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ヴィヴィアン・ウエストウッドは、なぜ音楽界で支持されるのか?

ヴィヴィアン・ウエストウッドは、なぜ音楽界で支持されるのか?

J-WAVE平日(月~木)昼の番組「BEAT PLANET」のワンコーナー「BEHIND THE MELODY~FM KAMEDA」(ナビゲーター:亀田誠治)。4月8日のオンエアでは、この日に73歳の誕生日を迎えたロンドンを代表する世界的なファッションデザイナー、ヴィヴィアン・ウエストウッドを取り上げました。

ヴィヴィアン・ウエストウッドといえば、1970年代中盤に起きたパンクブームでデビューした「セックスピストルズ」の独特で奇抜で衣装を手がけたことで有名。これは、彼女が初めて立ち上げたブランド「レット・イット・ロック」で、ボロボロのTシャツに安全ピン、SM風のパンツ、ガーゼを使った病院的な素材など、今までファッションとしては取り扱われなかった素材を取り入れました。新しく生まれたパンクロックのサウンドを、見たこともないような奇抜で新しいファッションでさらに後押しし、音楽とファッションが一体化して拡散していったところにパンクロックの成功があったそうです。

彼女が作り出すファッションは、世界中の若者に支持され、やがてファッションデザイナーであるにも関わらず「パンクの女王」とまで言われるようになりました。では、なぜミュージシャンではなく、ファッションデザイナーである彼女が、それほどまでに音楽ムーヴメントに受け入れられたのか、亀田さんが解説しました。

「ヴィヴィアンの作り出すファッションは、お姫様のようなエレガンスな部分と、反逆の精神が混在するんですね。いわゆる『ゴスロリ』の先駆者です。ヨーロッパ伝統の様式美をしっかり受け継ぎながら、一方ではその様式美をぶち壊していくんです。伝統的で美しいもの、そしてその美しいものと真逆の要素を掛け合わせて新しいもの生み出していく。この一見矛盾する反体制の思想こそ、パンクスだけでなく、たとえば60年代モッズファションや、90年代のオアシス、ブラーなどのバンドブームにも引き継がれていきます。まさに、UKロックそのものが提示する世界をファションで提示し続けているのがヴィヴィアン・ウエストウッドの世界なんですね」と亀田さん。「ヴィヴィアンのデザインは、音楽だけではデザインできない『ぶっ飛び感』を見た目という視覚的要素で盛り上げてくれる。ヴィヴィアンのファッションがなければ、ピストルズの音楽だって全く違ったものとして受け入れられたはず」とも。

日本でもミュージシャンのほか、デザイナーや小説家など多くの表現者から愛されるヴィヴィアン・ウエストウッド。「かっこいいけど奇抜すぎて、ちょっと着づらいかも……」と思わせるような斬新なデザインが多い理由は、こうした歴史があったからなのかもしれません。

【関連サイト】
「BEAT PLANET」オフィシャルサイト
https://www.j-wave.co.jp/original/beatplanet/

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