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新型コロナウイルス、致死率はもっと低いはず 専門家が状況を解説

新型コロナウイルス、致死率はもっと低いはず 専門家が状況を解説

中国を中心に世界的に感染が広がっている新型コロナウイルス。ネット上では病気が拡大する「パンデミック」という言葉が一人歩きをし、危険なデマや嘘、過激な発言も少なくない。こんなときこそ、正しい情報を得て、正しい判断や行動をすることが大切だ。免疫学に詳しい白鴎大学教授の岡田晴恵さんが、新型コロナウイルスの現状について解説する。

【2月3日(月)『JAM THE WORLD』の「CASE FILE」(ナビゲーター:グローバー)】


■本人も無自覚なまま“歩く感染者”となり得る新型コロナウイルス

岡田さんによると、これまで新型コロナウイルスに感染して重症化した人のケースを見てみると、発症してから入院するまで最大で7日間、8日目には息苦しくなって、9日目や10日目では人工呼吸器をつけたり集中治療室行きを余儀なくされたりしているという。新型コロナウイルスは大きな問題点は、感染が不透明であることだ。

岡田:潜伏期間は1日から14日くらい。しかし、症状が出ていなかったり本人も感染がわかっていなかったりするその潜伏期間中も、ウイルスを外に出して人に移す可能性があります。またこの潜伏期から入院するまでの約1週間の段階は、風邪と同じように発熱やたん、だるさ、頭痛といった症状があることが多いようです。そして、その段階でもウイルスを外に出しています。このように潜伏期からウイルスを外に出す感染症は、患者自身が自分の感染をまったくわかっていないので隔離が難しい。(本人も自身の感染に気付いていない)歩く感染者たちが感染源になっているということで、中国政府も対策に手をこまねいているのが現状です。


■感染者数と致死率の“数字”だけで判断していいのか?

また岡田さんは、発表されている患者数や致死率についても数字だけでは読み取れない背景があると解説する。

岡田:今報告されている患者は症状が明らかに出て、中国でちゃんとウイルスの遺伝子検査をして「感染しています」とわかっている人。彼らが“患者数”として登録されています。そして、そのうちの死亡者を計算すると致死率が2.2%。しかし、実際にはこのように確定された患者の後ろに、無症状や軽症の潜在的な患者や感染者がたくさんいると推定されます。そのため、実際には致死率がもっと低いと考えられるでしょう。また、(こうした感染症は)後追いで「こんな軽症な例もありました」という調査結果も出てくるので、最終的に致死率が下がるのはよくある話。新型コロナウイルスについては重症も亡くなる方もいますが、軽症や無症状の全体像が把握できていないのです。

軽症や無症状の患者の情報がほとんど報道されないため、不安になりがちだ。しかし、まだ感染症そのものの全体像が見えてこないことには「新型コロナウイルスは〇〇だ」と断定や判断はできないということだろう。そして気になるのは重症化する場合だ。

岡田:健康な人は軽症ですが、中高年齢層以上で糖尿病や高血圧などの基礎疾患を持っている方は致死率が高くなったり重症化しやすくなったりするという見方ができると思います。

最後に岡田さんは、「匿名の情報ではなく、国や識者が発信している情報源をしっかり見聞きすることが大切」と指摘した。

新型コロナウイルスは厚生省が特設ホームページを解説しているので、そちらもぜひ見てみてほしい。

『JAM THE WORLD』のワンコーナー「CASE FILE」では、時代を映すニュースなキーワードを、リスナーの記憶にファイリングする。放送は月曜~木曜の19時30分頃から。お楽しみに!

【この記事の放送回をradikoで聴く】(2020年2月10日28時59分まで)
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト: https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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