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スガ シカオ、会社を辞めてプロのミュージシャンに…引き止めた上司の言葉は?

スガ シカオ、会社を辞めてプロのミュージシャンに…引き止めた上司の言葉は?

J-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:スガ シカオ)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガ シカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。

2月21日(日)の放送では、スガによるソロ・ドライブの様子をお届けした。スガは2月26日(金)でデビュー24周年。プロになる前の苦労や、インディーズ時代の教訓とは。

「プロのミュージシャンになる」会社の上司にはどんな説得をされた?

この日、スガは「24年前のデビュー前夜」をテーマにトークを展開。まずは28歳のときに4年半勤めた会社員を辞めて、音楽の道に進む決意したときのことを振り返った。

スガ:音楽の夢が捨てきれなかったというのもありましたし、なんとなく日本の音楽業界の風潮として「30歳」がひとつの区切りになっていたんです。30歳すぎてからデビューというのはあまり例がなかったので、自分ももうすぐ30歳ということで、そろそろ最後の勝負をしなきゃいけないなということで、28歳のときに勤めていた会社を辞めました。

デビューの足掛かりになるようなオーディションの合格や事務所への所属といったきっかけがないまま、「自分、プロのミュージシャンになるんで」と会社を辞めたとのこと。当時の上司や営業部長からは「みんな自分にだけ才能があると思っているんだけど、そういうのは大人になるとなくなるから」と説得をされたという。

スガ:普通そうなりますね(笑)。でも、それを言っていた営業部長は、今はその会社の社長さんになってまして、このあいだライブに遊びに来てくれたんですね。それで僕のライブを観てくれて帰り際に「やあ、おまえにあんなこと言っちゃってゴメンな」って謝ってましたけど(笑)。

スガはその後、両親が老後のために購入して空き家になっていたという船橋にある家に“潜伏”し、「なんとしてでも30歳までにデビューをするぞ」と楽曲制作をスタート。会社を辞めたときの貯金は100万円で、半分は録音の機材の購入費に充てて、貯金を切り崩しながら生活をしていたという。ある日、コンビニで白いご飯を購入したスガは空腹のあまり、“とんでもないもの”を調味料として使ってしまったエピソードを明かした。

スガ:唯一、両親が置いていってくれた救急箱があったんです。その救急箱を空けたら……胃薬があって。胃薬ってちょっと味がついているじゃないですか。「これかけたら、ふりかけみたいになるのかな?」と思って、胃薬をご飯にかけて食べたんです(笑)。だけど全然! おいしくなくてですね。キレるぐらいおいしくなくて……という話をちょっとどこかでしたら、それがなんか「いい話」みたいに広がっちゃって、「スガ シカオ胃薬ご飯」みたいな感じでいろいろなところで言われて、ずっと胃薬をご飯にかけて貧乏時代をすごしていたみたいな書かれ方をよくするんだけど、この1回だけですからね? 胃薬ご飯をやったのは。しかもあまりにおいしくなくてすぐに止めて、ただの白いご飯だけを食べていたので、ここで言い訳をしておきますけど、1回しかやっておりません。

【関連記事】スガ シカオ、下積み時代の極貧エピソード「白米に胃薬をかけて食べていた」

今は友だちのミスチルも、1997年はテレビで観ていた

メジャーデビューをした1997年の日本のミュージックシーンについて、スガは「Hi, Mercedes」と話しかけるだけで起動する対話型インフォテイメント・システム「MBUX」に「1997年のヒットソングを教えて」と尋ねた。

MBUX:1997年のミュージックシーンでは、小室哲哉ブームがピークを迎え、安室奈美恵の『CAN YOU CELEBRATE?』が、年間売り上げランキングで1位を獲得。バンドではGLAYが『HOWEVER』のヒットで全国的に大ブレイクを果たします。そしてテレビ番組『電波少年』(日本テレビ系)のユーラシア大陸横断ヒッチハイク企画で人気を得た、若手お笑いコンビ、猿岩石の『白い雲のように』がミリオンセラーを記録。アイドルではSMAPが『SHAKE』『ダイナマイト』『セロリ』とヒットを連発。新人組では、作詞松本 隆、作曲山下達郎による『硝子の少年』で、KinKi Kidsが初登場1位の華々しいデビューを飾っています。

