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東京事変が始まる前のライブDVDがすごい! H ZETT M×亀田誠治が「20年前の東京」テーマに語らう

東京事変が始まる前のライブDVDがすごい! H ZETT M×亀田誠治が「20年前の東京」テーマに語らう

H ZETTRIOのH ZETT Mが、「20年前の東京」をテーマに亀田誠治と音楽談議を繰り広げた。東京事変結成前夜の頃の話も飛び出した。

H ZETT Mが登場したのはJ-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:亀田誠治)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか──時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターの亀田誠治が旅好き・音楽好きのゲストとともに音楽談議を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ここでは4月7日(日)にオンエアした内容をテキストで紹介する。

H ZETTRIOは6月12日(水)に9作目となるオリジナルアルバム『Dynamics』をリリースする。

20年前はカオスそのものだった

H ZETT Mは「ヒイズミマサユ機」名義で東京事変の結成メンバーで、これまで亀田とはバンドメンバーや楽曲制作で数多く共演してきた。

そんなH ZETT Mは今回、空想ドライブのテーマとして「20年前の東京」をセレクトした。

H ZETT M:20年前というと、90年代っていうすごく盛り上がったときから2000年代に移り変わっての熱狂と興奮があったのかなと。

亀田:その熱狂と興奮の渦でH ZETT Mさんが思うことがあるんですね。

H ZETT M:ありました(笑)。

H ZETT Mは空想ドライブミュージックの1曲目としてエリゼッチ・カルドーゾ&ルイス・ボンファの『カーニバルの朝』をセレクトした。

亀田:これが20年前の東京とどうシンクロするの?

H ZETT M:2003年に『Electric Mole』というライブが行われたのをご存知でしょうか(※2003年に行われた椎名林檎のアルバムツアーが収録されたライブDVD名が『Electric Mole』)。

亀田:ご存知よ(笑)。一緒にステージに出たじゃないですか(笑)。そのときに演奏しましたね。

H ZETT M:東京事変が始まる前ですよね。

亀田:東京事変という名前はなんとなく付いてたっけ。椎名林檎さんのバックをバンドで固めるということで招集されるんですよね。

H ZETT M:僕、「このライブDVDがすごい」っていう質問があったとしたらこれを真っ先に挙げたいくらいすごくて。

亀田:記憶が甦ってきますね。確かに90年代の狂乱から2000年代に入って我々Electric Moleという名の東京事変を起こしながら、狂乱の続きを邁進していた感じはありますね。

当時、H ZETT Mはどんなビジョンを持って活動をしていたのだろうか。

H ZETT M:カオスそのものでしたけど、自分のできることをコツコツやっていくしかないって感じでしたね。明確にこうだっていうものはそんなに考えていなかったですけどね。

亀田:音楽大学で音楽を学ばれて、さまざまな音楽を発信していた側になっていたときだと思うんですけど、当時はどういう毎日だったんですか。

H ZETT M:曲を作るのは好きだったので、それをずっと続けていましたね。演奏したいなっていう気持ちはそんなになかったですけど、それよりも作っていたいなっていうのが昔からあったので、それが人前に出るようになって「演奏ちゃんとしなきゃな」という気持ちがだんだんフェードインしていった感じでしたね。

「新しいなと思ったら『いいね!』となる」

続いてH ZETT MはOutkastの『Hey Ya!』を紹介した。



亀田:めちゃくちゃH ZETT Mさんっぽいユーモアセンスを感じます。

H ZETT M:ユーモアセンスっていうのも大きいですね。それと遊び心がありつつオシャレにきめてるっていう感じで。この曲に関してはドカドカっていうビートがずっと続いて、そんなに展開もせずこのビートで押し切るみたいなのが潔いなと。

亀田:こういう音楽もずっと聴いてきた感じ?

