声優の江口拓也が作家の燃え殻と仕事、そしてそこから生まれる友情などを語り合った。
江口が登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『BEFORE DAWN』(ナビゲーター:燃え殻)。オンエアは6月21日(火)。江口は前週に引き続き燃え殻とトークを繰り広げた。
【前回記事】声優・江口拓也、27歳の頃を振り返る。心の中で続いた“チキンレース”とは
江口:これもまた特殊なお仕事なんですけれども。
燃え殻:特殊なお仕事多いですよね。
江口:TOKYO MXさんでレギュラー番組を一時期持ってまして。事務所の後輩の西山宏太朗と2人でメインのMCをして、ゲスト声優さんをお招きしながらいろいろなところを旅するという。声優なんですけど実写番組です。
燃え殻:みんな出てるのね。
江口:みんな出ています。
燃え殻:不思議な。
江口:「正気か」って思いましたけど(笑)。我々が旅をしている映像を大画面で観ていただけるというね。
燃え殻:いやあ……捨てるところがないですね(笑)。
江口:(笑)。しかも僕の基本コンセプトが「あんまり頑張りたくない」なので。
燃え殻:ずっと頑張ってるじゃない(笑)。
江口:仕事は頑張るんですけど、本業以外のところとか。たとえば「運動系で体を張ります」みたいなのはやりたくないなと。
燃え殻:YouTubeとかでもそんなに頑張らないものね。観てます。
江口:ありがとうございます(笑)。だから「飲み食いしたい」。
燃え殻:(笑)。
江口:旅番組でもずっと飲み食いしていたい、最後ベロベロになってもいいじゃないかと。それぐらいの気持ちで作れるんだったらやります。
燃え殻:それが観られるんですね、大画面で飲み食いして。
江口:朝から晩まで飲んでますね。
燃え殻:本当? それはちょっと楽しみだな。
燃え殻はふと旅に出かけることがあるそうで「なんとなく東京とか仕事から物理的に距離をとる」ことでストレス発散をしていることを明かした。しかし江口はなかなか旅をするようなスケジュールは作れないという。
燃え殻:「2日休み」とかいうのは大体ないですか?
江口:連続で休める日はあっても年末年始ぐらいですね。
燃え殻:まあでもそれでやってきたんだものね。
江口:それぐらいが僕の精神衛生上はいいのかもしれないですね。
燃え殻:どういう感じで自分のバランスというか、精神や体力も含めて鎮静させたりしているの?
江口:合間の時間を使うのがうまいかもしれないですね。たとえば次の現場までの時間が3時間あるんだったら、もう一旦家に帰って1時間ぐらいソファーで寝たりとか。
燃え殻:なるほど。
江口:1日あたりの睡眠時間をそれでプラスアルファ補って、仕事が終わったら夜飲みに行って、そのあと寝てみたいな。
燃え殻:そこでバランスをとっているんだ。家に1回帰ったりするんだ。
江口:帰りますね。無理矢理にでも帰ってリラックスしたりします。
江口:ものに囲まれていると安心感があって。
燃え殻:落ち着く?
江口:雑多なほうが落ちつきます。それも天邪鬼からきているんですけど「部屋の乱れは心の乱れ」みたいなことを言うじゃないですか。
燃え殻:言いますね。
江口:「それでリラックスしているやつもいるぞ」ということを証明したくて。もう乱れているリズムで生きてるから(笑)。逆に部屋が乱れることによって整うんじゃないかと。
燃え殻:トントンなんじゃないかみたいな(笑)。
江口:マイナスとマイナスでかけ算したらプラスになるんじゃないか、みたいな。いままではそのリズムで生きてこられたんです。だけど意外と最近は仕事もある程度、自分のなかで整えられるようになってきたなと思ったので、部屋も整えるかと思って。
江口は引っ越しのときに荷造りをすると「2トントラック3台分」という驚きの物量になったことを告白。そのなかには10年間開けていない段ボールもあったという。
燃え殻:なにが入っていたんですか?
江口:僕が駆け出しのころのメモ帳とか。
燃え殻:それ逆に捨てないほうがいいよ。
江口:見たら一生懸命メモが書いてあるわけですよ、現場で言われたダメ出しとか「こうしたほうがいい」とか。
燃え殻:改善しようと。
江口:意外と頑張っていて。そのとき「こういうことができない、悔しい」みたいな一言が書いてあるんですけど「ああ、これはいま余裕でできるわ」みたいな。だからあのときの江口青年がこうやって書いて頑張ってくれたから、いま自分が楽できているんだなと思って。
燃え殻:これは自分の偏見かもしれないんだけど、社会人になって本当の意味で友だちになるのって一緒に仕事をするってことだなと思っていて。それができてよかったなと思ったんです。あとまた江口くんと一緒に仕事ができるには、お互いこういう仕事だから頑張らなきゃいけないじゃない?
