片岡鶴太郎が23時起床の私生活や、出演する舞台『ブラック・コーヒー』について語った。
片岡が登場したのは、クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』。この番組は毎週ひと組、クリスが今、声を届けたい人を迎える30分のトークプログラム。月曜から木曜はラジオでオンエアし、翌金曜には放送した内容に加えて、限定トークも含むポッドキャストを配信している。
ここでは、3月30日(月)にオンエアしたトーク内容をテキストでお届けする。
・ポッドキャストページ
片岡:23時に起床して、ヨガを5時間くらいやって。そこからゆっくり朝食を2時間半ぐらいとって、それで支度して出てくるっていう感じですかね。
クリス:そのスケジュールになってどれくらいになりますか。
片岡:もう14年ですね。だんだん起床時間が早くなったんです。最初は26時(午前2時)くらいだったんです。でも、ヨガでやることが多くなってきて26時じゃ間に合わなくなって、25時になって24時になって、いよいよこれもう夜じゃないかって。23時になって。だから、ロケがあるときは22時起きもあるんです。
クリス:ヨガのやることが増えたというのは、どういうことなんですか。
片岡:初期のころはそんなに時間がかからなかったんですよね。これがだんだん修練とともに呼吸法が長くなったり、一つひとつの動きですとか、息が長くなってきたんでしょうね。だから、徐々にそういう時間が多くなってきて、そうするとどんなに早くやってもヨガに5時間くらいかかっちゃうんです。経験を重ねるほど、ゆっくりたっぷりと時間が必要になってきちゃったんですね。
クリス:『ブラック・コーヒー』は、アガサ・クリスティの戯曲ですよね。
片岡:そうなんですよ。アガサ・クリスティのポアロシリーズって、テレビでも何作もあるじゃないですか。あれだけやってるのに、戯曲ではこの1本しか書いていないんです。その1本をイギリスでやったりとか、他の国でもやっていて。日本でもまだ1、2回くらいしかやってないと思います。これを普通に読んだだけでも3時間半ぐらいかかるんですね。3時間半だと、とてもじゃないけどやるほうも大変だし、ご覧いただくお客さんも大変ですから、2時間くらいにして休憩を入れて2時間半くらいにしましょうということで演出家がカットするんです。でもアガサ・クリスティ財団がありまして、そこは厳しいんですね。長いから少しカットすることはいいけど、加筆したり勝手な演出はNGなんです。
クリス:アガサ・クリスティの会話劇であったり、どんどん人間の探り合いをしていく物語をカットするのは難しいですね。
片岡:そうですね。ですから、私が演じるエルキュール・ポアロのセリフはほとんど切れなかったですね。他の方々の事件になるところで、「ここは影響ないだろう」っていうようなところをカットして。ポアロが出てくる前も1時間ぐらいあるんです。でも、そこまで待たせられないので30分くらいにうまくして、それでポアロが出てくるようにして。
片岡は以前のインタビューで「ポアロは演じてみたい役だった」と語っている。
片岡:私は、ポアロシリーズをテレビでずっと拝見していて、その主演のデヴィッド・スーシェというちょっと恰幅のいい、額が上がっている人物で、彼のポアロがいちばんいいんですよね。
クリス:けっこうシリーズは長かったですよね。
片岡:長いんですよ。人生の後半をほとんどポアロにかけた俳優さんで。引きの芝居って言うんでしょうかね。相手との会話のなかで、自分がしゃべってるときよりも相手がしゃべってるときの目線とか、リアクションがものすごく繊細でいいんです。ああ、素敵な俳優さんだなと思って観ていました。それで今回の演出の方、プロデューサーの方、うちのマネージャーとで食事会してたらしいんです。
本作の演出を担当するのは、世界中の名作ミステリーを数多く手がけてきた演出家の野坂 実だ。
片岡:その食事会で「まだ演出のなかでポアロをやってないですよね」って話になって。それで「うちの片岡鶴太郎はポアロ大好きですよ」って言ってて、「あ、鶴太郎さんにポアロっていいね」ってなって。「どうですか?」「ぜひそれやってみたいですね」ってなったんです。「実を言うと『ブラック・コーヒー』という戯曲があって、これ1本しかありません。ちょっと読んでくれますか?」ってことで読んだらびっくりしたんですね。あまりのポアロの膨大なセリフの多さに。
クリス:そっちですか(笑)。