H ZETT M:ラップがかっこいいなっていうのは前から思っていて、ミックスされた感じが好きかもしれない。ビースティ・ボーイズも初めて聴いたときにハードコアの人からヒップホップになってみたいな精神もかっこいいなと思いつつ、『Three MCs and 1 DJ』っいう曲はすごくかっこいいなと思って聴いていましたね。ミュージックビデオもすごくかっこよくて。

亀田:H ZETT Mさんの音楽観って、まずその表現者ありきみたいなところから生まれるものに対してすごく心が広くて、「ありだ!」っていうものに対して推進力を持って応援してくれますよね。

H ZETT M:新しいなと思ったら「いいね!」ってすぐになりますね。

H ZETT Mは3曲目に坂本龍一の『undercooled』をセレクトした。



H ZETT M:坂本龍一さんの作るポップな曲がすごく好きで、『スウィート・リヴェンジ』や『スムーチー』のアルバムもすごく好きなんです。その流れでの次のアルバムが、この曲が収録されている『キャズム』で「ようやくアルバムがきた!」って聴いたら、非常に美しいですし、和音もならではというか、とてもいいなと思いましたね。

亀田:20年前に韓国人ラッパーのMC Sniperのラップをのせているのも坂本さんらしいなと思いますね。H ZETT Mさんがピアニストの目線から感じる坂本さんのすごさってどこですか。

H ZETT M:クラシックとか民族音楽とかいろんなジャンルを網羅されているでしょうから、そこから繰り出す一手が「すごい!」「かっこいい!」ってなりますね。ピアノの鳴らす音に関しても「それだ!」っていう感じが音に感じますね。

20年前に聴いていた曲たちが与えている影響は…

H ZETT Mは最後の空想ドライブミュージックとして、N.E.R.D.の『She Wants to Move』を紹介した。



H ZETT M:これは単純にかっこよすぎるというのと、20年前くらいはこういった曲やバンドを探して聴いていまして、N.E.R.D.の登場は「これだ!」って気持ちが強かったですね。

亀田:僕もあの頃、N.E.R.D.は追っかけましたね。ファレル・ウィリアムスがいるんだぜって。ヒップホップと言えばサンプリングとか打ち込みだけど、それを越えたところにN.E.R.D.はありましたよね。そういうかたち、フォームじゃなくてスピリットって一緒に始めた東京事変と同じものを持っていたような。

H ZETT M:確かにそうですね。重なる部分があるような気がしますね。

「20年前の東京」をテーマに4曲を紹介したH ZETT Mに、「この頃の音楽は今のスタイルの確立に影響を与えている?」と亀田が訊くと「この頃にかっこいいと思ったのが理想として今も続いている」と答えた。

H ZETT M:美しくてかっこよくて遊び心があるんだけど、実はちゃんとしていて、うわっとなれる要素を持ったキャッチーさもあるようなものが今でも理想としてある気がしますね。

「自らが記録を塗り替えていきたい」

空想ドライブを満喫した2人。最後に、H ZETT M が在籍するピアノトリオバンド・H ZETTRIOの楽曲『Dynamics』をオンエアした。



H ZETT M:H ZETT Mは2019年から配信で毎月1曲シングルを出しているんですけど、この曲は60曲目となり、ギネス世界記録(シングル連続配信記録)にも認定されました。

亀田:聴いていて、めちゃくちゃ音がいいんだけどどうやって録っているの?

H ZETT M:普通に、ですね。

亀田:せーの、で録って?

H ZETT M:そうですね。シンセを後から足してますね。

亀田:H ZETTRIOも自由度が増しているような気がしますね。これはレコーディングまでにどこまで決めてるんですか?

H ZETT M:フレーズが1個、2個あって、その間はソロで自由な感じですね。

亀田:それだけで60曲。5年間やったってことですか。

H ZETT M:まだ続いていて目指すは72曲。

亀田:誰も追いつけない域に。

H ZETT M:自らが記録を塗り替えていくという。

亀田:かっこいいね。もっと上の数字にすればいいじゃないですか。人のことだから簡単に言うけど(笑)。72、84、96……108、煩悩の数くらいまで。

H ZETT M:いいですね(笑)。

H ZETTRIOは6月12日(水)に9作目となるオリジナルアルバム『Dynamics』をリリースする。また、約4年ぶりのオールスタンディングライブ「H ZETTRIO LIVE 2024 ~スタンディングで飛ばしたっしょ!~」を、4月13日(土)神奈川 CLUB CITTA’、6月30日(日)東京・渋谷CLUB QUATTROで開催。

5月5日(日・祝)には毎年恒例のこどもの日スペシャルライブ「H ZETTRIO LIVE 2024 こどもの日SP スイートレスポンスフロムドッグス」を東京・FOSTERホール(昭島市民会館)で開催する。H ZETT Mの最新情報は、公式サイトまで。

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番組情報
Mercedes-Benz THE EXPERIENCE
毎週日曜
21:00-21:54

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