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Nulbarich・JQ×スガ シカオが語らう、90年代のアメリカのミュージックシーン

Nulbarich・JQ×スガ シカオが語らう、90年代のアメリカのミュージックシーン

J-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:スガ シカオ)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガシカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。

7月5日(日)のオンエアでは、Nulbarich・JQと「90年代アメリカ」を空想ドライブする様子をお届けした。


■90年代のアメリカをドライブ!

JQは、1月中旬から滞在しているというLAからリモートで出演。現地到着後すぐに新型コロナウイルスの影響でロックダウン(都市封鎖)となり、人種差別に抗議する暴動も始まったことから3、4か月は外出を控えているという。

スガ:それは大変な時期に行っちゃったものだね。
JQ:逆に貴重な体験を(しています)。
スガ:そんなLAからよろしくお願いします。今週はどの時代をドライブしましょうか。
JQ:90年代のアメリカはどうですか?
スガ:いいですね。90年代のアメリカは、いろいろな音楽がごちゃまぜになっているようなイメージがあるけどね、なかなか面白そう。90年代のアメリカの音楽についてMBUXにちょっと聞いてみましょう。

90年代のアメリカのミュージックシーンについて、スガは「Hi, Mercedes」と話しかけるだけで起動する対話型インフォテイメント・システム「MBUX」に詳細を尋ねた。

MBUX:90年代初頭に大きなムーブメントとなったのが、グランジでした。ニルヴァーナが世界的に大ブレイクを果たし、サウンドだけでなく、ファッション面でもカジュアルでルーズなスタイルが流行します。また、レイジ・アゲインスト・ザ・マシーンなど、ラウドでオルタナティブなミクスチャーバンドが活躍の場を広げていきます。ブラック・ミュージックではヒップホップとR&Bの境目があいまいとなり、ドクター・ドレー、P・ディディのように、ヒップホップ出身のプロデューサーが音楽業界全体に大きな影響力を及ぼすようになります。また同時に、エリカ・バドゥやディアンジェロのように、オーガニックなソウル・ミュージックが再評価されるようになります。

スガ:ありがとうMBUX。なるほどね、確かに。ヒップホップ、R&Bが大活躍だし、ロック系も新しい音楽がどんどんミクスチャーで出てくるような感じで。プラスアイドルみたいなね。
JQ:そうですね。
スガ:歌姫系もたくさんいますね。今日は、JQ的にはヒップホップだね。
JQ:90年代のときって、まだあまり音楽を掘り下げて聴いてなかったんです。僕からすると掘っていた90年代という感じなんですよね。
スガ:あとから堀ったという感じ?
JQ:はい。2000年ぐらいにヒップホップに出会って、そこからDJプレミアとか、それこそ2パックとか、P・ディディとかを聴くようになって、そこからどっぷりハマっていった感じではあるので。
スガ:なるほど。そうか、リアルタイムではないのか。
JQ:そうですね。


■JQが衝撃を受けたループミュージック

JQが1曲目に選んだ楽曲は、ア・トライブ・コールド・クエストの『Can I Kick It?』。ナイキのCM曲に起用されたことで、グループの人気を高めるきっかけとなった。



スガ:掘っていく過程で、ア・トライブ・コールド・クエストはどんな感じだったの?
JQ:ジャジー・ヒップホップと呼ばれているものが、2000年代初頭に日本でヌジャベスとかがすごくはやった時期があって。そのときに90年代のDJプレミアとかQティップとかのプロデューサーを掘るようになりました。ア・トライブ・コールド・クエストのメンバーがQ・ティップなので。デ・ラ・ソウルとかあのあたりが大好きですね。
スガ:どちらかというと、このころ元気だったのはギャング・スター系で、常に話題になっていた感じがするけどね。ジャジー・ヒップホップはなんというか馬鹿にされるじゃないけど「オシャレだなあ」みたいな感じで、ヒップホップファンからはちょっと距離を置かれていたというかね。そんなイメージが当時あったな。
JQ:ちょっと頭のいい人たちが(やっていた)。デ・ラ・ソウルもみんなインテリなので、そういうイメージですけどね。
スガ:しかも、トライブとかはジャズの元ネタをけっこうそのままサンプリングしたりとか。
JQ:サンプリングネタはけっこう、大ネタが多い。
スガ:なるほどね。トラックのほうから入っていく感じだったんだね。
JQ:そうですね。ループミュージックというのに衝撃を受けまして。MPCとかでサンプリングをして、それをループしちゃう、音楽理論をぶっ壊すみたいな。
スガ:だって、理論関係ないものね。ぶつかっていようがなにしようが、別に鳴っちゃったら鳴っちゃったでOKみたいな感じだから、そういう意味ではすごく自由だよね。
JQ:最高でした。


■フィーチャリングシンガーが増えてきた時代

JQが2曲目に紹介したのは、コモンの『Reminding Me (Of Sef) ft. Chantay Savage』。スガはこの曲についても「けっこう、ジャジー・ヒップホップじゃないかな」とコメントした。



スガ:このコモンのアルバムはすごい豪華ゲストだね。ローリン・ヒルとかエリカ・バドゥとか、もちろん先ほどのQ・ティップも入っているし。コモンはけっこう、プロデューサーをいっぱい立てるんだよね。2000年以降とかはカニエ・ウェストとかファレル・ウィリアムスをプロデュースしたりとかして、だから息が長いのかなという感じもするよね。
JQ:旬のプロデューサーを起用して。
スガ:一緒にやってという感じがすごくするよね。
JQ:このへんからフィーチャリングシンガーみたいなのが多くなってきた時代かな、と。
スガ:これがちょうど97年ぐらいだね、俺がデビューした年だ。


■今までとは違う形のライブに…「怖い」

JQはLAに、ポータブルでDTMもできるセットや、ギターやベースを持ち込んでいるという。自粛生活中の音楽活動について語った。

スガ:音楽活動はできた?
JQ:家とスタジオの行き来だけなので……。
スガ:それはできるのか。逆にやることがないから曲が進むみたいな。
JQ:そうですね、モグラのように生きてました(笑)。
スガ:そうか(笑)。それが日本に帰ってきてから形になるのが楽しみだね。
JQ:それは頑張ります。
スガ:日本もライブができないからね。
JQ:ちょっと形が変わっていくのかなとか、いろいろと思って。ライブはやりたいなという。
スガ:お客さんがいないとか、少ない、制限されているなかでのライブと考えると、今までのライブともまた作り方を含めて変えないといけないというのはあるよね。
JQ:観ている人たちのエネルギーで僕が動かされている部分が今まであったので、目の前に人がいない状態で、どうパフォーマンスをしていいのかが、全然想像つかないんですよね。
スガ:なんというか、エネルギーを出すオンリーみたいな感じになっちゃうような気がしない?
JQ:いや、怖い!
スガ:怖いよね。どんどん一緒に上がっていくというのがライブのモチベーションだったのがね。それを考えるとなかなかね。これからどういう形になっていくんだろうかという感じはしますけどね。

スガが空想ドライブをナビゲートする『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』のオンエアは、毎週日曜21時から。

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年7月12日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』
放送日時:毎週日曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/experience/

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