J-WAVE土曜の番組「RADIO DONUTS」(ナビゲーター:渡辺祐・山田玲奈)のワンコーナー「TOKYO GAS LIFE IS A GIFT」。10月3日のオンエアでは、音楽家の三宅純さんが登場しました。
80~90年代には、大手企業のテレビCMに3000作以上ものオリジナル曲を提供したことで知られる三宅さん。9月16日には、リマスター版「星ノ玉ノ緒~ENTROPATHY」が発売されました。このアルバムを制作していた頃はCM楽曲の仕事もピークだったようで、一番多い時は、月に30本も書いたことがあったそうです。
これまで、CMのほかにも映画、ダンス、舞台、ドキュメンタリーなど、さまざまなジャンルの作品に楽曲を提供しており、2005年秋からはパリに拠点を構え、精力的な活動を続けていますが、なぜパリなのでしょうか。
「コラボレーションしたいアーティストと地理的にあまりにもアイソレートされてるって感じがあって。電話帳を開いたらパリに知り合いが多かったんですね。意外なことに。フランス語も話せないし、どうしようかなって思っていたんですけど、今になって思うと、僕が求めている街というのは、街自体にコミットしているんじゃなくて、コラボレーションしたい人たちが通過していってくれる世界のハブのようになっている街を求めているのだと。それによって、予期せぬ出会いもあれば、予期してても果たせなかった出会いがあったり、そこから生まれるものが日本にずっと居るよりは多かったんですね」(三宅さん)
パリを拠点にしたことで、国際的なコラボレーションする機会が格段に増えていったという三宅さん。世界的に有名な映画監督、ヴィム・ヴェンダース氏のドキュメンタリー映画「ピナ/踊り続けるいのち」でも楽曲を提供しています。同映画の主役で振付師のピナ・バウシュは人生を通して、ダンスという肉体表現を貫いた生粋のアーティストとして知られており、生前の彼女とのこんなエピソードも。それは、音楽監督たちと彼女がステージで使っている音楽のサントラ版を作ることが決まったときのこと。
「ピナのひとつの作品に使われている音源をすべて許諾を取って、曲順を決めてジャケットデザインを考えて、というのを僕はやっただけなんですけど、最後に電話でピナとジャケットに使う写真の話をしたんです。どうしてこの写真なのかという協議をしたあとで『三宅さん、これは売るものなんですか?』って聞かれたんです。僕は何を聞かれているのか分からなくて、しばらく黙ったあと、そうか、この人は売るとか売らないとか、興行がどうだとか、一切考えずに一生を送ってきた人なんだなと、そこに非常に感銘を受けましたね。自分がいかに汚れているかっていう、そんな感じがしましたね」(三宅さん)
10月5日に代官山の「山羊に、聞く?」で開催されるトークセッションでは、アルバムジャケットのアートワークを手掛けた、イラストレーターの寺門孝之さんを迎え、制作秘話や最新作の裏話などが聞けるようです。パリを拠点に活動されている三宅に、日本で会うことができる貴重な機会ですよ!
【関連サイト】
「RADIO DONUTS」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/radiodonuts/
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