アメリカのカルチャーとバイクの愛をゲストが語る番組『JFL SPECIAL HARLEY-DAVIDSON DESIRE FOR FREEDOM』(ナビゲーター:グローバー)を、J-WAVEは2月23日(火)にオンエアした。
ここでは、俳優・窪塚洋介がハーレーとアメリカンカルチャーへの愛を語った部分を紹介する。
【関連記事】窪塚洋介が遊び倒した街は?「地図にない抜け道も…」
窪塚:(出身が)横須賀なので、ベース(横須賀海軍施設)があるんです。うちのおばあちゃん家の隣に住んでいた米兵さんとかと幼児期に関わりがありました。だけど、物心がついてからというと映画かな、と。『グーニーズ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ゴーストバスターズ』『スタンド・バイ・ミー』などなど、意識的に触れた初めてのアメリカンカルチャーだったし、そのころのアメリカそのものだったなと思います。BMXを買ってもらったりとか、仲間との山を探検したりとか、女の子を意識しだしたりとか、計り知れない影響を映画から受けたように思います。そこからいままで、ずっと触れているカルチャーだし、なにより自分がその世界で生きることになったカルチャーなので、これはもはや底なしの魅力があると言っても過言ではないかなと。
窪塚はアメリカの魅力に触れるきっかけとなった映画について、俳優の視点から想いを語った。
窪塚:いまはCGの技術が上がり、AIが脚本を書くようになったりしています。でもやっぱり素敵な作品というのは人や心を描くということが求められていると思うんです。とても華やかな世界のようでいて、自分の生き方をシビアに問われる時代の流れを強く反映するカルチャーだと思う。よくも悪くもですけど、自分自身と向かい合って「前に行く」とか「遠くに行く」とか、そういうことじゃなくて、「もっと自分の奥に行く」ということで世界とつながるような感じがしています。
窪塚:黒人のカルチャーが世界を席巻してゆくさまをリアルに触れられた世代でもあるし「なんでこんなことが起こっているんだろう?」というので、その黎明期までさかのぼったりして追いかけていた記憶もある。社会の不条理だったりとか、不正だったりとか、そういうものに気付かせてくれた。「ストリート・ナレッジ(現代社会を生き抜く知恵)」という言葉があるけど、いまの自分自身の生き方にまで影響を与えた音楽だと思うので、すごく当時がむしゃらに聴いていた。無意識に聴いていたようで、その先の未来を方向付けるような、自分のライフスタイル、生き方を決定するような音楽でもあったと思う。
その後にジャマイカのレゲエと出会い、レゲエミュージシャンとしての道を進んでいくことになった窪塚だが、「自分がレゲエミュージシャンになるとはつゆほども考えていないときに触れていた音楽なので、すごくピュアに聴いていたなと思います」とコメントした。
窪塚:1200とパパサン(883)と2つ持っているんですけど、1200のほうは2002年式のセパハン(セパレートハンドル)のカフェレーサーにして、白いタンクの……本当に自分が欲しかった形をそっちで作って、まあ仲間にカスタムをしてもらってという感じなんですけど。パパサンのほうは2003年式の街乗りのダートラ(ダートトライアル)仕様みたいな感じにして、アップハン(アップハンドル)の感じで。改造をして2つのコントラストというか、そっちも黄色のタンクで真ん中にレザーの装飾があるんです。やっぱり自分の乗りたい形……乗りたいように乗ってこそだなと思うし。
窪塚にとってハーレーは基本的に“足”状態で、友人に会いに行ったり、コンビニに行ったりと、日常的な用事でも使用しているそうだ。
窪塚:そういう状態ではあるんですけど、やっぱり「天気もいいし」とか言って、ひとりで走りに出かけたりすることもあるんです。そういうときって「なにか考え事をしたい」というよりは、風を受けて走っているとなにも考えない「無」の感じになって気持ちいい。自然のなかにいる感じと同じような「無」になる、空っぽする時間だったりするので、そういうときに乗っている気はします。
<あらすじ>
川沿いを血まみれで歩く女子大生が逮捕された。殺されたのは彼女の父親。
「動機はそちらで見つけてください。」
容疑者・聖山環菜の挑発的な言葉が世間を騒がせていた。
事件を取材する公認心理師・真壁由紀は、夫・真壁我聞の弟で弁護士の庵野迦葉とともに彼女の本当の動機を探るため、面会を重ねるー
二転三転する供述に翻弄され、真実が歪められる中で、由紀は環菜にどこか過去の自分と似た「何か」を感じ始めていた。
そして自分の過去を知る迦葉の存在と、環菜の過去に触れたことをきっかけに、由紀は心の奥底に隠したはずの「ある記憶」と向き合うことになるのだが…。
映画『ファーストラヴ』公式サイトより
