J-WAVEが共同プロデュースするオンラインマガジン「守破離 -SHUHARI-」。“守破離”とは剣道や茶道などの修業における段階を示したもの。「守」は、師や流派の教え、型、技を忠実に守り、確実に身につける段階。「破」は、他の師や流派の教えについても考え、良いものを取り入れ、心技を発展させる段階。「離」は、一つの流派から離れ、独自の新しいものを生み出し確立させる段階。(※1)
そんな“守破離”と“音”を切り口に人物のスタイルをリアルに掘り下げ、オリジナルインタビューをInstagramとJ-WAVE NEWSで配信していく。
(※1)引用:デジタル大辞泉「守破離」より
【過去の「守破離 -SHUHARI-」インタビュー】
【SHUHARI×ALLZ 連載企画】すべての記事はこちら
第3回は、SHOKIが兄と慕う美容師・kouseiとの対談企画。SHOKIが美容師人生の転機だったと語る、美容室・SHACHUでのkouseiとの出来事を振り返った。
──お二人の出会いは?
SHOKI:出会いは6年前の今頃でしょうか。僕がSHACHUに入社した当時の店長がkouseiさんでした。
kousei:僕はもともと大阪で美容師をやっていて、上京してSHACHUで働き始めたんです。25歳くらいで店長になった頃に、ちょうどSHOKIが入ってきました。
SHOKI:kouseiさんは本当にお兄ちゃんのような存在で、毎日営業後にご飯や飲みに連れて行ってくれました。そのなかで、僕の美容師人生のターニングポイントとなった出来事もありましたね。
アシスタント時代、なにも上手くいかない時期があったんです。カットモデルも全然呼べないし、お客さんがつかないから売り上げも伸びないし、Instagramのフォロワーも増えないし、働くのが楽しくなくなってしまって。kouseiさんは普段から僕のことをよく見てくれていたので、このままだとだめだと思ったのか、そのときも飲みに連れて行ってくれました。そこで「もう辞めるか」と聞かれて、「辞めたほうがいいかもしれないと思っています」と答えたら、紙とペンを渡されて、「絶対に達成できないと思う目標を書いて、3ヶ月間本気でやってみろ。達成できなかったらやめたらいい」と。最初に書いた目標は「そんなの誰にでも達成できるからやめろ」と言われたので、絶対に達成できない目標を書いてやろうと、最終的には「3ヶ月間でカットモデル100人、売り上げ100万円、フォロワー1万人」という目標を書きました。当時おそらく、カットモデルが月に5人くらい、自分についてくれたお客さんの売上が10万円くらい、Instagramのフォロワーが2000人くらいだったので、そんな僕が達成するのは100%不可能な目標だと思いましたね。
それまではオーナーのアシスタントをしていたのですが、次の日からkouseiさんのアシスタントにつくことになって、「3ヶ月間、面倒見るからがんばれよ」と言ってもらいました。そうしたら3ヶ月後、その3つの目標はすべて大幅にクリアできたんです。僕はそこで美容師を続けられると思えたので、そのきっかけをくれたkouseiさんには感謝してもしきれません。
kousei:SHOKIとはSHACHUのなかで一番一緒にいたので辛いことも楽しいことも全部共有していたと思うんですが、最も印象的な出来事というとその3ヶ月間のことだと思います。SHOKIが信頼してくれているのもわかっていたし、歳も近いし、きっと導いてあげられるという自信があったんでしょうね。でも個人的には、SHOKIが美容師を辞めようが、ほかのお店に行こうが、変わらず仲良くできるだろうからどうなってもいいと思っていたんですよ。ただ、今のままで辞められるのは嫌だという感覚があったので、やるだけやって無理だったら諦めがつくように、その提案をしました。僕でも難しいと思うような数字だったし、当時のSHOKIは本当に投げやりな感じで3ヶ月でその目標を達成できるような状態ではなかったんですが、クリアしたので「やったな」と思いましたね。
──その後、kouseiさんが独立されたことで、SHOKIさんがSHACHUの店長を引き継ぐことになったんですね。
kousei:僕が独立するにあたって、SHACHUの店長を引き継いでくれるのはSHOKIしかいないと思っていたので、話し合いをしました。
SHOKI:最初は店長になるイメージができなかったので、あまり乗り気ではありませんでした。僕は自由人なので、お店をまとめたり誰かの面倒を見たりする立場になることが想像できなかったんです。
kousei:僕ももともとは同じだったんですよ。トッププレイヤーでいたいから店長なんてやりたくなかった。お店をまとめることより自分の名前を売ることに興味がありました。でも店長にならざるを得なかったのでなってみたら、プラスなことも多くあって。SHOKIがゆくゆくは独立したいと考えているのも知っていたので、やったほうがいいと伝えました。
──そんなさまざまな出来事を経て、現在はお互いにどんな印象を持っていますか?
