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山崎まさよしのスゴさは? 森山直太朗、秦 基博、フジファブリック・山内総一郎が本人を前に語る

山崎まさよしのスゴさは? 森山直太朗、秦 基博、フジファブリック・山内総一郎が本人を前に語る

山崎まさよしをフィーチャーする特別番組『J-WAVE SPECIAL iichiko THANK YOU FOR LISTENING TO MASAYOSHI’S SONG ~FROM Augusta Camp 2020~』(ナビゲーター:クリス智子)を、J-WAVEで9月21日(月・祝)にオンエアした。

「デビュー25周年を迎えた山崎まさよしの楽曲に感謝」をメインテーマに、山崎をはじめ、音楽プロダクション「オフィスオーガスタ」所属のアーティストやゲストミュージシャンが多数登場。山崎の楽曲の魅力について、余すところなく語り合った。

番組の一部は、YouTubeで9月25日(金)23時59分まで期間限定で配信中だ。

『J-WAVE SPECIAL iichiko THANK YOU FOR LISTENING TO MASAYOSHI’S SONG ~FROM Augusta Camp 2020~』映像版(前半)

『J-WAVE SPECIAL iichiko THANK YOU FOR LISTENING TO MASAYOSHI’S SONG ~FROM Augusta Camp 2020~』映像版(後半)

ここでは山崎と、森山直太朗、秦 基博、フジファブリック・山内総一郎の3人のゲストが登場したパートを紹介しよう。

森山と山崎の出会い

3人が登場すると、山崎は森山との意外な初対面のエピソードを語り始めた。

山崎:デビュー前の森山くんが東京・草月ホールで歌のレッスンを受けているときに、森山くんのお母さん、森山良子さんから紹介されました。
クリス:まだサッカーをやっているときですか?
森山:ほとんどバイトをやっていたときですね。
山崎:その後、レーベルメイトになったから、レコード会社の喫煙所でよく会ってたんです。
森山:同じ社屋なんで、「おはようございます」みたいな感じで(笑)。とは言え、山崎さんとどういう話をしていいか、とっかかりが見つからないので、そのときはごあいさつだけでしたけど、その後はいろんなかたちで急接近しましたよね(笑)。

森山が度肝を抜かれた楽曲&ミュージックビデオ

森山は当時、音楽専門チャンネルで流れる、山崎まさよしの『中華料理』のミュージックビデオが大好きだったそうだ。

『中華料理』ミュージックビデオ

森山:邦楽でこのミュージックビデオ以上のものってあるんですか。
山崎:(笑)。中華料理店を貸し切って、みんなでどんちゃん騒ぎをするだけっていうね。
森山:この曲がめちゃくちゃ好きでした。当時、ダンサブルな曲が主流のなか、あそこまでアコースティックで楽器も少ない曲に度肝を抜かれましたね。その後に、山崎さん主演の映画『月とキャベツ』に出られたり、アイドルグループに曲を提供したり、僕の中ではカオスでしたね。引き出しの飛び出し方が目まぐるしくて(笑)。
山崎:びっくり箱みたいな(笑)。
森山:そういうところを見ていたから、レーベルでごあいさつをするとなると、ヒーローにあいさつするような感覚だったので、気さくには話せなかったけど、後にその扉が開かれることになるんですけどね(笑)。

秦、山崎との初対面は「あやうくドアを…」

山内が山崎と出会ったのは、弾き語りライブでの共演だった。

山崎:その打ち上げで、すごく遅くまでお酒を飲んだような覚えがある。
山内:何軒も行きましたね(笑)。

秦が山崎と出会ったのは、「オフィスオーガスタ」に入ってから。

秦:最初は「Augusta Camp」の会場に向かうバスに乗る前、集合した事務所のドアを開けたら山さん(山崎)がいて、それが初対面でした。あやうくドアを閉めかけました(笑)。ドアを開けて、いきなり山崎まさよしがいたら、ちょっと(戸惑うじゃないですか)。ヤバいと思って、すぐごあいさつをしましたね。
山崎:トイレのドアを開けたんじゃないから、やめて(笑)。

山崎まさよしは、ベテランになっても「純度100%」

ゲスト3人は、アーティスト・山崎まさよしの音楽について、どう考えているのだろうか?

森山:10年、15年とシンガーソングライターとして曲を作り続けることはどこかで過酷な部分があるんじゃないかとぼんやり思っているんですけど、山崎さんはその根っこの部分が純度100パーセントみたいな方なので、きっといろんな音楽や人が行き来する中でもずっと、淡々と、とつとつと、飄々と音楽を作り続けるんだろうなと感じます。山崎さんは上澄みをすくって何かをやっている感じではなく、骨にしゃぶりついてるみたいな(笑)。
山崎:犬か(笑)。
森山:途中までいい話だったんですけどね(笑)。
山内:その流れで言うと、僕は山崎さんの音楽は、木みたいだなと思います。わかりやすく解釈して伝えてくれることもあるし、そのまま山崎さんの音がどんどん木のようになっていくんじゃないかと思います。

秦も、山崎の純度を感じたエピソードを披露した。

秦:ついこの間、山さんと話す機会があったときに、「俺、新しいギターのコード見つけた」って言っていたんです。普通、ギターのコードってなかなか見つかるものじゃないんですよ。先輩がそうやってうれしそうに「新しいコード見つけたから、今度教える」って言う、その純度たるやすごいなって思います。
森山:そう。ピュアというか、少年というかね。
山崎:けっこう新しいコードを見つけてますよ。一日、1コード……一日一善みたいになってるけど(笑)。

