J-WAVEで放送中の番組「JAM THE WORLD」（火曜担当ナビゲーター：堀潤）のワンコーナー「BREAKTHROUGH!」。3月14日（火）のオンエアでは、法律を介入させることでできる「いじめ対策」について、レイ法律事務所の弁護士・髙橋知典さんをお招きし、お話を伺いました。
多くの小・中学校、高校で春休みがスタートする時期ですが、内閣府の独自集計によると「夏休み明け」に次いで、「春休み明け」の前後に自殺する子どもたちが増えることが分かっています。数ある自殺の原因の一つに、学校での「いじめ」が関係していることは想像に難くないのではないでしょうか。
堀自身も、関西と関東の学校で転校を繰り返していて、ちょっとした違いからいじめにあった経験があり、休み明けの登校の辛さが理解できるといいます。髙橋さんがこの問題に取り組むようになったのも、ご自身がいじめにあっていたことが理由で、「子どもたちが自分の力を削がれて本気も出せないまま生きているのは、世の中にとってもったいないこと」という考えから、いじめ問題を専門に扱う弁護士になったそうです。
「人と人がぶつかる以上、必ずいじめは生じる」と髙橋さん。ただ、大人が放置せずに、酷くなる前に治めることや、「いじめ」という曖昧な言葉を大人が「暴行」「窃盗」「器物損壊」などと理解した上で、子どもたちに本気で指導し、どのタイミングで本気になるか勉強していくことが大事だと言います。
携帯電話が普及したことで増加した「学校裏サイト」、「LINE」や「Twitter」のようなツールを使ったいじめなど、親たちが把握して対処することが難しく、いじめている側も実感がないためにエスカレートするケースも増えています。部屋の中でも誹謗中傷の言葉がどんどん書き込まれることで、いじめにあう子どもたちは家でも逃げ場を失います。日本では受験勉強が始まる高校3年生までは、いじめが増え続ける傾向にあります。つまり、「いじめる側が興味を削がれるかどうか」がいじめが止まる基準になっているので、いじめを傍観するオーディエンスを、ブレーキをかける存在に変える指導が重要なのだそうです。
学校側は「時間さえかければいじめは終わる」と思っている場合が多く、「3年で卒業するから」「1年でクラス替えがあるから」など、節目で解決するだろうという甘い考えの先生もいるそう。この場合、学校側に子どもの深刻な状況を説明し、このまま放置するのであれば次に弁護士が強行的な手段を取ることを説明していくのだそうです。
髙橋さんいわく、いじめが起きたときに学校側が動かないのにはこのほかにも、「親御さんの言葉の意味が伝わらずに学校側に誤解されるケース」「学校の先生が『子どもの問題は子ども同士で解決するべき』というスタンスで結果的にいじめる側を守る形になるケース」もあるのだとか。
そして学校がいじめを認めない場合、警察と連携して暴行事件として立件する極端なケースもあるそうですが、髙橋さんは弁護士が介入すると生徒の人間関係など副作用が大きいので、基本的には「弁護士を入れることが最善の処方箋ではない」という考えのもと、弁護士を入れる方法が本当にベストなのかをゆっくりと話し合い、どのような順序で進めていくのか探っていくとのこと。
それでもそのように“弁護士が関与できる”事案は、経済的・環境的に恵まれた子どもたちに限られており、現実に目を向けると、いじめの理由のいくつかに貧困問題があることを認識していると言います。そこでできることは、いじめ問題解決のノウハウを先生たちに伝えることで、今後のいじめ問題解決に役立ててもらうことと考えているのだそうです。
堀は「子どもたちを国の宝と考えるのであれば、教育費と同じようにいじめから守るために国費を投入したり、弁護士のような専門家が常駐、もしくはいつでも行ける補助事業にするという選択肢もありますよね」とコメント。髙橋さんも「もう少し客観的に…ルールブックのようにまとめられれば、国費も動きやすいはず」と今後の課題について語りました。
最後に髙橋さんは、「いじめと闘う前に、いじめられていることを『辛い』と認めるところから始めてもらいたい」とメッセージを送りました。
「子どもは家族でも習い事でもいいので居場所があれば生きていけます。まずは居場所を守ってあげて、闘う手段として弁護士もいて、自分の後ろにはまだまだ手段があることを本人に分かってもらい、その上で『周りの人に辛い、助けてほしい』と言えるように動いてほしいと思います」
※PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」（有料）なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。
【番組情報】
番組名：「JAM THE WORLD」
放送日時：平日 20時－22時
