漫画家・イラストレーターの江口寿史が、女性イラストの作画について語った。
江口が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。6月13日(日)のオンエア内容をテキストで紹介する。
吉岡:すごい量の本ですね。
江口:20年ぐらいいるので溜まっちゃって。
吉岡:長いあいだ住まわれているんですね。お仕事場が見られるのってレアすぎます。レアなものが山ほどある(笑)!
江口:そうですよ(笑)。
吉岡:この本棚には夢があります。喉から手が出るほど欲しいものがたくさんある本棚ですね。
江口:今ね、気に入っている人はエイドリアン・トミネという方です。この方はアメリカの漫画家さんで、絵がうまくはないんだけど味があるというか。
吉岡:たしかに。色がバキッとしていないですね。
江口:そうそう。ハーフトーン(限られた色数の小さな点のパターンで印刷したもの)で描いていて。今、これにすごく影響を受けています(笑)。
吉岡:そうなんですね。影響されているのをバラしちゃうなんてかわいい(笑)。
江口:僕、下の世代の方の絵も影響を受けちゃうんですよ。新しい人が続々と出てきているので、世界中の絵がうまい人をフォローするInstagramのアカウントを持っています。有名無名関わらず絵の上手い人をフォローして、(技術を)盗んでやろうと思って(笑)。
吉岡:(笑)。何十年も愛され続けている裏付けを感じました。
吉岡は、江口の仕事場の本棚に飾られているちばてつやの色紙に注目。どういう経緯で色紙を書いてもらったのか質問を投げかけた。
江口:1979年に『すすめ!!パイレーツ』という漫画を描いていたのですが、その頃もちばてつや先生のことが大好きだったし、ちばあきお先生(ちばてつやの弟)のことも好きだったんですね。漫画を描いていた当時の自分は23歳だったのですが、最初の結婚をしたのはちばあきおさんのスタッフさんとだったんですよ。それからあきお先生の家に行ったら、てつや先生も来てくれて。僕はもう、大興奮しちゃいました。
吉岡:どんなリアクションになっちゃいました?
江口:酔っぱらって、訳がわからないはしゃぎ方をしてしまいました。ちばてつやさんのことをずっと「ちばてつや」って、呼び捨てにしちゃいました(笑)。「ちばさん」って言うのも違うし。
吉岡:(笑)。
江口:気が付いたら酔いつぶれていて、あきおさんのベッドで目を覚ましました。「なんてことをしてしまったんだ」って泣いていましたね(笑)。
江口:連載をはじめて10回目ぐらいから「集英社に来て描け」って言われて。そこから2年、集英社に住みました(笑)。
吉岡:すごい。
江口:集英社は神保町にあるんですけど、そこの一部屋を俺が占拠して住んでいたんですよ。
吉岡:まさに「お抱え」ですね。文字通りの意味で(笑)。2年間、集英社で暮らしてみていかがでしたか?
江口:楽しかったです。いろんな漫画家さんが「執筆室に江口寿史がいる」って言って、様子を見に来てくれましたね。「あいつ、本当にここで描いてるの?」って言われたりもしました(笑)。
吉岡:新しいものをどんどん取り入れる柔軟な方だなと感じました。
江口:自分の絵に、読者より先に飽きちゃうんですよね。やっぱり、現実の女性にはどこまでいっても敵わないんですよ。少しでも現実に近づきたいという思いで絵を描いています。現実の女性は常に更新し続けていますから、二次元はどうしても後追いになってしまう。それが悔しいっていうか。
吉岡:私、街を歩く女子高生の靴下の丈をめっちゃ見ちゃいます。靴下ってすごく「今の時代」が出る気がしていて。
江口:出ますね。
吉岡:今はみんな、けっこう短い靴下を履いているんですよね。私の世代は紺のハイソが主流でした。
江口:靴下の丈って、平成史というひとつの学問になっちゃいますよね。
吉岡:本当に! 私、女子高生たちの靴下の丈の遍歴を作ってほしいですもん。
江口:しかも、マスコミが作り出した流行じゃないんだよね。女子高生発じゃないですか。
吉岡:みんなが何かしらのムーブメントを起こしてしますよね。
江口:それがね、カッコいいね。
