J-WAVEで放送中の番組『VOLVO CROSSING LOUNGE』(ナビゲーター:アン ミカ)。3月19日(金)のオンエアでは、音楽プロデューサー・松任谷正隆がリモート出演。著書『おじさんはどう生きるか』を紹介し、日々の思いを語った。
アン:けっこうあけすけに書かれていますよね。
松任谷:あけすけって言われるんだけど、そんなでもないと思っているんです。
アン:(松任谷)正隆さんにとってユーミン(松任谷由実)さんは奥さんなんですけど、私たちにとっては青春時代を一緒に過ごしてきた時代を超えたカリスマなので。正隆さんにとっては普通なことが、私たちにとってはすごく新鮮だったりして。皿洗いのこだわりから夫婦喧嘩まで。
松任谷:ただね、由実さんの話が書けたのは、由実さんは僕の書いているものを読まないからなんですよ。「見てない」という安心感があってなんでも書いちゃうところはあります。
アンが『おじさんはどう生きるか』を読んでいて気になったのは、新幹線で「席を倒していいですか?」と尋ねるマナーについて書かれた部分だという。
アン:あれは何が正しいんだろう? いつから言うようになったんでしょうね。
松任谷:でしょ? 車の「サンキューハザード」と同じように。
アン:そうそう(笑)。運転を始めた頃は「怒られてるのかな?」と思って、慣れるまでわからないやつ。あとは「トナラー(空いているのにわざわざ隣に車を停める人)」。
松任谷:トナラーね(笑)。あれは僕も初めて聞いたんですよ。
アン:実は私も『おじさんはどう生きるか』で初めて知りました。お手洗いでも広いのに隣に入ってくるとか。
松任谷:それは嫌ですよね。
アンが次々とエッセイ内の印象的だった点の感想を語ると、松任谷は「本当に読んだんですね」と少々驚いた様子を見せた。
アン:私も40代後半という昭和のはざまにいる世代で、若い子とうまく付き合いたいし、人生の先輩からも学びたいという世代です。共存していく社会のうえで、私たちより若い人たちにも読んでほしいなと思うエッセイでした。
松任谷:ありがとうございます。
松任谷:“おじさん”でいいのかなって、いまだにずっと思ってます。
アン:いいですよ。自分がどういう見られ方をするかというのは、言ったもの勝ちですよ。そんなことを言ったら私もこれから本を出すとき世の中から見たら49歳がおばさんなのか、定義が難しいですよね。
松任谷:アン ミカさん自身の定義は?
アン:私? すっごくオシャレできれいなおばさんです。
松任谷:“グランドお姉さん”というのはどうですか?
アン:素敵! それ使わせていただきます。
松任谷:職人って言われたいなと思って。だから、いい人でいたいのは仮の姿で、本当は嫌なやつでも人間が破綻していても、本当の職人でありたいって憧れがあります。言葉の響きだけなんだけどね。
アン:いやでも、プロデューサーはいろんな要素がある人を集めて、なにか大きなものを俯瞰で見て仕上げていく。すごく大きな責任と、最後の感性のふりかけで全部が決まってしまうということで言うと、すごい職人ですよね。
松任谷:プロデューサーはおおらかで、自分の器も広くて、いろいろなものを受け入れられて、それでいて自分と違うものもうまくアレンジして、そのなかにレイアウトできるような。僕はそうではないんですよ、本当は。
アン:意外です。
松任谷:だから僕は本当に1つのことを、カンナだったらカンナをずっとかけてる、みたいな。「どのくらいツルツルにできるか?」みたいな。それが僕の本質なので。
アン:お仕事をご一緒するみなさんは、それを理解されているんですもんね。
松任谷:まあでも、由実さんもあんまりわかってないかもしれないなあ。
アン:私生活もお仕事も長くご一緒してても?
