J-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:スガ シカオ)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガシカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。
5月24日(日)のオンエアでは、放送作家の高須光聖をゲストに迎え、インドとネパールの街を空想ドライブした様子をお届けした。
■高須「大失敗だった」初海外でインドへ
スガと高須は古くからの友人。高須がスガの楽曲『夜空ノムコウ』を気に入り、番組に呼んだことがきっかけで親交が始まった。スガは高須の結婚式に呼ばれたほどの仲だという。
高須は放送作家として、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』『水曜日のダウンタウン』『めちゃ×2イケてるッ!』『ロンドンハーツ』など、さまざまな番組を担当。他にも映画やドラマの脚本、作詞、ラジオパーソナリティーなど、マルチな活躍を続けている。
そんな高須が空想ドライブに選んだ街は、自身が1985年頃にバイト代を貯めて行ったインドとネパール。
高須:僕は学生時代のバイト先が大阪のインド喫茶「カンテグランデ」でした。そこにウルフルズのトータス松本がいたんですよ。
スガ:そうなんだ(笑)。
高須:この店の新店が大阪ミナミのアメリカ村にできて、僕が初期に入っていて。その後に、ウルフルケイスケとジョン・B・チョッパーが入って、その後にトータス(松本)が入ってきたんです。
スガ:ほぼほぼ、ウルフルズ全員じゃないの。
高須:その店にインドのグッズもあったり、音楽も流れていたから「インドって面白いな」と思って。
当時、高須は「みんな簡単にインドに行っている」と思ったそうで、初めての海外旅行先にインドとネパールを選択した。
スガ:(初海外がインドとネパールって)すげえな。
高須:大失敗ですよ(笑)。
スガ:ハードル高いですよね。
高須:最初に訪れた場所がインドのカルカッタ(現・コルカタ)ですからね(笑)。カルカッタはビックリしましたよ。安い航空券で行ったんですけど、夜中に空港に着いて、朝方には僕のまわりに人だかりができちゃって。とりあえず街に出ようと思って、タクシーに乗っても人がうわっと寄ってきて、その道中にゴミの山が見えて、そこで子どもがゴミを漁ってる姿があって。僕がイメージしていたインドじゃないなって思ったんです。インドは自分の価値観を変えてくれるユートピア、ガンダーラ的な場所だと思っていて。
スガ:何日間行ったの?
高須:3カ月くらい(笑)。
インドに10日間ほど滞在した高須は、逃げるようにネパールに向かったが……。
高須:「ネパールはいいぞ」と言われて、すぐネパールのカトマンズに行きました。でも、よくよく聞くと、ネパールの水はインド人でもお腹を壊すって知って。
スガ:かえってダメじゃない(笑)。
高須:お腹壊して、ずっとパンばっかり食べてました。大変でしたね。
■ガンジス川で流れていたものに驚き
高須はインドに着いた翌日、ガンジス川を訪れた。
高須:早朝にガンジス川に行ったら、みんなが泥水みたいな川の水で口をゆすいだり、うがいをしたりしてるんですよ。僕は体まで入ると化膿している場所によくないので、膝までしか入りませんでした。その後、小学生くらいの男の子が漕ぐ船に乗ったんです。そうしたら、川にずだ袋みたいなものが何個か浮いているんですよ。それを男の子がオールでつつくと、そこには人が入っていて、ビックリして。おそらく、男の子はそうやるとみんなが驚くことをわかっていて、その場所に連れて行くんです。
スガ:観光のひとつとして連れて行くわけだ。それって宗教的に、聖なる場所に返すってことなのかな。
高須:人間は嘘もつくし悪いこともするけど、最終的にガンジス川の水に漬かると全部消えるっていう。その川に漬かって死ねば、全部消えて天国に行けるというようなことなんでしょうね。
スガ:それと、うがいする水が一緒ってすごいね。
