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ゾウのオスは、アラフォーが一番モテる。動物の豆知識を図鑑制作者が解説

画像素材:PIXTA

ゾウのオスは、アラフォーが一番モテる。動物の豆知識を図鑑制作者が解説

J-WAVEで9月25日(金)までオンエアしていた『GOLD RUSH』(ナビゲーター:小宮山雄飛<ホフディラン>)のワンコーナー「CURIOUSCOPE」。

9月18日(金)のオンエアでは、子どもに人気の図鑑『わけあって絶滅しました。世界一おもしろい絶滅したいきもの図鑑』(ダイヤモンド社)などを手掛けた図鑑制作者の丸山貴史さんがゲストに登場。図鑑の魅力を語った。

子どもにも大人にも「図鑑」が大人気

現在、出版界では図鑑が人気を集めており、テーマも豊富になっている。丸山さんが手掛けた『わけあって絶滅しました。』や『ざんねんないきもの事典』シリーズ(高橋書店)は、子どもからも大好評の図鑑だ。

小宮山:図鑑が人気の理由を教えてください。
丸山:昔に比べて、大人も図鑑を読むようになったのは大きいですね。昔は図鑑と言えば、子ども向けのものやマニア向けの高価なものでした。ですが、漫画のように読める図鑑が増えたことで、さまざまな年代の人が読むようになり、多様な図鑑が増えましたね。
小宮山:なるほど。図鑑制作者というのは、具体的にはどういったお仕事なのでしょうか。
丸山:私はもともと、図鑑を作る編集プロダクションで編集の仕事をしていたんですね。図鑑の制作というのは特殊で、動物のコメントなどは全て編集者が書いているんです。
小宮山:あ、そうなんですか。
丸山:図鑑を自分で書いて編集をして、写真を集めていました。そうしているうちに、書くほうを広げてみたいなと思うようになったので、文章の図鑑を手掛けるようになってからは、『わけあって絶滅しました。』や『ざんねんないきもの事典』といったヒット作ができたので、最近は書く仕事が増えています。図鑑をトータルで作る仕事なので、図鑑制作者と名乗っています。
小宮山:なるほど。

図鑑と言うと、分厚くて重い印象もあるが、トレンドは読みやすいサイズ感のものだ。

丸山:2016年に『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』を出したのですが、あれは図鑑より読みものなんですよ。データを見比べて考えるといったものではなく、どちらかというと「お話」なんです。今までの図鑑は大きくて重いものが主流で、それなのに2000円という安価で作っていました。そういうものとは違い、小さいサイズの図鑑を作ることにしたんです。大手出版社しか作れなかった子ども向けの図鑑を小型化することで、いろんな出版社が作れるようになりました。子どもにとっても、寝る前や電車などの移動中に読みやすいサイズだということがヒットにつながり、それが最近のトレンドになっていると思います。

「メスに選ばれる要素」が、動物の進化に関わる

丸山さんが制作した『オス・メスくらべるとこんなに違う つがい動物図鑑』(かんき出版)が8月5日に発売された。丸山さんが見どころを語った。

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『オス・メスくらべるとこんなに違う つがい動物図鑑』(かんき出版)より

丸山:私が生き物で一番おもしろいと感じる点は「進化」なんですよね。有利に生きる術として進化があるわけですから、『ざんねんないきもの事典』でも「残念に思うかもしれないけれど、そうなったことには必ず理由があるんだよ」と説明しています。進化が起きる理由として考えられる要素は、メスがオスを選ぶこと。「性淘汰」と呼ばれます。角が長かったり派手だったり、オスにだけ特徴がある生き物ってけっこういるんですよね。なぜかと言うと「メスが選んだから」なんです。
小宮山:メスの選択によって進化を重ねているんですね。
丸山:はい。生きる上で必要ないものがオスに付いていることが多いんですよ。たとえばスズメ目ですと、さえずるのはオスだけです。
小宮山:へえ! メスの気を引くためにオスが進化していっているんですか?
丸山:そうなんですよ。そもそもオスとメスでは生存戦略が違うんです。オスは種をばらまきたい。でもメスはオスを吟味したい。メスに人気があるごく一部のオスが選ばれた結果、進化が起きるわけですね。

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『オス・メスくらべるとこんなに違う つがい動物図鑑』(かんき出版)より

オスとメスの違いが大きい動物として、ゾウがいる。

丸山:ゾウって外から見てもなかなか区別がつかないと思うじゃないですか。だけど、実はオスのほうがかなり大きい生き物なんですよ。体重で言うと、最大でメスの2倍近くになります。しかし若いゾウだとメスよりも小さい場合があり、メスのゾウは若いゾウをオス扱いしないことがあるんですよ。
小宮山:ゾウは大きさによってオスをアピールする生き物なんですね。
丸山:そうなんですよ。ゾウの寿命は60歳ぐらいで、30歳ぐらいまで成長するんです。しかも、牙(歯)は一生伸び続けるので、年寄りほど長いです。なので、年を取ってからのゾウのほうがメスに人気があるんです。メスは14歳ぐらいから交尾をして子どもを産むのですが、オスは20代ぐらいまでまったく相手にされません。人気があるのはだいたいアラフォーと言われていますね。
小宮山:ゾウ界隈ではアラフォーが人気なんですか。
丸山:野生のアフリカゾウを調査した結果、アラフォーが人気だったそうです。でもアラフィフになると体力が落ちてきちゃうので、ゾウのオスはアラフォーがモテるみたいですよ。

『オス・メスくらべるとこんなに違う つがい動物図鑑』には「なぜ無精卵からは子どもが産まれないのか」などが記されており、子どもはもちろん大人も楽しめる本なので、この機会にぜひチェックしてみてほしい。

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『オス・メスくらべるとこんなに違う つがい動物図鑑』(かんき出版)より

【書誌情報】
書名:オス・メスくらべるとこんなに違う つがい動物図鑑
定価 :1,100円+税
判型:46判
体裁:並製
頁数:176頁
ISBN:978-4-7612-7504-4
発行日:2020年8月5日

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