アーティストのKOM_I(コムアイ)が、SHELLYとサステイナブルな未来のためにできることを語り合った。
KOM_Iが登場したのは毎月第4日曜日にSHELLYがお届けする『J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』。ここでは11月28日(日)のオンエアをテキストで紹介する。
同番組は、SDGsに関する活動を後押しする情報発信・体験の場である、青山のITOCHU SDGs STUDIOから発信。オンエアだけでなく、デジタル音声コンテンツとして提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信。SpotifyやApple Podcastsでも楽しめる。エピソードは月曜日に、3回にわけて更新。
■ITOCHU SDGs STUDIO公式サイト
https://www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/sdgs/about.html
SHELLY:「HYPE FREE WATER」では、海の池の水質改善に、使い捨ての“あるもの”を紹介していると伺いました。
KOM_I:実はカイロなんです。
SHELLY:へえ!
KOM_I:使い捨てカイロは鉄でできているんですけど、それを大阪のベンチャー「Go Green Group」が全国からたくさん回収していて。その中身の鉄を使ってキューブにしたものをヘドロで濁った水に入れると、水質改善されて臭いがなくなったりするんです。それによって硫化鉄とか鉄イオンが水の中に増えるけど、それは海にとってそんなに負担ではなくて、むしろ大昔のまだ生命が生まれる前の海は鉄イオンであふれていたんですね。
SHELLY: だいぶ大昔ですね(笑)。
KOM_I:逆に今は海が鉄不足になっているというのが漁業などで問題になっていて。その問題を東京海洋大学の佐々木 剛さんが取り組んでいるんですけど、私たちもそれを宣伝したいと思いました。でも、それをやるにもその仕組みを知りたいし納得してからやりたいってことでお話を伺いました。
【外部リンク】「海は生物の暮らしも未来の子どもの感性も豊かにする」コムアイ × 村田実莉が東京海洋大学・佐々木剛教授と“オーシャンリテラシー”について考える
SHELLY:記事を読むと、その取り組みが水質の汚れを取るだけじゃなくて、プランクトンの大量発生を防いだりとか、いろんなバランスを保つのにすごくいいものになっているんですよね。
KOM_I:そうなんです。だからこの冬はカイロを使ったら捨てずに「Go Green Group」に送ってほしいなと思います。
「Go Green Group」
KOM_I:間違えて洗剤を入れてなかったことがあって、そしたら全然できていて「あれ?」ってなりましたね。
SHELLY:そうなんですね!
KOM_I:お湯で洗うとさらに汚れが落ちると思うんですけど、日本の洗濯機ってお湯をあまり使えないじゃないですか。この間、登山靴を水で洗ったんですけど、濡れてずっと置いていたら生乾きの臭いがして、何回洗ってもどんなに強い洗剤を使ってもそれが落ちなくて。でもあれは熱湯で消毒するといい。オススメです。熱湯をかけて10分くらい浸して流したら、だいぶ(臭いも)なくなります。あと本当にしつこいやつは煮ちゃいます。
SHELLY:煮る!?
KOM_I:ぐつぐつと(笑)。
SHELLY:ちなみに最近は何を煮ました?
KOM_I:シャツを煮ました。
SHELLY:あはは(笑)。煮て大丈夫なんですか?
