ryuchellが、SHELLYと「ジェンダー平等」をテーマにお互いの考えを語り合った。
ryuchellが登場したのは、毎月第4日曜日にSHELLYがお届けする『J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』。ここでは12月26日(日)のオンエアをテキストで紹介する。
同番組は、SDGsに関する活動を後押しする情報発信・体験の場である、青山のITOCHU SDGs STUDIOから発信。オンエアだけでなく、デジタル音声コンテンツとして提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信。SpotifyやApple Podcastsでも楽しめる。エピソードは月曜日に、3回にわけて更新。
ITOCHU SDGs STUDIO公式サイト
SHELLYは12月1日に「現代用語の基礎知識選 2021ユーキャン新語・流行語大賞」で、「ジェンダー平等」がトップ10に選出されたことを紹介しつつ、ryuchellに質問する。
SHELLY:ryuchellがジェンダーについて考え始めるきっかけとか、「何か変だな」って感じたことって何だったの?
ryuchell:僕は小さい頃からおもちゃといっても、おままごととかぬいぐるみとかがすごく好きな子だったんです。そうやって育ってきて「なんで男の子なのにそんなかわいいものが好きなの?」とか「それなら男が好きなんでしょ?」とか、これが好きだからって好きな人の性まで決めつけられてしまって。だから「なんで僕はこんなに(他人に)決められなきゃいけないの」って思っていました。大人になるにつれて、人って見たことのないものが恐いから何かの枠にはめたいんだとか、そういうことに気付いてきて、僕ができることは諦めることしかできなかったんですね。
SHELLY:なるほどね。
ryuchell:「別に何を言われてもいいや、そうやって思う人もいるから」って思ってたんですけど、メディアに出て「僕だって苦手な人もいるし、そんなに気にしないでいよう」っていうふうに変わってきて。今でも「パパなのにメイクして」みたいなことも言われたりはするけど、最近は「こんなパパがイヤな人がいてもいいよな」って。確かに普通のパパではないってことは自分がいちばん理解してるし、それを「認めてよ」って強要するわけでもないし。だから自分自身はジェンダー平等っていうよりも、どう自分が生きていくかっていうことに根本的なものがあるなって思います。
ryuchell:子どもは外の世界でいろんなものを吸収して帰ってくるじゃないですか。例えば公園のトイレに行ったときに「なんで男の子は青色で、女の子のトイレは赤色なんだろうね。黄色でもいいのにね」って投げかけてみるとか。
SHELLY:へえ、面白い!
ryuchell:絵本でおとぎ話を読むときに「女の子から告白してもいいんだよ」とか付け加えたりしてる。「女の子はピンク」だとか、「これはドレスだから女の子用」だとか、外でいろんなことを吸収してきちゃうけど「別にいいんじゃないの?」「この子でも似合ってるよ」って、それに関して絶対にこれがいい、こういう考えはダメっては言わなくて「これでもいいんじゃない?」ってジェンダーに選択肢を与えている。
SHELLY:そうだよね。
ryuchell:自分の押し付けもしたくないの。そこは意識してるところかなって思う。世の中で起こっていることに対して個人がしっかり自分のことを大事にしてほしいと思えるような世の中になってほしいと思ってるけど、自分の子どもになると、例えば女の子のおもちゃのCMには女の子しか出ないとか、そうやってどんどん(偏見を)埋め込まれてしまう。子どもが大人になったときに、自分と違う人を見ても偏見を持たないような土台作りは今から親ができるので。
SHELLY:選択肢を与えるってすごくいいですよね。
ryuchell:そこは個々の才能が認められてほしい。男だからっていうことが含まれた才能だと違うと思うんです。その才能を手にするための土台作りを性別とか関係なく平等にしてほしいと思います。国会議員でも女性議員の割合が少ないっていうようなニュースもよく見るし、そのなかで「女性議員も男性議員と同じ数にするべきだ」みたいな声も耳にするけど、それでいいのかなって個人的に思ったりしていて。何も戦いが起きないように数も一緒にしようってするのが本当に日本にとってとか、仕組みにとっていい動きをするのかと言えば、ちょっと……って。そうじゃなくて、個々のバランスを意識してもらえたらいいんじゃないかなって思います。
SHELLY:そういう数合わせは、みんなそれぞれ考え方があるよね。私は100年後にそうなるのは美しいかなって思うけど、そうなるために一回は数を合わせなきゃいけないかなって思う。今ってふるいにもかけてもらえてないじゃん。例えば国会議員の話で言うと、女性に限らず性的マイノリティとか何かしらの障害を持っている方とか、もちろん人種の部分でもいろんな日本人がいるのに、「(国会議員たちは)本当にこれが日本の代表なのかな?」って私は思うから、一回は国の割合に合ったカラフルな国会議員にして、その後に(政治が)得意な人が残っていくっていうのがいいと思う。でも結局、その間口とかロールモデルがないと「将来は日本の首相になろう」って思う女の子が男の子に比べて少なくなっちゃうとか。そういう意味で数を合わせるのは意味があるかなって思う。
ryuchellは「ふるいをかけるっていうのが、すごく大事だなって思う」とSHELLYに同意しつつ、「特に女性はチャンスにも恵まれないってことはおかしいから、目指す道のりをもっとどうにかできないものかなって、僕もものすごく思う」と語った。
ryuchell:それはないですね。
SHELLY:へえ!
