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料理研究家・土井善晴が提案「おいしいタケノコの食べ方」に、吉岡里帆も驚き!

料理研究家・土井善晴が提案「おいしいタケノコの食べ方」に、吉岡里帆も驚き!

J-WAVEで放送中の番組『UR LIFESTYLE COLLEGE』(ナビゲーター:吉岡里帆)。4月19日(日)のオンエアでは、料理研究家・土井善晴がゲストに登場。和食という調理法について、旬の食材のオススメの食べ方、プロの料理人ならでは悩みなどを語った。


■家庭料理を作る人の背中を押す、土井の「余白のあるレシピ」

土井は『おかずのクッキング』(テレビ朝日系)や『きょうの料理』(NHK総合)など、さまざまな料理番組に出演。多くのレシピ本も刊行している。

吉岡とは6、7年ぶりに再会。「お目にかかって以来、どんどん活躍されて、すごいなといつも思っていました。一度お会いすると、応援したくなるよね」と、土井は穏やかにコメントした。

土井の父は、日本の家庭料理の礎を築いた料理研究家・土井 勝。日本のテレビ放送が始まった頃から料理番組に出演していた。

吉岡:私の祖母は手料理がとても上手で。家の料理の作り方は、ほとんど祖母に教わったと言ってもいいくらいなんです。季節のものとか、ちょっとしたおかずとか。おばあちゃんは、とにかく料理番組が大好きだったんです。
土井:じゃあ、おばあちゃんはよく父の番組を観ていたと思います。その当時、料理番組に出ている先生ってそんなにいなかったですから。

世代を超えた繋がりが明らかになったふたり。吉岡は、土井の料理への気負わない考え方に、「感動するし、背中を押される」と語った。

吉岡:「お味噌汁を作るときに出汁をとらなければいけないと誰が決めましたか」とか、「AIのようにレシピ通り作るのが正しいことなんでしょうか」とか。
土井:そうそう(笑)。レシピって何も、設計図じゃないから。きれいな花を見たら「きれいだな」と思うように、具材の焼色を見て「あー、おいしそう!」と思う、その感覚を活かすことがお料理だよね。
吉岡:私はそのお話に共感して。仕事が忙しいと、食材はまとめ買いになるし、冷凍できるものは冷凍しておいて……という感じになります。そんな中で、レシピに書いてあるものを全部買い揃えて、「はい、料理をしましょう」となると、クタクタでできない。冷蔵庫にあるものを適当に組み合わせて自由に料理がしたい、という……。
土井:お話を聞いていたら、吉岡さんは相当、料理ができそうですね。
吉岡:いえいえ、そんなことはないんですけど……。
土井:なんていうか、感覚なんです。料理ってその感覚が正しくて。料理、とくに和食は、野菜、魚、肉といった素材を、焼くか煮るか蒸すか揚げるか、あるいは生で塩をして食べるかという調理法に当てはめるものなんです。吉岡さんは京都出身だからよく知っていると思うけど、菜っ葉の炊いたんとか、お揚げさんの炊いたんとか。
吉岡:簡単ですよね。
土井:お芋ひとつあったら、煮付けるとかね。煮付けるというのは、味を染み込ませるんじゃなくて、表面にお砂糖と醤油がカラカラっとまぶったような感じ。みたらし団子みたいに仕上げる。それがまた、おいしい。素材を活かして、味を変えてないわけよね。食べるときに「ちょっと濃さが足りないな」と思ったら、お醤油をちょっとたらすとか、味噌を塗ろうかとか、ごまをかけてうまみを補うとか、食べる側が工夫して好きなように食べればいい。非常にシンプルな調理法が和食だから、吉岡さんの話を聞いていたら「その感覚を持っているな」と思いました。

吉岡は「いやいや、適当なだけです(笑)」と謙遜しつつ、「それは土井さんの提案する余白のあるレシピということですかね」と伝えると……。

土井:そうそう! ありがとうございます。「余白のあるレシピ」って、今度言います。
吉岡:土井さん、(自分で)おっしゃってました(笑)。
土井:ほんと? 言ったことを忘れるんですよ(笑)。


■“ゆっくり”に価値がある…新たな気づき

新型コロナウイルスの影響を受けて、土井も自宅で過ごす時間が増えた。そんな中で、新しい価値を見出すことができたそうだ。

土井:料理にしても何をするにしても、手早くテキパキ動くことを、自分のなかで大事にしていまして。「若い頃に比べると手が動かなくなったなあ」みたいなことを考えていたんですよ。だけどもね、時間があったらゆっくり行動する。
吉岡:あえてゆっくり。
土井:うん。慌てる必要がないと、“ゆっくり”っていうことに価値があるんですよ。必死にタイムを競って走ると、周りのことって見えないですよね。だけどゆっくり走ると、飛んでいるちょうちょに気づいたり、すれ違う人の声が聞こえたりする。いろんなものが見えてくるんです。
吉岡:悲しいこともたくさんありますけれど、家で過ごしているからこそ、いい発見もいろいろありますよね。
土井:絶対あると思います。ゆっくりしたら、おいしいものが作れる。
吉岡:丁寧に。
土井:丁寧ってね、私もよく言うんですけど、なかなか難しいことで。ゆっくりするってことがよくわからない人は、慌てないことを意識すればいいと思います。「時間はたっぷりとあるんだから」って思うと、“今”という時間が濃厚で濃密なものになります。


