コンビニの人気商品「悪魔のおにぎり」をご存じだろうか。白だしで炊いたご飯に天かす・天つゆ・青のり・あおさのシンプルな組み合わせが大ヒットとなり、20年間不動の売上トップを貫いてきた「ツナマヨ」を抜いた。「悪魔のおにぎり」の考案者・渡貫淳子さんに話を訊いた。
【9月13日（金）J-WAVE『GOLD RUSH』（ナビゲーター：渡部 建）の「CURIOUSCOPE」／この記事の放送回をradikoで聴く（2019年9月20日28時59分まで）】
■30人分×1年4カ月間の食材を用意！
渡貫さんは、史上初の南極地域観測隊の調理隊員として「昭和基地」で約1年4カ月間の単身赴任生活をした経験を持つ。調理隊員になったきっかけはいくつかあるが「観光地ではなく、職場として南極に行きたいと思ったから」と渡貫さん。調理隊員は、必要事項を満たしていれば一般からも応募できるという。
見事合格した渡貫さんは、4カ月ほどの準備期間で食材の選定などを行った。食材は途中補給ができないため、30人分の1年4カ月間の食材は、重さ約30トン、品目数2000にもおよんだ。南極の最低気温はマイナス45度ほどで、「体温を上げようとするのか、みなさんよく食べるんです」と渡貫さんは振り返る。
渡部：献立はどのくらい考えていくんですか？
渡貫：ノープランです。
渡部：ノープラン!?
渡貫：「今日は少し暖かいから冷やし中華にする？ マイナス十数度だけど」という感じですね。
渡部：（笑）。
渡貫：冷蔵庫・冷凍庫の中の全体の減り具合を見ながら、多めの食材から献立を考えていきます。
渡部：隊員からリクエストがあって食材がない場合はどうするんですか？
渡貫：基本的に「この食材がない」ってバレると、逆にみなさんが渇望するんです。
渡部：じゃあ少なくなっているということすら言わないんですね。
渡貫：言いません。たまに少しずつ食事に出すと、隊員は「まだこの食材はあるんだ」という安心感があるようです。
渡部：そのへんの精神的なコントロールもしながら作るんですね。
■夜食として誕生した「悪魔のおにぎり」
調理隊員をしていて一番困ったのは「シンクに液体を流せなかったこと」。残った食材や液体は捨てずにリメイクしていたという。
渡貫：たとえば、30人分のチキンを焼くと、けっこうな量の焼き汁が出ます。それをカレーやスープに活用しました。ありがたいことに毎週金曜日はカレーを出せるので、けっこうカレーの食材として工夫しました。
渡部：野菜はどうしていたんですか？
渡貫：キャベツとか玉ねぎはあるんですけど、1年もたないので途中で枯渇します。細々と水耕栽培で野菜を育てていましたが、それでは追いつきません。冷凍野菜を食べ続けてわかったのが、生野菜は大切だということ。食べられないとメンタルがやられます。
渡貫さんは、こうした厳しい環境の中で朝・昼・晩、おやつ、夜勤者がいるため夜食も作っていた。その夜食として作られたものが「悪魔のおにぎり」だ。
渡貫：昼食に出した天ぷらうどんの天かす、夕食の白米が余っていて、私はいつもその日に余った食材でいろいろな種類のおにぎりを作っていました。「悪魔のおにぎり」は、隊員が名付けてくれました。「夜に食べるにはカロリーがヤバいけど、おいしいから手を出してしまう」という意味で「悪魔のおにぎり」です。
「悪魔のおにぎり」はローソンで販売中。見かけた人は、手にとってみては。
渡貫さんは著書『南極ではたらく：かあちゃん、調理隊員になる』（平凡社）や『悪魔のおにぎりと南極流リメイク料理』（マガジンハウス）を出版している。調理隊員としての体験や「悪魔のおにぎり」のアレンジレシピなどを掲載しているので、ぜひ手に取ってみてほしい。
『GOLD RUSH』のワンコーナー「CURIOUSCOPE」では、毎週ひとつのトピックをピックアップ。その道に精通したゲストを迎え、流行・現象の本質に迫る。放送は16時40分頃から。お楽しみに。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」（有料）なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名：『GOLD RUSH』
放送日時：毎週金曜 16時30分－20時
オフィシャルサイト： https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/
【9月13日（金）J-WAVE『GOLD RUSH』（ナビゲーター：渡部 建）の「CURIOUSCOPE」／この記事の放送回をradikoで聴く（2019年9月20日28時59分まで）】
■30人分×1年4カ月間の食材を用意！
渡貫さんは、史上初の南極地域観測隊の調理隊員として「昭和基地」で約1年4カ月間の単身赴任生活をした経験を持つ。調理隊員になったきっかけはいくつかあるが「観光地ではなく、職場として南極に行きたいと思ったから」と渡貫さん。調理隊員は、必要事項を満たしていれば一般からも応募できるという。
見事合格した渡貫さんは、4カ月ほどの準備期間で食材の選定などを行った。食材は途中補給ができないため、30人分の1年4カ月間の食材は、重さ約30トン、品目数2000にもおよんだ。南極の最低気温はマイナス45度ほどで、「体温を上げようとするのか、みなさんよく食べるんです」と渡貫さんは振り返る。
渡部：献立はどのくらい考えていくんですか？
渡貫：ノープランです。
渡部：ノープラン!?
