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下着をチェックする学校も…4000人への調査で明らかになった「ブラック校則」の実態

下着をチェックする学校も…4000人への調査で明らかになった「ブラック校則」の実態

J-WAVEで放送中の番組「JAM THE WORLD」(ナビゲーター:グローバー)のワンコーナー「UP CLOSE」。4月4日(水)のオンエアでは、水曜日のニュース・スーパーバイザーを務めるフォトジャーナリスト・安田菜津紀が登場。「ブラック校則をなくそう!」プロジェクト発起人のひとりで、NPO法人「ストップいじめ!ナビ」副代表の須永祐慈さんと、ブラック校則について考えました。


■「ブラック校則」の定義は…

耳を疑うようなブラック校則がニュースなどで報道されています。須永さんに「ブラック校則」の定義について訊きました。

須永:私たちのプロジェクトは「ブラック校則をなくそう」と銘打ってますが、実は「しっかり定義をしないほうがいい」という形でやっています。「問題がある校則がある」というところから出発して、それをみなさんに議論してもらったり、問題なものを調べて公表する形で問題提起、提言をしていくのが私たちの目的です。

1980年代に校内暴力が盛んだった時期に、校則が導入されるようになり、管理教育が問題に。その後、「丸刈り校則」などが話題になりました。文部省(現在の文部科学省)は1990年代前半に調査し、通知を出すなどしましたが、それ以降、校則に関する動きがありません。


■「下着の色をチェックする」信じられないケース

オンエアでは、須永さんらに寄せられた「ブラック校則」の事例を挙げていただきました。

須永:インターネットでのアンケートを通じて合計4000人に大規模な調査をしました。寄せられた声では、細かい髪の毛のルールが多いですね。「眉毛は剃っちゃいけない」とか「髪の毛が耳についてはいけない」というルールがあります。また「下着の色をチェックする」というセクハラをする学校も。寄せられたケースなので、しっかり確認はできていませんが、男性の先生が女生徒の下着をチェックするケースもいくつかありました。その他にも、冬なのに「マフラーをしてはいけない」や、4月なのに「コートを着なければならない」というものも事例としてあります。これらは必ずしも校則に明記されているものではないので、ローカルルールや学校内のルールとして運用されているところもあります。


■地毛の茶髪を染めさせられ…不登校に

須永さんらが調査をはじめたことにはきっかけがあります。それは、地毛の茶色い大阪の女子高校生が黒髪を強制され不登校になった事例です。何度も髪を染めさせられ、肌を痛めたにもかかわらず、さらに先生たちが強制を迫ったとか。これを耳にした「ストップいじめ!ナビ」や、児童の貧困問題に取り組む「キッズドア」の渡辺由美子さん、LGBTの団体などから、プロジェクトが始まりました。

須永:荻上チキさんの調査によると、そもそも日本人の中に生まれつき茶色い髪の色をしている人が8%存在していることがわかりました。「日本人が全員黒髪であるべき」という前提で語ることは違うことになります。外国にルーツを持つ子どもも増えていますし、日本人は黒髪であると思いこんでいることが偏見を生んでしまっていると思います。

調査によると、昔とくらべて校則は厳しくなっている傾向にあるそう。

須永:おそらく80年代を経験している人は「あの時代が厳しかった」というイメージがあると思いますが、それは違うことがわかってきました。「丸刈り校則」はほとんどなくなり、「水飲み禁止」は熱中症対策ということで若干は残っていますがかなり減っています。その代わりに髪の毛に関するルールが非常に増えています。「髪型が細かく指定されている」という項目が50代の人にアンケートすると15%だったのが、今は20%を超えています。あとスカートの長さに関する校則も50代の34%が、今の子は56%が決められていると答えました。整髪料の使用禁止なども今が増えていて、昔より細かい指導が増えていることが、結果から見えてきました。

不登校と校則にも相関関係はあるのでしょうか。

須永:文部科学省の調査で昔から出ていまして、学校などの決まりなどの問題で不登校になった子どもは10%くらいいます。あとNPOのフリースクールOBへの調査で、20%の子どもが学校のルールがつらくて不登校になったという数字も出ています。私のほうで改めて実際インタビュー調査をしたところ、校則や決まりによって、ちょっとした違いをイジるようになる。たとえば外国をルーツに持つ子が肌の色が違うということで「学校のルールを守っていない」とイジりがはじまってつらかった、という話を聞きました。また校則のルールを一生懸命守ろうとして、厳しい校則が不安でストレスになり、不登校になる子どもたちがいて、学校のルールは不登校の子どもの理由に関係しているということがわかってきました。

その他にも、LGBTの観点から自分の性に迷っている子どもたちへの制服の規制や、また「道具を揃えないといけない」という決まりについて、須永さんはもっと調査を掘り下げていく必要があると話しました。


■「この子は違反してる」公開処刑も問題

校則や暗黙のルールによって理不尽な指導も起きていると言います。

須永:今回の調査のポイントは「おかしい校則がある」というだけではなく、その上に理不尽な指導が行われていることです。ちょっと髪の毛が伸びていることを指摘した先生がその生徒だけでなく、クラスの中で「この子違反しています」と公開処刑のように指摘したり、学校の先生が5~6人でとり囲むなど、指導の行き過ぎが見えてきました。理不尽な指導にストレスを感じていることも見えてきたので、その点にも注目する必要があるなと思います。

文部科学省が作ったガイドラインには校則の定義について「校則は学校だけが決めるものではなく、保護者と子どもの理解の上で作り常に見直さなければならない」と書いてあります。須永さんは「もともとルールはみんなが納得して守れるわけであって、どういうルールが必要なのかを関わっている人が議論し納得の上で守っていくことが一番大事なのでは」と語りました。

須永さんは今後大事なポイントとして「しっかり説明を受け自分たちで変えていける仕組みを持つこと」を挙げ、理不尽なルールに関して、「声をあげ、気付き、変える話し合い」ができる学校づくりやルールづくりが根本的に大事であると指摘していました。

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【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:月・火・水・木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld

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