吉岡:自分の好きなものが自分のなかでちゃんとあるし、それを表現する力もある。自分を信じている“無敵”な感覚が、あの年代は強いかもしれないですね。
江口:あの人たち、(ブームが)終わることも知っているんだよね。
吉岡:すごく刹那的ですよね。「今、これを楽しむ」というか。そういう気持ちは絶対持っていますよね。
江口:わかりやすい顔って描きたくないんですよね。広告の場合だと「もっと笑顔にしてくれ」ってすごく言われるんですけど、それがちょっと苦手で。ようするに、「どうにでもとれる表情」というか。見る人がいろいろと埋めてほしい表情を描きたいんですよね。
吉岡:すごくわかります。こちら側が受け取りやすい表情を描かれているなと思います。
江口:あからさまに男性に媚びているポーズとかは、気持ち悪いので描きたくないです。必ず言われるのは、「僕の知っている人に似ている」ですね。それはそれで僕の望むところで。それぞれが思う“彼女”であってほしいといつも思っています。ポーズも限定的なものじゃなく、着替えている途中みたいな、どこかで見たような日常のポーズが好き。
吉岡:リアリティがあるポーズですね。(江口さんの)絵を見ていると、その感覚にめちゃくちゃなります。
江口:前はフォルムだったりファッションだったり表面的なことに興味があったんですけど、今は見えない思いとかときめきとかを表現したい気持ちになっていますね。
吉岡:江口さんご自身がときめくものって、どんどん変わってきていますか?
江口:同じですね。さっき言われた女子の“無敵”な感じ。それにどうしても、男は負ける(笑)。
吉岡:(笑)。
江口:一生勝てないので、悔しさ半分憧れ半分の思いを持って絵で迫ろうとしています。僕ね、女の人に生まれなかったのがものすごく悔しかったので。
吉岡:えっ。そうだったんですね。
江口:言っても無理な話なので、そこは絵でなんとか迫りたいって気持ちです。
今まで描いてきたなかで一番のお気に入りのイラストについて尋ねると、江口は『江口寿史美人画集 彼女』(集英社インターナショナル)の表紙だと回答。ショートカットの女性の横顔を、やや後ろから描いたイラストだ。
吉岡:今まで江口さんの描かれていた絵とはちょっとニュアンスが違う気もします。この絵はどういう着想を得て描かれたのですか?
江口:この絵は『イラストレーション』(玄光社)っていう雑誌の表紙で描いたものなんですけど、その号は僕の特集だったんですよね。中身は全部が出来ていたのに、表紙だけが最後まで出来なかったんです(笑)。
江口は「表紙の絵は雑誌の中身よりも新しい表現でなければならない」という思いから、横顔の女性のイラストを完成させたと語った。
江口:思いが強かったから、今までとはかなり違ったものになったのかもしれないですね。
吉岡:かなり新鮮です。今までは見ている目線が違う感じがします。勝手なファン心理ですけれど。
江口:新境地ですよね。
江口:自宅ってね、「家族のもの」って感覚なんですよ。僕はなんとなく部外者というか。居場所があまりない感じ(笑)。
吉岡:(笑)。
江口:自宅には自分の部屋もあるんですけど、部屋にこもってレコードを聴くなんてことはできないんですよ。家にいると「なんで部屋にいるの?」って言われてしまうので(笑)。リビングにいないといけない。
吉岡:家族との交流がありますもんね。
江口:そうすると手持ち無沙汰というか、やることがない(笑)。娘がちょろちょろしていたら「最近、どう?」みたいなことを聞くぐらい(笑)。もうね、仕事場に戻りたくてウズウズしてくるんですよね。
吉岡:根っからの仕事人ですね。
江口:24時間「江口寿史」でいられる感じですね。家に帰るとただのおっさんですから(笑)。俺が何をやっているか家族はほとんど知らないし、SNSも見ないし。見たら見たでムカつくらしいので(笑)。
吉岡:SNSを見るとムカつくって面白いですね(笑)。
江口:娘が嫁に「お父さん、楽しそうにしているよ」ってチクったりするんですよ(笑)。
吉岡:(笑)。お父さんの一面も垣間見えるのは、ラジオならではですね。
吉岡:新しく挑戦してみたいことってありますか?