松任谷:うん、きっとわかってないだろうと思います。
『VOLVO CROSSING LOUNGE』では、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをゲストに迎えて、大人の良質なクロストークを繰り広げる。オンエアは毎週金曜23時30分から。
いつからか始まった“マナー”に困惑
松任谷は3月23日(火)、日常を綴ったエッセイ『おじさんはどう生きるか』(中央公論新社)を刊行した。身の回りの“あるある”から、妻である松任谷由実のことまで、さまざまな切り口で松任谷の生活が書かれている。アン:けっこうあけすけに書かれていますよね。
松任谷:あけすけって言われるんだけど、そんなでもないと思っているんです。
アン:(松任谷)正隆さんにとってユーミン(松任谷由実)さんは奥さんなんですけど、私たちにとっては青春時代を一緒に過ごしてきた時代を超えたカリスマなので。正隆さんにとっては普通なことが、私たちにとってはすごく新鮮だったりして。皿洗いのこだわりから夫婦喧嘩まで。
松任谷:ただね、由実さんの話が書けたのは、由実さんは僕の書いているものを読まないからなんですよ。「見てない」という安心感があってなんでも書いちゃうところはあります。
アンが『おじさんはどう生きるか』を読んでいて気になったのは、新幹線で「席を倒していいですか?」と尋ねるマナーについて書かれた部分だという。
アン:あれは何が正しいんだろう? いつから言うようになったんでしょうね。
松任谷:でしょ? 車の「サンキューハザード」と同じように。
アン:そうそう(笑)。運転を始めた頃は「怒られてるのかな?」と思って、慣れるまでわからないやつ。あとは「トナラー(空いているのにわざわざ隣に車を停める人)」。
松任谷:トナラーね(笑)。あれは僕も初めて聞いたんですよ。
アン:実は私も『おじさんはどう生きるか』で初めて知りました。お手洗いでも広いのに隣に入ってくるとか。
松任谷:それは嫌ですよね。
アンが次々とエッセイ内の印象的だった点の感想を語ると、松任谷は「本当に読んだんですね」と少々驚いた様子を見せた。
アン:私も40代後半という昭和のはざまにいる世代で、若い子とうまく付き合いたいし、人生の先輩からも学びたいという世代です。共存していく社会のうえで、私たちより若い人たちにも読んでほしいなと思うエッセイでした。
松任谷:ありがとうございます。
アンは「おばさん」ではなく「グランドお姉さん」
今年70歳になる松任谷。書籍タイトルで迷っている点があるそうだ。松任谷:“おじさん”でいいのかなって、いまだにずっと思ってます。
アン:いいですよ。自分がどういう見られ方をするかというのは、言ったもの勝ちですよ。そんなことを言ったら私もこれから本を出すとき世の中から見たら49歳がおばさんなのか、定義が難しいですよね。
松任谷:アン ミカさん自身の定義は?
アン:私? すっごくオシャレできれいなおばさんです。
松任谷:“グランドお姉さん”というのはどうですか?
アン:素敵! それ使わせていただきます。
「職人でありたい」松任谷正隆の本質とは
エッセイでは、仕事ぶりに人格が出ると書かれた部分も。アンが仕事への姿勢を尋ねると、松任谷は「たぶん僕はサディスト」「自分のイメージができてしまうと、そこに突き進みたいから1つしか見えない」と告白。アンが「職人的な仕事だからサディストになるのは自然なことなのでは」と持論を述べると、松任谷は「僕は職人と言われると最高にうれしい」と笑顔を見せた。松任谷:職人って言われたいなと思って。だから、いい人でいたいのは仮の姿で、本当は嫌なやつでも人間が破綻していても、本当の職人でありたいって憧れがあります。言葉の響きだけなんだけどね。
アン:いやでも、プロデューサーはいろんな要素がある人を集めて、なにか大きなものを俯瞰で見て仕上げていく。すごく大きな責任と、最後の感性のふりかけで全部が決まってしまうということで言うと、すごい職人ですよね。
松任谷:プロデューサーはおおらかで、自分の器も広くて、いろいろなものを受け入れられて、それでいて自分と違うものもうまくアレンジして、そのなかにレイアウトできるような。僕はそうではないんですよ、本当は。
アン:意外です。
松任谷:だから僕は本当に1つのことを、カンナだったらカンナをずっとかけてる、みたいな。「どのくらいツルツルにできるか?」みたいな。それが僕の本質なので。
アン:お仕事をご一緒するみなさんは、それを理解されているんですもんね。
松任谷:まあでも、由実さんもあんまりわかってないかもしれないなあ。
アン:私生活もお仕事も長くご一緒してても?
松任谷:うん、きっとわかってないだろうと思います。
『VOLVO CROSSING LOUNGE』では、さまざまなジャンルのプロフェッショナルをゲストに迎えて、大人の良質なクロストークを繰り広げる。オンエアは毎週金曜23時30分から。
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