KOM_I:素材によりますけど(笑)。鍋に入れてぐつぐつ煮ると、(臭いが)全くなくなってました。それって何かを足さなくていいから。
水や熱湯を使って衣類の汚れや匂いが落ちると知ったKOM_Iは一方で、「これって何かを買う行動につながらないから誰も宣伝しない」と指摘しつつ「私はこういうことをラジオとかSNSとかで反骨精神を持って、消費活動を応援する以外のティップスを広めていきたい」と語り、SHELLYが同調した。
KOM_I:それはティッピングポイントを知ったときなんです。ティッピングポイントって、例えばビーチの浅瀬からだんだん先に行くと急に深くなっていて「危ない」ってびっくりするときがあるじゃないですか。そういう感じでイメージしてもらえたらいいかなと思うんですけど、今地球の平均気温が上昇していて、それを1.5℃以内におさめないと生命活動が続けられなさそうってIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)とかで言われているんです。その平均気温が2℃、3℃とだんだん上がっていって本当にマズいと思ったときに、「みんなで1℃ずつ下げていけばいいじゃん」って思っている人もいると思うんですけど、実はそのティッピングポイントを避けられる確率は1.5℃上昇した時点で50パーセントくらいなんです。
気温上昇がある基準を超えると一気に歯止めがきかなくなると言われているそうだ。
KOM_I:アマゾンの森林が燃えたり、グリーンランドの氷床が融解したり、世界中のいろんな海水面が上昇したりとか、いろんな要素がお互いにうまく噛み合ってしまい暴走するっていうシナリオがあって、それによって人間の手でどうにかできるレベルじゃなくなってしまう。そうやって今みたいに緩やかな気温上昇じゃなくなるところが来るって言われているんです。それがティッピングポイントです。それを防ぐために活動ができる期間は3、4年と言われていて、それを聞いて「本当にヤバいじゃん!」ってなりました。いまだに日本では「なんだかんだ言って経済活動が大事だし環境のことも守れたらそれはいいよね」って感じで「環境問題はいちばんではないよね」って思っている人もいると思うんですけど、このままいくと経済活動どころじゃなくなると思うんですよね。
SHELLY:うんうん。
KOM_I:ある人は世の中でそういう危機感がないことに苦しむし、その危機感がない人は「なんか言ってるけど大丈夫じゃん?」って感じでいて。
SHELLY:私もそれをすごく感じます。そういう意識を持っている人と持ってない人の差がすごく大きいなって。私はその意識を持っている人なので、持ってない人がちょっと楽観的過ぎるように見えるし、もっと言うと怖いことから耳をふさぎたいってことで、それは人間としてすごく自然なことかなっても思うんですけど。
KOM_I:防御反応ですねよ。
SHELLY:悪いことが起きていても「とはいえ大丈夫でしょ」って思いたくなるのは人間心理として当たり前なことだと思うので、そういう人たちのことはそんなに責めてはいなくて、どちらかというと日本の場合は臭いものに蓋をする文化があるからで、あんまりそういう話をしたがらないじゃないですか。答えのないことを番組でも取り上げたくないし、有名人も声を上げづらい。商品を売っている人はその商品を否定するようなことは言えないとかの問題もあるし。
KOM_I:ありますよね。私は歯に衣着せず……これでもちょっと着せてますけど(笑)、やっぱり言いたいことを言わないと後悔するなと思っているから、言うようになりましたね。そうすると今日みたいなお仕事をいただけるようになったりとか、それはそれで新しい世界が自分に開けていったり、面白い機会がどんどん舞い込んでくるから(そういうことを言って)仕事が減ったかというとそうでもないんです。世の中の状況が変わったからそうできてるってこともあるとも思うんですけどね。
KOM_I:搾取されている人を守るため、環境を守るためには経済活動のスピードを落とさなきゃいけない、みたいなことがあるけど、それって綱引きのように感じて悩ましくて。でも2030年には「今私が感じている資本主義の経済システムが過去のものになったな」って思うような、新しい経済システムに移行しててほしいなと思います。そういうちょっと変わってきたなって兆しを見たいですね。
SHELLY:「昔はそんなにものを買ってたの?」って感じでね。
KOM_I:そうそう。「そんなに消費をしなくてもよくない?」っていうこととか「経済活動を早くすることって私たちの幸せにつながっていないよね」っていうふうに変わってきたりすることもそのひとつかなと思います。そこに希望を見いだしたいなって思います。
SHELLY:それってすごく大きなことだけど、実際は結局一人ひとりの感覚が変われば消費なんて一瞬で変わると思うんです。売る側が決めることじゃなくて買う側が決めることだから。実は私たちができるいちばん大きなことって消費の仕方を変えることだから、そのために今後もKOM_Iさんも活動をお願いします!