江口:はい(笑)。
燃え殻:それが「いいチキンレース」にいまなっていて。だからこのあいだ飲んだときも一緒に話していたけど「なんかまた仕事したいよね」っていうことを言いつつ、それが重いのはお互いにわかってるじゃない?
江口:そうですね(笑)。
燃え殻:これは大変だと(笑)。
江口:僕もそう言っていただけるのはうれしいし、それこそ自分も常に上を目指して頑張っていかないいけない、そう言ってもらうのに値する人間になっていなきゃな、と思うので。
燃え殻:僕もですよ。
江口:それはやっぱり頑張りがいがあるなというか。燃え殻さんの世代というか、そういうクリエイティブな世代の方々の寛容さというかね。ある意味Twitterで関わった僕に「飲みに行こうよ」とか「楽しいじゃん」とか、ある意味フランクにしゃべってくれるというのがすごくうれしくて。そういう受け皿がないと、そもそも接点がね。「気軽に誘っていいのかな?」とかこちらのいろいろな思いを包み込んでくれる感じがして。
燃え殻:いろいろな人たちと、「こういう風なところでいま頑張っているんだ」とか「じゃあ一緒にこれはできるんじゃない?」ということを考えたりするのが楽しくて。
どんな仕事でもチームで作るものだと思っているという燃え殻は「1人でなにかを」よりも、さまざまな人たちと一緒にものづくりをするほうが好みだと明かした。
燃え殻:同業者だけじゃなくて、江口くんだったりとか役者さんだったりとか、映画監督の方だったりとか、そういう人たちからもいろいろなアドバイスとか「こういう風にしてものを作っている」というのをもらいながらやるというのが、僕の好きな制作の仕方なんだなと、夜飲みながらも含めてだけど学んだ気がする。やっと見つけられてきた気がするから。
江口:ある意味人情的な部分というか、どうしても仕事ってプロジェクトのなかで役職だったりとか、やらなきゃいけないこととかがあって。気を使ったりとか気を張ったりとか、そういうせめぎ合いみたいなものがあると思うんです、緊1張感とか。でもいい意味でのいい緊張だけを残して「考えなくてもいい緊張」みたいなものをどれだけ排除するか。みたいなところはいいものを作っていくうえでは重要だなとは思うんです。そういった意味ではチームを作るという作業というのが一番ですよね。自分のパフォーマンスを最大限に発揮できるようなチームを見つけられるかというか。一緒に作っていけるかみたいな。
燃え殻:本当にそうだと思う。あとは信頼関係というか。江口くんがそこでナレーションをしてくれるんだったら、もうそれでOKというような。そこには絶対的信頼があるというか。そういうような形でチームを組んでいくと、みんなストレスができる限り少なくなっていいものができるというのが、僕は実体験としてあるんです。それを繰り返せば繰り返すほどお互いが理解できるじゃない? それがいい気がするんですよね。それでたまには飲みつつ(笑)。
江口:そうですね(笑)。
燃え殻:それでお互いの情報交換をしながらのぞむと、さらにいいものができるというか。そういう関わり方が、僕はものを書くようになってなにかを発信するときに、そういう仲間の人たちとパーティを組めるようになったのがここ数年で一番楽しいことかもしれない。なによりも楽しいというのがあるので、これからもよろしくお願いします。
江口:こちらこそでございます。
燃え殻:2週にわたって江口さん、ありがとうございます。続きはどこかの飲み屋で(笑)。
江口:やっていることでしょう(笑)。
燃え殻:この2回の放送でしゃべったことって、案外本当にバーの延長線上だな、みたいな。
江口:案外じゃなくて、お互いバーでバーテンの人とかがみんな引くぐらい、すげえちゃんとした話しているよね(笑)。
燃え殻:(笑)。
江口の最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。
小説家・燃え殻による、東京の真夜中に綴るトークラジオ『BEFORE DAWN』の放送は毎週火曜日の26時から。