片岡:これは相当な覚悟を持ってやらないと大変なことになるなと思って。2年前にそんな話になって「やりますか?」って言うから「ちょっと読ませてください」って読んで、今まででいちばん大変なことになるだろうと。そのときは2024年でしたから、その2年後の2026年はなんというタイミングでしょう、アガサ・クリスティ没後50年なんです。これはもうやらなければいけないことだな、逃げられないなと思って「わかった、やります」と。
クリス:ポアロがそう言ってると。
片岡:はい。もう「やれ」と。じゃあ今いちばん難しく、いちばん困難なことに挑戦しましょうということで挑みました。ブルッときましたけどね。
片岡:今だから言えるんですけど、そこから2カ月経ったときに軽いオペをしたんです。全身麻酔を打って麻酔が解けて「もうオッケーですよ」ってなって、何をやったかって、ポアロのセリフを言いましたね。もう抜けてんじゃないかと思って。ストレッチャーで運ばれているあいだ、セリフをずっと言ってて、まわりから「この人、何を言ってるんだ?」ってなって。「大丈夫ですか?」「ごめんなさい、今抱えてるお芝居のセリフを言ってました」「ああそうですか、わかりました」って。「大丈夫ですよ、正常ですよ」なんて言いながらね。それくらいセリフが抜けるのが怖かったです。
クリス:ひとつのセリフも長いんですか。
片岡:いったんセリフを入れちゃうと、長ゼリフのほうのが自分のペースで言えるんですけど、会話で「それでいつですか?」「何ですか?」「それは朝ですか? 夜ですか?」っていう単語のほうが抜けるんです。要するに相手のセリフのタイミングと自分のタイミングがずれると飛ぶんです。そっちのほうが怖いんです。これ、厄介なもんですよね。
クリスは『ブラック・コーヒー』のあらすじを読んだだけで怖いと話す。
クリス:家族がベースの物語なんですよね。
片岡:イギリスのね。貴族の家ですし。そこにポアロが来るわけでね。アガサ・クリスティが描くポアロってベルギー人なんです。イギリスの貴族からすると、ベルギー人の探偵ってどこか見下してるところがあって。その貴族の家で起こった犯罪をどう暴いていくかっていう、そういう機微もあるんですよね。
クリス:ポアロをどう捉えていますか?
片岡:今回、演じるにあたっていろいろと調べていきましたら、先ほど申しましたようにポアロはベルギー人で、戦争難民なんですね。ベルギーって小さい国で、わりかし戦争で弾圧されて。戦争という権力に押しつぶされて国を追われた人ですから、正義というものに対する想いが強いんです。でも、正義は権力によって変わっていくじゃないですか。だから、彼は「成熟した理性・知性である」っていう人生の哲学を持っていて、本当の正義はかたちを変えてしまうけれども、成熟した知性であり理性はきちっとしたもので、それをきちんと持つことによってそれに違和感を感じるところに人の業があったり、人の過ちがあったり、そこで犯罪があったりっていうようなそういう感性の視点があるんです。1930年代の話なんですけど、今と状況がなんら変わってなくて。そういった意味では、今、舞台でやるべく意味っていうのも感じつつありますね。
クリス:「ミステリーといえばアガサ・クリスティ」なんて聞きますけど、さっきおっしゃってましたけど、人間のなかの生き物としての先入観とか。なんというか、汚いところとか醜いところとかも描いていて。
片岡:そうですね。単なる謎解きの物語じゃないんです。人間の弱さとか過ちとか、ある種の影の部分とか、そういうものが相まって起きてしまったことで。ですから、ポアロは決して断罪をしないんです。そのへんは「素晴らしい人格を持ってらっしゃるな」ということを感じながら役を演じていますね。
片岡鶴太郎の最新情報は公式サイトまで。
クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』は、J-WAVEで月曜~木曜の13時よりオンエア。ポッドキャストでも配信中。
片岡が登場したのは、クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』。この番組は毎週ひと組、クリスが今、声を届けたい人を迎える30分のトークプログラム。月曜から木曜はラジオでオンエアし、翌金曜には放送した内容に加えて、限定トークも含むポッドキャストを配信している。
ここでは、3月30日(月)にオンエアしたトーク内容をテキストでお届けする。
・ポッドキャストページ
この日の放送は4月6日(月)28時ごろまで、radikoのタイムフリー機能で楽しめる。
どんなに早くやってもヨガに5時間はかかる