kousei:もともと、よくも悪くも人間らしい、というのがSHOKIの印象でした。嫌なことは嫌、楽しいことは楽しい、と、すごくわかりやすいんですよね。その印象は変わらず、今SHOKIの周りに業種を問わずさまざまな人がいるのは、SHOKIが素直だからだと思っています。素直な人の周りには人が集まりやすいですよね。あとは、本当になりたい自分になろうとする力が強い印象です。目標を達成するまでがむしゃらに食らいつくがめつさがありますね。
SHOKI:kouseiさんは昔も今も僕のなかでは変わらず、美容師としてはスーパースターであり、人としてはお兄ちゃん的な存在です。常にかっこいいと思わせてくれて、信頼できて、心を開ける、一番距離が近いお兄ちゃんですね。
kouseiさんとよくカラオケで歌った思い出の曲です。
Interview / Photo:Gaku Jungnickel
Text / Edit:Rana Hibi
美容師。28歳で独立、ALLZを立ち上げる。
26歳にしてSHACHU店長を任されたSHACHUの若き旗手。得意とする「ホワイトグレー」、「インナーカラー」や「裾カラー」などデザイン性の高いカラーリングがInstagramで話題になり、デビューから半年で売り上げを倍増させた実績を持つ実力派。デザイン性の高さや、お客様に寄り添う接客技術から芸能人やアーティストからの指名が急増中。昨今ではカラーだけでは無く、メンズのフェードカットなどの技術でも人気を博し、SHACHUでのメンズ指名率1位になるなど、常に進化し続ける次世代のオピニオンリーダーとして注目を集めている。
Instagram
kousei
ONYX【オニキス】代表
『live a colorful ~人生に彩りを~』をテーマに美容を通じて世の中に技術、情報を伝える集団ONYXを設立、代表を務める。
Instagram
「守破離 -SHUHARI-」
─師から学び、型を破り、確立する─
“守破離”を切り口に「人」のスタイルをリアルに掘り下げるオンラインマガジン
https://www.instagram.com/shuhari_official/
そんな“守破離”と“音”を切り口に人物のスタイルをリアルに掘り下げ、オリジナルインタビューをInstagramとJ-WAVE NEWSで配信していく。
(※1)引用:デジタル大辞泉「守破離」より
【過去の「守破離 -SHUHARI-」インタビュー】
守破離 -SHUHARI- × ALLZ 連載企画 vol.3
2023年3月、美容師のSHOKIが手掛ける美容室「ALLZ」(オルズ)が渋谷にオープンする。新たなキャリアの幕開けとなる渋谷の店舗を舞台に、鍵を受け取った入居初日から開店までを追う、守破離 -SHUHARI- × ALLZのコラボレーション連載がスタート。インタビューや対談など様々な企画で、独占取材を全8回に渡ってお届けする。【SHUHARI×ALLZ 連載企画】すべての記事はこちら
第3回は、SHOKIが兄と慕う美容師・kouseiとの対談企画。SHOKIが美容師人生の転機だったと語る、美容室・SHACHUでのkouseiとの出来事を振り返った。
──お二人の出会いは?