ryuchell:(即答する)自分が恐い(笑)。フォロワーが100万とかいるくせに、身の程知らず(笑)。でもそれはなんとなくやっていくうちに「これはヤバいかも」「だけどこれは伝えたいから言い方を変えよう」とか、そういうのはもちろん考えます。
SHELLY:投稿する前に一回文字を見返すとかもやるの?
ryuchell:ツイートは、二日は寝かせますね。
SHELLY:本当に!? それはけっこう寝かせてるよね。
ryuchell:めちゃくちゃ寝かします。煮込みまくっていい味が出るんです。
SHELLY:だから響くんですね。
ryuchell:いろんな人に届いてほしいからね。そのときに思いついて書いたものって感情的になったりしてしまうけど、それってもったいなくて。感情的なものを出してしまうと「ryuchellは怒ってるな」っていうことしか伝わらないから。日本人って上品なことのほうが好きだし、心に入ってきやすいからそういう意味であんまり感情は入れず、一日おいてみて「やっぱりここは接続詞を変えよう」とかそういう細かいところを変えるだけで響いてくるものは違うかなと思って、二日間くらいかけてやってます。
とはいえ情熱的な部分を抑えて発信することは難しい部分もある。
SHELLY:そういう葛藤ってどうしてるの?
ryuchell:メディアを変えてるんですよ。文字ってなると怒っちゃダメなんです。
SHELLY:なるほどね。
ryuchell:YouTubeは全然感情を出してもいいけど、文字になると自分が本当にすごく子どもに見えるなって思ったんですよね。国会議員の方がツイッターで誰かをブロックしたりとかがニュースになってたけど、僕はそんなことで判断されたくもないかなって思って。めちゃくちゃ優しかったりしても、そういうことで判断されるから文字って本当に怖い。ネットニュースでも新聞でも週刊誌でも書き方によってはきつく聞こえてしまうものじゃないですか。だから僕は文字ってところだけは感情よりも伝えたいことを要点でまとめる。でもYouTubeとかテレビは気持ちとか僕らしさを伝えることがすごく大事なので、振り分けてますね。
ryuchell:今日話したジェンダーについてだと、本当にいろんな人がいていいんだっていうことを認められる社会になってほしいなと思っていて。僕が最近出した本も『こんな世の中を生きていくしかないなら』(朝日新聞出版)ってタイトルなんですね。正直、全てが変わっていくことってきっとないと思っているし、急にまわりの人がいい人になったり自分と同じ意見になったりすることってないから、自分が死ぬまできっとまわりに嫌とか自分と反対意見の人っているんです。そんななかで大事なのは自分を持つことと、強要はしないけど共有するって心を持つことだと思います。
SHELLY:うん。
ryuchell:理解はできなくても認め合う。自分にこびりついた自分の基盤とか性格みたいなものがあって、それを大事にしたいのなら大事にしてもいいけど、それを強要するのはおかしいよ、とか、性についても年齢でも国籍でもそういう肩書きで「この人はこうだから自分は関わりたくない」とかそうやって生きてしまうともったいないかもしれないから、認める心は持っていてもいいんじゃないかなって思う。だけど理解してってなるとこっちまで強要になるから、本当にいろんな色があっていんだなって社会になると素晴らしいんじゃないかって思います。
SHELLYがナビゲートするプログラム『ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』の放送は毎月第4日曜日の22時から。
ryuchellが登場したのは、毎月第4日曜日にSHELLYがお届けする『J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』。ここでは12月26日(日)のオンエアをテキストで紹介する。
同番組は、SDGsに関する活動を後押しする情報発信・体験の場である、青山のITOCHU SDGs STUDIOから発信。オンエアだけでなく、デジタル音声コンテンツとして提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信。SpotifyやApple Podcastsでも楽しめる。エピソードは月曜日に、3回にわけて更新。
ITOCHU SDGs STUDIO公式サイト
「男の子なのに」決めつけが違和感だった
個性的なファッションやメイク、明るいキャラクターで人気のryuchell。最近はSDGsや政治、ジェンダーや子育てなどいろいろな場面で意見を求められる存在となっている。SHELLYは12月1日に「現代用語の基礎知識選 2021ユーキャン新語・流行語大賞」で、「ジェンダー平等」がトップ10に選出されたことを紹介しつつ、ryuchellに質問する。
SHELLY:ryuchellがジェンダーについて考え始めるきっかけとか、「何か変だな」って感じたことって何だったの?
