作家・羽田圭介が、ポーランドで直面したトラブルについて語った。
羽田が登場したのは、ゲストに様々な国での旅の思い出を聞く、J-WAVEで放送中の番組『ANA WORLD AIR CURRENT』(ナビゲーター:葉加瀬太郎)。オンエアは1月29日(土)。
テレビのロケでポーランドを訪れた羽田は、思わぬハプニングに遭遇したという。
羽田:4ヵ国連続で行くテレビの仕事があり、ポーランドとチェコの国境近くの街に行ったりしましたね。
葉加瀬:ポーランドで何かありました?
羽田:ハプニングがありました(笑)。街の酒屋の店主が町長だか何だかの偉い人で、「俺が街を案内してあげるよ」って言ってくれたんですね。
車に乗せられて到着した場所は、国営の炭鉱だったそうだ。
羽田:(炭鉱は)だだっ広い敷地にクレーターのような穴が掘られていたんですけど、そこへは入っちゃいけないようなところから行ったんですよ。
葉加瀬:なるほど。
羽田:立ち入り禁止って書いてあったんですけど、おじさんが「いいんだよ、俺に任せておけ! ここからの見晴らしがいいんだ」って案内されました。炭鉱を見ていたらジープが2台来て、銃を持った警備員に囲まれたので「人生、終わった」って思いましたね(笑)。
葉加瀬:ははは(笑)。
羽田:「撃たれる」とは思わなかったんですけど……。
葉加瀬:「捕まるな」とは思った?
羽田:大問題になると思いましたね。当時、日本では芸能人のちょっとした不祥事がすごく叩かれている時期だったので、国営の炭鉱に不法侵入して「人生が終わって日本で叩かれる」「その前にここで酷い目に遭うかもしれない」とか思ったんですけど、わりと直ぐに帰してもらえました。あのときはびっくりしましたね。
葉加瀬:ポーランドでよかった思い出はありましたか?
羽田:温泉とかビール工場に行きましたね。ホップが独特でおいしいビールでした。
葉加瀬:ポーランドの人ってお芋をよく食べるよね。
羽田:はい。あとはキャベツのスープみたいなやつとか。
葉加瀬:スープもよく飲んでいるよね。あと、餃子みたいなやつ。ピエロギっていうポーランド料理。
羽田:餃子みたいなやつって、どの国に行ってもありますよね(笑)。
葉加瀬:マケドニアにも行ったそうですね。
羽田:はい。ポーランド、チェコからマケドニアに行きました。当時のマケドニアはまだEU加盟国ではなかったからか、ガイドさんが警戒している感じがあったんですよ。ガイドさんはイタリアの方だったから、EU未加入の国に行くことに緊張していたのかもしれませんね。
葉加瀬:そうでしょうね。
羽田:マケドニアの料理は、アジア人の自分にとって親しみのある味付けでした。
葉加瀬:そうなんだ。
羽田:あと、スコピエ市街がやけに綺麗な街並だったんですね。
葉加瀬:へええ!
羽田:まるで、長崎のハウステンボスみたいな景色でした。やけに綺麗だなと思って(ガイドに)理由を聞いてみたら、2000年ぐらいに急ごしらえで建てたものばかりらしいんですよ。
葉加瀬:なるほど。
羽田:90年代初頭に建てられたハウステンボスの “嘘の街並み”よりも新しくて嘘っぽいというか。スコピエ市街には実際に人が住んでいるんですけど、独特の“嘘っぽさ”を感じました。
葉加瀬:ハリボテ感が。
羽田:はい。それがすごく面白かったですね。
葉加瀬:ポーランドとチェコって古い建物、旧市街を意地でも残しているのに、そこでいきなり変わっちゃうんだ。
羽田:文化的な何かを強めようとしたがあまり、ハリボテ感が極まったというか。それはそれで面白かったですけどね。
羽田:「日中青年作家会議」は日本と中国の若手作家同士で交流する集まりです。日本人作家10人弱が北京に4泊5日で行って、シンポジウムに参加しました。観光をするだけの日もあったので、そこで中国人の女性ガイドさんから北京近郊の観光地を案内してもらったんですけど、めちゃくちゃ叱られましたね。「団体行動! ちゃんと着いてきて!」って言われました。
葉加瀬:あはは(笑)。
羽田:「イメージと違ったな」って感じましたね(笑)。日本人はルールを守り中国人は大らかでルーズっていう、ステレオタイプな思い込みがあったんですけど、それって職業や個人によって違うんだなって思いました。「中国の一般人よりも、日本の小説家のほうがだらしないんだな」ってことが一番印象に残っています。まさか、ガイドさんにあんなに怒られるとは思いませんでした(笑)。
葉加瀬:怒られてもしょうがないよ。「できないから小説家をやっているんだ」って言うしかないね(笑)。
羽田:そうですよね。
葉加瀬太郎がお届けする『ANA WORLD AIR CURRENT』は、J-WAVEで毎週土曜19:00-20:00オンエア。
羽田が登場したのは、ゲストに様々な国での旅の思い出を聞く、J-WAVEで放送中の番組『ANA WORLD AIR CURRENT』(ナビゲーター:葉加瀬太郎)。オンエアは1月29日(土)。
立ち入り禁止エリアに踏み込み大ピンチ!?
