『STEP ONE』(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」。4月13日(月)の放送では、新型コロナウイルスの影響で中止になった音楽フェスの救済策に注目。「フェス救済ファンド2020春」プロジェクトを立ち上げた、日本ミュージックフェスティバル協会の会長で菊地 崇さんに電話をつなぎ、話を訊いた。菊地さんはカルチャーマガジン『Switch』の創刊にも参加した編集者だ。
■多くの関係者が抱える「先が見えない不安」
ライブだけでなく、フェスも中止になっている。日本ミュージックフェスティバル協会では、支援金を送るために「フェス救済ファンド2020春」を立ち上げた。クラウドファンディングを活用して賛同者から資金を集め、フェスの主催団体に寄付をしようという試みだ。
菊地:そもそもこのNPOというのは、メディアではない形でフェスを応援したいなと思って去年立ち上げたんです。覚えてらっしゃると思いますが、去年の秋は台風で多くのフェスが中止になりました。そのフェスをどうにかして応援したいなと。メディアで「こういうのあるよ」「開催するよ」「こんなのよかったよ」と伝える形ではなくて、なんとかして応援したいなと思い、自然災害からの中止を考えて「フェス救済ファンド」というのが動き出したんです。動き出しているうちに、コロナのことが日に日に大きくなっていきました。中止、延期にまでなるということは、コロナもある種自然災害と同じようなものだと思うので、この春から始めようとスタートさせました。
増井:音楽フェス関係者からは最近、どのような窮状が寄せられているのでしょうか。
菊地:いちばんみなさんの声で大きいのは「先が見えない不安」です。たとえば台風がきたとしても、その次のフェスは開催されるじゃないですか? でも、今は「いつまでこれが続くのか?」が見えない。そこがみなさんの内面の葛藤しているところだと思います。
サッシャ:終わりが見えていれば、そこに向かって頑張るということができるけども「どこまで頑張ればいいんだ」というのは本当にわからないですよね。
■リターン品は1000円から! すでに多くの支援が
「フェス救済ファンド2020春」では支援額によってリターン品が用意されており、そのラインナップは企業の協力もあって多彩だ。菊地さんは早い段階で多くの支援が集まっていることに感謝した。
菊地:クラウドファンディングでは1000円のリターン品の提供からラインナップしています。今、それぞれアウトドアのメーカーなどからも提供していただいた商品をラインナップしているところです。CAMPFIRE(キャンプファイヤー)のプラットフォームを利用して、4月29日(水)までと期限を決めてやらせていただいています。
同ファンドは、「フェスの共済」をイメージしている。フェスを“守り合う”団体や動きが作りたかったのだという。その考えに賛同するフェスを募集し、手を挙げたところに支援を戻すという形をとっている。
サッシャ:フェスの数は、具体的にどのくらいなんでしょうか。
菊地:現状、手を挙げてくれたところは3つです。
サッシャ:今は目標額の大体半分ぐらいまでというところでしょうか。1000円から、高額なところでいっても17000円でアウトドアのジャケットとかですね。もう支援が集まっているものも多いですね。
菊地:そうなんですね。始まったらすぐにみなさんから支援の声を上げていただいて、本当にうれしく思っています。
サッシャ:これ、通常よりもリーズナブルに手に入れられるのでしょうか?