江口:今ってペン入れまでは手で描いていて、着色と仕上げはパソコンでやっているんですよね。なので、原画というものが厳密には存在しないというか。原画は全部、パソコンからの出力になっちゃうんですよね。それがちょっと物足りない。展示とかをすると、出力だとちょっと原画に負けるんだよね。
吉岡:そうなんですか。
江口:原画の持つ力に負けちゃうからでっかく出力しています。だから、今は原画が描きたいですね。
2021年から開催している「江口寿史イラストレーション展 彼女 世界の誰にも描けない君の絵を描いている」では、江口が180センチ四方のキャンバスにライブペインティングで作品を描いた。
江口:みんなが後ろで見ているなか、黙って描きました。みなさんも黙って見ているから心配になっちゃって(笑)。
吉岡:いやいや! 最高の空間じゃないですか。
江口:描いた絵は展示に追加されます。次の展示は7月に北海道の旭川ではじまるんですけど、そこでは2枚目の原画を描きます。大きな絵を手で描くので、すごく楽しみですね。
吉岡:いいですね!
「江口寿史イラストレーション展 彼女 世界の誰にも描けない君の絵を描いている」は、7月10(土)から9月5日(日)まで開催予定。場所は北海道立旭川美術館。詳細は公式サイトまで。
また、江口寿史氏初のジャケットアートワーク集『RECORD 1992-2020』(河出書房新社)の刊行を記念した展覧会「江口寿史のRECORD展」が横手市増田まんが美術館で開催中。開催期間は7月11日(日)まで。詳細は公式サイトまで。
『UR LIFESTYLE COLLEGE』では、心地よい音楽とともに、より良いライフスタイルを考える。オンエアは毎週日曜18時から。
江口が登場したのは、J-WAVEで放送中の番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。6月13日(日)のオンエア内容をテキストで紹介する。
さまざまな世代から絵の技術を学び取る
1977年に『週刊少年ジャンプ』(集英社)で漫画家デビューを果たした江口寿史は、『ストップ!! ひばりくん!』(集英社)や『すすめ!!パイレーツ』(集英社)などの名作を輩出。現在はイラストレーターとしても活動を広げ、広告、本の装画、レコードジャケットなど手掛けている。今回の放送では、江口が仕事場からリモート出演した。吉岡:すごい量の本ですね。
江口:20年ぐらいいるので溜まっちゃって。
吉岡:長いあいだ住まわれているんですね。お仕事場が見られるのってレアすぎます。レアなものが山ほどある(笑)!
江口:そうですよ(笑)。
吉岡:この本棚には夢があります。喉から手が出るほど欲しいものがたくさんある本棚ですね。
江口:今ね、気に入っている人はエイドリアン・トミネという方です。この方はアメリカの漫画家さんで、絵がうまくはないんだけど味があるというか。
吉岡:たしかに。色がバキッとしていないですね。
江口:そうそう。ハーフトーン(限られた色数の小さな点のパターンで印刷したもの)で描いていて。今、これにすごく影響を受けています(笑)。
吉岡:そうなんですね。影響されているのをバラしちゃうなんてかわいい(笑)。
江口:僕、下の世代の方の絵も影響を受けちゃうんですよ。新しい人が続々と出てきているので、世界中の絵がうまい人をフォローするInstagramのアカウントを持っています。有名無名関わらず絵の上手い人をフォローして、(技術を)盗んでやろうと思って(笑)。
吉岡:(笑)。何十年も愛され続けている裏付けを感じました。
吉岡は、江口の仕事場の本棚に飾られているちばてつやの色紙に注目。どういう経緯で色紙を書いてもらったのか質問を投げかけた。
江口:1979年に『すすめ!!パイレーツ』という漫画を描いていたのですが、その頃もちばてつや先生のことが大好きだったし、ちばあきお先生(ちばてつやの弟)のことも好きだったんですね。漫画を描いていた当時の自分は23歳だったのですが、最初の結婚をしたのはちばあきおさんのスタッフさんとだったんですよ。それからあきお先生の家に行ったら、てつや先生も来てくれて。僕はもう、大興奮しちゃいました。
吉岡:どんなリアクションになっちゃいました?