窪塚の役は、北川景子が演じる主役・真壁由紀(まかべゆき)の夫である真壁我聞(まかべがもん)。かつてはカメラマンとして戦地に赴き「世界の最果ての人たちの笑顔や苦しみ」を撮ってきたが、実家が営んでいた写真館がある町内の人々と、戦地の人々の笑顔について「なにが違うんだろう?」と疑問を抱くことになる。
窪塚:「世界の最果てで隣人に会う」みたいなことを痛感する瞬間があって。それで戻ってきて写真館を継いで、いまは街の写真館のおっちゃんとして生きているんだけど、それを由紀が「いいの、そんなので? もっとやりたいこと、撮りたい写真があるんじゃないの?」という感じで言ってはくれるんだけど、我聞は本当に全然そんな風に考えていないんです。
今回の役作りについては、堤監督から「一周回ってなにもしないでほしい」というリクエストを受けたという。窪塚は初めての経験だったという「なにもしない」ということへの挑戦について語った。
窪塚:やっぱり俺らの仕事ってなにかをしに現場に行くから、現場に行ってなにもしないということがよくわからなかったというか、やったことがなかった。正直、堤さんとのタッグも十数年ぶりなんだけど、難しい役を振ってくれたんだなと思って。一番最初に冗談で「じゃあちょっと寺行ってきますわ」とか言ってたんだけど、それぐらい達観した、怒りとか嫉妬とか、そういうネガティブな感情から解放されている人間なんです。その姿というのはある意味、俺もその背中を追いかけたいと思うような、強い男の優しい後ろ姿。そういう意味でやれてよかったし、北川景子ちゃんと中村倫也くんは本当にすばらしい芝居を一緒の空間でしてくれていたので、そこにゆだねるような気持ちもありつつ「なにもしない」ということに挑戦をした作品ですね。
窪塚洋介の最新情報は公式Instagramまで。
ここでは、俳優・窪塚洋介がハーレーとアメリカンカルチャーへの愛を語った部分を紹介する。
アメリカンカルチャーに触れたのは映画
窪塚は1979年生まれ、横須賀市出身。俳優だけではなく、レゲエアーティスト、ミュージックビデオ監督、作家、モデルなど幅広く活躍をする。まずは窪塚が影響を受けたアメリカンカルチャーの魅力について聞いた。【関連記事】窪塚洋介が遊び倒した街は?「地図にない抜け道も…」
窪塚:(出身が)横須賀なので、ベース(横須賀海軍施設)があるんです。うちのおばあちゃん家の隣に住んでいた米兵さんとかと幼児期に関わりがありました。だけど、物心がついてからというと映画かな、と。『グーニーズ』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ゴーストバスターズ』『スタンド・バイ・ミー』などなど、意識的に触れた初めてのアメリカンカルチャーだったし、そのころのアメリカそのものだったなと思います。BMXを買ってもらったりとか、仲間との山を探検したりとか、女の子を意識しだしたりとか、計り知れない影響を映画から受けたように思います。そこからいままで、ずっと触れているカルチャーだし、なにより自分がその世界で生きることになったカルチャーなので、これはもはや底なしの魅力があると言っても過言ではないかなと。
窪塚はアメリカの魅力に触れるきっかけとなった映画について、俳優の視点から想いを語った。
窪塚:いまはCGの技術が上がり、AIが脚本を書くようになったりしています。でもやっぱり素敵な作品というのは人や心を描くということが求められていると思うんです。とても華やかな世界のようでいて、自分の生き方をシビアに問われる時代の流れを強く反映するカルチャーだと思う。よくも悪くもですけど、自分自身と向かい合って「前に行く」とか「遠くに行く」とか、そういうことじゃなくて、「もっと自分の奥に行く」ということで世界とつながるような感じがしています。
ヒップホップを「がむしゃらに聴いた」
アメリカンカルチャーから、音楽面ではどんな影響を受けたのか。窪塚は10代の後半からハマったというヒップホップについて語った。窪塚:黒人のカルチャーが世界を席巻してゆくさまをリアルに触れられた世代でもあるし「なんでこんなことが起こっているんだろう?」というので、その黎明期までさかのぼったりして追いかけていた記憶もある。社会の不条理だったりとか、不正だったりとか、そういうものに気付かせてくれた。「ストリート・ナレッジ(現代社会を生き抜く知恵)」という言葉があるけど、いまの自分自身の生き方にまで影響を与えた音楽だと思うので、すごく当時がむしゃらに聴いていた。無意識に聴いていたようで、その先の未来を方向付けるような、自分のライフスタイル、生き方を決定するような音楽でもあったと思う。
その後にジャマイカのレゲエと出会い、レゲエミュージシャンとしての道を進んでいくことになった窪塚だが、「自分がレゲエミュージシャンになるとはつゆほども考えていないときに触れていた音楽なので、すごくピュアに聴いていたなと思います」とコメントした。
