J-WAVEで放送中の番組『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:玄理)のワンコーナー「WORLD CONNECTORS」。3月31日(日)のオンエアでは、映画『たちあがる女』の舞台になったアイスランドの魅力について、音楽ジャーナリストでコーディネーターの小倉悠加さんにお話を訊きました。
■アイスランドらしさは自然とシティーライフ
3月に公開された映画『たちあがる女』。主人公は、田舎町に住む女性・ハットラ。表向きはコーラスの講師をしていますが、環境活動家という裏の顔を持ち、工場の稼働を繰り返し妨害しています。私生活では養子を迎えて母親になるという長年の夢が叶うチャンスが到来。そして、彼女は工場との最後の大勝負に出ます――。
アイスランドの首都・レイキャビクに住む小倉さんは、『たちあがる女』を「アイスランドらしさの凝縮みたいな映画」と話します。
小倉:この映画のアイスランドらしさは大きく2つに分けられ、ひとつは自然、もうひとつはレイキャビクのシティーライフです。自然では溶岩台地や温泉、氷河もあるし、寒い場所や暖かい場所もあり、羊もいっぱいいます。シティーライフという意味では、プールサイドで政治の話をしたり、自転車で街をまわって知り合いに会ったりする姿があります。
玄理:アイスランドは豊かな草原や氷河が同じ景色としてありますよね?
小倉:その通りです。レイキャビクから車で15分ほど走ると山や滝も見えるし、温泉が湧いて湯気も見える。気持ちがスッキリします。
そんなアイスランドは、オーロラや白夜でも有名です。
小倉:6、7月になると1日に23時間くらいの日照時間があります。太陽は沈みますが、すぐ昇ってしまうので、真っ暗になる時間が全然ないんです。だから、いつ眠っていいのかわからないです。
■アイスランド人の女性はすごく意思が強い
『たちあがる女』では、環境を守るために主人公・ハットラが工場を妨害するシーンがあります。玄理は「けっこう強烈なシーンだった」と、振り返ります。
小倉:アイスランドの女性はすごく意思が強いと思います。自分の思ったことをやることが彼女たちにとっては普通のことであり、そういうふうに人生を生きなければいけないと彼女たちから感じます。優しいところもあるけど、「ここは譲れない」という部分があると譲らないし、「それ違うよ」と諭されて本当に自分で違うと思ったら考えを変えます。
玄理:アイスランドの人たちは環境への意識は高いのでしょうか?
小倉:実は逆で、アイスランドは自然がありすぎるために、それが当たり前と感じてしまうから、一概に環境への意識が高いとは言えないと思います。
■ビョークやシガー・ロスは格が違う
アイスランドはビョークやシガー・ロスなど、大物アーティストを輩出した国でもあります。アイスランドの音楽シーンについて訊きました。
小倉:私は東京で音楽業界に携わっていました。そこでは、アーティストが本当にやりたいことができる環境ではありませんでした。でも、アイスランドの音楽シーンは、そういったしがらみが全くありません。小さな国なのでマネージャーやレコード会社の担当はおらず、何かやりたい場合は直接アーティストに話を提案するのが基本なんです。ビョークやシガー・ロスだけはちょっと違うんですけど(笑)。
玄理:ビョークやシガー・ロスは格が違うんですね(笑)。
小倉:小さな環境で活動するため、隣の人と同じことをやりたくないんです。本当に自分のやりたい音楽をやるからこそ、個性的なアーティストがたくさん出てくるのだと思います。
玄理:先ほどアイスランドの女性は信念を貫き通すと話されていましたが、アーティストもそういう姿勢なのでしょうか?