江口:酔っぱらって、訳がわからないはしゃぎ方をしてしまいました。ちばてつやさんのことをずっと「ちばてつや」って、呼び捨てにしちゃいました(笑)。「ちばさん」って言うのも違うし。
吉岡:(笑)。
江口:気が付いたら酔いつぶれていて、あきおさんのベッドで目を覚ましました。「なんてことをしてしまったんだ」って泣いていましたね(笑)。
集英社に2年間「住み込み」で漫画を執筆
『すすめ!!パイレーツ』を連載していた当時、遅筆だった江口は集英社に住み込みで漫画を描いていたそうだ。江口:連載をはじめて10回目ぐらいから「集英社に来て描け」って言われて。そこから2年、集英社に住みました(笑)。
吉岡:すごい。
江口:集英社は神保町にあるんですけど、そこの一部屋を俺が占拠して住んでいたんですよ。
吉岡:まさに「お抱え」ですね。文字通りの意味で(笑)。2年間、集英社で暮らしてみていかがでしたか?
江口:楽しかったです。いろんな漫画家さんが「執筆室に江口寿史がいる」って言って、様子を見に来てくれましたね。「あいつ、本当にここで描いてるの?」って言われたりもしました(笑)。
現実の女性にはどこまでいっても敵わない
吉岡は以前、江口がインタビューで「女の子のディテールを古いもので描きたくない。ダサいのは嫌だ。ちゃんと今を追いかけていく」と話していたのを目にしたそうで、「熱狂的なファンがいるのって、そういうところからも来ているんじゃないかなって思ったんですよね」とコメントした。吉岡:新しいものをどんどん取り入れる柔軟な方だなと感じました。
江口:自分の絵に、読者より先に飽きちゃうんですよね。やっぱり、現実の女性にはどこまでいっても敵わないんですよ。少しでも現実に近づきたいという思いで絵を描いています。現実の女性は常に更新し続けていますから、二次元はどうしても後追いになってしまう。それが悔しいっていうか。
吉岡:私、街を歩く女子高生の靴下の丈をめっちゃ見ちゃいます。靴下ってすごく「今の時代」が出る気がしていて。
江口:出ますね。
吉岡:今はみんな、けっこう短い靴下を履いているんですよね。私の世代は紺のハイソが主流でした。
江口:靴下の丈って、平成史というひとつの学問になっちゃいますよね。
吉岡:本当に! 私、女子高生たちの靴下の丈の遍歴を作ってほしいですもん。
江口:しかも、マスコミが作り出した流行じゃないんだよね。女子高生発じゃないですか。
吉岡:みんなが何かしらのムーブメントを起こしてしますよね。
江口:それがね、カッコいいね。
吉岡:自分の好きなものが自分のなかでちゃんとあるし、それを表現する力もある。自分を信じている“無敵”な感覚が、あの年代は強いかもしれないですね。
江口:あの人たち、(ブームが)終わることも知っているんだよね。
吉岡:すごく刹那的ですよね。「今、これを楽しむ」というか。そういう気持ちは絶対持っていますよね。
絵の女性が「僕の知っている人に似ている」と言われると…
女性のイラストを描くときに、一番こだわっているのは「表情」だと語る江口。広告の仕事などで「もっと笑顔にしてほしい」というオーダーをされるのが苦手だとも話した。江口:わかりやすい顔って描きたくないんですよね。広告の場合だと「もっと笑顔にしてくれ」ってすごく言われるんですけど、それがちょっと苦手で。ようするに、「どうにでもとれる表情」というか。見る人がいろいろと埋めてほしい表情を描きたいんですよね。
吉岡:すごくわかります。こちら側が受け取りやすい表情を描かれているなと思います。
江口:あからさまに男性に媚びているポーズとかは、気持ち悪いので描きたくないです。必ず言われるのは、「僕の知っている人に似ている」ですね。それはそれで僕の望むところで。それぞれが思う“彼女”であってほしいといつも思っています。ポーズも限定的なものじゃなく、着替えている途中みたいな、どこかで見たような日常のポーズが好き。
吉岡:リアリティがあるポーズですね。(江口さんの)絵を見ていると、その感覚にめちゃくちゃなります。
江口:前はフォルムだったりファッションだったり表面的なことに興味があったんですけど、今は見えない思いとかときめきとかを表現したい気持ちになっていますね。
吉岡:江口さんご自身がときめくものって、どんどん変わってきていますか?
江口:同じですね。さっき言われた女子の“無敵”な感じ。それにどうしても、男は負ける(笑)。
吉岡:(笑)。
江口:一生勝てないので、悔しさ半分憧れ半分の思いを持って絵で迫ろうとしています。僕ね、女の人に生まれなかったのがものすごく悔しかったので。
吉岡:えっ。そうだったんですね。
江口:言っても無理な話なので、そこは絵でなんとか迫りたいって気持ちです。
今まで描いてきたなかで一番のお気に入りのイラストについて尋ねると、江口は『江口寿史美人画集 彼女』(集英社インターナショナル)の表紙だと回答。ショートカットの女性の横顔を、やや後ろから描いたイラストだ。
吉岡:今まで江口さんの描かれていた絵とはちょっとニュアンスが違う気もします。この絵はどういう着想を得て描かれたのですか?