菊地:そうなんですよ! そうなんですよという言い方も変なのですが(笑)、ブランドの方から協力をしていただいて「定価よりも安い金額でいい」とおっしゃっていただいて、金額設定をさせていただきました。
サッシャ:「これはいいな」と思うものを見つけるという形の支援でも全然OKということですよね。
菊地:そうです。
■外出自粛の楽しみ方「次のステップのために」
菊池さんはカルチャーマガジン、ライフスタイルマガジンの編集者として長年活躍している。編集者はインタビューなどで人と会うことが仕事だが、現在はそれができず、リモートでのオファーも試みているという。
菊地:ただ、そうなると写真がなかなか撮れなくなって、どうしようかなというのが頭を悩ませているところです。
サッシャ:やはり我々が想像のつかないところまで、いろいろと影響が出ているわけですね。
さまざまな業種に影響が出ている中、「仕事で疲れているけど、楽しみにしていたライブもなくなったし……」と八方塞がりな気分を味わっている人は少なくないのでは。どうすれば、自宅で楽しく、有益に過ごせるだろうか。
菊地:「時間があること」を楽しむことがいちばんだと思います。個人的には、海外のアーティストの映像をずいぶん観ています。この時期なので、1日限定や生配信みたいな形で貴重な映像を送ってくれるんです。4月11日にコーチェラが歴史を追った2時間ぐらいの(YouTubeの)映像をアップしていたりして、そんなのを観てすごしています。
サッシャ:今はインスタのライブが観られたり、国内のフェスも映像を見せたりとか、普段はなかなか観られない貴重な映像がかなり観られますよね。
菊地:そうなんです。本当に充実しているというか楽しみで、自分としては大切な時間になっています。
サッシャ:特別限定のものを楽しんで観ることが“種”となり、自分の知識となって、音楽好きとしてはこのあとなにか花開く可能性もありますね。
菊地:終息してみなさんに会ったときに、それが会話になりそうじゃないですか。新しいつながりってそこで見つけられるなと思っていて、そういう「次のステップ」のために今の時間を使ってもらえればいいなと思っています。「楽しむこと」と「Stay Home」の2つをメッセージとして発信したいと思います。
サッシャ:リスナーの方も「そういう支援の仕方もあるんだ」と、音楽が好きな方は「こういう形で還元できるんだ」と思った方もいると思います。支援をしながら、そのフェスが楽しめる日が1日でも早く来ることを一緒に待ちたいと思います。
「フェス救済ファンド2020春」の公式ページでは、菊地さんがファンドに込めた想いや詳細が綴られている。クラウドの実施期間は4月29日(水)まで。
・「フェス救済ファンド2020春」の公式ページ
https://camp-fire.jp/projects/view/249533
『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側から光を当てる。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年4月20日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
■多くの関係者が抱える「先が見えない不安」
ライブだけでなく、フェスも中止になっている。日本ミュージックフェスティバル協会では、支援金を送るために「フェス救済ファンド2020春」を立ち上げた。クラウドファンディングを活用して賛同者から資金を集め、フェスの主催団体に寄付をしようという試みだ。
菊地:そもそもこのNPOというのは、メディアではない形でフェスを応援したいなと思って去年立ち上げたんです。覚えてらっしゃると思いますが、去年の秋は台風で多くのフェスが中止になりました。そのフェスをどうにかして応援したいなと。メディアで「こういうのあるよ」「開催するよ」「こんなのよかったよ」と伝える形ではなくて、なんとかして応援したいなと思い、自然災害からの中止を考えて「フェス救済ファンド」というのが動き出したんです。動き出しているうちに、コロナのことが日に日に大きくなっていきました。中止、延期にまでなるということは、コロナもある種自然災害と同じようなものだと思うので、この春から始めようとスタートさせました。
増井:音楽フェス関係者からは最近、どのような窮状が寄せられているのでしょうか。
菊地:いちばんみなさんの声で大きいのは「先が見えない不安」です。たとえば台風がきたとしても、その次のフェスは開催されるじゃないですか? でも、今は「いつまでこれが続くのか?」が見えない。そこがみなさんの内面の葛藤しているところだと思います。
サッシャ:終わりが見えていれば、そこに向かって頑張るということができるけども「どこまで頑張ればいいんだ」というのは本当にわからないですよね。
■リターン品は1000円から! すでに多くの支援が
「フェス救済ファンド2020春」では支援額によってリターン品が用意されており、そのラインナップは企業の協力もあって多彩だ。菊地さんは早い段階で多くの支援が集まっていることに感謝した。
菊地:クラウドファンディングでは1000円のリターン品の提供からラインナップしています。今、それぞれアウトドアのメーカーなどからも提供していただいた商品をラインナップしているところです。CAMPFIRE(キャンプファイヤー)のプラットフォームを利用して、4月29日(水)までと期限を決めてやらせていただいています。
同ファンドは、「フェスの共済」をイメージしている。フェスを“守り合う”団体や動きが作りたかったのだという。その考えに賛同するフェスを募集し、手を挙げたところに支援を戻すという形をとっている。
サッシャ:フェスの数は、具体的にどのくらいなんでしょうか。
菊地:現状、手を挙げてくれたところは3つです。
サッシャ:今は目標額の大体半分ぐらいまでというところでしょうか。1000円から、高額なところでいっても17000円でアウトドアのジャケットとかですね。もう支援が集まっているものも多いですね。
菊地:そうなんですね。始まったらすぐにみなさんから支援の声を上げていただいて、本当にうれしく思っています。
サッシャ:これ、通常よりもリーズナブルに手に入れられるのでしょうか?
