流れやすいというか、浅いセッションだとなんかダサくなっちゃったりとかするときもあるんですよね。だから「何もなかったじゃん」みたいな演奏にならないように、プリセッションの醍醐味である山あり谷ありの強弱を表現することにはすごいこだわっています。
SERVER: ファッションもステージで見られるシルエットも含めて自分自身だと思ってるので、毎回環境にあった服装をしたいこだわりもあります。 自分はウットベースを弾きながらラップをやってるんですけど、一番のルーツはラップなので、ベースを弾いてもラッパーの匂いは消さないってことを芯に持ってずっとやっています。……でも基本はほぼノリですね(笑)
──今回参加してみていかがでしたか?
類家: 僕は割とジャズのセッションみたいなものが多いんですけど、今回みたいにインプロビゼーションで、その場で出来上がったものを演奏するのがすごく好きで。みんなフリーで、お客さんが自由に聴いてくれているっていうのがすごく嬉しかったです。 ジャズクラブとかだと、やっぱりある程度のお金をいただいてしまうので……。でも僕らミュージシャンが自由にやっているものを、ふらっと来た人が生活やファッションの一部のように楽しんでくれて、食事と一緒にお酒飲んだり自由な気持ちで聴いてくれて。なんか今回の形がすごく嬉しいです。参加できてよかったです、ありがとうございます。
Nao: 今回はモノンクルの代打として出させていただいたんですけど、マサナオさんから3日前ぐらいに連絡があって、もう秒でやります! とお返事しました。TRUNK HOTELとは前から一緒にやりたいと思っていたのですごくいい機会でしたし、親交の深いマサナオさんとご一緒できて、本当にうれしかったです。
【前回の記事】TRUNK(HOTEL)で3/31に初開催。筋書きのない、台本のないライブイベント“NON-SCRIPT”に込められた思い
イベント概要
■日時:2023年6月30日(金)20:00 START
■会場:TRUNK(HOTEL) - TRUNK(LOUNGE)
■入場無料
■Curator:Masa Matsushita
■Artist:HIMI TRIO (HIMI(g,vo) / NAGAN SERVER(b) / Jackson(ds))
BALLHEAD (DRS / EPISTROPH / Table Beats)
Bad Trip Summer (Sara Wakui × Masa Matsushita)
■詳細:https://trunk-hotel.com/topics/article.html?id=653
「守破離 -SHUHARI-」
─師から学び、型を破り、確立する─
“守破離”を切り口に「人」のスタイルをリアルに掘り下げるオンラインマガジン
https://www.instagram.com/shuhari_official/
そんな“守破離”と“音”を切り口に人物のスタイルをリアルに掘り下げ、オリジナルインタビューをInstagramとJ-WAVE NEWSで配信していく。
(※1)引用:デジタル大辞泉「守破離」より
【過去の「守破離 -SHUHARI-」インタビュー】
守破離 -SHUHARI- × TRUNK(HOTEL) presents, “NON-SCRIPT”
新しい社会貢献<ソーシャライジング>「自分らしく無理せず等身大で社会的な目的を持って生活すること。」をコンセプトに発信を続ける、渋谷のブティックホテル『TRUNK(HOTEL) 』。2017 年の開業より多種多様なLIVE MUSIC イベントを実施し、これまでさまざまなアーティストと企画を重ねてきたTRUNK(HOTEL)が立ち上げた、新しいLIVE MUSIC イベント“NON-SCRIPT”。ドラマーの松下マサナオさんがキュレーターとなり、毎回異なるアーティストたちとのライブをお届けする。6月30日(金)の第2回開催を目前に、キュレーターの松下マサナオと、前回の出演アーティストである日向秀和、類家心平、NAGAN SERVER、Nao Kawamuraのインタビューを通して「NON-SCRIPT=筋書きのない」魅力を紐解いていく。
松下マサナオ(以下、松下): 過去にTRUNK(HOTEL)で2回ほどラウンジセッションみたいなことをやったことがあり、そのつながりで企画・運営のめぐちゃんや横井くんと話していてこのイベントを立ち上げることになりました。「NON-SCRIPT=筋書きのない」をコンセプトに何かやりたいと声をかけてもらったので、はじめは2組のバンドとDJを基本的な座組で考えていました。
いろいろ考えている中で、まずは僕が所属しているバンドで担当して"NON-SCRIPT"の部分を表現したいと思いついたんです。それでインプロ/即興だけでやるバンド・HHMMでずっと一緒にやっているひなっち(日向秀和)に声をかけました。次にゲストを考えたときに、ここのラウンジにはトランペットの音が合うだろうなと思って、ひなっちと声を揃えて類家さん(類家心平)にお願いしよう! とご連絡をしました。でもこのメンバーだと渋谷っぽさがでないので、ラッパーのSERVER(NAGAN SERVER)に入ってもらいました。彼が渋谷感担当です(笑)
もう一組は僕らとの違いも出るように、歌物でポップだけど、最前線で色んな音楽を聴いていて音楽をやってるバンドを呼びたくて。最初はモノンクルが出演を予定していたのですが、ボーカルの沙良ちゃんが体調不良になっちゃって出演も断念せざるを得なくなってしまいました。 沙良ちゃん本人とも相談して、お互いが大好きなシンガーでこのイベントに呼びたい人……Naoちゃん(Nao Kawamura)にオファーしたら奇跡的にスケジュールが空いていて、急きょでしたが出演してくれることになりました。僕たちはみんなでBBQするくらい普段も仲いいんです。
──普段から親交のあるメンバーが集まったんですね。
松下:僕の家でよくいろんな友達を15~20人くらい集めてBBQやるんですよ。そこで会ったことのある人たちがたまたま多いですね。モノンクルの2人もそうだし。友達の延長線上で音楽があるし、音楽の延長線上で友達や先輩があると思っているので、みんなで山も行くし、キャンプも行く。