ハーレーに乗るのは「無」になる気持ちよさがある
ハーレーの話題では、「コンビニへ行く」など日常的に乗りこなしていることを明かした。窪塚はハーレーを2台所有している。窪塚:1200とパパサン(883)と2つ持っているんですけど、1200のほうは2002年式のセパハン(セパレートハンドル)のカフェレーサーにして、白いタンクの……本当に自分が欲しかった形をそっちで作って、まあ仲間にカスタムをしてもらってという感じなんですけど。パパサンのほうは2003年式の街乗りのダートラ(ダートトライアル)仕様みたいな感じにして、アップハン(アップハンドル)の感じで。改造をして2つのコントラストというか、そっちも黄色のタンクで真ん中にレザーの装飾があるんです。やっぱり自分の乗りたい形……乗りたいように乗ってこそだなと思うし。
窪塚にとってハーレーは基本的に“足”状態で、友人に会いに行ったり、コンビニに行ったりと、日常的な用事でも使用しているそうだ。
窪塚:そういう状態ではあるんですけど、やっぱり「天気もいいし」とか言って、ひとりで走りに出かけたりすることもあるんです。そういうときって「なにか考え事をしたい」というよりは、風を受けて走っているとなにも考えない「無」の感じになって気持ちいい。自然のなかにいる感じと同じような「無」になる、空っぽする時間だったりするので、そういうときに乗っている気はします。
初めて映画で「なにもしないこと」に挑戦
窪塚は堤 幸彦監督がメガホンをとった現在公開中の映画『ファーストラヴ』に出演。役どころについて話を聞いた。<あらすじ>
川沿いを血まみれで歩く女子大生が逮捕された。殺されたのは彼女の父親。
「動機はそちらで見つけてください。」
容疑者・聖山環菜の挑発的な言葉が世間を騒がせていた。
事件を取材する公認心理師・真壁由紀は、夫・真壁我聞の弟で弁護士の庵野迦葉とともに彼女の本当の動機を探るため、面会を重ねるー
二転三転する供述に翻弄され、真実が歪められる中で、由紀は環菜にどこか過去の自分と似た「何か」を感じ始めていた。
そして自分の過去を知る迦葉の存在と、環菜の過去に触れたことをきっかけに、由紀は心の奥底に隠したはずの「ある記憶」と向き合うことになるのだが…。
映画『ファーストラヴ』公式サイトより
窪塚の役は、北川景子が演じる主役・真壁由紀(まかべゆき)の夫である真壁我聞(まかべがもん)。かつてはカメラマンとして戦地に赴き「世界の最果ての人たちの笑顔や苦しみ」を撮ってきたが、実家が営んでいた写真館がある町内の人々と、戦地の人々の笑顔について「なにが違うんだろう?」と疑問を抱くことになる。
窪塚:「世界の最果てで隣人に会う」みたいなことを痛感する瞬間があって。それで戻ってきて写真館を継いで、いまは街の写真館のおっちゃんとして生きているんだけど、それを由紀が「いいの、そんなので? もっとやりたいこと、撮りたい写真があるんじゃないの?」という感じで言ってはくれるんだけど、我聞は本当に全然そんな風に考えていないんです。
今回の役作りについては、堤監督から「一周回ってなにもしないでほしい」というリクエストを受けたという。窪塚は初めての経験だったという「なにもしない」ということへの挑戦について語った。
窪塚:やっぱり俺らの仕事ってなにかをしに現場に行くから、現場に行ってなにもしないということがよくわからなかったというか、やったことがなかった。正直、堤さんとのタッグも十数年ぶりなんだけど、難しい役を振ってくれたんだなと思って。一番最初に冗談で「じゃあちょっと寺行ってきますわ」とか言ってたんだけど、それぐらい達観した、怒りとか嫉妬とか、そういうネガティブな感情から解放されている人間なんです。その姿というのはある意味、俺もその背中を追いかけたいと思うような、強い男の優しい後ろ姿。そういう意味でやれてよかったし、北川景子ちゃんと中村倫也くんは本当にすばらしい芝居を一緒の空間でしてくれていたので、そこにゆだねるような気持ちもありつつ「なにもしない」ということに挑戦をした作品ですね。
窪塚洋介の最新情報は公式Instagramまで。
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2021年3月2日28時59分まで
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番組情報
- JFL SPECIAL HARLEY-DAVIDSON DESIRE FOR FREEDOM
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2021年2月23日(火・祝)18:00-20:55
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