ryuchell:僕は小さい頃からおもちゃといっても、おままごととかぬいぐるみとかがすごく好きな子だったんです。そうやって育ってきて「なんで男の子なのにそんなかわいいものが好きなの?」とか「それなら男が好きなんでしょ?」とか、これが好きだからって好きな人の性まで決めつけられてしまって。だから「なんで僕はこんなに(他人に)決められなきゃいけないの」って思っていました。大人になるにつれて、人って見たことのないものが恐いから何かの枠にはめたいんだとか、そういうことに気付いてきて、僕ができることは諦めることしかできなかったんですね。
SHELLY:なるほどね。
ryuchell:「別に何を言われてもいいや、そうやって思う人もいるから」って思ってたんですけど、メディアに出て「僕だって苦手な人もいるし、そんなに気にしないでいよう」っていうふうに変わってきて。今でも「パパなのにメイクして」みたいなことも言われたりはするけど、最近は「こんなパパがイヤな人がいてもいいよな」って。確かに普通のパパではないってことは自分がいちばん理解してるし、それを「認めてよ」って強要するわけでもないし。だから自分自身はジェンダー平等っていうよりも、どう自分が生きていくかっていうことに根本的なものがあるなって思います。
教育では「他の選択肢」を投げかける
ryuchellは、ジェンダー平等で特に意識している場面は子育てのときだと話す。ryuchell:子どもは外の世界でいろんなものを吸収して帰ってくるじゃないですか。例えば公園のトイレに行ったときに「なんで男の子は青色で、女の子のトイレは赤色なんだろうね。黄色でもいいのにね」って投げかけてみるとか。
SHELLY:へえ、面白い!
ryuchell:絵本でおとぎ話を読むときに「女の子から告白してもいいんだよ」とか付け加えたりしてる。「女の子はピンク」だとか、「これはドレスだから女の子用」だとか、外でいろんなことを吸収してきちゃうけど「別にいいんじゃないの?」「この子でも似合ってるよ」って、それに関して絶対にこれがいい、こういう考えはダメっては言わなくて「これでもいいんじゃない?」ってジェンダーに選択肢を与えている。
SHELLY:そうだよね。
ryuchell:自分の押し付けもしたくないの。そこは意識してるところかなって思う。世の中で起こっていることに対して個人がしっかり自分のことを大事にしてほしいと思えるような世の中になってほしいと思ってるけど、自分の子どもになると、例えば女の子のおもちゃのCMには女の子しか出ないとか、そうやってどんどん(偏見を)埋め込まれてしまう。子どもが大人になったときに、自分と違う人を見ても偏見を持たないような土台作りは今から親ができるので。
SHELLY:選択肢を与えるってすごくいいですよね。
ジェンダー平等とは、個々の才能が認められること
世の中でジェンダー平等の意識が高まるなか、「ジェンダー平等だからといって男女比率を全てにおいて一緒にしようとするのは違う」とryuchellは疑問を投げかける。ryuchell:そこは個々の才能が認められてほしい。男だからっていうことが含まれた才能だと違うと思うんです。その才能を手にするための土台作りを性別とか関係なく平等にしてほしいと思います。国会議員でも女性議員の割合が少ないっていうようなニュースもよく見るし、そのなかで「女性議員も男性議員と同じ数にするべきだ」みたいな声も耳にするけど、それでいいのかなって個人的に思ったりしていて。何も戦いが起きないように数も一緒にしようってするのが本当に日本にとってとか、仕組みにとっていい動きをするのかと言えば、ちょっと……って。そうじゃなくて、個々のバランスを意識してもらえたらいいんじゃないかなって思います。
SHELLY:そういう数合わせは、みんなそれぞれ考え方があるよね。私は100年後にそうなるのは美しいかなって思うけど、そうなるために一回は数を合わせなきゃいけないかなって思う。今ってふるいにもかけてもらえてないじゃん。例えば国会議員の話で言うと、女性に限らず性的マイノリティとか何かしらの障害を持っている方とか、もちろん人種の部分でもいろんな日本人がいるのに、「(国会議員たちは)本当にこれが日本の代表なのかな?」って私は思うから、一回は国の割合に合ったカラフルな国会議員にして、その後に(政治が)得意な人が残っていくっていうのがいいと思う。でも結局、その間口とかロールモデルがないと「将来は日本の首相になろう」って思う女の子が男の子に比べて少なくなっちゃうとか。そういう意味で数を合わせるのは意味があるかなって思う。
ryuchellは「ふるいをかけるっていうのが、すごく大事だなって思う」とSHELLYに同意しつつ、「特に女性はチャンスにも恵まれないってことはおかしいから、目指す道のりをもっとどうにかできないものかなって、僕もものすごく思う」と語った。
ツイートを「二日寝かせる」理由
今やジェンダーや子育て、SDGsなどいろいろな分野で意見を求められる存在となったryuchellに、SHELLYは「自分の意見を発信するときに怖さや不安はない?」と質問を投げかける。ryuchell:それはないですね。
SHELLY:へえ!
