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長濱ねるが「悲しい」で終わらせず広めたいと思った、人種差別を描く映画は

長濱ねるが「悲しい」で終わらせず広めたいと思った、人種差別を描く映画は

長濱ねるがNetflix映画『隔たる世界の2人』を紹介し、人種差別についてハリー杉山と語り合った。

トークが繰り広げられたのは、ふたりがナビゲーターを務める、J-WAVEで放送中の番組『POP OF THE WORLD』のワンコーナー「DOGA FOR YA」。ここでは5月22日(土)のオンエアをテキストで紹介する。

エマ・ストーンの最愛の人とは?

まずは長濱が、気になるニュースをピックアップ。2017年公開の映画『ラ・ラ・ランド』でアカデミー賞主演女優賞を受賞したエマ・ストーンが、あるポッドキャスト番組に出演した際、受賞したときの思い出を訊かれ、長年想い続けている最愛の人について語った。その相手は、レオナルド・ディカプリオ。当時の主演女優賞のプレゼンターを務めたレオナルド・ディカプリオのことが10代の頃から大好きだったそうだ。

長濱:エマがレオさま(レオナルド・ディカプリオ)をどれくらい好きかというと、『タイタニック』を劇場でなんと7回も観たそうです。
ハリー:それ合計何時間よ。超大作じゃん。
長濱:本当ですよね。そのほか、レオさまの出演作品をすべて観ていたり、12歳の誕生日にもらったサイン入り写真を部屋に飾っていたりするらしいです。
ハリー:その気持ちは超わかる。僕だってレオさまのことマジでかっこいいと思ったもん。
長濱:私も大好きです。
ハリー:映画『ロミオ+ジュリエット』の水槽のシーンを妄想したり、レオさまの真ん中分けの髪型をやってみたりするんだけど、あれはレオさまだから似合う。でもエマ・ストーンが今でもレオさまに会うとちょっと焦っちゃうのかわいいね。
長濱:少女な感じ。かわいいと思います。ちなみに私は、レオさまが下唇から上に息を吐いて、前髪がファサってする仕草がめちゃめちゃ好きです。
ハリー:それ、どんなときにやるの(笑)? 『タイタニック』の中で?
長濱:『ロミオ+ジュリエット』の中です。

スカーレット・ヨハンソン、スライムまみれで激怒?

続いて紹介したのは、スカーレット・ヨハンソンがスライムまみれになったニュース。「2021年MTVムービー&TVアワード」で、ジェネレーションアワードを受賞したスカーレット。受賞式ではスカーレットが自宅で事前に撮影したスピーチを放送した。そのスピーチの途中で、夫でコメディアン&俳優のコリン・ジョストが突然登場し、ボウルいっぱいのスライムをスカーレットの頭にかけた。

ハリー:しかもスライムって、かわいいスライムじゃないよ。ほぼ液体。「バブルスライム」(ゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズ登場キャラクター)わかります? あれを顔面に大量にぶっかけてるんですよ。でもコリンの行動には、ある勘違いがあったんだよね。
長濱:なぜコリンがそんなことをしたかというと、アメリカの人気バラエティ番組『ニコロデオン』で、スライムをぶっかけるのが恒例となっているイベントがあって、コリンがそれをMTVの行事だと勘違いして「MTVだからスライムをかけよう」と思ってやったんです。コリンとしては粋な計らいのつもりが、スカーレットがブチぎれるという。でもそれも含め、エンターテインメントなのかなと思いました。
ハリー:そうそう、これ絶対に計算してる。
長濱:観ている人を楽しませようとしてくれたんですかね。

『ハリー・ポッター』のテーマパーク建設開始!

2020年8月に閉園した遊園地「としまえん」跡地に、『ハリー・ポッター』シリーズの世界を体験できる施設「ワーナー ブラザース スタジオツアー東京 ‐メイキング・オブ ハリー・ポッター」が2023年前半のオープンを目指して建設中。同施設はロンドンに続き世界で2番目となる。

長濱:ハリーさん、この施設に関わっているらしいですね?
ハリー:そうなんです。開園に向けて英語ナレーションを務めさせていただきました。僕、ロンドンの「スタジオツアー」に行かせていただいて、マジで大興奮! ドビーにも会えるし、映画で使われたスタジオや小物も見られます。「この杖はもしかしてヴォルデモート卿が持ってたやつ!?」とかね。細かいし、夢のまた夢の先にある『ハリー・ポッター』ワールドを日本で味わうことができるなんて……。ねるちゃんは『ハリー・ポッター』好き?
長濱:好きですよ。イギリスのキングス・クロス駅に、『ハリー・ポッター』シリーズに登場する「9と4分の3番線」の写真を撮れるところがあるじゃないですか。そこに並んで、係員の方がマフラーを持って飛ばしてくれて、その瞬間を撮るっていうのをやってもらいました。そういうちょっとした場所でもテンションが上がるので、まさか日本でそれを体験できるとは、って感じで楽しみです。
ハリー:ロンドンの「スタジオツアー」でも「9と4分の3番線」を全力でやったらちょっとはしゃぎすぎちゃって。顔面から壁に突っ込むくらいの勢いでやったんですよね(笑)。
長濱:危ない、危ない(笑)。