江口:この絵は『イラストレーション』(玄光社)っていう雑誌の表紙で描いたものなんですけど、その号は僕の特集だったんですよね。中身は全部が出来ていたのに、表紙だけが最後まで出来なかったんです(笑)。
江口は「表紙の絵は雑誌の中身よりも新しい表現でなければならない」という思いから、横顔の女性のイラストを完成させたと語った。
江口:思いが強かったから、今までとはかなり違ったものになったのかもしれないですね。
吉岡:かなり新鮮です。今までは見ている目線が違う感じがします。勝手なファン心理ですけれど。
江口:新境地ですよね。
漫画家であり“父親”でもある江口寿史
『UR LIFESTYLE COLLEGE』では、ゲストのライフスタイルに注目。1週間の大半を仕事場で過ごす江口は、自宅と家族との関わりについて語った。江口:自宅ってね、「家族のもの」って感覚なんですよ。僕はなんとなく部外者というか。居場所があまりない感じ(笑)。
吉岡:(笑)。
江口:自宅には自分の部屋もあるんですけど、部屋にこもってレコードを聴くなんてことはできないんですよ。家にいると「なんで部屋にいるの?」って言われてしまうので(笑)。リビングにいないといけない。
吉岡:家族との交流がありますもんね。
江口:そうすると手持ち無沙汰というか、やることがない(笑)。娘がちょろちょろしていたら「最近、どう?」みたいなことを聞くぐらい(笑)。もうね、仕事場に戻りたくてウズウズしてくるんですよね。
吉岡:根っからの仕事人ですね。
江口:24時間「江口寿史」でいられる感じですね。家に帰るとただのおっさんですから(笑)。俺が何をやっているか家族はほとんど知らないし、SNSも見ないし。見たら見たでムカつくらしいので(笑)。
吉岡:SNSを見るとムカつくって面白いですね(笑)。
江口:娘が嫁に「お父さん、楽しそうにしているよ」ってチクったりするんですよ(笑)。
吉岡:(笑)。お父さんの一面も垣間見えるのは、ラジオならではですね。
観客が見守るなかライブペインティングに挑戦!
江口は今後の活動や、挑戦してみたいことについて語った。吉岡:新しく挑戦してみたいことってありますか?
江口:今ってペン入れまでは手で描いていて、着色と仕上げはパソコンでやっているんですよね。なので、原画というものが厳密には存在しないというか。原画は全部、パソコンからの出力になっちゃうんですよね。それがちょっと物足りない。展示とかをすると、出力だとちょっと原画に負けるんだよね。
吉岡:そうなんですか。
江口:原画の持つ力に負けちゃうからでっかく出力しています。だから、今は原画が描きたいですね。
2021年から開催している「江口寿史イラストレーション展 彼女 世界の誰にも描けない君の絵を描いている」では、江口が180センチ四方のキャンバスにライブペインティングで作品を描いた。
江口:みんなが後ろで見ているなか、黙って描きました。みなさんも黙って見ているから心配になっちゃって(笑)。
吉岡:いやいや! 最高の空間じゃないですか。
江口:描いた絵は展示に追加されます。次の展示は7月に北海道の旭川ではじまるんですけど、そこでは2枚目の原画を描きます。大きな絵を手で描くので、すごく楽しみですね。
吉岡:いいですね!
「江口寿史イラストレーション展 彼女 世界の誰にも描けない君の絵を描いている」は、7月10(土)から9月5日(日)まで開催予定。場所は北海道立旭川美術館。詳細は公式サイトまで。
また、江口寿史氏初のジャケットアートワーク集『RECORD 1992-2020』(河出書房新社)の刊行を記念した展覧会「江口寿史のRECORD展」が横手市増田まんが美術館で開催中。開催期間は7月11日(日)まで。詳細は公式サイトまで。
『UR LIFESTYLE COLLEGE』では、心地よい音楽とともに、より良いライフスタイルを考える。オンエアは毎週日曜18時から。
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吉岡里帆