ryuchell:(即答する)自分が恐い(笑)。フォロワーが100万とかいるくせに、身の程知らず(笑)。でもそれはなんとなくやっていくうちに「これはヤバいかも」「だけどこれは伝えたいから言い方を変えよう」とか、そういうのはもちろん考えます。
SHELLY:投稿する前に一回文字を見返すとかもやるの?
ryuchell:ツイートは、二日は寝かせますね。
SHELLY:本当に!? それはけっこう寝かせてるよね。
ryuchell:めちゃくちゃ寝かします。煮込みまくっていい味が出るんです。
SHELLY:だから響くんですね。
ryuchell:いろんな人に届いてほしいからね。そのときに思いついて書いたものって感情的になったりしてしまうけど、それってもったいなくて。感情的なものを出してしまうと「ryuchellは怒ってるな」っていうことしか伝わらないから。日本人って上品なことのほうが好きだし、心に入ってきやすいからそういう意味であんまり感情は入れず、一日おいてみて「やっぱりここは接続詞を変えよう」とかそういう細かいところを変えるだけで響いてくるものは違うかなと思って、二日間くらいかけてやってます。
とはいえ情熱的な部分を抑えて発信することは難しい部分もある。
SHELLY:そういう葛藤ってどうしてるの?
ryuchell:メディアを変えてるんですよ。文字ってなると怒っちゃダメなんです。
SHELLY:なるほどね。
ryuchell:YouTubeは全然感情を出してもいいけど、文字になると自分が本当にすごく子どもに見えるなって思ったんですよね。国会議員の方がツイッターで誰かをブロックしたりとかがニュースになってたけど、僕はそんなことで判断されたくもないかなって思って。めちゃくちゃ優しかったりしても、そういうことで判断されるから文字って本当に怖い。ネットニュースでも新聞でも週刊誌でも書き方によってはきつく聞こえてしまうものじゃないですか。だから僕は文字ってところだけは感情よりも伝えたいことを要点でまとめる。でもYouTubeとかテレビは気持ちとか僕らしさを伝えることがすごく大事なので、振り分けてますね。
大事なのは「強要せず共有する」
SDGsは2030年までに達成する17の目標を掲げている。それにちなみ、SHELLYは「2030年までにどんな社会になっていてほしいか?」とryuchellに訊く。ryuchell:今日話したジェンダーについてだと、本当にいろんな人がいていいんだっていうことを認められる社会になってほしいなと思っていて。僕が最近出した本も『こんな世の中を生きていくしかないなら』(朝日新聞出版)ってタイトルなんですね。正直、全てが変わっていくことってきっとないと思っているし、急にまわりの人がいい人になったり自分と同じ意見になったりすることってないから、自分が死ぬまできっとまわりに嫌とか自分と反対意見の人っているんです。そんななかで大事なのは自分を持つことと、強要はしないけど共有するって心を持つことだと思います。
SHELLY:うん。
ryuchell:理解はできなくても認め合う。自分にこびりついた自分の基盤とか性格みたいなものがあって、それを大事にしたいのなら大事にしてもいいけど、それを強要するのはおかしいよ、とか、性についても年齢でも国籍でもそういう肩書きで「この人はこうだから自分は関わりたくない」とかそうやって生きてしまうともったいないかもしれないから、認める心は持っていてもいいんじゃないかなって思う。だけど理解してってなるとこっちまで強要になるから、本当にいろんな色があっていんだなって社会になると素晴らしいんじゃないかって思います。
オンエアをお届けした、青山のITOCHU SDGs STUDIO。
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