いま中国では小説投稿サイトが大人気で、10億円稼ぐ作家も出ているほど活況を呈していると言います。日本・中国・台湾で作品を発表し、各国の小説業界事情に詳しい作家で医師の津田彷徨さんに話を訊きました。
5月30日(木)のオンエア:『JAM THE WORLD』の「UP CLOSE」(ナビゲーター:グローバー/木曜担当ニュースアドバイザー:堀 潤)
http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20190530201951
■中国の小説投稿サイトの書き手は690万人
なぜ中国で小説投稿サイトの人気に火がついたのでしょうか。
津田:中国は日本よりも少し早く、大企業が電子ネット小説をお金にできる仕組みを立ち上げことが理由にあげられると思います。中国の小説投稿サイトの閲覧数は1日に15億ページビューなどと言われていて、これは日本の大手4大新聞社のホームページにおける1カ月間の合計ページビューより多いそうです。
中国の小説投稿サイトの書き手は690万人にも及び、内容は多岐に渡ります。その中でも異世界モノや仙人モノ、武侠モノなどが人気ジャンルです。ただBL(ボーイズラブ)モノは規正の対象になり、求刑された例もあるとのこと。
堀:小説投稿サイトで10億円を稼ぐ人もいるんですよね。
津田:実はネット小説を読まれるだけではそこまでの収入にはならないようで、その原作が他メディアに広がり、特にゲームの課金によって収益をあげていることが実情です。
日本と比べ、なぜ中国の小説投稿サイトは人気なのでしょうか。
津田:もちろん中国のほうが圧倒的に人口が多いことです。加えて、ネット小説が映画やアニメの原作になることも多く、それを見てネット小説に興味を持つ人が増えるという、とてもいい循環が生まれています。
堀:一方で津田さんは、中国の小説投稿サイトブームに懸念を抱いているそうですね。
津田:中国ではネット小説を1000文字読むと1円未満のお金になることが相場のようで、とにかく文字を書かなければお金にならず、過度に書きすぎて過労死する例も出ています。そのため、ネット小説家向けの保険まで検討されたことがあるそうです。
■『君の膵臓をたべたい』は小説投稿サイトから生まれた
日本でも多くの小説投稿サイトが生まれ、各社がその覇権争いでしのぎを削っています。
堀:ネット小説の原作が映画やドラマになることもありますか。
津田:小説投稿サイトの原作から映画になることも多く、大ヒットを記録した『君の膵臓をたべたい』は国内最大手の小説投稿サイト「小説家になろう」から生まれています。また、『Re:ゼロから始める異世界生活』や『幼女戦記』などの原作がアニメになっています。
日本の小説投稿サイトの可能性について、津田さんはこう話します。
津田:かつては書籍を販売することがメインでしたが、各社の小説投稿サイトがアクセスするだけでお金がかかる仕組みも作り始めていますし、個人が小説投稿サイトに投稿した作品でレーベルを立ち上げて電子や自己出版するモデルもあるので、それらの出版方法が普及していくかもしれません。ネット小説で自由に発表できるため、今後は自分で出版するのか、電子書籍で課金制にするのかなど、ある程度は選択できる時代に向かっていくと思います。
この先、日本でもますます小説投稿サイトが普及し、出版業界に大きな影響を与えるのではないでしょうか。ぜひ小説投稿サイトをのぞいてみてください。
【この記事の放送回をradikoで聴く】
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【番組情報】
番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
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■中国の小説投稿サイトの書き手は690万人
なぜ中国で小説投稿サイトの人気に火がついたのでしょうか。
津田:中国は日本よりも少し早く、大企業が電子ネット小説をお金にできる仕組みを立ち上げことが理由にあげられると思います。中国の小説投稿サイトの閲覧数は1日に15億ページビューなどと言われていて、これは日本の大手4大新聞社のホームページにおける1カ月間の合計ページビューより多いそうです。
中国の小説投稿サイトの書き手は690万人にも及び、内容は多岐に渡ります。その中でも異世界モノや仙人モノ、武侠モノなどが人気ジャンルです。ただBL(ボーイズラブ)モノは規正の対象になり、求刑された例もあるとのこと。
堀:小説投稿サイトで10億円を稼ぐ人もいるんですよね。
津田:実はネット小説を読まれるだけではそこまでの収入にはならないようで、その原作が他メディアに広がり、特にゲームの課金によって収益をあげていることが実情です。
日本と比べ、なぜ中国の小説投稿サイトは人気なのでしょうか。
津田:もちろん中国のほうが圧倒的に人口が多いことです。加えて、ネット小説が映画やアニメの原作になることも多く、それを見てネット小説に興味を持つ人が増えるという、とてもいい循環が生まれています。
堀:一方で津田さんは、中国の小説投稿サイトブームに懸念を抱いているそうですね。
津田:中国ではネット小説を1000文字読むと1円未満のお金になることが相場のようで、とにかく文字を書かなければお金にならず、過度に書きすぎて過労死する例も出ています。そのため、ネット小説家向けの保険まで検討されたことがあるそうです。
■『君の膵臓をたべたい』は小説投稿サイトから生まれた
日本でも多くの小説投稿サイトが生まれ、各社がその覇権争いでしのぎを削っています。
堀:ネット小説の原作が映画やドラマになることもありますか。
津田:小説投稿サイトの原作から映画になることも多く、大ヒットを記録した『君の膵臓をたべたい』は国内最大手の小説投稿サイト「小説家になろう」から生まれています。また、『Re:ゼロから始める異世界生活』や『幼女戦記』などの原作がアニメになっています。
日本の小説投稿サイトの可能性について、津田さんはこう話します。
津田:かつては書籍を販売することがメインでしたが、各社の小説投稿サイトがアクセスするだけでお金がかかる仕組みも作り始めていますし、個人が小説投稿サイトに投稿した作品でレーベルを立ち上げて電子や自己出版するモデルもあるので、それらの出版方法が普及していくかもしれません。ネット小説で自由に発表できるため、今後は自分で出版するのか、電子書籍で課金制にするのかなど、ある程度は選択できる時代に向かっていくと思います。
この先、日本でもますます小説投稿サイトが普及し、出版業界に大きな影響を与えるのではないでしょうか。ぜひ小説投稿サイトをのぞいてみてください。
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