片岡は現在、23時起床と驚きの私生活を明かす。片岡:23時に起床して、ヨガを5時間くらいやって。そこからゆっくり朝食を2時間半ぐらいとって、それで支度して出てくるっていう感じですかね。
クリス:そのスケジュールになってどれくらいになりますか。
片岡:もう14年ですね。だんだん起床時間が早くなったんです。最初は26時(午前2時)くらいだったんです。でも、ヨガでやることが多くなってきて26時じゃ間に合わなくなって、25時になって24時になって、いよいよこれもう夜じゃないかって。23時になって。だから、ロケがあるときは22時起きもあるんです。
クリス:ヨガのやることが増えたというのは、どういうことなんですか。
片岡:初期のころはそんなに時間がかからなかったんですよね。これがだんだん修練とともに呼吸法が長くなったり、一つひとつの動きですとか、息が長くなってきたんでしょうね。だから、徐々にそういう時間が多くなってきて、そうするとどんなに早くやってもヨガに5時間くらいかかっちゃうんです。経験を重ねるほど、ゆっくりたっぷりと時間が必要になってきちゃったんですね。
アガサ・クリスティ没後50年「これはやらなければいけない」
そんな片岡が出演する舞台『ブラック・コーヒー』が4月8日(水)から大阪・COOL JAPAN OSAKA TTホール、4月18日(土)から東京・品川プリンスホテル ステラボールで幕を開ける。— TALK TO NEIGHBORS (@ttn813) March 30, 2026
今週のゲスト片岡鶴太郎さん主演
舞台『ブラック・コーヒー』
脚本:アガサ・クリスティ 演出:野坂実
4/8(水) - 12(日) 大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール
4/18(土) - 26(日)東京・ 品川ステラボール
詳細はHPhttps://t.co/1pAiRPa9KY#TTN813 #jwave https://t.co/V585xy7m2b pic.twitter.com/PHW7kdUxK2
片岡:そうなんですよ。アガサ・クリスティのポアロシリーズって、テレビでも何作もあるじゃないですか。あれだけやってるのに、戯曲ではこの1本しか書いていないんです。その1本をイギリスでやったりとか、他の国でもやっていて。日本でもまだ1、2回くらいしかやってないと思います。これを普通に読んだだけでも3時間半ぐらいかかるんですね。3時間半だと、とてもじゃないけどやるほうも大変だし、ご覧いただくお客さんも大変ですから、2時間くらいにして休憩を入れて2時間半くらいにしましょうということで演出家がカットするんです。でもアガサ・クリスティ財団がありまして、そこは厳しいんですね。長いから少しカットすることはいいけど、加筆したり勝手な演出はNGなんです。
クリス:アガサ・クリスティの会話劇であったり、どんどん人間の探り合いをしていく物語をカットするのは難しいですね。
片岡:そうですね。ですから、私が演じるエルキュール・ポアロのセリフはほとんど切れなかったですね。他の方々の事件になるところで、「ここは影響ないだろう」っていうようなところをカットして。ポアロが出てくる前も1時間ぐらいあるんです。でも、そこまで待たせられないので30分くらいにうまくして、それでポアロが出てくるようにして。
片岡は以前のインタビューで「ポアロは演じてみたい役だった」と語っている。
片岡:私は、ポアロシリーズをテレビでずっと拝見していて、その主演のデヴィッド・スーシェというちょっと恰幅のいい、額が上がっている人物で、彼のポアロがいちばんいいんですよね。
クリス:けっこうシリーズは長かったですよね。
片岡:長いんですよ。人生の後半をほとんどポアロにかけた俳優さんで。引きの芝居って言うんでしょうかね。相手との会話のなかで、自分がしゃべってるときよりも相手がしゃべってるときの目線とか、リアクションがものすごく繊細でいいんです。ああ、素敵な俳優さんだなと思って観ていました。それで今回の演出の方、プロデューサーの方、うちのマネージャーとで食事会してたらしいんです。
本作の演出を担当するのは、世界中の名作ミステリーを数多く手がけてきた演出家の野坂 実だ。
片岡:その食事会で「まだ演出のなかでポアロをやってないですよね」って話になって。それで「うちの片岡鶴太郎はポアロ大好きですよ」って言ってて、「あ、鶴太郎さんにポアロっていいね」ってなって。「どうですか?」「ぜひそれやってみたいですね」ってなったんです。「実を言うと『ブラック・コーヒー』という戯曲があって、これ1本しかありません。ちょっと読んでくれますか?」ってことで読んだらびっくりしたんですね。あまりのポアロの膨大なセリフの多さに。