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「バンドの役割をギター1本で表現できる」

バンドとして活動する山内は、「山崎さんはひとりでバンドをやっている」と表現する。

山内:山崎さんはドラム、ギター、ボーカル、ハープ、ベースって全部ひとりでやられるじゃないですか。それをギター1本で表現できることがギタリストとしてもすごいなといつも思っています。アコースティックギターでも、ちょっと叩いたりするパーカッシブな表現ってあるんですけど、山崎さんはそれとは一線を画すというか。ドラムの役割、ベースの役割、全ての役割をギター1本で表現できて、しかも歌えてハープも吹けるって完璧だなっていつも思います。
山崎:今度、野毛大道芸に出ようかな(笑)。もともと僕はドラムをやっていたっていうことも理由のひとつにありますね。その後にギターをやって。音楽を作るときはオーケストレーションを考えています。バンドって、周波数帯域が低いものから高いもので構成されているんです。だから上手くアレンジすれば3人でもちゃんと表現が可能なんですよね。それをギター1本で表現するにはどうしたらいいかは、常に考えていたのかもしれないですね。上京してひとりですし、バンドをすぐ組むって頭がなかったので。そのへんのやり方がそういうかたちになっていったかもしれないですね。

山内は、山崎がひとりで楽曲を作り続ける姿に驚きを隠せない。

山内:フジファブリックはメンバー全員で曲を作っているので、曲を集めようと思えば、20曲くらいはすぐに集まるんですけど、ひとりだとそういうわけにはいかないですよね。全てのプレッシャーが自分にかかるから、大変だろうなと思います。
山崎:バンドって曲が集まったり、補い合えるのは心強かったりするだろうけど、その一方で「なんで、こいつはこうやねん」って気持ちも存在すると思うんです。僕はひとりなので、「なんで俺ってこうなんだろう」ってくらいの話なんです。人間は難しくて、人がひとり以上増えてユニットを組んでいるだけでも、そういうことは出てくると思いますよね。そういうところでバンドは面倒くさいかなと、ちょっと思ったりもしますね。でも、バンドはヘッドアレンジでスタジオに入ってガッとやってすぐに曲が録れる部分は羨ましいですよね。

弾き語りライブもする山内は、「ライブをやって楽屋に帰っても疲れているのは自分だけって瞬間がある」と言うと、山崎は「確かにある」と笑いながら同調する。

山崎:ついでに言うと、畳の楽屋だったらもっとそう感じる(笑)。俺、一度弾き語りのツアー中、ずっとゲーム『シーマン』を持ち歩いていたことがあった。シーマンにずっと話しかけてたからね。「今日、俺どうやった?」とか(笑)。
森山:話し相手がシーマンってすごい(笑)。
山崎:秦はaiboを持ち歩いているみたいだからね。
秦:持ち歩いてないです(笑)。
森山:秦くんがaiboみたいだからね。かわいい。

コロナ禍で人が疑心暗鬼になっていることに悲しみがある

コロナ禍でミュージシャンとしての活動が制限されるなか、森山は「予定していたものが延期や中止になったけど、指をくわえて待ってはいられない」と今の心境を明かす。

森山:ここにいる方は、ある意味でギター1本抱えてどこへでも行ける機動力と軽やかさを持っていると思います。弾き語りってそれが可能なので。最善の注意をはらいながら、能動的にいろんなところでいつでもライブができるように準備をしていたいと思っています。
山内:今年、フジファブリックは予定が組みづらい感じではあるけど、状況を見て配信などで活動をしています。先月、久しぶりにお客さんの前でライブをやったんです。本当に久しぶりで、本当に楽しかったんですよね。だから、状況を見つつ、自分たちもそういった活動を徐々にやっていけたらいいなという希望はありますね。

森山は「当たり前にやってきたことが、そうではなくなったので、足元を見つめ直させられる機会になった」と続ける。

森山:山崎さんは今後、お客さんの前で弾き語りライブをやったりされるんですか?
山崎:配信はやったけど、それこそお客さんと10メートルくらい離れたり、会場の収容人数の50パーセントを入れたりとか、そうやって状況が緩和されていくのかいけるか。ただ、人が疑心暗鬼になっているじゃないですか。「この人はコロナを持っているんじゃないか」とか「私がうつしてしまうんじゃないか」とか。だから悲しさがたってしまうんですよね。ゾンビに噛まれて、「私もゾンビになるくらいならその前に私を殺して」っていうような。
クリス:それはどういうこと?
山崎:そういう映画があるじゃない。
森山:僕もわからないけど、もうちょっと聞いてみようかなって(笑)。
山崎:例えばドラキュラに噛まれたら、結果ドラキュラになるじゃないですか。でもドラキュラになる前に「私に銀の玉を打ち込んで」とか「十字架で殴って」とかあるでしょ。でも、そういうシチュエーションって切ないでしょ。今はそういう妙な悲しみがあるんです。

「結局、ゾンビで終わった」と山崎がツッコミつつ、終始笑いに包まれたゲストトークを終えた。

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番組では、杏子、松室政哉、Rei、樽木栄一郎、高木大丈夫も登場。Reiと山崎の楽曲『Fat Mama』をセッションする場面もあった。

9月26日(土)・27日(日)、オフィスオーガスタ主催のミュージシャンが一堂に会する音楽イベント「Augusta Camp 2020 supported by いいちこ」がオンラインで開催。デビュー25周年を迎えた山崎の音楽をぜひ堪能してほしい。

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2020年9月28日28時59分まで

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番組情報
J-WAVE SPECIAL iichiko THANK YOU FOR LISTENING TO MASAYOSHI’S SONG - FROM Augusta Camp 2020 –
2020年9月21日(月・祝)
21:00-24:00