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女性議員が街頭演説で体を触られる…「票ハラスメント」の実態とは

画像素材:PIXTA

女性議員が街頭演説で体を触られる…「票ハラスメント」の実態とは

女性議員に対する「オンラインハラスメント」「票ハラスメント」とは? 女性議員のサポート団体「Stand by Women」を立ち上げた濵田真里さんが語った。

濵田さんが登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』(ナビゲーター:別所哲也)のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」。ここでは、10月4日(月曜日)のオンエア内容をテキストで紹介する。

日本が抱える「オンラインハラスメント」の実態

濵田さんはお茶の水女子大学ジェンダー研究所でジェンダーについて研究し、現在は女性議員のサポート団体「Stand by Women」を立ち上げ、女性に対するハラスメント問題に精通している。なぜハラスメント問題に興味を持ったのだろうか。それは、海外での経験が大きいと話す。

濵田:私は大学院に入る前までは約7年ほど、海外で働く日本人の方たちの取材をしていました。特に女性を数多く取材をしていたんですけども、出会った女性たちから日本で働くことや生きることの生きづらさについての話を訊いて。多くの方が同じようなことおっしゃるので、きっとこれは構造問題なのだろうなと思うようになったんです。そしてこの背景にある社会的構造はなんだろうと気になりまして、日本に帰国してジェンダー問題について大学院に入って学ぶことにしました。
別所:具体的にはどんな研究をなさっているんでしょう?
濵田:私は政治とジェンダーをテーマに研究を行なっているんですけども、特に日本ではまだ研究が進んでいない、女性政治家に対しての「オンラインハラスメント」についての研究を特に行なっています。「オンラインハラスメント」とは、国連をはじめとする様々な国際機関によって一般的に使われている定義としては、インターネットや携帯、ソーシャルメディア、メールなどの情報通信技術を用いて行われるジェンダーに基づく女性に対する暴力だと定義されています。

聞き馴染みのない「オンラインハラスメント」という言葉。別所は具体的な例について訊いた。

濵田:これは男性にもあることなんですが、主には誹謗中傷や説教などですね。それが、SNSやメールで送られてくることは性別関係なくあることなんです。特に女性議員で特徴的なのが、恋愛対象や性的対象として見てくるケースの多さですね。例えば、「彼氏はいるの?」というメッセージや「付き合いたい」というメッセージ、年齢や容姿や身体に対する言及や性的な内容や性的な画像が送られてくるという現状がありますね。
別所:そんなことがあるんですか!?
濵田:議員に対するメッセージだとは思えないようなメッセージが本当に多いんです。中には数年間に渡って告白のメッセージを送ってくるストーカーに近いようなケースもありますね。
別所:これは、日本の話ですか? それとも世界も見てということですか?
濵田:これは日本だけを見て調査する中で起きていることですね。

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半数以上の女性議員がハラスメントを受けたことがある

別所はこの話を聞き、「日本での生きづらさ」の構造はどこにあるのかと質問した。

濵田:声をあげる女性や、政治をはじめと従来、男性のものとされてきた場所に居座ろうとする女性への抑圧が大きいのかなと思います。いま、女性議員だけではなく、会社での女性役員を増やすなどさまざまな形で意思決定権における女性比率を上げるということが日本で課題とされていますが、実際にそういった立場になることで、女性だからということでぶつかる壁というのはまだまだ分厚いように思いますね。
別所:やはり、この問題は女性に対してということが顕著なんでしょうか?
濵田:そうですね。先ほどあげた例は女性に顕著だと思います。今年、内閣府が地方議員に実施したアンケート調査を公表したんですけども、男性議員のハラスメント経験は32.5%に対して、女性議員は57.6%というふうに出ているので、約25%くらい女性議員の方が多いという状況です。

「票を入れてあげるから」肉体接触や個人情報を要求

次に「票ハラスメント」についてトークは進んでいった。

濵田:簡単に言うと、票を持っている有権者によるハラスメントのことを指します。ハラスメントというのは権力関係のもとに起こりますが、票を持っていることで自分が議員よりも有利な立場に立っている、つまり権力を持っている立場だと考えて、相手は断れないだろうとさまざまな要求をしてきたり、相手をコントロールしようとしてきたりします。具体的には、街頭演説中に体を触られるという方が、多かったりします。
別所:えー!?
濵田:議員さんは握手をよくすると思うんですけど、そのときに腕まで触られたり、手を離してくれなかったり、接触すると大変という方がいらっしゃいますね。あとは最近、多いのがLINEを教えてほしいというふうに個人的に繋がりたがる方が多かったりします。また、「選挙の手伝いしてあげるから」とか、「票を入れてあげるから君の家の場所を教えて」とか、「付き合ってくれ、デートをしてくれ」など、票をトレードオフに女性に関係性を求めるものというが非常に多いですね。

「票ハラスメント」の実態に驚きを隠せない別所は、「これは難しい問題」と話す。

別所:票を持って応援しているんだという名の下にそういうことをされてしまうと、なかなか断りづらいですね。
濵田:おっしゃる通りですね。本当に断りづらいというふうに皆さんおしゃっています。
別所:これは、度を越したときにどういうふうに対処すべきなのか。何が必要になってくるんでしょう。また、女性議員が少ないということにはこういったことが支障になっているんでしょうか?
濵田:男性議員も「票ハラスメント」を受けることがあるんですが、やはり女性議員の方が選挙や議員活動における活用できる支援が少ないと研究では言われています。私は第三者の介入が必要だと考えています。例えば、街頭演説で手を握られているときも他の人が入って、「次の人が待っているので」と相手を離すなどの介入が必要だなと、現場を見ていて思いますね。

無自覚や知識不足も原因に。アップデートしよう

別所は先日のアイスランドで行われた選挙で、女性議員の数が半数近くまでなったというニュースに触れ、女性議員に対するハラスメント問題は教育で変えていくしかないのかと問う。

濵田:教育というところも非常に重要かなと思うんですけど、やっぱりハラスメントをしている方というのは、悪意を持ってしている方ももちろんいるんですけど、多くの場合は無自覚、無意識、知識不足など、ハラスメントだとわからずにされている方も、すごく多いんですよね。なので、今の時代は「こういうことはダメですよ」というハラスメントの知識のアップデートをきちんと行なっていかないと、知らず知らずのうちに自分が加害者になっていることが本当に起こり得るなと思っています。
別所:そうですよね。コミュニケーションの中で、どの言葉が一線を超えるのかということを考えていかないといけませんね。

コーナーは終盤、濵田さんが立ち上げた「Stand by Women」の活動について触れた。

濵田:現在、3名の女性議員の方をサポートしています。ひとりの議員さんにつき4人体制。「オンラインハラスメント」をメインにサポートをしているんですが、具体的には4人でひとりの議員さんのSNSの監視をしたり、投稿内容の相談を受けたり、個別のメッセージでいろんなものが送られてきたりするので、そう言ったところを見たりしています。あと攻撃を受けた場合に一緒に対応したりということをしていますね。重要なのは、被害を受けたときに相談できる相手がいて、ひとりで抱え越え込まなくてもいい状況を作ることだと思っています。

『J-WAVE TOKYO MORNING RADIO』のワンコーナー「Allbirds MORNING INSIGHT」では、あらゆる世界の本質にインサイトしていく。放送は月曜~木曜の6時30分頃から。

(構成:笹谷淳介)

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