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サンゴ礁に油べっとり…東シナ海のタンカー沈没事故、なぜ日本で報道されない?

サンゴ礁に油べっとり…東シナ海のタンカー沈没事故、なぜ日本で報道されない?

J-WAVEで放送中の番組「JAM THE WORLD」(ナビゲーター:グローバー)のワンコーナー「UP CLOSE」。3月29日(木)のオンエアでは、木曜日のニュース・スーパーバイザー堀 潤が、今年1月に発生した東シナ海タンカー沈没事故による海洋汚染の実態にクローズアップしました。


■ 東シナ海のタンカー沈没事故で、油が離島に…

今年の1月6日、東シナ海で貨物船とタンカーが衝突しました。タンカーは爆発・炎上したのちに海上を漂流。奄美大島から300キロほど離れた沖合で沈没しました。その後、鹿児島県の離島のあちらこちらに、この事故が原因と見られる黒々とした油が流れ着くなど、深刻な環境汚染が広がっています。

事故があってしばらくした現在、その後の詳細がニュースなどでは報道されていないこともあり、SNSなどで“今どうなっているのか、もっと情報がほしい”という声が溢れています。

この日は、重油が流れ着いた離島のひとつ、鹿児島県宝島を取材した東京新聞の記者・片山夏子さんに詳しいお話をお訊きしました。このニュースは海外メディアで特集されていますが、なぜか日本ではそれほど大きく取り上げられていないのが現状です。片山さんも不思議に思っているそうです。

衝突したのは、パナマ船籍と香港の船籍という外国籍の船同士ということもあり、中国当局が動いているそうですが、日本でももっと大きく報道されてもおかしくはありません。そこで片山さんは現地に行って取材することに。

海流の流れを考えても、日本の各離島への影響は、当初から懸念されていました。宝島の漁師さんは、沈没した場所を聞いたときに「これは黒潮に乗ってくるぞ」と心配していたそう。その後、宝島で油が発見されました。

片山:今日(3月29日)の時点で、2、3日前にも種子島にもちょっと着いているので、鹿児島県、そして 沖縄県合わせて26島。なので相当な範囲で広がっています。


■美しいサンゴ礁に油がべっとり

中でも一番深刻な状況なのが宝島。本来なら白い海岸が黒く染まっており、目で見てもその深刻さが確認できるほど。

片山:(油が)サンゴ礁の中に油がしっかり入り込んでしまっています。本当にキレイな「宝ブルー」と呼ばれる瑠璃色の海の島なんですけども、そこにべっとりと張り付いてしまっているような状態で、ずっと島で育った人たちが初めて見たときは「泣そうになった」と。込み上げるものがいっぱい出てきて、「戻らなかったらどうしよう」と思ったそうです。

宝島は人口約140人、全周14キロ程度のほどの小さな島。産業は畜産が主で、そのほか、島バナナなどのフルーツの栽培、トビウオや伊勢海老、貝類、岩海苔なども獲れるとても豊かな自然に恵まれた島です。

油が漂着した直後は、品質を守るために島の人々が自ら、漁や水産加工を中止していました。その後、国や村が行った調査で海水に問題がないことがわかり、3月26日(月)から漁業だけ再開されています。

外国船籍同士の衝突であるため、島への補償はどこがするのかという問題が残っています。漂着した油は海上保安庁が回収して調査をしているのですが、被害額がどれくらいになるのか、などまだまだ問題は山積みのです。

現在、宝島では漂着油回収ボランティアを募集しています。ぜひ調べてみてください。

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【番組情報】
番組名:「JAM THE WORLD」
放送日時:毎週月曜時-木曜 19時-21時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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