KOM_I:ぼちぼち頑張ります(笑)。
SHELLYがナビゲートするプログラム『ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』の放送は毎月第4日曜日の22時から。
KOM_Iが登場したのは毎月第4日曜日にSHELLYがお届けする『J-WAVE SELECTION ITOCHU DEAR LIFE, DEAR FUTURE』。ここでは11月28日(日)のオンエアをテキストで紹介する。
同番組は、SDGsに関する活動を後押しする情報発信・体験の場である、青山のITOCHU SDGs STUDIOから発信。オンエアだけでなく、デジタル音声コンテンツとして提供・配信するサービス「SPINEAR」でも配信。SpotifyやApple Podcastsでも楽しめる。エピソードは月曜日に、3回にわけて更新。
■ITOCHU SDGs STUDIO公式サイト
https://www.itochu.co.jp/ja/corporatebranding/sdgs/about.html
使い捨てカイロで水がキレイに
現在、KOM_Iは仲間たちと一緒に架空の広告を制作して水と地球環境の疑問を問いかけるプロジェクト「HYPE FREE WATER」に取り組んでいる。SHELLY:「HYPE FREE WATER」では、海の池の水質改善に、使い捨ての“あるもの”を紹介していると伺いました。
KOM_I:実はカイロなんです。
SHELLY:へえ!
KOM_I:使い捨てカイロは鉄でできているんですけど、それを大阪のベンチャー「Go Green Group」が全国からたくさん回収していて。その中身の鉄を使ってキューブにしたものをヘドロで濁った水に入れると、水質改善されて臭いがなくなったりするんです。それによって硫化鉄とか鉄イオンが水の中に増えるけど、それは海にとってそんなに負担ではなくて、むしろ大昔のまだ生命が生まれる前の海は鉄イオンであふれていたんですね。
SHELLY: だいぶ大昔ですね(笑)。
KOM_I:逆に今は海が鉄不足になっているというのが漁業などで問題になっていて。その問題を東京海洋大学の佐々木 剛さんが取り組んでいるんですけど、私たちもそれを宣伝したいと思いました。でも、それをやるにもその仕組みを知りたいし納得してからやりたいってことでお話を伺いました。
【外部リンク】「海は生物の暮らしも未来の子どもの感性も豊かにする」コムアイ × 村田実莉が東京海洋大学・佐々木剛教授と“オーシャンリテラシー”について考える
SHELLY:記事を読むと、その取り組みが水質の汚れを取るだけじゃなくて、プランクトンの大量発生を防いだりとか、いろんなバランスを保つのにすごくいいものになっているんですよね。
KOM_I:そうなんです。だからこの冬はカイロを使ったら捨てずに「Go Green Group」に送ってほしいなと思います。
「Go Green Group」
洗剤がなくても洗濯はできる! 温度にこだわり
KOM_Iは最近、洗濯のときにも環境問題を意識しているそうで、「洗剤を使わなくてもできました」と笑う。KOM_I:間違えて洗剤を入れてなかったことがあって、そしたら全然できていて「あれ?」ってなりましたね。
SHELLY:そうなんですね!
KOM_I:お湯で洗うとさらに汚れが落ちると思うんですけど、日本の洗濯機ってお湯をあまり使えないじゃないですか。この間、登山靴を水で洗ったんですけど、濡れてずっと置いていたら生乾きの臭いがして、何回洗ってもどんなに強い洗剤を使ってもそれが落ちなくて。でもあれは熱湯で消毒するといい。オススメです。熱湯をかけて10分くらい浸して流したら、だいぶ(臭いも)なくなります。あと本当にしつこいやつは煮ちゃいます。
SHELLY:煮る!?
KOM_I:ぐつぐつと(笑)。
SHELLY:ちなみに最近は何を煮ました?
KOM_I:シャツを煮ました。
SHELLY:あはは(笑)。煮て大丈夫なんですか?
