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プロの探偵が“いじめ”を調査!「子どもにICレコーダーを託して…」

プロの探偵が“いじめ”を調査!「子どもにICレコーダーを託して…」

J-WAVEで放送中の番組『JAM THE WORLD』(ナビゲーター:グローバー)のワンコーナー「UP CLOSE」。10月29日(月)のオンエアでは、月曜日のニュース・スーパーバイザーを務める津田大介が登場。2004年に日本で初めて、探偵として子どもの「いじめ調査」を行ない、著書『いじめと探偵』(幻冬舎新書)も出されているT.I.U.総合探偵社代表の阿部泰尚さんをお迎えし、「いじめ探偵」についてお話を伺いました。


■これまでに6000人ほどが「いじめ相談」

阿部さんは探偵歴18年。通常の探偵業務を行いながら、いじめに苦しむ子どもやその親からの依頼に応えています。

先日、文科省が全国の小中高校などの「いじめ」に関する調査結果を公表し、その数が過去最多となる41万4378件にのぼったことが判明。このような状況の中、いじめ解決のため探偵に調査を依頼するケースも増えだしているということですが、一体どういうことなのでしょうか?

津田:どれくらいのケースを見てこられたんでしょうか。
阿部:これまで6000人くらいから相談を受けて、そのうち重大事案、隠蔽事案というものを400件ほど調査をしました。
津田:探偵がいじめに介入することで、解決に至った割合はどれくらいですか。
阿部:調査をやったものについては、基本的には全ていじめの証拠を集めているので、現在戦っているものもありますが、およそ8割〜9割は「いじめがあった」という認定をもらって、加害者側の謝罪などをもらっている状況です。


■どのように調査するのか?

学校という閉鎖空間のなか、どのようにいじめを調査しているのでしょうか。

阿部:学校には私たちは入れないので、当初はいじめの被害者にICレコーダーを身につけてもらい、学校内の音を録っていました。今は聞き込みがメインになっています。被害者の友人や被害者の母親のママ友など、まだ関係性の残っている人たちを説得して、情報提供をしてもらい、そこからさらに人を紹介してもらって聞き込みをリレーションしていく方法を取ることが多いです。
津田:SNSなどインターネットも活用されていますか?
阿部:最近はSNSでのトラブルが多いですし、子どもたちのコミュニケーションがインフラ化しているため、確かな情報を探していくとSNSの内容が出てくることが多いですね。


■無償でいじめ解決を支援

具体的ないじめの証拠が出てきたら、いじめ解決に向けてどんなアクションをしているのでしょうか。

阿部:今は、私が代表を務めるいじめの解決を支援する専門集団「NPO法人ユース・ガーディアン」を介して解決を進めています。いじめの具体的な内容を示す報告書を出す場合や、「このようないじめの場合、他校ではこういうことをしています」「いじめ防止対策推進法ではこのような解決法があります」など、まず正当的な意見を学校に向けて伝えます。そのうえで教師たちがどう対処するのか、また教育委員会がどう指導するのかも含めつつ、一番は被害者生徒の安全を配慮して進めています。

「NPO法人ユース・ガーディアン」は無償でいじめの解決を支援しています。

阿部:探偵業務としていじめ調査は無償にしています。私たちがいちばん初めにいじめ調査を行ってメディアに取り上げられたあと、「いじめ調査は金になる」といろんな探偵社がいじめ調査をやりはじめたところ、各所で大きな二次被害が発生してしまいました。他社が起こした二次被害なのに私のところにクレームがくることがあり、そこでいろいろな被害が起きていることを知り、「この被害は私たちの責任だ」と考えました。そこでまずはいじめ調査を一部無償化することを決め、そこから現在のかたちになり、NPOを立ち上げるまでになりました。
津田:子どものいじめに悩む親は、まずどこに相談すればよいのでしょうか。
阿部:まず親は子どもから「いつ、どこで、誰に、何をされたか」という基本的な情報をしっかり聞きだしてほしいです。いきなり学校に「うちの子がいじめられているんです」と伝えても、学校としてはピンとこない可能性が高いので、まずは子どもからしっかり情報を得て、そこから先生に相談してほしいと思います。


■よい「いじめ探偵」の見つけ方

阿部さんによると、今の探偵業界におけるいじめ調査の平均相場は120万円だそうです。

津田:悪質な業者に当たらないためのポイントはありますか?
阿部:ほとんどの人は勉強不足なので、「いじめの定義ってなんですか?」って訊いても答えられないんですよ。いじめ防止対策推進法に載っているのに、法律上のいじめの定義をしらないんです。また、各教育委員会でいじめの事例を知ることができるので、この事例を見て「これはいじめの定義上、いじめに当たりますか?」と訊いてみて答えられるかどうか。そういった部分で、いじめに対する知識がしっかりあるか、また、子どもとちゃんと話せる人なのかを、依頼する人は見てもらいたいと思います。

この問題に興味がある方は、ぜひ阿部さんの著書『いじめと探偵』や「NPO法人ユース・ガーディアン」のホームページをご覧ください。

【番組情報】
番組名:『JAM THE WORLD』
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld

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