菊地:そうなんですよ! そうなんですよという言い方も変なのですが(笑)、ブランドの方から協力をしていただいて「定価よりも安い金額でいい」とおっしゃっていただいて、金額設定をさせていただきました。
サッシャ:「これはいいな」と思うものを見つけるという形の支援でも全然OKということですよね。
菊地:そうです。
■外出自粛の楽しみ方「次のステップのために」
菊池さんはカルチャーマガジン、ライフスタイルマガジンの編集者として長年活躍している。編集者はインタビューなどで人と会うことが仕事だが、現在はそれができず、リモートでのオファーも試みているという。
菊地:ただ、そうなると写真がなかなか撮れなくなって、どうしようかなというのが頭を悩ませているところです。
サッシャ:やはり我々が想像のつかないところまで、いろいろと影響が出ているわけですね。
さまざまな業種に影響が出ている中、「仕事で疲れているけど、楽しみにしていたライブもなくなったし……」と八方塞がりな気分を味わっている人は少なくないのでは。どうすれば、自宅で楽しく、有益に過ごせるだろうか。
菊地:「時間があること」を楽しむことがいちばんだと思います。個人的には、海外のアーティストの映像をずいぶん観ています。この時期なので、1日限定や生配信みたいな形で貴重な映像を送ってくれるんです。4月11日にコーチェラが歴史を追った2時間ぐらいの(YouTubeの)映像をアップしていたりして、そんなのを観てすごしています。
サッシャ:今はインスタのライブが観られたり、国内のフェスも映像を見せたりとか、普段はなかなか観られない貴重な映像がかなり観られますよね。
菊地:そうなんです。本当に充実しているというか楽しみで、自分としては大切な時間になっています。
サッシャ:特別限定のものを楽しんで観ることが“種”となり、自分の知識となって、音楽好きとしてはこのあとなにか花開く可能性もありますね。
菊地:終息してみなさんに会ったときに、それが会話になりそうじゃないですか。新しいつながりってそこで見つけられるなと思っていて、そういう「次のステップ」のために今の時間を使ってもらえればいいなと思っています。「楽しむこと」と「Stay Home」の2つをメッセージとして発信したいと思います。
サッシャ:リスナーの方も「そういう支援の仕方もあるんだ」と、音楽が好きな方は「こういう形で還元できるんだ」と思った方もいると思います。支援をしながら、そのフェスが楽しめる日が1日でも早く来ることを一緒に待ちたいと思います。
「フェス救済ファンド2020春」の公式ページでは、菊地さんがファンドに込めた想いや詳細が綴られている。クラウドの実施期間は4月29日(水)まで。
・「フェス救済ファンド2020春」の公式ページ
https://camp-fire.jp/projects/view/249533
『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側から光を当てる。放送は月曜~木曜の10時10分ごろから。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年4月20日28時59分まで)
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/
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