Nao Kawamura(以下、Nao): それこそ私のサポートメンバーでスーパーベーシストのシンくんと出会ったのも、マサナオさんの会でした。
松下: 確かに。いろんな人が友だち連れてきたりするから、俺の知らないやつが家に来てるときもある!(笑)
Nao: でも、なんかその感じがいいですよね。どういう人かわからない状態で仲よくするって、すごく仲よくなりやすいと思うんですよ。私は上下関係があんまり好きじゃなくて、マサナオさんはそういうのを一切持ってない。本当にフラットに接してくれて、人との付き合い方もお手本の先輩です。リスペクト。
NAGAN SERVER(以下、SERVER): セッションやライブ中にもそういう信頼感とかは関係しますよね。初めて出会った人でも、「この人の繋がりで集まったメンバーだったら大丈夫っしょ」みたいなのもやっぱありますね。だから今回も違和感も不安もなかったですね。
SERVER: 何も決めない! なんか決めてやったら決まらないことがあるんですよ。決めてないほうがハマるときが僕は多いですね。
日向秀和(以下、日向): だからうまくいくときの達成感がすごい。
類家心平(以下、類家): 決まったフォーマットの仕事やバンドを普段はみんなそれぞれやっていて、そこでの経験はもちろん出るんですけど、それよりやっぱりその瞬発力がめちゃくちゃ大事で。なんかもう違う筋肉使ってる感じですね。
日向: だってすげえ腹減るもんね。
Nao: ボーカルだとなかなかフリーセッションみたいなのがないから、楽曲があって準備して、曲の中でフリーにやることが多いので、なんか全然違いますね。
類家: 僕たちのインプロビゼーションを、お客さんが楽しかったって思って帰ってもらえていたら嬉しいです。
松下: どうでもいいことをやっているようで、実は僕はちゃんと考えながらやっているので、インプロビゼーションではないのかも。ずっと作曲してるような気持ちでやっています。絶対にミスらないリハーサルみたいな。
SERVER: 声と楽器はまたちょっと違うかもしれないですね。僕はフレーズみたいな言葉が1個でもあったら、それが邪魔することになるので何も出なくなったりする。音楽に自然に反応して出た言葉のほうが絶対いいなって思っています。だからもうその日どんなフレーズ言ったかは覚えてない(笑)
松下: うちらは毎回録音してるんですよ。そのままいい箇所をリミックスしてる。
Nao: 私も今日やった新曲はセッションの中でできた曲なので、今みんなの話を聴いていてそういう作曲的なマインドはあるのかなと思いました。
松下: その場の空気によって変わるので、常に自分を変えて演奏しています。でも、やっぱり基本的に人はそんなに変わらないじゃないですか。それでも相手にフィットするものをできるだけ探して、 かつクリエイティブで、そこにステイするみたいな感じにできるようにどの現場でもトライしています。
日向: ちゃんと残せるといいなと思ってやっています。プリセッションってけっこう流れやすいというか、浅いセッションだとなんかダサくなっちゃったりとかするときもあるんですよね。だから「何もなかったじゃん」みたいな演奏にならないように、プリセッションの醍醐味である山あり谷ありの強弱を表現することにはすごいこだわっています。
SERVER: ファッションもステージで見られるシルエットも含めて自分自身だと思ってるので、毎回環境にあった服装をしたいこだわりもあります。 自分はウットベースを弾きながらラップをやってるんですけど、一番のルーツはラップなので、ベースを弾いてもラッパーの匂いは消さないってことを芯に持ってずっとやっています。……でも基本はほぼノリですね(笑)
──今回参加してみていかがでしたか?
類家: 僕は割とジャズのセッションみたいなものが多いんですけど、今回みたいにインプロビゼーションで、その場で出来上がったものを演奏するのがすごく好きで。みんなフリーで、お客さんが自由に聴いてくれているっていうのがすごく嬉しかったです。 ジャズクラブとかだと、やっぱりある程度のお金をいただいてしまうので……。でも僕らミュージシャンが自由にやっているものを、ふらっと来た人が生活やファッションの一部のように楽しんでくれて、食事と一緒にお酒飲んだり自由な気持ちで聴いてくれて。なんか今回の形がすごく嬉しいです。参加できてよかったです、ありがとうございます。
Nao: 今回はモノンクルの代打として出させていただいたんですけど、マサナオさんから3日前ぐらいに連絡があって、もう秒でやります! とお返事しました。TRUNK HOTELとは前から一緒にやりたいと思っていたのですごくいい機会でしたし、親交の深いマサナオさんとご一緒できて、本当にうれしかったです。
【前回の記事】TRUNK(HOTEL)で3/31に初開催。筋書きのない、台本のないライブイベント“NON-SCRIPT”に込められた思い
TRUNK(HOTEL) presents "NON-SCRIPT" vol.2
■日時:2023年6月30日(金)20:00 START
■会場:TRUNK(HOTEL) - TRUNK(LOUNGE)
■入場無料
■Curator:Masa Matsushita
■Artist:HIMI TRIO (HIMI(g,vo) / NAGAN SERVER(b) / Jackson(ds))
BALLHEAD (DRS / EPISTROPH / Table Beats)
Bad Trip Summer (Sara Wakui × Masa Matsushita)
■詳細:https://trunk-hotel.com/topics/article.html?id=653
「守破離 -SHUHARI-」
─師から学び、型を破り、確立する─
“守破離”を切り口に「人」のスタイルをリアルに掘り下げるオンラインマガジン
https://www.instagram.com/shuhari_official/
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