江口が登場したのはJ-WAVEで放送中の番組『BEFORE DAWN』(ナビゲーター:燃え殻)。オンエアは6月21日(火)。江口は前週に引き続き燃え殻とトークを繰り広げた。
【前回記事】声優・江口拓也、27歳の頃を振り返る。心の中で続いた“チキンレース”とは
旅番組が映画化
冒頭では8月26日(金)にBlu-rayがリリースされる、江口の出演した劇場版『江口拓也の俺たちだって癒されたい!~和歌山の旅~』の話題に。江口:これもまた特殊なお仕事なんですけれども。
燃え殻:特殊なお仕事多いですよね。
江口:TOKYO MXさんでレギュラー番組を一時期持ってまして。事務所の後輩の西山宏太朗と2人でメインのMCをして、ゲスト声優さんをお招きしながらいろいろなところを旅するという。声優なんですけど実写番組です。
燃え殻:みんな出てるのね。
江口:みんな出ています。
燃え殻:不思議な。
江口:「正気か」って思いましたけど(笑)。我々が旅をしている映像を大画面で観ていただけるというね。
燃え殻:いやあ……捨てるところがないですね(笑)。
江口:(笑)。しかも僕の基本コンセプトが「あんまり頑張りたくない」なので。
燃え殻:ずっと頑張ってるじゃない(笑)。
江口:仕事は頑張るんですけど、本業以外のところとか。たとえば「運動系で体を張ります」みたいなのはやりたくないなと。
燃え殻:YouTubeとかでもそんなに頑張らないものね。観てます。
江口:ありがとうございます(笑)。だから「飲み食いしたい」。
燃え殻:(笑)。
江口:旅番組でもずっと飲み食いしていたい、最後ベロベロになってもいいじゃないかと。それぐらいの気持ちで作れるんだったらやります。
燃え殻:それが観られるんですね、大画面で飲み食いして。
江口:朝から晩まで飲んでますね。
燃え殻:本当? それはちょっと楽しみだな。
燃え殻はふと旅に出かけることがあるそうで「なんとなく東京とか仕事から物理的に距離をとる」ことでストレス発散をしていることを明かした。しかし江口はなかなか旅をするようなスケジュールは作れないという。
燃え殻:「2日休み」とかいうのは大体ないですか?
江口:連続で休める日はあっても年末年始ぐらいですね。
燃え殻:まあでもそれでやってきたんだものね。
江口:それぐらいが僕の精神衛生上はいいのかもしれないですね。
燃え殻:どういう感じで自分のバランスというか、精神や体力も含めて鎮静させたりしているの?
江口:合間の時間を使うのがうまいかもしれないですね。たとえば次の現場までの時間が3時間あるんだったら、もう一旦家に帰って1時間ぐらいソファーで寝たりとか。
燃え殻:なるほど。
江口:1日あたりの睡眠時間をそれでプラスアルファ補って、仕事が終わったら夜飲みに行って、そのあと寝てみたいな。
燃え殻:そこでバランスをとっているんだ。家に1回帰ったりするんだ。
江口:帰りますね。無理矢理にでも帰ってリラックスしたりします。
駆け出しのころのメモ
最近引っ越しをしたという江口は「ものを極力なくそう」という目標のもと私物を整理。理由にはライフスタイルの変化があるという。江口:ものに囲まれていると安心感があって。
燃え殻:落ち着く?
江口:雑多なほうが落ちつきます。それも天邪鬼からきているんですけど「部屋の乱れは心の乱れ」みたいなことを言うじゃないですか。
燃え殻:言いますね。
江口:「それでリラックスしているやつもいるぞ」ということを証明したくて。もう乱れているリズムで生きてるから(笑)。逆に部屋が乱れることによって整うんじゃないかと。
燃え殻:トントンなんじゃないかみたいな(笑)。
江口:マイナスとマイナスでかけ算したらプラスになるんじゃないか、みたいな。いままではそのリズムで生きてこられたんです。だけど意外と最近は仕事もある程度、自分のなかで整えられるようになってきたなと思ったので、部屋も整えるかと思って。
江口は引っ越しのときに荷造りをすると「2トントラック3台分」という驚きの物量になったことを告白。そのなかには10年間開けていない段ボールもあったという。
燃え殻:なにが入っていたんですか?
