新型コロナウイルスの影響や、東京オリンピック・パラリンピックの延期によって、ホテル業界も打撃を受けている。J-WAVEで放送中の番組『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ・増井なぎさ)では、3月30日(月)のオンエアにて、ホテル評論家・瀧澤信秋に現状を訊いた。この状況でも人気を保つホテルの特徴とは?
■苦境に立たされるホテル業界
今、ホテル業界がどのような状況に置かれているのか。
:取材したところ、最盛期の1割にも満たない営業益のホテルがありました。
サッシャ:えっ! 9割減益ですか?
瀧澤:特に冬が稼ぎどころのホテルだと、新型コロナウイルスの影響を大きく受けてしまって。「全く見通しが立たない」という声も聞かれました。
サッシャ:温泉も影響はあるのでしょうか?
瀧澤:一部、好調なところはありますが、全体で見ると非常に厳しい状況です。
増井:そうしますと、ホテルの従業員や関係者にも大きな影響がありますね。
瀧澤:そうですね。ホテルは本当に、多くの業者が関わっているんですよ。ベッドのシーツ交換やアメニティーの業者とか。最近は、ホテルの清掃を外部委託しているところも多いです。さまざまな業種に、新型コロナウイルスの影響は波及しています。
■ターゲット層を明確にしているホテルが人気
一方、現状もほぼ満室のホテルがあるという。明暗を分けた要因は?
瀧澤:現在も人気のあるホテルは、新型コロナウイルスの影響を受ける前から動いていて。きちんと特定の人に望まれるように、ホテルの付加価値を高めて、お客さんに還元しているんですね。さらに掘り下げると、恐らくインバウンド率をコントロールしていたんです。
サッシャ:日本国内のお客さんのボリュームを、ある程度維持をしていたということでしょうか。
瀧澤:そうです。インバウンドのお客さんだけでも満室になるんだけど、あえて低い割合で客数を抑えていたホテルはけっこうありまして。そういうホテルは、日本人のリピーターが多いです。現在は新型コロナウイルスの影響で外出を自粛していますが、仕事でどうしても行かないといけない人などが宿泊施設として利用していますね。
サッシャ:つまり、インバウンドに特化していたホテルが現在、厳しい状況にあるということでしょうか。
瀧澤:そうですね。これから先、ますます厳しくなると思います。
日本人向けのホテルが喜ばれる、ということではなく、「こういうお客さんに来てほしい」というコンセプトを明確にすることが重要だ。
瀧澤:ターゲット層をきちんと呼び込んで、リピーターが増えて、価値を高めてサービスの質を上げていく、そういったホテルが人気になると思います。
サッシャ:普段から付加価値がついていて、少し高価なホテルが人気ということでしょうか。
瀧澤:そうですね。そして、そういったホテルは室内でサービスが完結できるメリットがあります。ルームサービスがあるからずっと部屋にいられる。今の情勢にマッチしていますよね。
サッシャ:若い人たちに向けたホテルはあるのでしょうか?
瀧澤:ビジネスホテルのなかには、会員制度をうまく活用しているところがあります。入会金はあるけれど、会員さんには質のよいサービスを提供する。そうすることで、サラリーマンのリピーターが増加します。インバウンドの人は一度きりがほとんどでしょうから、そうした人は入会しないんですよ。結果的に、日本人のリピーターが増えていくんですね。
サッシャ:回数券のようなシステムで、ホテルのファンを増やしていく訳ですね。
■ホテル業界、経営難を乗り越えるには
ホテル業界が新型コロナウイルスによる経営難を乗り切るためにはどうしたらよいのだろうか? その方法を瀧澤さんが助言した。
瀧澤:忙しいときにできなかったことをやることが大切です。従業員のサービスをもう一度見直して、教育をし直したり、ホテルのコンセプトを再考するとかですね。チェーン店であれば、別のホテルに出向をしてみたり。そういうことをして、人のサービスレベルを上げていく。そうした取り組みをしている動きがホテル業界には見られるし、とても有効なことだと思いますね。
サッシャ:来たるべきときに備えて、お客さんが戻ってきたときに素晴らしいサービスを提供できるホテルに進化しているといいですね。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースをその裏側から光を当て、様々な視点から紹介する。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年4月6日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone
■苦境に立たされるホテル業界
今、ホテル業界がどのような状況に置かれているのか。
:取材したところ、最盛期の1割にも満たない営業益のホテルがありました。
サッシャ:えっ! 9割減益ですか?