渡貫：「今日は少し暖かいから冷やし中華にする？ マイナス十数度だけど」という感じですね。
渡部：（笑）。
渡貫：冷蔵庫・冷凍庫の中の全体の減り具合を見ながら、多めの食材から献立を考えていきます。
渡部：隊員からリクエストがあって食材がない場合はどうするんですか？
渡貫：基本的に「この食材がない」ってバレると、逆にみなさんが渇望するんです。
渡部：じゃあ少なくなっているということすら言わないんですね。
渡貫：言いません。たまに少しずつ食事に出すと、隊員は「まだこの食材はあるんだ」という安心感があるようです。
渡部：そのへんの精神的なコントロールもしながら作るんですね。
■夜食として誕生した「悪魔のおにぎり」
調理隊員をしていて一番困ったのは「シンクに液体を流せなかったこと」。残った食材や液体は捨てずにリメイクしていたという。
渡貫：たとえば、30人分のチキンを焼くと、けっこうな量の焼き汁が出ます。それをカレーやスープに活用しました。ありがたいことに毎週金曜日はカレーを出せるので、けっこうカレーの食材として工夫しました。
渡部：野菜はどうしていたんですか？
渡貫：キャベツとか玉ねぎはあるんですけど、1年もたないので途中で枯渇します。細々と水耕栽培で野菜を育てていましたが、それでは追いつきません。冷凍野菜を食べ続けてわかったのが、生野菜は大切だということ。食べられないとメンタルがやられます。
渡貫さんは、こうした厳しい環境の中で朝・昼・晩、おやつ、夜勤者がいるため夜食も作っていた。その夜食として作られたものが「悪魔のおにぎり」だ。
渡貫：昼食に出した天ぷらうどんの天かす、夕食の白米が余っていて、私はいつもその日に余った食材でいろいろな種類のおにぎりを作っていました。「悪魔のおにぎり」は、隊員が名付けてくれました。「夜に食べるにはカロリーがヤバいけど、おいしいから手を出してしまう」という意味で「悪魔のおにぎり」です。
「悪魔のおにぎり」はローソンで販売中。見かけた人は、手にとってみては。
やみつき注意！の「悪魔のおにぎり」に「明太バター醤油味」が登場です♪明太バター醤油ご飯とマヨソースの相性がばっちりです(^^) #ローソン #悪魔のおにぎり https://t.co/izdzV9Msq1 pic.twitter.com/9dUrvj3LUQ
— ローソン (@akiko_lawson) September 16, 2019
渡貫さんは著書『南極ではたらく：かあちゃん、調理隊員になる』（平凡社）や『悪魔のおにぎりと南極流リメイク料理』（マガジンハウス）を出版している。調理隊員としての体験や「悪魔のおにぎり」のアレンジレシピなどを掲載しているので、ぜひ手に取ってみてほしい。
『GOLD RUSH』のワンコーナー「CURIOUSCOPE」では、毎週ひとつのトピックをピックアップ。その道に精通したゲストを迎え、流行・現象の本質に迫る。放送は16時40分頃から。お楽しみに。
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番組名：『GOLD RUSH』
放送日時：毎週金曜 16時30分－20時
オフィシャルサイト： https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/
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