江口:僕が駆け出しのころのメモ帳とか。
燃え殻:それ逆に捨てないほうがいいよ。
江口:見たら一生懸命メモが書いてあるわけですよ、現場で言われたダメ出しとか「こうしたほうがいい」とか。
燃え殻:改善しようと。
江口:意外と頑張っていて。そのとき「こういうことができない、悔しい」みたいな一言が書いてあるんですけど「ああ、これはいま余裕でできるわ」みたいな。だからあのときの江口青年がこうやって書いて頑張ってくれたから、いま自分が楽できているんだなと思って。
「いいチキンレース」が活力に
燃え殻の作品『これはただの夏』のPVでは江口がモノローグと小説内の会話を朗読したこともあり、燃え殻は仕事から生まれる友情について語った。燃え殻:これは自分の偏見かもしれないんだけど、社会人になって本当の意味で友だちになるのって一緒に仕事をするってことだなと思っていて。それができてよかったなと思ったんです。あとまた江口くんと一緒に仕事ができるには、お互いこういう仕事だから頑張らなきゃいけないじゃない?
江口:はい(笑)。
燃え殻:それが「いいチキンレース」にいまなっていて。だからこのあいだ飲んだときも一緒に話していたけど「なんかまた仕事したいよね」っていうことを言いつつ、それが重いのはお互いにわかってるじゃない?
江口:そうですね(笑)。
燃え殻:これは大変だと(笑)。
江口:僕もそう言っていただけるのはうれしいし、それこそ自分も常に上を目指して頑張っていかないいけない、そう言ってもらうのに値する人間になっていなきゃな、と思うので。
燃え殻:僕もですよ。
江口:それはやっぱり頑張りがいがあるなというか。燃え殻さんの世代というか、そういうクリエイティブな世代の方々の寛容さというかね。ある意味Twitterで関わった僕に「飲みに行こうよ」とか「楽しいじゃん」とか、ある意味フランクにしゃべってくれるというのがすごくうれしくて。そういう受け皿がないと、そもそも接点がね。「気軽に誘っていいのかな?」とかこちらのいろいろな思いを包み込んでくれる感じがして。
燃え殻:いろいろな人たちと、「こういう風なところでいま頑張っているんだ」とか「じゃあ一緒にこれはできるんじゃない?」ということを考えたりするのが楽しくて。
どんな仕事でもチームで作るものだと思っているという燃え殻は「1人でなにかを」よりも、さまざまな人たちと一緒にものづくりをするほうが好みだと明かした。
燃え殻:同業者だけじゃなくて、江口くんだったりとか役者さんだったりとか、映画監督の方だったりとか、そういう人たちからもいろいろなアドバイスとか「こういう風にしてものを作っている」というのをもらいながらやるというのが、僕の好きな制作の仕方なんだなと、夜飲みながらも含めてだけど学んだ気がする。やっと見つけられてきた気がするから。
江口:ある意味人情的な部分というか、どうしても仕事ってプロジェクトのなかで役職だったりとか、やらなきゃいけないこととかがあって。気を使ったりとか気を張ったりとか、そういうせめぎ合いみたいなものがあると思うんです、緊1張感とか。でもいい意味でのいい緊張だけを残して「考えなくてもいい緊張」みたいなものをどれだけ排除するか。みたいなところはいいものを作っていくうえでは重要だなとは思うんです。そういった意味ではチームを作るという作業というのが一番ですよね。自分のパフォーマンスを最大限に発揮できるようなチームを見つけられるかというか。一緒に作っていけるかみたいな。
燃え殻:本当にそうだと思う。あとは信頼関係というか。江口くんがそこでナレーションをしてくれるんだったら、もうそれでOKというような。そこには絶対的信頼があるというか。そういうような形でチームを組んでいくと、みんなストレスができる限り少なくなっていいものができるというのが、僕は実体験としてあるんです。それを繰り返せば繰り返すほどお互いが理解できるじゃない? それがいい気がするんですよね。それでたまには飲みつつ(笑)。
江口:そうですね(笑)。
燃え殻:それでお互いの情報交換をしながらのぞむと、さらにいいものができるというか。そういう関わり方が、僕はものを書くようになってなにかを発信するときに、そういう仲間の人たちとパーティを組めるようになったのがここ数年で一番楽しいことかもしれない。なによりも楽しいというのがあるので、これからもよろしくお願いします。
江口:こちらこそでございます。
燃え殻:2週にわたって江口さん、ありがとうございます。続きはどこかの飲み屋で(笑)。
江口:やっていることでしょう(笑)。
燃え殻:この2回の放送でしゃべったことって、案外本当にバーの延長線上だな、みたいな。
江口:案外じゃなくて、お互いバーでバーテンの人とかがみんな引くぐらい、すげえちゃんとした話しているよね(笑)。
燃え殻:(笑)。
江口の最新情報は、公式サイトまたは、Twitterまで。
小説家・燃え殻による、東京の真夜中に綴るトークラジオ『BEFORE DAWN』の放送は毎週火曜日の26時から。
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