瀧澤:特に冬が稼ぎどころのホテルだと、新型コロナウイルスの影響を大きく受けてしまって。「全く見通しが立たない」という声も聞かれました。
サッシャ:温泉も影響はあるのでしょうか?
瀧澤:一部、好調なところはありますが、全体で見ると非常に厳しい状況です。
増井:そうしますと、ホテルの従業員や関係者にも大きな影響がありますね。
瀧澤:そうですね。ホテルは本当に、多くの業者が関わっているんですよ。ベッドのシーツ交換やアメニティーの業者とか。最近は、ホテルの清掃を外部委託しているところも多いです。さまざまな業種に、新型コロナウイルスの影響は波及しています。
■ターゲット層を明確にしているホテルが人気
一方、現状もほぼ満室のホテルがあるという。明暗を分けた要因は?
瀧澤:現在も人気のあるホテルは、新型コロナウイルスの影響を受ける前から動いていて。きちんと特定の人に望まれるように、ホテルの付加価値を高めて、お客さんに還元しているんですね。さらに掘り下げると、恐らくインバウンド率をコントロールしていたんです。
サッシャ:日本国内のお客さんのボリュームを、ある程度維持をしていたということでしょうか。
瀧澤:そうです。インバウンドのお客さんだけでも満室になるんだけど、あえて低い割合で客数を抑えていたホテルはけっこうありまして。そういうホテルは、日本人のリピーターが多いです。現在は新型コロナウイルスの影響で外出を自粛していますが、仕事でどうしても行かないといけない人などが宿泊施設として利用していますね。
サッシャ:つまり、インバウンドに特化していたホテルが現在、厳しい状況にあるということでしょうか。
瀧澤:そうですね。これから先、ますます厳しくなると思います。
日本人向けのホテルが喜ばれる、ということではなく、「こういうお客さんに来てほしい」というコンセプトを明確にすることが重要だ。
瀧澤:ターゲット層をきちんと呼び込んで、リピーターが増えて、価値を高めてサービスの質を上げていく、そういったホテルが人気になると思います。
サッシャ:普段から付加価値がついていて、少し高価なホテルが人気ということでしょうか。
瀧澤:そうですね。そして、そういったホテルは室内でサービスが完結できるメリットがあります。ルームサービスがあるからずっと部屋にいられる。今の情勢にマッチしていますよね。
サッシャ:若い人たちに向けたホテルはあるのでしょうか?
瀧澤:ビジネスホテルのなかには、会員制度をうまく活用しているところがあります。入会金はあるけれど、会員さんには質のよいサービスを提供する。そうすることで、サラリーマンのリピーターが増加します。インバウンドの人は一度きりがほとんどでしょうから、そうした人は入会しないんですよ。結果的に、日本人のリピーターが増えていくんですね。
サッシャ:回数券のようなシステムで、ホテルのファンを増やしていく訳ですね。
■ホテル業界、経営難を乗り越えるには
ホテル業界が新型コロナウイルスによる経営難を乗り切るためにはどうしたらよいのだろうか? その方法を瀧澤さんが助言した。
瀧澤:忙しいときにできなかったことをやることが大切です。従業員のサービスをもう一度見直して、教育をし直したり、ホテルのコンセプトを再考するとかですね。チェーン店であれば、別のホテルに出向をしてみたり。そういうことをして、人のサービスレベルを上げていく。そうした取り組みをしている動きがホテル業界には見られるし、とても有効なことだと思いますね。
サッシャ:来たるべきときに備えて、お客さんが戻ってきたときに素晴らしいサービスを提供できるホテルに進化しているといいですね。
J-WAVE『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースをその裏側から光を当て、様々な視点から紹介する。放送は月曜~木曜の10時10分頃から。
【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年4月6日28時59分まで)
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【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時-13時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/stepone
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