川のすぐ横で、亡くなった人がインドの民族衣装・サリーに巻かれて焼かれる姿も目にしたという。
高須:キャンプファイヤーのように木が組んであって、トロッコみたいなもので一度死体に水を漬けるんです。それで体を浄化させて焼き出すんです。
スガ:火葬するんだ。
高須:ちょっと自分の人生観が変わる経験でしたね。すごかったですね。
スガ:インドって行くとものすごい人生観が変わるから、その後にインドに行き続けるか、二度と行かないかどっちかに別れるとみんな言うけど、インドって本当に強烈なことが起きるんですね。
高須は、インドを訪れる人の多くは「せっかくなら強烈なものを見て日本に帰ろう」と思っているのでは、と予想する。
高須:何か自分に強烈なインパクトを与えたい人が多いんじゃないかなと。そうなると、インドって普通の旅よりは深く入るじゃないですか。行った限りは深く見てやろう、いろんなものに刺激を受けてやろうと。だから、みんなもう一度行くか、二度と行かないか、どっちかに振れるんじゃないですか。
スガ:すげえな。俺も行ったら絶対に何かが変わっちゃうと思うもんね。変わっちゃうと思うから怖くて行けないですよ。
高須:わかります。僕なんかはエセなんで、ちょっとヒゲを生やしだして、帽子かぶって雰囲気作ってしまったんです。
スガ:(笑)。
■旅は全て自分で決断をしなければいけない
高須は3カ月の旅を経て、「どの国でも行ける気になった」と話す。加えて、自分の顔が変わることに驚いたという。
高須:顔がどんどん変わっていくんです。それまで1人で決断をすることってあまりなかったから。自分で生活をしていても、どこかで偉そうなことを言いながら親のすねをかじったり、帰る家があったり、電話で連絡がついたりした。でも、海外に行くと「あれ、本当に俺ひとりだな」って。
スガ:インドなんて行ったら、連絡はつかないからね。
高須:電車の2等席を取っても、平気で2、3時間遅れるから、どの電車に乗っていいかわからなくなるんですよ(笑)。なんとか電車に乗ったら、僕の席に人が座っていたりするから、本当に自分の席かどうかもわからない。
何を信じていいのか、今日一日をどう過ごしていいのか。高須は、全て自分で決めなくてはいけないと気づく。
スガ:しかも安全も保証されてないからね。
高須:そうなんです。友だちを作るにも、自分なりに見極めた人と友だちになるしかないじゃないですか。僕が拙い英語しか話せないので、伝わるかどうかもわからない。でも、なんとなくこの人と仲良くなれば、10数時間の旅が安全になるかなとか、自分で意識していくと、どんどん自分の顔が変わっているような気がしたんですよね。
スガ:それは変わりますよね。
高須:そんなことを思って生きたことがなかったので。
スガ:なるほどね。
■スガ「どうしても頭から離れないインドの1曲がある」
番組ではスガがインド音楽について語る場面も。その音楽を「特殊な音階を使う」と表現した。
スガ:ここの音階は普通、ポップスとかロックには出てこないんだけどな、っていう音階があるんです。ポップスを聴いていても、その音階ってちょいちょい出てくるんですよ。
高須:へえ、そうなんだ。
スガ:沖縄民謡もそうじゃないですか。それと同じ感じでインドの音階もあるんです。それが一発出ただけで、心を持っていかれるんです(笑)。
高須:香辛料のように、インドだって(笑)。
スガ:そうそう、香辛料みたいに持っていかれる(笑)。
スガはインスタグラムでインドとネパールの音楽ばかりを投稿するアカウントをフォローしているそうで、そこでどうしても頭から離れない1曲を見つけたと明かす。
スガ:その曲名を読むんだけど、何語だかもわからないし、どこが名前でどこがタイトルかもわからない。
高須:難しいね(笑)。
スガの頭から離れなかった1曲は、Vijay Antony, Haricharan, Srimathumithaの『Rathathin Rathamay』。
スガ:2011年に公開したインド映画の主題歌だったみたい。音楽的に非常に面白くて。普通ポップスとかロックはAメロ、Bメロ、サビ、イントロでまた繰り返して終わるじゃないですか。でも、この曲は全然違うんです。
高須:ええ!
