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長濱ねるが語る「トラウマで時間が止まる」描写が印象的な映画

長濱ねるが語る「トラウマで時間が止まる」描写が印象的な映画

長濱ねるが気になるニュースや、映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』の魅力を、ハリー杉山と語った。

トークが繰り広げられたのは、2人がナビゲーターを務める、J-WAVEで放送中の番組『POP OF THE WORLD』のワンコーナー「DOGA FOR YA」。ここでは1月29日(土)のオンエアをテキストで紹介する。

ジェームズ・ガン、ガーディアンズの解散を明言

まずは長濱が、気になるニュースをピックアップ。現在3作目の公開を控えているマーベルシネマティックユニバース(MCU)の人気シリーズ『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。その監督のジェームズ・ガンが、「これで終わりです。ファンがガーディアンズのチームを見るのはこれが最後になります。とても壮大です。壮大で、暗くて、人々が期待しているものとは異なります。登場人物やストーリーに忠実で、ふさわしい最後を提供したい。それは少しこわいですが、最善を尽くしている」と語ったニュースから紹介した。

ハリー:どうなんでしょうかね。気になるな、これは。
長濱:『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』の3作目が2023年5月に全米公開を予定されていますけど、3作目で終わっちゃうってこと?
ハリー:そういうことなんじゃないかな。だからこれからのマーベルの作品で、どれほどガーディアンズのメンバーがほかの作品に出てくるか気になる。
長濱:このジェームズ・ガン監督は、MCUのライバル的存在であるDCコミックスの『ザ・スーサイド・スクワッド』が昨年公開になっているので、このままDC監督として活躍するのかも……?

シュワちゃん、全知全能の神・ゼウスに

続いて長濱が注目したのは、日本ではシュワちゃんの愛称で親しまれている俳優、アーノルド・シュワルツェネッガーのSNSに関するニュースだ。シュワルツェネッガーのSNSで突如解禁されたのが、全知全能の神・ゼウスに扮した謎のポスターだ。白髪に白ひげ、金の甲冑をつけたシュワルツェネッガーに稲妻が走っているような、インパクトのあるそのポスターに書かれているのは「February,2022」の文字。迫る2022年2月、この全貌が明かされるのか。楽しみに待ちたいところだ。



長濱:もしこれがフェイクだとしたらすごい完成度なので、何かあるんじゃないかな……?
ハリー:アーノルド・シュワルツェネッガーが完全にもうゼウス。髪の毛が真っ白で真ん中分け。そしてひげが、(ハリー・ポッターシリーズの)ダンブルドアのようにかなり長めになっているんですよ。着ているのは金色の鎧なんですけど、これ絶対映画でしょ。映画じゃなきゃおかしいよ。
長濱:ちなみにシュワちゃんは、過去にゼウスの息子であるヘラクレス役を1969年に演じたことがあるそうです。楽しみに続報を待ちましょう。

世界で上映されたことに大きな意味のある作品

最後に、映画『プロミシング・ヤング・ウーマン』を紹介した。
この作品は『スーサイド・スクワッド』などで知られる映画プロデューサーのマーゴット・ロビーが「ぜひエメラルド・フェネルに映画を作ってほしい」と熱意を伝え叶った、オリジナル脚本による長編映画だ。2021年の93回アカデミー賞では作品賞、監督賞、主演女優賞など5部門にノミネートされ、脚本賞を受賞した。

ストーリーやタイトルに込められた意味を、長濱が語る。

長濱:ごく平凡な生活を送っている女性・キャシーにはとんでもなく切れ者でクレバーな一面があって、キャシーは夜毎にクラブなどに外出していくんですよね。そして、酔っぱらったふりをして男性について行く行動を繰り返し、その裏にはある目的がある、というストーリーです。この『プロミシング・ヤング・ウーマン』というタイトルも、もともとある「プロミシング・ヤングマン」という前途有望な、将来を約束された青年という意味の言葉を「女性だって前途有望ですよ」と皮肉にもじっています。この映画はアメリカで何度も起きたレイプ事件も題材にしていて、男性による女性の性的搾取も描いています。「女性は酔っぱらっているなら、お持ち帰られて当然だ」という言葉も出てきて、私も見ていてすごく苦しい部分がありました。

リスナーからは「性別や年齢で物事を軽視したり、傍観者であることの恐ろしさを感じました」「復讐に取りつかれていた主人公のキャシーに、ハーレイ・クインやジョーカーのような、狂気の裏の寂しさを感じました」などのメッセージが寄せられた。

長濱は映画を見て「色彩がポップで可愛い」という印象を受けたが、その裏にあるメッセージを次のように読み解いたそうだ。

長濱:衣装もガーリーで、最初は強いメッセージを持った映画には感じなかったんですよね。でも主人公のキャシーは30歳になるんですけど、ピンクやブルーのまるで10代のような鮮やかで可愛いフリフリの洋服とかを着ていて、私は、それはキャシーが17歳くらいのすごくつらかった経験から時が止まってる描写なのかなと思いました。自分の周りでも何かトラウマを抱えている人って、そのときから時が止まっていることがあって、普通に生活をしていてもふと悪夢から逃げられなかったりするんですよね。私もトラウマがあって、「助けて」って声が出ない苦しい夢を見たり、「この場所に行ったら、絶対つらかった出来事がよみがえってしまう」ということとかがあったりするんですよ。そういうものを抱えている人って世のなかにはいっぱいいると思うんですけど、それをした側は平然と生きていたり、普通の幸せな生活を送っていたりすることもあって。この映画からはその人たちに対して、「絶対水に流してやらないぞ」「君たちだけ先に進ませないぞ」という強い怒りを感じました。

映画をシェアして誰かと語りたいという長濱だが、「この映画が届いてほしい人、自戒して欲しい人には届かないのかもしれない」とも思ったそうだ。

長濱:(作中では)自分のことって気づかなかったり、傍観しちゃっていたり、女性同士の連携もとれていなかったりして。私は正直、あんまりこういう夜派手に飲みに行くみたいな経験がないのですが、こういう経験がある人のなかには身に覚えがある人や、自分がやってしまっていた人、見て見ぬふりをしていた、仕方ないと流していたという人もたくさんいると思うし、私もすごく理解できたので、改めてこういう映画が世界的に上映されたのはすごく意味があるなと思いました。
ハリー:だからこそ、ここまで大絶賛されているんだね。聞いた話だと、イギリスの教育のなかではこれを高校のクラスのみんなで見て、その後ディスカッションをしたり、感想文を書いたりしているみたい。あと、この映画はサントラもめちゃめちゃよかったよね。危険な香りがするポップスでさ。
長濱:すごくハラハラする展開も、映画として見入ってしまうものだったので、ぜひまだ見ていない方はチェックしてみてください。

『POP OF THE WORLD』の「DOGA FOR YA」では、話題の洋画や海外ドラマから毎週1作品をピックアップして紹介。その作品の魅力や、文化的背景について語る。放送は毎週土曜日7時5分頃から。

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