音楽、映画、エンタメ「ここだけの話」
性被害に遭ったら、どうすればいいのか。専門家による正しい情報を発信する「mimosas」

性被害に遭ったら、どうすればいいのか。専門家による正しい情報を発信する「mimosas」

臨床心理士で公認心理師のみたらし加奈が、NPO法人「mimosas」の活動内容を語り、くつろぎ時間に聴きたい音楽を紹介した。

みたらし加奈が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『START LINE』(ナビゲーター:長谷川ミラ)のワンコーナー「CITROËN AWESOME COLORS」。ここでは、3月4日(金)のオンエアをテキストで紹介する。

メンタルヘルスやLGBTQについての情報をSNSで発信

みたらし加奈は、大学院で臨床心理学の修士課程を修了。総合病院の精神科に勤務したのち、ハワイへ留学。帰国後、国際心理支援協会でカウンセラーとして活動しつつ、SNSを通してメンタルヘルスやLGBTQについてのメッセージを発信している。臨床心理士・公認心理師のほかに NPO法人「mimosas」の副理事や作家、コメンテーターとしても活躍している。2021年12月には著書『テイラー 声をさがす物語』(ハガツサブックス)を出版した。

そんなみたらし加奈が、SNSで自身のメッセージを発信するようになった転機を振り返った。

みたらし:大学の総合病院で働いているとき、重症化してから来る患者さんが本当に多かったんですね。精神疾患も体の疾患と同じで、早く治療に繋がれば繋がるほど、その後の経過がよくなっていくんです。でもそれってあまり知られていないんですよね。心療内科とか精神病院、精神疾患への偏見があると、なかなか(医療機関に)繋がりにくい現実があります。自分には何ができるのかなって考えたんですけど、「一番しんどいときってベッドから出られないよな」と思ったんですね。

長谷川:うんうん。

みたらし:ずっとスマホをいじっちゃったり、1人で閉じこもっちゃったりしている人には、玄関から出て病院に行くのはすごくハードルが高いんですよ。ちょっと元気になったら医療機関に繋がってほしいなって思いと、それまでの橋渡しとしてSNSを活用できればと考えて発信を始めました。

長谷川:たしかに精神的につらい状態だと、「我慢しなきゃいけない」「まだまだ大丈夫」って自分の心に蓋をしちゃいがちですよね。そういうときにSNSがあると助けになるなと思いました。

みたらし:自分だけではわかんないこともいっぱいあると思うので、私のページが何かのきっかけになれたらいいなと思って始めました。

SNSを使用する上で気を付けていることは?

みたらし加奈は、同性パートナーである美樹との等身大の暮らしを発信するYouTubeチャンネル「わがしChannel」を運営している。

【レズビアンカップル】付き合ってもうすぐ3年!YouTube始めました!

みたらし:最初は思い出づくりとして始めたんですけども、同性カップルがいるだけで、なぜか“社会的意義”が伴ってしまっている現状があるんですね。何も考えずに始めたものでしたが、「観ていて自分の偏見に気付けました」みたいなお言葉をいただいたんです。動画にいろんな意味が見出され始めたときに、「これは意味があることなんだ」って改めてわかりました。だから日常を発信し続けることも意味になっていくんだなと思って続けています。

長谷川:みたらしさんのSNSを見ていると、すごくプライベートなところと専門性があるところ、両方ありますよね。発信する際に注意していることはありますか?

みたらし:「感覚を変えていく」というか、いろんなタネがあっていいと思っているんです。どのタネがどの人に刺さって、どこから芽が生えてくるかはわからないんですよね。どこかの部分が誰かのロールモデルになるかもしれないし、救いにはならないかもしれないけれど明日を生きる活力になるかもしれない。ですから、アプローチ方法を変えていくのはけっこう意識しています。

NPO法人「mimosas」設立エピソード

みたらし加奈は、「mimosas」の副理事を務めている。性被害についての「必要な正しい情報」を発信するメディアだ。

みたらし:「mimosas」は臨床心理士、公認心理師、弁護士などの専門家と一緒に「性暴力被害に遭ったときにどうすればいいのか」「被害に遭ったときに頼れる場所はどこなのか」といった情報や性的同意に関する情報発信をInstagram中心におこなっているメディアです。

「mimosas」を立ち上げたきっかけは、代表理事を務める疋田シェン万理のもとに一通のメッセージが届いたことだったという。

みたらし:「ネットにはいろんな情報が転がっているけども、性被害に遭ったとき自分に合った情報や必要なことをどうやって調べたらいいかわからない。エビデンスのある安心な情報が集約されたサイトが必要ではないか」といった内容でした。そのあと、疋田のほうから私に「どう思う? 私は必要だと思う」と電話が急にかかってきたんですね。

ここでみたらし加奈は、自身も“性暴力サバイバー”であることを明かした。

みたらし:自分が性暴力に遭ったかどうかって、知識がないと案外わかんなかったりするんですね。臨床心理学の大学院に行って初めて「性的虐待だったんだ」と気付きました。知識がないと、そもそも自分が加害行為を受けているかどうかすらわからない。そういう人って世の中にはたくさんいるんです。なおかつ「性暴力に対してどうケアをしていいのかわからない」「どこに相談すればいいのかわからない」といった方もたくさんいると考えたときに、必要だと感じたので「mimosas」を疋田と立ち上げました。

くつろぎ時間に聴きたい楽曲は?

「CITROËN AWESOME COLORS」では、ゲストに「くつろぎ時間の過ごし方」を訊く。みたらし加奈は「くつろぎ時間に聴きたい曲」として宇多田ヒカル『BADモード』をあげた。

宇多田ヒカル『BADモード』

みたらし:歌詞のなかに精神科で出る薬の名前が含まれているんですよ。

長谷川:へええ!

みたらし:大事な人やそばにいる人をサポートしていく曲だと思うんですけど、「私はここにいるよ」「あなたにとって私はこういう存在だよ」と歌っている曲だなと感じました。

人に寄り添っている曲のタイトルが『BADモード』である点も好きだとみたらし加奈は語る。

みたらし:ポジティブなときだけじゃなく、ネガティブなBADモードのときもそばにいるよってメッセージが曲に込められていて、すごくいいなと思ったので選びました。

『START LINE』のワンコーナー「CITROËN AWESOME COLORS」では、自分らしく輝くあの人のストーリーをお届け。放送は毎週金曜日の18時10分から。

この記事の続きを読むには、
以下から登録/ログインをしてください。

  • 新規登録簡単30
  • J-meアカウントでログイン
  • メールアドレスでログイン
番組情報
START LINE
毎週金曜
16:30-20:00