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柄本時生、俳優として生きていく覚悟を決めたとき

松居大悟が愛する「ミンティア」を手に撮影

柄本時生、俳優として生きていく覚悟を決めたとき

劇団ゴジゲンの主宰で映画監督の松居大悟がナビゲートする、J-WAVEで放送中の『JUMP OVER』。ラジオ、映画、演劇、音楽などの枠を越えた企画を発信し続けている。

1月6日(水)のオンエアでは、俳優の柄本時生がゲスト出演。1月8日(金)スタートのドラマ『バイプレイヤーズ 〜名脇役の森の100日間〜』(テレビ東京)に出演する柄本と、本作の監督である松居がドラマの見所や撮影秘話を語った。

俳優業は“なんとなく”でスタート。当時の心境は

松居と柄本はプライベートで8年ほどの交流がある。松居が酔っ払ったときに“俺は時生の限りなく近くにいる俳優と仕事をして、時生とはしない”と冗談を言って盛り上がったこともあるそうだ。そして、『バイプレイヤーズ 〜名脇役の森の100日間〜』で「とうとう時生と仕事をしてしまった」と松居。「毎作、時生にお願いしたい役があってもなんとか飲み込んで、あの約束があるから……」と話す松居に、「呼んでよ(笑)」と柄本がツッコミをいれ、賑やかにトークはスタートした。

俳優一家に生まれ育った柄本だが、小学生の頃の夢は「プロ野球選手」。紆余曲折を経て、「宮大工になりたい」と弟子入りを考えた時期もあったそうだ。

俳優としての活動がスタートしたのは中学生の頃、兄の柄本佑が受けられなかった仕事を振られたことがきっかけだった。

柄本:当時、続けられたのは「大人たちと喋ってる俺、かっこいい」という感情でした。映画が好きだったので、大人と映画の話をしているときに「おまえ、その年でそんな映画観てるの?」と言ってくれるんです(笑)。
松居:あ~、ちょっとませた映画を観てたんだね(笑)。
柄本:そういうこと言われたらすごく悦。ぎゅーん!みたいな感じで(笑)。
松居:うんうん(笑)。学校でチヤホヤされるとかはなかったの?
柄本:全然なくて、学校ではいじめられていましたね。調子に乗った記憶はないんですけど、クラスでハブられたんですよ。だからたぶん、調子に乗っていたんだと思います。
松居:なるほどね。
柄本:仕事を始めた段階でそういうことになっていたので、きっとたぶんそういうことだと思います。
松居:そうなんだ。学校では灰色の青春だったんだね。

自然の流れで始めた俳優業。高校を卒業するにあたり、まだ職業欄に「俳優」ではなく「学生」と書きたい──という理由から大学受験に挑んだが失敗してしまい、俳優として生きていく覚悟を決めたそうだ。

同時期に6本の仕事をかけもちしたことも

柄本は若手きってのバイプレイヤー俳優として活躍している。仕事を並行することも珍しくなく、最大で6本かけもっていたそうだ。

松居:おおっ、すごい! カバンに全部の台本が入っているの?
柄本:入っています。
松居:わ~。役がぐちゃぐちゃになるな。

スケジュールが完全に被っていたわけではなく、この期間は舞台、この隙間で映画、とブロックのようにうまくスケジュールが組まれており「ぎゅっとすると6本」だったそうだ。次々と新たな役を演じることにについて「ストレスなの? 楽しいの?」と松居が尋ねると、「僕は楽しかったほうですね」と語った。

松居:『バイプレイヤーズ』の光石 研さんは(仕事のスケジュールが)3日空くともう不安になるんだって。とにかく現場で芝居をしていたいって。
柄本:一緒ですね。
松居:そうなんだ。でも、池松壮亮とかは1本ガッツリやるからそれ以外は仕事を入れたくないタイプじゃない。タイプが違うんだね。
柄本:壮ちゃんと僕はよく、「年に1回会う程度がいいね」って言っているんです。
松居:考え方が違うからっていうこと?
柄本:あまりにも違いすぎて(笑)。
松居:ははは(笑)。
柄本:壮ちゃんは僕に「もうちょっと(仕事を)選ぼうよ」って言います。でも僕は「え、でもできちゃうよ?」みたいなことを言っちゃうんです。
松居:おもしろいなあ。

『バイプレイヤーズ』 本人役はどうだった?