KOM_I:素材によりますけど(笑)。鍋に入れてぐつぐつ煮ると、(臭いが)全くなくなってました。それって何かを足さなくていいから。
水や熱湯を使って衣類の汚れや匂いが落ちると知ったKOM_Iは一方で、「これって何かを買う行動につながらないから誰も宣伝しない」と指摘しつつ「私はこういうことをラジオとかSNSとかで反骨精神を持って、消費活動を応援する以外のティップスを広めていきたい」と語り、SHELLYが同調した。
気温上昇がある基準を超えると一気に歯止めがきかなくなる
年々、地球上では気候変動による異常気象によってさまざまな災害が生まれている。そんな状況下においてKOM_Iは「気候変動が本当にヤバい」と思った瞬間があったのだという。KOM_I:それはティッピングポイントを知ったときなんです。ティッピングポイントって、例えばビーチの浅瀬からだんだん先に行くと急に深くなっていて「危ない」ってびっくりするときがあるじゃないですか。そういう感じでイメージしてもらえたらいいかなと思うんですけど、今地球の平均気温が上昇していて、それを1.5℃以内におさめないと生命活動が続けられなさそうってIPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)とかで言われているんです。その平均気温が2℃、3℃とだんだん上がっていって本当にマズいと思ったときに、「みんなで1℃ずつ下げていけばいいじゃん」って思っている人もいると思うんですけど、実はそのティッピングポイントを避けられる確率は1.5℃上昇した時点で50パーセントくらいなんです。
気温上昇がある基準を超えると一気に歯止めがきかなくなると言われているそうだ。
KOM_I:アマゾンの森林が燃えたり、グリーンランドの氷床が融解したり、世界中のいろんな海水面が上昇したりとか、いろんな要素がお互いにうまく噛み合ってしまい暴走するっていうシナリオがあって、それによって人間の手でどうにかできるレベルじゃなくなってしまう。そうやって今みたいに緩やかな気温上昇じゃなくなるところが来るって言われているんです。それがティッピングポイントです。それを防ぐために活動ができる期間は3、4年と言われていて、それを聞いて「本当にヤバいじゃん!」ってなりました。いまだに日本では「なんだかんだ言って経済活動が大事だし環境のことも守れたらそれはいいよね」って感じで「環境問題はいちばんではないよね」って思っている人もいると思うんですけど、このままいくと経済活動どころじゃなくなると思うんですよね。
SHELLY:うんうん。
KOM_I:ある人は世の中でそういう危機感がないことに苦しむし、その危機感がない人は「なんか言ってるけど大丈夫じゃん?」って感じでいて。
SHELLY:私もそれをすごく感じます。そういう意識を持っている人と持ってない人の差がすごく大きいなって。私はその意識を持っている人なので、持ってない人がちょっと楽観的過ぎるように見えるし、もっと言うと怖いことから耳をふさぎたいってことで、それは人間としてすごく自然なことかなっても思うんですけど。
KOM_I:防御反応ですねよ。
SHELLY:悪いことが起きていても「とはいえ大丈夫でしょ」って思いたくなるのは人間心理として当たり前なことだと思うので、そういう人たちのことはそんなに責めてはいなくて、どちらかというと日本の場合は臭いものに蓋をする文化があるからで、あんまりそういう話をしたがらないじゃないですか。答えのないことを番組でも取り上げたくないし、有名人も声を上げづらい。商品を売っている人はその商品を否定するようなことは言えないとかの問題もあるし。
KOM_I:ありますよね。私は歯に衣着せず……これでもちょっと着せてますけど(笑)、やっぱり言いたいことを言わないと後悔するなと思っているから、言うようになりましたね。そうすると今日みたいなお仕事をいただけるようになったりとか、それはそれで新しい世界が自分に開けていったり、面白い機会がどんどん舞い込んでくるから(そういうことを言って)仕事が減ったかというとそうでもないんです。世の中の状況が変わったからそうできてるってこともあるとも思うんですけどね。
2030年には新しい経済システムが見たい
SDGsは2030年までに達成する17の目標を掲げている。それにちなみ、SHELLYは「2030年までにどんな社会になっていてほしいか?」とKOM_Iに訊いた。KOM_I:搾取されている人を守るため、環境を守るためには経済活動のスピードを落とさなきゃいけない、みたいなことがあるけど、それって綱引きのように感じて悩ましくて。でも2030年には「今私が感じている資本主義の経済システムが過去のものになったな」って思うような、新しい経済システムに移行しててほしいなと思います。そういうちょっと変わってきたなって兆しを見たいですね。
SHELLY:「昔はそんなにものを買ってたの?」って感じでね。
KOM_I:そうそう。「そんなに消費をしなくてもよくない?」っていうこととか「経済活動を早くすることって私たちの幸せにつながっていないよね」っていうふうに変わってきたりすることもそのひとつかなと思います。そこに希望を見いだしたいなって思います。
SHELLY:それってすごく大きなことだけど、実際は結局一人ひとりの感覚が変われば消費なんて一瞬で変わると思うんです。売る側が決めることじゃなくて買う側が決めることだから。実は私たちができるいちばん大きなことって消費の仕方を変えることだから、そのために今後もKOM_Iさんも活動をお願いします!
KOM_I:ぼちぼち頑張ります(笑)。
オンエアをお届けした、青山のITOCHU SDGs STUDIO。
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