スガ:まず、イントロがあって、Aメロ、Bメロがくるじゃないですか。「サビがくるなと思ったら、Aメロに戻って、全然わけわからない間奏にいくんです。この間奏後にサビがくるのかな?」と思ったらまた全然違う曲のAメロが始まるんです。だからCメロ、Dメロといって、「よし、サビがくるな」と思ったら、Aメロに戻るんです(笑)。聴いていて「戻るんかい!」って(笑)。
■高須のSNSの投稿で生まれたスガの新曲『あなたへ』
先日、スガは医療従事者にエール送る新曲『あなたへ』を制作。この曲は、高須がSNSで発信したひとつの投稿がきっかけで生まれたという。高須の投稿にはこんな言葉があった。
「だれか医療従事者を励まし、鼓舞する歌を作ってくれないかな? 僅かな休眠のあと看護にあたる人が『よし、やるか!』と踏み出せていけるような、彼らの、彼女らの頑張れるおまじないのようなそんな歌」
スガ:これが投稿された夜に僕がそれを見て、「俺、やってみます」ってすぐコメントをして。
高須:みんなが「えっ、スガさんが!?」ってビックリして。
スガ:その日の夜にガッと頭の中に歌詞が浮かんできちゃって、バッと書いたんですよね。今、新型コロナウイルスで大変な医療従事者だけではなくて、いろんな人が医療を支えているじゃないですか。その全部を応援できるような歌を作ろうと思って、自分の父親のこととか、友だちのこととか、その他にも3、4つエピソードを書いて、それを統括するサビを書いたんです。歌詞から曲を作ったのって、多分1割もないんです。本当に10年ぶりくらいに歌詞から曲ができちゃって、長く書いた歌詞から曲を紡いでいく作業になったんです。
高須は曲の完成があまりに早かったので驚いたという。
スガ:でも、外出自粛で人と会えないからレコーディングができなかったんです。だから、全部自分で曲をプログラミングするしかなくて、それでちょっと時間がかかちゃったんですよね。
高須:いや、でも、すごかったですよ。曲ができたときに、すぐに聴かせてもらって、すげーって思って。しかも、いろんな方が参加されているから。
『あなたへ』は桜井和寿(Mr.Children)と岡野昭仁(ポルノグラフィティ)も参加している。
スガ:ひとりでやってもよかったんだけど、みんながそう思ってるよっていうニュアンスがひとりだとちょっと出なかったんですよね。だから、友だちに声をかけたら、ぜひってことで、桜井くんと岡野くんが参加してくれました。歌詞も最初から自分1人で歌うように書いていないので、世界観の強いところは自分が歌おうとか、広がるところは誰かに歌ってもらおう、みたいな感じでした。たくさんの方に聴いていただけてよかったです。
高須の思いをスガが受け取り生まれた『あなたへ』をぜひ聴いてみてほしい。
J-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』は、その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガシカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラム。オンエアは、毎週日曜21時から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年5月31日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』
放送日時:毎週日曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/experience/
5月24日(日)のオンエアでは、放送作家の高須光聖をゲストに迎え、インドとネパールの街を空想ドライブした様子をお届けした。
■高須「大失敗だった」初海外でインドへ
スガと高須は古くからの友人。高須がスガの楽曲『夜空ノムコウ』を気に入り、番組に呼んだことがきっかけで親交が始まった。スガは高須の結婚式に呼ばれたほどの仲だという。
高須は放送作家として、『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』『水曜日のダウンタウン』『めちゃ×2イケてるッ!』『ロンドンハーツ』など、さまざまな番組を担当。他にも映画やドラマの脚本、作詞、ラジオパーソナリティーなど、マルチな活躍を続けている。
そんな高須が空想ドライブに選んだ街は、自身が1985年頃にバイト代を貯めて行ったインドとネパール。
高須:僕は学生時代のバイト先が大阪のインド喫茶「カンテグランデ」でした。そこにウルフルズのトータス松本がいたんですよ。
スガ:そうなんだ(笑)。
高須:この店の新店が大阪ミナミのアメリカ村にできて、僕が初期に入っていて。その後に、ウルフルケイスケとジョン・B・チョッパーが入って、その後にトータス(松本)が入ってきたんです。
スガ:ほぼほぼ、ウルフルズ全員じゃないの。
高須:その店にインドのグッズもあったり、音楽も流れていたから「インドって面白いな」と思って。
当時、高須は「みんな簡単にインドに行っている」と思ったそうで、初めての海外旅行先にインドとネパールを選択した。
スガ:(初海外がインドとネパールって)すげえな。
高須:大失敗ですよ(笑)。
スガ:ハードル高いですよね。
高須:最初に訪れた場所がインドのカルカッタ(現・コルカタ)ですからね(笑)。カルカッタはビックリしましたよ。安い航空券で行ったんですけど、夜中に空港に着いて、朝方には僕のまわりに人だかりができちゃって。とりあえず街に出ようと思って、タクシーに乗っても人がうわっと寄ってきて、その道中にゴミの山が見えて、そこで子どもがゴミを漁ってる姿があって。僕がイメージしていたインドじゃないなって思ったんです。インドは自分の価値観を変えてくれるユートピア、ガンダーラ的な場所だと思っていて。
スガ:何日間行ったの?