人気ドラマ『バイプレイヤーズ』は本作でシーズン3を迎えた。柄本は本作がシリーズ初出演。今年春に公開される映画『バイプレイヤーズ 〜もしも100人の名脇役が映画を作ったら〜』にも出演している。「出たい」という思いはあったそうで、オファーが嬉しかったと明かした。

柄本:(2017年に放送されたシーズン1)で『バイプレイヤーズ』の看板が渋谷の広告塔に出てきたときに、「こんなメンツでやるんだ。すげーな」と思いつつ、「自分の将来があそこに載れたらな」と思っちゃいました。
松居:いいね、それは!
柄本:主役ではなく、脇役を積み重ねてきた人たちのかっこよさはいいなと思って、「将来、あの歯ブラシを持った広告に俺が入れるかな」なんて思っていた時期でしたね。
松居:あと20年、30年したらね。あと5人は誰なの?
柄本:全然思い浮かんでいないですね(笑)。誰だろう。
松居:(仲野)太賀だと、主役になりかけてるからダメ?
柄本:そうなんですよ。急に(笑)。

さまざまな世代のバイプレイヤー俳優が集結する本作は、すべてのキャストが本人役という設定も見所だ。

松居:本人役っていうのはどう?
柄本:台本上だと、濱田 岳くんに僕が「岳」とか「おまえ」って呼ぶんですけど、僕は普段、岳くんに敬語なんですよ(笑)。でも気になったのはそれくらいでしたね。あとから松居さんに「そこは岳くんでいいけど、タメ口は残してほしい」と言っていただけたから、あとは大丈夫でした。
松居:敬語だと関係性がね。勝村(政信)さんにすごく失礼なことを言うシーンはどうだった(笑)?
柄本:ははは! 勝村さんは……大丈夫です(笑)。けっこう若い頃からお世話になっているので。

俳優のすごさと、「テレ東の胆力」がみどころ

本作を通じて数多くの上の世代の俳優と共演した柄本。「怖いですよね。でも面白かった」と振り返る。小沢仁志の話になると、「いや~、小沢さんかっこよかったですよね」と盛り上がった。

松居:あそこまでいくと、なんでもできちゃうというか。むちゃくちゃな台本でもちゃんと面白く演じられる。好き放題やっているように見えて台本に沿っていて、あれは撮っていても気持ちよかった。
柄本:あの感覚は勉強になりますね。「え、セリフ言わないの?」っていうときもあったし(笑)。
松居:そうそう! 言わないことも多いんだよね(笑)。
柄本:僕と岳くんがずっと待つみたいなシーンもありましたね(笑)。



松居に、ラジオのリスナーが第一話を観たくなるようにアピールしてほしいと言われた柄本は、「テレ東らしさが詰まった脚本でしたね」と語る。

柄本:テレビ東京さんの胆力というか……「いっちゃえ」みたいな(笑)。観た人も「いいの?」って思うものになっていると思う。
松居:一話はテレ東のスタジオで7人の刑事ドラマを撮っているという設定なんだよね。主演の役所広司さんがいなくなっちゃったっていう設定で、だいたい『バイプレイヤーズ』シリーズは役所さんがいなくなるところから始まるんだけど(笑)。若手バイプレイヤーズとベテランバイプレイヤーズのどちらが主役をやるかで死ぬほど揉めるんだよね(笑)。
柄本:揉め方がエグいですもん、あれ(笑)。

「一話、とんでもないことになります」と松居。放送時間は毎週金曜深夜0時12分〜。視聴の詳細は『バイプレイヤーズ』公式ページまで。

【続き】柄本時生、兄・柄本 佑のことを「ちょっとうらやましいかも」と感じた理由は?

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