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消費税が2%上がっても、キャッシュレス決済で5%戻ってくる!? 経済産業大臣が語るメリット

消費税が2%上がっても、キャッシュレス決済で5%戻ってくる!? 経済産業大臣が語るメリット

各社が力を入れるキャッシュレス決済。クレジットカードやQRコードなど形式はさまざまですが、日本ではあまり普及していないのが現状です。世耕弘成経済産業大臣をゲストに迎え、日本のキャッシュレス決済の現状や、導入することのメリットを訊きました。

【7月26日(金)J-WAVE『GOLD RUSH』(ナビゲーター:渡部 建)の「CURIOUSCOPE」】
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20190726164037


■キャッシュレス決済は「履歴が残る」のもメリット

隣国・韓国はキャッシュレス普及率90パーセントを超えているのに対して、日本の普及率はわずか24パーセントに留まっています。ここまでキャッシュレス決済が浸透しないのには、何か理由があるのでしょうか?

世耕:もともと日本は現金が便利な社会でした。至るところにATMがありますし、通貨のレベルも非常に高く、偽造されにくい。治安もいいので、現金をたくさん持っていても心配ありません。現金社会としてのレベルが高いということで、店側もキャッシュレスに対応するきっかけがありませんでした。使う側も「別に現金でいい」となっていることが、普及率が低い原因ではないかと思います。
渡部:おそらくメリットがまだ実感できていないということだと思うんですけど、消費者にはどういったメリットがありますか?
世耕:まず、現金を持たないことの便利さに気がついてもらうことが重要だと思います。キャッシュレスを体験すると、現金払いがいかに不便であったかということがよくわかります。履歴がきちんとデータに残るので、家計簿アプリと連動すれば自分の支出の管理が簡単になります。


■店側のメリットは「サービスに余裕ができる」

店側には、レジの混雑緩和以外に、どんなメリットがあるのでしょうか。

世耕:先日、完全キャッシュレスの飲食店に行きました。レジの場所がいらないので、その分の客席を増やすことができ、生産性が上がります。その店の人に訊いたところ、最後のお客さんが帰ってからお店を閉めるまで15分かからないそうです。
渡部:そうか、レジ締めをしなくていいから。
世耕:残った現金を夜間金庫に預けなくていい。その店は掃除も「ルンバ」でやっているので、最後のお客さんが帰ったら「ルンバ」のスイッチをオンにして帰るだけです。
渡部:人件費もかからないですね。
世耕:現金のやり取りがない分、お客さんとのコミュニケーションも増えます。スタッフに時間ができるので、「この料理にはこういうワインがいいですよ」とオススメして、売り上げ増にもつながります。
渡部:サービスに余裕が出るという。
世耕:これからキャッシュレスが進んでいくと、小売りのビッグデータを人工知能が分析して売れ筋商品を教えてくれたり、田舎の小売店でも全国のデータを人工知能で分析して「今日はこういう天気で、近くでお祭りがあるから、おにぎりを○○個仕入れるとピッタリ売れる」といったことができるようになるかもしれません。


■キャッシュレス普及に向けた取り組み

国としてキャッシュレス普及に向けて、以下のような取り組みを行っています。

◯2019年10月から9ヶ月間、キャッシュレス決済によるポイント還元を実施
10月の消費税増税のときに、ポイント還元を行う。消費者がキャッシュレス決済手段を用いて、中小・小規模事業者の店舗で支払いを行った場合、個別店舗の場合支払額の5%を還元。フランチャイズチェーン傘下の中小・小規模店舗等は2%を還元。

◯中小・小規模事業者がキャッシュレスを導入しやすい環境を整備
端末などの導入費用について中小・小規模事業者の負担がゼロになる形で支援するとともに、手数料を3.25%以下にして、その3分の1を国が負担することで期間中の手数料は実質2.17%以下とする。

◯上記取り組みを含め、2025年までにキャッシュレス決済比率4割程度の達成を目指す

世耕:10月に消費税が8パーセントから10パーセントに上がるときに、キャッシュレス決済をした人だけにポイント還元をおこなうキャンペーンを9ヶ月間実施します。中小企業の店舗というのが大前提にありますが、なんと基本5パーセント還元です。
渡部:え、支払いの5パーセントが還元されるんですか?
世耕:そうです。2パーセント消費税が上がりますが、5パーセント還元されるということです。これを契機にキャッシュレス普及を進めていきたいです。ちょうどオリンピックが始まる前あたりまでキャンペーンを続ける予定です。そうすると、海外から来た人もキャッシュレス対応ができた日本を体験できると思います。
渡部:海外の人は現金を持ち歩かないですもんね。

各月の最終金曜日は働き方改革とも連動して、仕事を早めに切り上げてプライベート時間を充実させよう、という取り組みである「プレミアムフライデー」を行っています。そして、国では「プレミアム"キャッシュレス"フライデー」キャンペーンにも取り組んでいます。「プレミアム"キャッシュレス"フライデー」とは、どのようなキャンペーンなのでしょうか。

世耕:「プレミアムフライデー」の認知度は上がりましたが、実際にそうした取り組みを行ったという人はまだまだ少ないです。そのため、しっかりお得感を出すためにキャッシュレス事業者のみなさんなどと連携して「プレミアム"キャッシュレス"フライデー」というキャンペーンをおこないます。キャッシュレスは時間限定でプロモーションをすることができるので、15~18時限定のポイント還元プラスということができるわけです。そうすると、早く帰らないとお得感を味わえないということで、「頑張って15時には会社を出よう」となることを狙っています。
渡部:今までの「プレミアムフライデー」とだいぶ意味合いが変わってきましたね。
世耕:今までは「その日にデパートがバーゲンをしていますよ」というレベルでしが、「この時間に来てくれたらポイント還元プラスになりますよ」というのは、消費者にとってかなりインセンティブになります。
渡部:こういう話を聞いていると「導入すればいいのに」と思うのですが、導入にも費用がかかったりするんですよね。
世耕:特に中小、小規模店舗は負担感が高かったので、我々は今回ポイント還元5%を消費税増税にあわせてするにあたって、端末の導入費用を実質負担ゼロでやらせていただきます。また、手数料が高いという問題もありました。お店によってはクレジットカード払いだと7パーセントほど取られてしまうことがあったので、3.25%くらいまで引き下げてもらい、それを前提に端末を補助するというかたちになります。
渡部:中小、小規模店舗は大チャンスですね。オリンピック前に定着させたいということですね。
世耕:外国人観光客にアンケートをすると「キャッシュレスじゃない」ということが不満の上位にあります。「キャッシュレスならもっと買い物をしましたか?」とさらに質問すると「YES」と答える人が多いんです。
渡部:じゃあ定着させて海外の方にもどんどん買い物をしていただきたいですね。

私たち消費者にとってもお得なキャッシュレス決済でのポイント還元や「プレミアム"キャッシュレス"フライデー」に、ぜひ注目してみてください。

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【番組情報】
番組名:『GOLD RUSH』
放送日時:毎週金曜 16時30分-20時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/goldrush/

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