17歳に『黒冷水』(河出書房新社)で第40回文藝賞を受賞し、作家デビュー。2015年には『スクラップ・アンド・ビルド』(文藝春秋)で第153回芥川賞を受賞した。これまで数多くの著書を生み出すなか、テレビ番組やYouTubeなどでも活躍。2021年11月に発売した『三十代の初体験』(主婦と生活社)では31歳から34歳までに経験したさまざまな「初体験」が綴られており、話題を呼んだ。テレビのロケでポーランドを訪れた羽田は、思わぬハプニングに遭遇したという。
羽田:4ヵ国連続で行くテレビの仕事があり、ポーランドとチェコの国境近くの街に行ったりしましたね。
葉加瀬:ポーランドで何かありました?
羽田:ハプニングがありました(笑)。街の酒屋の店主が町長だか何だかの偉い人で、「俺が街を案内してあげるよ」って言ってくれたんですね。
車に乗せられて到着した場所は、国営の炭鉱だったそうだ。
羽田:(炭鉱は)だだっ広い敷地にクレーターのような穴が掘られていたんですけど、そこへは入っちゃいけないようなところから行ったんですよ。
葉加瀬:なるほど。
羽田:立ち入り禁止って書いてあったんですけど、おじさんが「いいんだよ、俺に任せておけ! ここからの見晴らしがいいんだ」って案内されました。炭鉱を見ていたらジープが2台来て、銃を持った警備員に囲まれたので「人生、終わった」って思いましたね(笑)。
葉加瀬:ははは(笑)。
羽田:「撃たれる」とは思わなかったんですけど……。
葉加瀬:「捕まるな」とは思った?
羽田:大問題になると思いましたね。当時、日本では芸能人のちょっとした不祥事がすごく叩かれている時期だったので、国営の炭鉱に不法侵入して「人生が終わって日本で叩かれる」「その前にここで酷い目に遭うかもしれない」とか思ったんですけど、わりと直ぐに帰してもらえました。あのときはびっくりしましたね。
葉加瀬:ポーランドでよかった思い出はありましたか?
羽田:温泉とかビール工場に行きましたね。ホップが独特でおいしいビールでした。
葉加瀬:ポーランドの人ってお芋をよく食べるよね。
羽田:はい。あとはキャベツのスープみたいなやつとか。
葉加瀬:スープもよく飲んでいるよね。あと、餃子みたいなやつ。ピエロギっていうポーランド料理。
羽田:餃子みたいなやつって、どの国に行ってもありますよね(笑)。
マケドニアの綺麗な市街地を見て感じたこと
羽田はマケドニアの食と場所で印象に残ったエピソードを語った。葉加瀬:マケドニアにも行ったそうですね。
羽田:はい。ポーランド、チェコからマケドニアに行きました。当時のマケドニアはまだEU加盟国ではなかったからか、ガイドさんが警戒している感じがあったんですよ。ガイドさんはイタリアの方だったから、EU未加入の国に行くことに緊張していたのかもしれませんね。
葉加瀬:そうでしょうね。
羽田:マケドニアの料理は、アジア人の自分にとって親しみのある味付けでした。
葉加瀬:そうなんだ。
羽田:あと、スコピエ市街がやけに綺麗な街並だったんですね。
葉加瀬:へええ!
羽田:まるで、長崎のハウステンボスみたいな景色でした。やけに綺麗だなと思って(ガイドに)理由を聞いてみたら、2000年ぐらいに急ごしらえで建てたものばかりらしいんですよ。
葉加瀬:なるほど。
羽田:90年代初頭に建てられたハウステンボスの “嘘の街並み”よりも新しくて嘘っぽいというか。スコピエ市街には実際に人が住んでいるんですけど、独特の“嘘っぽさ”を感じました。
葉加瀬:ハリボテ感が。
羽田:はい。それがすごく面白かったですね。
葉加瀬:ポーランドとチェコって古い建物、旧市街を意地でも残しているのに、そこでいきなり変わっちゃうんだ。
羽田:文化的な何かを強めようとしたがあまり、ハリボテ感が極まったというか。それはそれで面白かったですけどね。
先入観を覆された北京での思い出
2010年に北京で開かれた「日中青年作家会議」に参加した羽田は、そこで“ある思い込み”を改めた出来事があったそうだ。羽田:「日中青年作家会議」は日本と中国の若手作家同士で交流する集まりです。日本人作家10人弱が北京に4泊5日で行って、シンポジウムに参加しました。観光をするだけの日もあったので、そこで中国人の女性ガイドさんから北京近郊の観光地を案内してもらったんですけど、めちゃくちゃ叱られましたね。「団体行動! ちゃんと着いてきて!」って言われました。
葉加瀬:あはは(笑)。
羽田:「イメージと違ったな」って感じましたね(笑)。日本人はルールを守り中国人は大らかでルーズっていう、ステレオタイプな思い込みがあったんですけど、それって職業や個人によって違うんだなって思いました。「中国の一般人よりも、日本の小説家のほうがだらしないんだな」ってことが一番印象に残っています。まさか、ガイドさんにあんなに怒られるとは思いませんでした(笑)。
葉加瀬:怒られてもしょうがないよ。「できないから小説家をやっているんだ」って言うしかないね(笑)。
羽田:そうですよね。
葉加瀬太郎がお届けする『ANA WORLD AIR CURRENT』は、J-WAVEで毎週土曜19:00-20:00オンエア。
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葉加瀬太郎