オフィシャルサイト：https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
多くの小・中学校、高校で春休みがスタートする時期ですが、内閣府の独自集計によると「夏休み明け」に次いで、「春休み明け」の前後に自殺する子どもたちが増えることが分かっています。数ある自殺の原因の一つに、学校での「いじめ」が関係していることは想像に難くないのではないでしょうか。
堀自身も、関西と関東の学校で転校を繰り返していて、ちょっとした違いからいじめにあった経験があり、休み明けの登校の辛さが理解できるといいます。髙橋さんがこの問題に取り組むようになったのも、ご自身がいじめにあっていたことが理由で、「子どもたちが自分の力を削がれて本気も出せないまま生きているのは、世の中にとってもったいないこと」という考えから、いじめ問題を専門に扱う弁護士になったそうです。
「人と人がぶつかる以上、必ずいじめは生じる」と髙橋さん。ただ、大人が放置せずに、酷くなる前に治めることや、「いじめ」という曖昧な言葉を大人が「暴行」「窃盗」「器物損壊」などと理解した上で、子どもたちに本気で指導し、どのタイミングで本気になるか勉強していくことが大事だと言います。
携帯電話が普及したことで増加した「学校裏サイト」、「LINE」や「Twitter」のようなツールを使ったいじめなど、親たちが把握して対処することが難しく、いじめている側も実感がないためにエスカレートするケースも増えています。部屋の中でも誹謗中傷の言葉がどんどん書き込まれることで、いじめにあう子どもたちは家でも逃げ場を失います。日本では受験勉強が始まる高校3年生までは、いじめが増え続ける傾向にあります。つまり、「いじめる側が興味を削がれるかどうか」がいじめが止まる基準になっているので、いじめを傍観するオーディエンスを、ブレーキをかける存在に変える指導が重要なのだそうです。
学校側は「時間さえかければいじめは終わる」と思っている場合が多く、「3年で卒業するから」「1年でクラス替えがあるから」など、節目で解決するだろうという甘い考えの先生もいるそう。この場合、学校側に子どもの深刻な状況を説明し、このまま放置するのであれば次に弁護士が強行的な手段を取ることを説明していくのだそうです。
髙橋さんいわく、いじめが起きたときに学校側が動かないのにはこのほかにも、「親御さんの言葉の意味が伝わらずに学校側に誤解されるケース」「学校の先生が『子どもの問題は子ども同士で解決するべき』というスタンスで結果的にいじめる側を守る形になるケース」もあるのだとか。
そして学校がいじめを認めない場合、警察と連携して暴行事件として立件する極端なケースもあるそうですが、髙橋さんは弁護士が介入すると生徒の人間関係など副作用が大きいので、基本的には「弁護士を入れることが最善の処方箋ではない」という考えのもと、弁護士を入れる方法が本当にベストなのかをゆっくりと話し合い、どのような順序で進めていくのか探っていくとのこと。
それでもそのように“弁護士が関与できる”事案は、経済的・環境的に恵まれた子どもたちに限られており、現実に目を向けると、いじめの理由のいくつかに貧困問題があることを認識していると言います。そこでできることは、いじめ問題解決のノウハウを先生たちに伝えることで、今後のいじめ問題解決に役立ててもらうことと考えているのだそうです。
堀は「子どもたちを国の宝と考えるのであれば、教育費と同じようにいじめから守るために国費を投入したり、弁護士のような専門家が常駐、もしくはいつでも行ける補助事業にするという選択肢もありますよね」とコメント。髙橋さんも「もう少し客観的に…ルールブックのようにまとめられれば、国費も動きやすいはず」と今後の課題について語りました。
最後に髙橋さんは、「いじめと闘う前に、いじめられていることを『辛い』と認めるところから始めてもらいたい」とメッセージを送りました。
「子どもは家族でも習い事でもいいので居場所があれば生きていけます。まずは居場所を守ってあげて、闘う手段として弁護士もいて、自分の後ろにはまだまだ手段があることを本人に分かってもらい、その上で『周りの人に辛い、助けてほしい』と言えるように動いてほしいと思います」
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【番組情報】
番組名：「JAM THE WORLD」
放送日時：平日 20時－22時
オフィシャルサイト：https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/
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