高須:3カ月くらい(笑)。
インドに10日間ほど滞在した高須は、逃げるようにネパールに向かったが……。
高須:「ネパールはいいぞ」と言われて、すぐネパールのカトマンズに行きました。でも、よくよく聞くと、ネパールの水はインド人でもお腹を壊すって知って。
スガ:かえってダメじゃない(笑)。
高須:お腹壊して、ずっとパンばっかり食べてました。大変でしたね。
■ガンジス川で流れていたものに驚き
高須はインドに着いた翌日、ガンジス川を訪れた。
高須:早朝にガンジス川に行ったら、みんなが泥水みたいな川の水で口をゆすいだり、うがいをしたりしてるんですよ。僕は体まで入ると化膿している場所によくないので、膝までしか入りませんでした。その後、小学生くらいの男の子が漕ぐ船に乗ったんです。そうしたら、川にずだ袋みたいなものが何個か浮いているんですよ。それを男の子がオールでつつくと、そこには人が入っていて、ビックリして。おそらく、男の子はそうやるとみんなが驚くことをわかっていて、その場所に連れて行くんです。
スガ:観光のひとつとして連れて行くわけだ。それって宗教的に、聖なる場所に返すってことなのかな。
高須:人間は嘘もつくし悪いこともするけど、最終的にガンジス川の水に漬かると全部消えるっていう。その川に漬かって死ねば、全部消えて天国に行けるというようなことなんでしょうね。
スガ:それと、うがいする水が一緒ってすごいね。
川のすぐ横で、亡くなった人がインドの民族衣装・サリーに巻かれて焼かれる姿も目にしたという。
高須:キャンプファイヤーのように木が組んであって、トロッコみたいなもので一度死体に水を漬けるんです。それで体を浄化させて焼き出すんです。
スガ:火葬するんだ。
高須:ちょっと自分の人生観が変わる経験でしたね。すごかったですね。
スガ:インドって行くとものすごい人生観が変わるから、その後にインドに行き続けるか、二度と行かないかどっちかに別れるとみんな言うけど、インドって本当に強烈なことが起きるんですね。
高須は、インドを訪れる人の多くは「せっかくなら強烈なものを見て日本に帰ろう」と思っているのでは、と予想する。
高須:何か自分に強烈なインパクトを与えたい人が多いんじゃないかなと。そうなると、インドって普通の旅よりは深く入るじゃないですか。行った限りは深く見てやろう、いろんなものに刺激を受けてやろうと。だから、みんなもう一度行くか、二度と行かないか、どっちかに振れるんじゃないですか。
スガ:すげえな。俺も行ったら絶対に何かが変わっちゃうと思うもんね。変わっちゃうと思うから怖くて行けないですよ。
高須:わかります。僕なんかはエセなんで、ちょっとヒゲを生やしだして、帽子かぶって雰囲気作ってしまったんです。
スガ:(笑)。
■旅は全て自分で決断をしなければいけない
高須は3カ月の旅を経て、「どの国でも行ける気になった」と話す。加えて、自分の顔が変わることに驚いたという。
高須:顔がどんどん変わっていくんです。それまで1人で決断をすることってあまりなかったから。自分で生活をしていても、どこかで偉そうなことを言いながら親のすねをかじったり、帰る家があったり、電話で連絡がついたりした。でも、海外に行くと「あれ、本当に俺ひとりだな」って。
スガ:インドなんて行ったら、連絡はつかないからね。
高須:電車の2等席を取っても、平気で2、3時間遅れるから、どの電車に乗っていいかわからなくなるんですよ(笑)。なんとか電車に乗ったら、僕の席に人が座っていたりするから、本当に自分の席かどうかもわからない。
何を信じていいのか、今日一日をどう過ごしていいのか。高須は、全て自分で決めなくてはいけないと気づく。
スガ:しかも安全も保証されてないからね。
高須:そうなんです。友だちを作るにも、自分なりに見極めた人と友だちになるしかないじゃないですか。僕が拙い英語しか話せないので、伝わるかどうかもわからない。でも、なんとなくこの人と仲良くなれば、10数時間の旅が安全になるかなとか、自分で意識していくと、どんどん自分の顔が変わっているような気がしたんですよね。
スガ:それは変わりますよね。
高須:そんなことを思って生きたことがなかったので。
スガ:なるほどね。
■スガ「どうしても頭から離れないインドの1曲がある」
番組ではスガがインド音楽について語る場面も。その音楽を「特殊な音階を使う」と表現した。
スガ:ここの音階は普通、ポップスとかロックには出てこないんだけどな、っていう音階があるんです。ポップスを聴いていても、その音階ってちょいちょい出てくるんですよ。
高須:へえ、そうなんだ。
スガ:沖縄民謡もそうじゃないですか。それと同じ感じでインドの音階もあるんです。それが一発出ただけで、心を持っていかれるんです(笑)。
高須:香辛料のように、インドだって(笑)。
