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荻原博子 実は使い勝手があった配偶者控除

J-WAVE 平日(月~金)夜の番組「JAM THE WORLD」(水曜ナビゲーター:
堤未果)のコーナー「BREAKTHROUGH!」。 11月26日のオンエアでは、経済ジャーナリストの荻原博子さんがゲストに登場。 政府の配偶者控除見直し案に
ついて考えました。

今月7日、政府税制調査会は専業主婦やパート世帯の所得税を軽減している配偶者
控除の見直し案をまとめました。 早ければ2017年から廃止となる可能性もあります。何のために見直しをして、 何が変わるのでしょう。荻原さんに聞きました。

そもそも、配偶者控除は高度経済成長期に定められたもの。会社のために朝から
晩まで働く夫を奥さんは家庭で支えましょう、 そのための手当の形として税金を
少し控除されてきました。 男は外で働き、女は家庭を守るというパターンを支えるために作られたこの制度。 今の時代に合わないのではないか。さらには103万円の壁が女性の社会進出を阻む壁になっているのではないかという議論も、 たびたび取沙汰されてきました。

政府もまた、今回の配偶者控除の見直しは、女性の社会進出を後押しするため
だとしていますが、 荻原さんは、“配偶者控除は働く女性の壁”という意見に異を
唱えます。

「よく言われているのは、この主婦が配偶者控除の壁があるから働きに出ないとか、 主婦だけのものみたいな言われ方をしているんですが、誤解です。実はこの配偶者控除というのは、 サラリーマンの奥さんだけのものではないんですよ」(荻原さん)

配偶者控除は実は男性や働く女性も使えるのだそうです。例えば、うつになって
しまって働きに出られない男性も、 働く奥さんの控除として使うことができるのだとか。働く女性も、産休期間中に配偶者控除が使えるのだそう。 また、103万円の壁についても、荻原さんは誤解があると言います。「ご主人がすごい金持ちでない
限り、 103万円を超えても、配偶者特別控除というのがあるので、103万円を超えても家計の収入は増えるんですよ」(荻原さん)

配偶者控除という名前から受ける誤解がたくさんあったわけですね。荻原さんは、 女性が社会進出するために必要なことは、配偶者控除の廃止以前に働く環境を整えることだと力説しました。

「実は女性が安心して働きに出られないのは配偶者控除のせいじゃないんですよ。
まず、 保育所不足で安心して子どもを預けられない人がいる。それから介護の問題。 来年の4月から、要介護1、2というのは特別養護老人ホームに入れてくれなくなることご存じですか。 そういう人を誰が面倒を見るのかというと、やっぱり女性が家庭で見なければならなくなる。 そして働ける場所がなかったりします。それが働きに出られない要因になるわけです。 そういう要因こそが女性の社会進出を阻んでいると思うんですよね」(荻原さん)

ちなみに今、介護離職者は10万人もいるそうです。最後に荻原さんは、 「まずは働ける環境をちゃんと整備していく政治をしてほしいですよね。 みんな、選挙に行きましょう」と呼びかけました。

【関連サイト】
「JAM THE WORLD」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/jamtheworld/

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