人種差別について考えるヒントをくれる映画

最後に、Netflix映画『隔たる世界の2人』を紹介した。タイムループに閉じ込められた男が、愛犬が待つ自宅に戻る途中で、警官ともめて殺される恐怖を何度も繰り返す。アカデミー賞最優秀短編実写映画賞受賞作品。

Two Distant Strangers | Oscar®-Nominated Live Action Short Film | Netflix

同作品は2020年にアメリカ・ミネソタ州ミネアポリスで白人警官が黒人のジョージ・フロイドを殺害した事件を発端に起こった「ブラック・ライヴズ・マター運動」の影響下で制作された。ニューヨーク出身のラッパー、ジョーイ・バッドアスが主演を務めた32分の短編映画だ。

長濱:「ブラック・ライヴズ・マター」ってどういう運動だったんだろうとか、こういうことが起こっているんだな、世界はこういうことで動いているんだなって思いつつも、日本にいると海を越えた出来事なので、実際に自分の私生活や自分事として考えることが……。
ハリー:そうなんだよね。我々日本人の中には「人種差別」ってちょっと遠いものと思う人もいるかもしれないけど、そんなことないわけさ。黒人に対してだけでなく、アジア諸国の方々に対しての差別も僕は見てきましたから、どんな国でも差別ってあるんですよ。『隔たる世界の2人』では、アメリカで「人種差別」がいかにとんでもない社会問題かってことが32分という短編でめちゃくちゃわかりやすくまとめられていて、そして、男性であろうと女性であろうと、1人の黒人の心の中で何が起きているのかが明確に伝わる。
長濱:すごく言い方が難しいですけど、リアルというか、自分がそうなるかもと思いました。ただ普通に生活したい、生きたいっていう、その当たり前のことさえも難しい状況って……。
ハリー:家の外に出て、今日誰に自分の命が奪われるかわかんないっていう恐怖心を抱えて日々生きているんですよね。もちろん全員が差別主義者っていうわけではないんだけど、これがなかなか変わってないんですよ。もちろん40年前、50年前と比べると法律的には権利が与えられている。でも日常で信じられないことも起きているわけで。これはアメリカだけの話じゃなく、世界の全ての国で差別はあるわけだから、やっぱり子どもの頃から話し合って、お互い寄り添うことができるようになることがすごく大切。そのいろんなヒントを与えてくれる作品なんだよね。
長濱:すごくわかりやすくて、エンドクレジットまでぜひ見てほしいなって思います。私もこの作品を観たときに「苦しい」「悲しい」って思って涙も出たんですけど、それだけで終わっちゃだめな気がして。自分はどうしたらいいんだろうと思って。こうしてラジオで紹介することで、誰かが観てみようかなとか、そういうことがあるんだって知るきっかけになって、それが何かの一歩に繋がるようにと願うしかできなくて。

長濱の発言を受け、ハリーは「人種差別について知ることが一歩前進」と語る。

ハリー:このトピックに関してディスカッションできないのは、すごく恥ずかしいことだと思うんだよね。いま新型コロナ情勢でなかなか海外から人が入ってこられないと思うんだけど、国際化はどんどん進んでいくわけだから、対岸の火事というわけじゃないので、ぜひともみなさんに知っていただきたいです。でも『隔たる世界の2人』は社会的なメッセージもありながら、使われている音楽、主人公とガールフレンドのコミカルなやりとりも見どころです。
長濱:映像のスピード感もよくて、色もかわいくて、すごく観やすくてよかったですね。

長濱は、ブラック・ライヴズ・マター運動で象徴的に使用され、劇中歌としても起用されたBruce Hornsby and the Range『The Way It Is』に注目した。

The Way It Is

長濱:これはすごく前の曲なんですよね。
ハリー:1986年だと思います。Bruce Hornsbyは白人の方で、『The Way It Is』は爽やかな曲なんだけど人種差別に対しての曲でもあるんですよ。歌詞には1964年の「公民権法」を指す一節があります。黒人と白人を平等な社会的地位で見る法が形になったんだけど、そういう法があったとしても何も変わってないよねと歌っている曲だと僕は解釈しています。
長濱:それが今の時代にも当てはまっちゃうって、もどかしくてやるせない気持ちになります。同じ人間なのに、肌の色や生まれ、育ちで区別しちゃうのって違うよなと違和感を持って警鐘を鳴らしている方もたくさんいらっしゃって。
ハリー:悪い意味がなくても、そういう潜在意識がある時点でアウトなんだよね。
長濱:優劣って絶対ない。私たちが少しずつ声を上げて、それが届いているのかなっていう映画でしたね。
ハリー:そういうふうに解釈できるねるちゃんは素晴らしいと思うよ。ここだけでなく、いろんなところで積極的にディスカッションできたら素敵ですね。
長濱:みなさんの考えるきっかけになったらいいなと思うので、ぜひ観てみてください。

『POP OF THE WORLD』の「DOGA FOR YA」では、長濱ねるが話題の洋画や海外ドラマから毎週1作品をピックアップして紹介しながら、その作品の主題歌や言語、文化的背景について学ぶ。放送は毎週土曜日7時5分頃から。

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2021年5月29日28時59分まで

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番組情報
POP OF THE WORLD
毎週土曜
6:00-8:00