■普段の食事に旬の食材を取り入れる

「最近食べたもので感動したのは」と訊ねると、旬のタケノコという回答。その食べ方は意外なものだった。

土井:タケノコのおいしいものを食べました。タケノコは自分で炊くのもいいですね。東京なんかは4月の中頃が旬です。昔の京都は4月20日ぐらいだったかな。タケノコの旬は昔に比べて早くなってきているけれど、柔らかいタケノコはこれからも出てくるから。鮮度がよいものを、米ぬかを入れて1時間湯がく。
吉岡:米ぬかですか!?
土井:そうそう。米ぬかの酵素でアクが抜けやすくなります。沸騰して1時間湯がいたら、そのまま冷めるまで置いておく。そして水で綺麗に洗う。水に入れておくと、さらにアクは多少抜けます。そのあとは冷蔵庫で保管できます。そのタケノコだったらね、マヨネーズで食べたらすごくおいしい(笑)。
吉岡:えー! マヨネーズですか。
土井:タケノコってね、若竹煮とかだしを取ったりとか、調理に使う材料として難しいですよ。
吉岡:たしかに、料理で使うとちょっと緊張しちゃいますね。
土井:だから、ちょっとマヨネーズで食べたり、下の硬いところを刻んでチャーハンの具材に使ったりします。チャーハンの仕上がりでタケノコを投入して、焼いて混ぜてを繰り返す。最後は醤油でさっと風味をつける。
吉岡:おいしそうですね。
土井:桜えびとかしらすとか、肉を入れないほうがタケノコの風味が活きてくる気がします。そういうことをして、季節のものを食べています。
吉岡:手軽に食べることができますね。
土井:自分たちの身近なものに、季節の素材を引き寄せるんです。毎年タケノコを食べると「春が来たな」って思いますね。


■キッチンとワークスペースを併設した空間

土井の仕事場の写真を見ながらトークを展開する場面もあった。

吉岡:すごく綺麗にされていますね。
土井:そこは1階の写真で、仕事場ですね。アトリエと言っています。
吉岡:キッチンの真横にテーブルがたくさん置いてあるのが印象的ですね。すぐみんなで食べられるようにですか?
土井:大きなテーブルの周りでみんなは食事をしますね。あとはミーティングやデスクワークをするテーブルがあって。キッチンとワークスペースを併設しているんですね。
吉岡:お料理ができて、綺麗好きで、お掃除もできる。
土井:掃除、でけへんと思いますよ(笑)。そんなん言うたら家族に叱られます(笑)。
吉岡:失礼しました(笑)。
土井:家族がみんなしっかりしているので、やってくれています。


■プロの料理人ならでは悩みを告白

吉岡は「ライフスタイルのなかで苦手なことはありますか?」という質問を土井に投げかけた。スイス、フランスに渡っての料理修業や、老舗日本料理店で腕を磨いた経験を持つ土井は、家庭料理の分野に入った当初もプロの料理人として、「包丁を握ると気合いが入っていた」のだという。

土井:そうしたらね、周りから「一緒に料理をするのは嫌だ」と言われて。なので、おせち料理とかも「家にいてほしくない」「気分が悪いから出て行ってくれ」って言われたりして。
吉岡:作っている過程を見てほしくないと。
土井:料理をしていて気合が入った人が横にいたら嫌でしょ(笑)? それで横から「はよせえ」とか「手が燃えてまうぞ」とか言っちゃうんです。そういう世界で生きてきたもんだから。
吉岡:染み付いちゃっているんですね、その感覚が。
土井:この頃はだいぶ落ち着きました(笑)。
吉岡:柔らかく、丸くなられたんですね。
土井:昔の自分は、ものすごく嫌な人だったと思いますわ。人が盛りつけたお料理を「この器は合わない」とか言って、盛り替えたりね。
吉岡:えー!? そんなの旦那さんに言われたら「そんな言い方しなくてもいいんじゃない?」って言いたくなる(笑)。
土井:(笑)。なので、めっちゃ反省しています。あのときはすみませんでした。

お互いに関西出身とあって、テンポのいいトークを繰り広げた吉岡と土井だった。

日々の料理に悩んでいる人は、土井の出演する番組やレシピ本、またレシピを動画で紹介する「土井善晴の和食アプリ」を覗いてみては。

『UR LIFESTYLE COLLEGE』では、心地よい音楽とともに、より良いライフスタイルを考える。オンエアは毎週日曜18時から。

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年4月26日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『UR LIFESTYLE COLLEGE』
放送日時:毎週日曜 18時-19時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/lscollege/

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