小倉:全くそうですね。「自分はこれがやりたいから、これでいい」という。だから、お金は稼げないけど好きなことができて、稼げないからこそ好きなことをやっていける。そうやって好きなことをやっていると逆に「それ個性的だね」と注目を浴びる、というように面白くまわっています。
番組では、小倉さんが選曲したJFDRの『Gravity』をオンエアしました。「アイスランドでピカイチの才能があると言われている女性アーティストで、ビョークも絶賛している」と紹介しました。
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【番組情報】
番組名:『ACROSS THE SKY』
放送日時:毎週日曜 9時-12時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/acrossthesky/
■アイスランドらしさは自然とシティーライフ
3月に公開された映画『たちあがる女』。主人公は、田舎町に住む女性・ハットラ。表向きはコーラスの講師をしていますが、環境活動家という裏の顔を持ち、工場の稼働を繰り返し妨害しています。私生活では養子を迎えて母親になるという長年の夢が叶うチャンスが到来。そして、彼女は工場との最後の大勝負に出ます――。
アイスランドの首都・レイキャビクに住む小倉さんは、『たちあがる女』を「アイスランドらしさの凝縮みたいな映画」と話します。
小倉:この映画のアイスランドらしさは大きく2つに分けられ、ひとつは自然、もうひとつはレイキャビクのシティーライフです。自然では溶岩台地や温泉、氷河もあるし、寒い場所や暖かい場所もあり、羊もいっぱいいます。シティーライフという意味では、プールサイドで政治の話をしたり、自転車で街をまわって知り合いに会ったりする姿があります。
玄理:アイスランドは豊かな草原や氷河が同じ景色としてありますよね?
小倉:その通りです。レイキャビクから車で15分ほど走ると山や滝も見えるし、温泉が湧いて湯気も見える。気持ちがスッキリします。
そんなアイスランドは、オーロラや白夜でも有名です。
小倉:6、7月になると1日に23時間くらいの日照時間があります。太陽は沈みますが、すぐ昇ってしまうので、真っ暗になる時間が全然ないんです。だから、いつ眠っていいのかわからないです。
■アイスランド人の女性はすごく意思が強い
『たちあがる女』では、環境を守るために主人公・ハットラが工場を妨害するシーンがあります。玄理は「けっこう強烈なシーンだった」と、振り返ります。
小倉:アイスランドの女性はすごく意思が強いと思います。自分の思ったことをやることが彼女たちにとっては普通のことであり、そういうふうに人生を生きなければいけないと彼女たちから感じます。優しいところもあるけど、「ここは譲れない」という部分があると譲らないし、「それ違うよ」と諭されて本当に自分で違うと思ったら考えを変えます。
玄理:アイスランドの人たちは環境への意識は高いのでしょうか?
小倉:実は逆で、アイスランドは自然がありすぎるために、それが当たり前と感じてしまうから、一概に環境への意識が高いとは言えないと思います。
■ビョークやシガー・ロスは格が違う
アイスランドはビョークやシガー・ロスなど、大物アーティストを輩出した国でもあります。アイスランドの音楽シーンについて訊きました。
小倉:私は東京で音楽業界に携わっていました。そこでは、アーティストが本当にやりたいことができる環境ではありませんでした。でも、アイスランドの音楽シーンは、そういったしがらみが全くありません。小さな国なのでマネージャーやレコード会社の担当はおらず、何かやりたい場合は直接アーティストに話を提案するのが基本なんです。ビョークやシガー・ロスだけはちょっと違うんですけど(笑)。
玄理:ビョークやシガー・ロスは格が違うんですね(笑)。
小倉:小さな環境で活動するため、隣の人と同じことをやりたくないんです。本当に自分のやりたい音楽をやるからこそ、個性的なアーティストがたくさん出てくるのだと思います。
玄理:先ほどアイスランドの女性は信念を貫き通すと話されていましたが、アーティストもそういう姿勢なのでしょうか?
小倉:全くそうですね。「自分はこれがやりたいから、これでいい」という。だから、お金は稼げないけど好きなことができて、稼げないからこそ好きなことをやっていける。そうやって好きなことをやっていると逆に「それ個性的だね」と注目を浴びる、というように面白くまわっています。
番組では、小倉さんが選曲したJFDRの『Gravity』をオンエアしました。「アイスランドでピカイチの才能があると言われている女性アーティストで、ビョークも絶賛している」と紹介しました。
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番組名:『ACROSS THE SKY』
放送日時:毎週日曜 9時-12時
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