スガ:そうそう、香辛料みたいに持っていかれる(笑)。
スガはインスタグラムでインドとネパールの音楽ばかりを投稿するアカウントをフォローしているそうで、そこでどうしても頭から離れない1曲を見つけたと明かす。
スガ:その曲名を読むんだけど、何語だかもわからないし、どこが名前でどこがタイトルかもわからない。
高須:難しいね(笑)。
スガの頭から離れなかった1曲は、Vijay Antony, Haricharan, Srimathumithaの『Rathathin Rathamay』。
スガ:2011年に公開したインド映画の主題歌だったみたい。音楽的に非常に面白くて。普通ポップスとかロックはAメロ、Bメロ、サビ、イントロでまた繰り返して終わるじゃないですか。でも、この曲は全然違うんです。
高須:ええ!
スガ:まず、イントロがあって、Aメロ、Bメロがくるじゃないですか。「サビがくるなと思ったら、Aメロに戻って、全然わけわからない間奏にいくんです。この間奏後にサビがくるのかな?」と思ったらまた全然違う曲のAメロが始まるんです。だからCメロ、Dメロといって、「よし、サビがくるな」と思ったら、Aメロに戻るんです(笑)。聴いていて「戻るんかい!」って(笑)。
■高須のSNSの投稿で生まれたスガの新曲『あなたへ』
先日、スガは医療従事者にエール送る新曲『あなたへ』を制作。この曲は、高須がSNSで発信したひとつの投稿がきっかけで生まれたという。高須の投稿にはこんな言葉があった。
「だれか医療従事者を励まし、鼓舞する歌を作ってくれないかな? 僅かな休眠のあと看護にあたる人が『よし、やるか!』と踏み出せていけるような、彼らの、彼女らの頑張れるおまじないのようなそんな歌」
スガ:これが投稿された夜に僕がそれを見て、「俺、やってみます」ってすぐコメントをして。
高須:みんなが「えっ、スガさんが!?」ってビックリして。
スガ:その日の夜にガッと頭の中に歌詞が浮かんできちゃって、バッと書いたんですよね。今、新型コロナウイルスで大変な医療従事者だけではなくて、いろんな人が医療を支えているじゃないですか。その全部を応援できるような歌を作ろうと思って、自分の父親のこととか、友だちのこととか、その他にも3、4つエピソードを書いて、それを統括するサビを書いたんです。歌詞から曲を作ったのって、多分1割もないんです。本当に10年ぶりくらいに歌詞から曲ができちゃって、長く書いた歌詞から曲を紡いでいく作業になったんです。
高須は曲の完成があまりに早かったので驚いたという。
スガ:でも、外出自粛で人と会えないからレコーディングができなかったんです。だから、全部自分で曲をプログラミングするしかなくて、それでちょっと時間がかかちゃったんですよね。
高須:いや、でも、すごかったですよ。曲ができたときに、すぐに聴かせてもらって、すげーって思って。しかも、いろんな方が参加されているから。
『あなたへ』は桜井和寿(Mr.Children)と岡野昭仁(ポルノグラフィティ)も参加している。
スガ:ひとりでやってもよかったんだけど、みんながそう思ってるよっていうニュアンスがひとりだとちょっと出なかったんですよね。だから、友だちに声をかけたら、ぜひってことで、桜井くんと岡野くんが参加してくれました。歌詞も最初から自分1人で歌うように書いていないので、世界観の強いところは自分が歌おうとか、広がるところは誰かに歌ってもらおう、みたいな感じでした。たくさんの方に聴いていただけてよかったです。
高須の思いをスガが受け取り生まれた『あなたへ』をぜひ聴いてみてほしい。
J-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』は、その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか―――時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターのスガシカオが旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談義を繰り広げる、空想型ドライブプログラム。オンエアは、毎週日曜21時から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年5月31日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』
放送日時:毎週日曜 21時-21時54分
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/experience/
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