SHOKI:出会いは6年前の今頃でしょうか。僕がSHACHUに入社した当時の店長がkouseiさんでした。
kousei:僕はもともと大阪で美容師をやっていて、上京してSHACHUで働き始めたんです。25歳くらいで店長になった頃に、ちょうどSHOKIが入ってきました。
SHOKI:kouseiさんは本当にお兄ちゃんのような存在で、毎日営業後にご飯や飲みに連れて行ってくれました。そのなかで、僕の美容師人生のターニングポイントとなった出来事もありましたね。
アシスタント時代、なにも上手くいかない時期があったんです。カットモデルも全然呼べないし、お客さんがつかないから売り上げも伸びないし、Instagramのフォロワーも増えないし、働くのが楽しくなくなってしまって。kouseiさんは普段から僕のことをよく見てくれていたので、このままだとだめだと思ったのか、そのときも飲みに連れて行ってくれました。そこで「もう辞めるか」と聞かれて、「辞めたほうがいいかもしれないと思っています」と答えたら、紙とペンを渡されて、「絶対に達成できないと思う目標を書いて、3ヶ月間本気でやってみろ。達成できなかったらやめたらいい」と。最初に書いた目標は「そんなの誰にでも達成できるからやめろ」と言われたので、絶対に達成できない目標を書いてやろうと、最終的には「3ヶ月間でカットモデル100人、売り上げ100万円、フォロワー1万人」という目標を書きました。当時おそらく、カットモデルが月に5人くらい、自分についてくれたお客さんの売上が10万円くらい、Instagramのフォロワーが2000人くらいだったので、そんな僕が達成するのは100%不可能な目標だと思いましたね。
それまではオーナーのアシスタントをしていたのですが、次の日からkouseiさんのアシスタントにつくことになって、「3ヶ月間、面倒見るからがんばれよ」と言ってもらいました。そうしたら3ヶ月後、その3つの目標はすべて大幅にクリアできたんです。僕はそこで美容師を続けられると思えたので、そのきっかけをくれたkouseiさんには感謝してもしきれません。
kousei:SHOKIとはSHACHUのなかで一番一緒にいたので辛いことも楽しいことも全部共有していたと思うんですが、最も印象的な出来事というとその3ヶ月間のことだと思います。SHOKIが信頼してくれているのもわかっていたし、歳も近いし、きっと導いてあげられるという自信があったんでしょうね。でも個人的には、SHOKIが美容師を辞めようが、ほかのお店に行こうが、変わらず仲良くできるだろうからどうなってもいいと思っていたんですよ。ただ、今のままで辞められるのは嫌だという感覚があったので、やるだけやって無理だったら諦めがつくように、その提案をしました。僕でも難しいと思うような数字だったし、当時のSHOKIは本当に投げやりな感じで3ヶ月でその目標を達成できるような状態ではなかったんですが、クリアしたので「やったな」と思いましたね。
kousei:僕が独立するにあたって、SHACHUの店長を引き継いでくれるのはSHOKIしかいないと思っていたので、話し合いをしました。
SHOKI:最初は店長になるイメージができなかったので、あまり乗り気ではありませんでした。僕は自由人なので、お店をまとめたり誰かの面倒を見たりする立場になることが想像できなかったんです。
kousei:僕ももともとは同じだったんですよ。トッププレイヤーでいたいから店長なんてやりたくなかった。お店をまとめることより自分の名前を売ることに興味がありました。でも店長にならざるを得なかったのでなってみたら、プラスなことも多くあって。SHOKIがゆくゆくは独立したいと考えているのも知っていたので、やったほうがいいと伝えました。
──そんなさまざまな出来事を経て、現在はお互いにどんな印象を持っていますか?
kousei:もともと、よくも悪くも人間らしい、というのがSHOKIの印象でした。嫌なことは嫌、楽しいことは楽しい、と、すごくわかりやすいんですよね。その印象は変わらず、今SHOKIの周りに業種を問わずさまざまな人がいるのは、SHOKIが素直だからだと思っています。素直な人の周りには人が集まりやすいですよね。あとは、本当になりたい自分になろうとする力が強い印象です。目標を達成するまでがむしゃらに食らいつくがめつさがありますね。
SHOKI:kouseiさんは昔も今も僕のなかでは変わらず、美容師としてはスーパースターであり、人としてはお兄ちゃん的な存在です。常にかっこいいと思わせてくれて、信頼できて、心を開ける、一番距離が近いお兄ちゃんですね。
「音」
ケツメイシ「仲間」kouseiさんとよくカラオケで歌った思い出の曲です。
Interview / Photo:Gaku Jungnickel
Text / Edit:Rana Hibi
PROFILE
SHOKI26歳にしてSHACHU店長を任されたSHACHUの若き旗手。得意とする「ホワイトグレー」、「インナーカラー」や「裾カラー」などデザイン性の高いカラーリングがInstagramで話題になり、デビューから半年で売り上げを倍増させた実績を持つ実力派。デザイン性の高さや、お客様に寄り添う接客技術から芸能人やアーティストからの指名が急増中。昨今ではカラーだけでは無く、メンズのフェードカットなどの技術でも人気を博し、SHACHUでのメンズ指名率1位になるなど、常に進化し続ける次世代のオピニオンリーダーとして注目を集めている。
kousei
『live a colorful ~人生に彩りを~』をテーマに美容を通じて世の中に技術、情報を伝える集団ONYXを設立、代表を務める。
「守破離 -SHUHARI-」
─師から学び、型を破り、確立する─
“守破離”を切り口に「人」のスタイルをリアルに掘り下げるオンラインマガジン
https://www.instagram.com/shuhari_official/
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