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美術館がオンラインで楽しめる。アート界の取り組みを『美術手帖』編集長が解説

「Exhibition Catalogue & Goods Collection」

美術館がオンラインで楽しめる。アート界の取り組みを『美術手帖』編集長が解説

新型コロナウイルス(以下、新型コロナ)によって、アート界も大きな影響を受けている。現状や、新たに始まった取り組みについて、『美術手帖』の岩渕貞哉編集長に話を訊いた。

トークが繰り広げられたのは、『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。オンエアは5月28日(木)。


■今、アート界に起きていること…どんな負担が?

コロナ禍で休館した美術館。日本では、海外から有名な作品を持ってきて開かれる大型展も多いが、渡航制限などで借りられなくなり、会期が延期したり、開催自体が断念されたりする展覧会が発生している。

岩渕:あとは作品を設営したものの、展示されたまま開幕できていないという展覧会も多いです。
サッシャ:返すものも返せないということですか?
岩渕:そうですね。まだ渡航制限のあいだは会期が終わっても日本に置いたままで管理をし続けないといけないということも発生しています。
サッシャ:レンタル料みたいなものも発生しているんですよね?
岩渕:保険や貸し出し料というものは発生しているので、それもかかってしまいます。
サッシャ:そういったところの負担もあるんですね。


■オンラインで作品を楽しもう。購入もできる

オンラインで作品が見られるプロジェクトもある。

岩渕:臨時休館になっている「東京国立近代美術館」の「ピーター・ドイグ展」だと、展示風景を撮影したものをサイト上でVRで観られるサービスがあります。

・「ピーター・ドイグ展」公式ページ
https://peterdoig-2020.jp/

サッシャ:自分でVRゴーグルだけを買ってきて、スマホなどで観ると目の前で観られる?
岩渕:会場を(疑似的に)歩けたり、作品に近寄ってみたりということができるというものが、始まったりしています。
サッシャ:VRゴーグルも安いものだと千円以下で買えるので、簡単に、身近に観られますね。
岩渕:あと、日本でアートマーケットがいちばん盛り上がる展示会「アートフェア東京」も3月に開催予定でしたが、それも中止になってしまいました。ですがそれは作品をオンラインビューイングで観て、そのまま気に入ったものは購入できるというサービスが始まっています。
サッシャ:『美術手帖』さんでも取り組みをされているそうですね。

『美術手帖』はオフィシャルサイト上で「OIL by 美術手帖」を展開。日本を代表するギャラリーやアートストアとともにつくるアートのマーケットプレイスだ。このサービスを通じて「アート作品の購入」という体験を届けている。

・OIL by 美術手帖
https://oil.bijutsutecho.com/

岩渕:50を超えるギャラリーが参加をしてくれました。みんな「作品を見て買いたい」という気持ちは強いので、オンラインでも作品を購入してもらっています。

また、『美術手帖』は2019年のバックナンバーを全ページを無料公開。閲覧期間は6月14日までとなっている。

・『美術手帖』のバックナンバーはこちらから https://bijutsutecho.com/magazine/insight/21931

岩渕:作品自体には触れられませんが、アートにまつわる情報などにアクセスしてもらえるような取り組みを行っています。
サッシャ:あらためてゆっくり読みなおすチャンスでもありますね。
岩渕:普段、忙しいなかだと全部を読み切れないという人も多いので、この時期にゆっくり読んでもらっています。


■アーティスト支援の動き

苦境に陥っている作品を作るアーティスト、クリエイターたちへの支援もある。

岩渕:まず、東京都が話題になったと思いますが「アートにエールを!東京プロジェクト」という、動画制作や公開をしたアーティストに10万円を支給するプロジェクトをいち早く実施しました。横浜市だと「バーチャル版芸術フェスティバル事業」を立ち上げたり、愛知県も全国最大規模となる6億円の施策を発表しています。
サッシャ:ほかにも京都、金沢、長野や、国でも文化芸術の支援をされています。千葉県の松戸市にもあるんですよね?
岩渕:これは「MATSUDO"QOL"AWARD (マツド"キューオーエル"アワード)」というもので、アーティスト・イン・レジデンス(国内外からアーティストを一定期間招へいして、滞在中の活動を支援する事業)の、松戸にある「PARADISE AIR」という場所にアーティストに来てもらい、制作する場所を提供する取り組みを行っています。

・PARADISE AIR公式ページ
http://paradiseair.info/opencall

サッシャ:そこでなにかを制作をして作品を産んでもらうことで、アーティストの支援につながるということですね。


■新たなチケットの販売方法も

新型コロナウイルスがいまだ収束しないなか、これからはどのようにアートを楽しんでいくのか、未来につながる動きについても話を訊いた。

岩渕:緊急事態宣言の解除を受けて、各地の美術館や博物館は対策を講じた上で再開しています。そのなかで今後注目されるのは、「チームラボ」がサービスを開始したチケットシステム。時間指定のチケットをオンラインで販売するものです。それにより待ち時間や混雑が緩和されて、QRコードで入場をするので接触もありません。
サッシャ:展覧会は、始まったときにドワーッと混んで「人の後頭部しか見えないんですけど」というときがありますよね。それを避ける意味でもある?
岩渕:これまでは海外から目玉の作品、有名な作品を持ってきて、それを観るために人が行列をするという感じでした。ですがアートというのは個人の楽しみというか、作品と自分が1対1で向き合いみたいな、ゆっくり作品と向き合う時間が見つめ直される機会になるとすると、これもきっかけなのかと思ったりします。
サッシャ:せっかくの作品ですし、お金を払って観に行くんだったらちゃんと観たいですよね。

展覧会図録・グッズのオンライン販売サイト「Exhibition Catalogue & Goods Collection」もある。

・Exhibition Catalogue & Goods Collection
https://oil-catalogues.bijutsutecho.com/

岩渕:地方の方はなかなか観に行けなかったりしますが、図録やグッズだけでも楽しみたいという人は、これまでは会場でしか買えなかったものがオンラインでも購入できます。作品を観るだけではない楽しみ方というのも増えてきているかと思います。
サッシャ:先ほどの「近代美術館」のようにVRを活用するといったことも、地方にいらっしゃる方のためにも今後も広がりそうですかね。
岩渕:そうですね。これはけっこう面白くて、ディテールまでせまって観られます。美術館だとそこまで近づけなかったりするので。
サッシャ:仕切りがあったりとかしてね。
岩渕:絵のタッチや細かいディテールが時間を気にせずに観られるという意味では、新しい楽しみ方が生まれているのかなと思います。
サッシャ:Googleもアートをまとめていますよね。
岩渕:「Google Arts & Culture」というサービスですね。世界の美術館、博物館のアーカイブを観られます。

・Google Arts & Culture
https://artsandculture.google.com/

増井:世界中、どこに(美術館が)あっても観られるんですね。
サッシャ:ほかのお客さんがいないし、独り占めですね。

この機会に、アートにじっくりと触れてみては。

『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側から光を当てる。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年6月4日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-12時30分
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/

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