スガ:もう今と違ってね、本当にミリオンセラーが次々と出ていた時代です。今井美樹さんの『PRIDE』はすごく売れて、よく聴いてましたね。ミスチル(Mr.Children)がずっと1位、ナンバーワンソングをリリースし続けていた。ミスチルとかも、今でこそ友だちで一緒にバーベキューをやったりしていますけど、当時は本当に一方的に僕がテレビで観るアーティストで「歌うまいなこの人」とかって思いながら観たりしてましたね。

名曲が入っていても…インディーズデビューで学んだ教訓

スガは空想ドライブのお供の曲として、初期のころに頻繁に歌っていたという『愛について』を紹介。曲を作ったのは恐らく93年か94年で、四半世紀以上前になるという。当時はマラカスホワイトスペシャルバンドというファンクバンドのボーカルをやっており、「ファンクサウンドとはこういう風に作る」というメソッドをここで学んでいったという。

スガ:マラカスホワイトスペシャルバンドがあるとき、友だちの結婚式に呼ばれたのね。なんだけど、だいたい下品な歌詞の歌しか持ち歌がなくて。「せっかくの友だちの結婚式を汚すのはどうなんだろう?」という話になって、「じゃあ俺が結婚式でちゃんと歌えるような曲を作るよ」と言って作ったのが、この『愛について』という曲だったんです。

スガは97年メジャーデビューの2年前に、タワーレコードのbounceレーベルからインディーズデビュー。その際、CDに『愛について』を収録したが、苦い思い出があるという。

スガ:なんとなくタワレコのbounceレーベルからデビューすると、すごく話題になって売れるんじゃないかな? なんてちょっとタカをくくっていたんですけれども、当時タワーレコードの全店舗で面だし(ジャケット面が見えるように陳列すること)をしてもらったにも関わらず、俺のインディーズ版のCDは140枚しか売れなかったのね。

そのうちの80枚ほどは友人や、当時付き合っていた恋人が買ってくれていたため「実際には50枚くらいしか売れてない」と振り返ったスガ。プロモーションの重要性について思い知らされたという。

スガ:『愛について』が入っているんだよ? 入ってるのに……でもやっぱり、そんなもんなんだな、簡単なものじゃないんだなということをインディーズで出したときに、すごく思い知らされまして。ちゃんとこういう曲が入っていて、こういう風に頑張っていますみたいなことをアピールしていかないと、プロモーションをしていかないと、ただ置いてあるだけでは誰も曲は聴いてくれないんだなということをすごく思って。それで自分がデビューをしたときからは、ちゃんとプロモーションを頑張ろうという教訓につながっているわけです。

ひょっとしたら名曲が? 今も保管されている小型レコーダー

当時、スガはどんな状況でも曲が思いついたら録音ができるように、お手洗い、お風呂、リビング、車、バッグのなかと、あらゆる場所に小さいレコーダーを置いており、現在も捨てないで持っているのだとか。

スガ:全部とってあるんですけど……聴き返さないね。たぶん1台に6時間ぐらい入っていると思うんですよ。そのなかにもしかしたら名曲が入っているのかもしれないけど「そこを6時間掘り返している時間があるんだったら新しい曲を作るわ」みたいな(笑)。そんな感じなので、もしかしたらそのなかに当時作った名曲が入って……いや、入ってないと思うけどね。入っていたら気づいてるよ、たぶんね。

なにも知らないまま…デビュー当時の苦労

96年にメジャーデビューが決定。本来は、すぐにアルバムが出せるように楽曲を作ったおくなど、デビューまで準備をする。しかしそのときスガは30歳で「31歳になる前に早くデビューをしましょう」と、急きょ年明けの2月26日にデビューすることに。右も左もわからず、苦労も多かったという。

スガ:本当に俺、なにもわからないでデビューしちゃったから。モニターの作り方もわからないし、ミュージシャンの選び方もわからないし、もう「ライブとはそもそもどうやって進めるものなのか?」ということも全然わからない。だって、そのころまではアマチュアとして30分枠のライブしかやったことないわけだから、全然わからないままツアーをやることになっちゃったりとかして、とにかくぐちゃぐちゃだったのね。

デビュー以降の苦労話については、2月26日(金)20時配信の「SUGA SHIKAO 24th Anniversary Fan Meeting 電リク!ソロキャンプ」で明かした。3月1日20時までチケット購入可能、アーカイブ配信は同日23:59まで。

・SUGA SHIKAO 24th Anniversary Fan Meeting 電リク!ソロキャンプ詳細 http://www.sugashikao.jp/anniversary_2021/


スガが空想ドライブをナビゲートする『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』のオンエアは、毎週日曜21時から。

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毎週日曜
21:00-21:54