クリス:そっちですか(笑)。
片岡:これは相当な覚悟を持ってやらないと大変なことになるなと思って。2年前にそんな話になって「やりますか?」って言うから「ちょっと読ませてください」って読んで、今まででいちばん大変なことになるだろうと。そのときは2024年でしたから、その2年後の2026年はなんというタイミングでしょう、アガサ・クリスティ没後50年なんです。これはもうやらなければいけないことだな、逃げられないなと思って「わかった、やります」と。
クリス:ポアロがそう言ってると。
片岡:はい。もう「やれ」と。じゃあ今いちばん難しく、いちばん困難なことに挑戦しましょうということで挑みました。ブルッときましたけどね。
1930年代の話だけど、今と状況がなんら変わっていない
片岡は2024年5月から、この舞台のセリフを覚え始めたという。片岡:今だから言えるんですけど、そこから2カ月経ったときに軽いオペをしたんです。全身麻酔を打って麻酔が解けて「もうオッケーですよ」ってなって、何をやったかって、ポアロのセリフを言いましたね。もう抜けてんじゃないかと思って。ストレッチャーで運ばれているあいだ、セリフをずっと言ってて、まわりから「この人、何を言ってるんだ?」ってなって。「大丈夫ですか?」「ごめんなさい、今抱えてるお芝居のセリフを言ってました」「ああそうですか、わかりました」って。「大丈夫ですよ、正常ですよ」なんて言いながらね。それくらいセリフが抜けるのが怖かったです。
クリス:ひとつのセリフも長いんですか。
片岡:いったんセリフを入れちゃうと、長ゼリフのほうのが自分のペースで言えるんですけど、会話で「それでいつですか?」「何ですか?」「それは朝ですか? 夜ですか?」っていう単語のほうが抜けるんです。要するに相手のセリフのタイミングと自分のタイミングがずれると飛ぶんです。そっちのほうが怖いんです。これ、厄介なもんですよね。
クリスは『ブラック・コーヒー』のあらすじを読んだだけで怖いと話す。
クリス:家族がベースの物語なんですよね。
片岡:イギリスのね。貴族の家ですし。そこにポアロが来るわけでね。アガサ・クリスティが描くポアロってベルギー人なんです。イギリスの貴族からすると、ベルギー人の探偵ってどこか見下してるところがあって。その貴族の家で起こった犯罪をどう暴いていくかっていう、そういう機微もあるんですよね。
クリス:ポアロをどう捉えていますか?
片岡:今回、演じるにあたっていろいろと調べていきましたら、先ほど申しましたようにポアロはベルギー人で、戦争難民なんですね。ベルギーって小さい国で、わりかし戦争で弾圧されて。戦争という権力に押しつぶされて国を追われた人ですから、正義というものに対する想いが強いんです。でも、正義は権力によって変わっていくじゃないですか。だから、彼は「成熟した理性・知性である」っていう人生の哲学を持っていて、本当の正義はかたちを変えてしまうけれども、成熟した知性であり理性はきちっとしたもので、それをきちんと持つことによってそれに違和感を感じるところに人の業があったり、人の過ちがあったり、そこで犯罪があったりっていうようなそういう感性の視点があるんです。1930年代の話なんですけど、今と状況がなんら変わってなくて。そういった意味では、今、舞台でやるべく意味っていうのも感じつつありますね。
クリス:「ミステリーといえばアガサ・クリスティ」なんて聞きますけど、さっきおっしゃってましたけど、人間のなかの生き物としての先入観とか。なんというか、汚いところとか醜いところとかも描いていて。
片岡:そうですね。単なる謎解きの物語じゃないんです。人間の弱さとか過ちとか、ある種の影の部分とか、そういうものが相まって起きてしまったことで。ですから、ポアロは決して断罪をしないんです。そのへんは「素晴らしい人格を持ってらっしゃるな」ということを感じながら役を演じていますね。
片岡鶴太郎の最新情報は公式サイトまで。
クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』は、J-WAVEで月曜~木曜の13時よりオンエア。ポッドキャストでも配信中。
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2026年4月6日28時59分まで
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番組情報
- TALK TO NEIGHBORS
-
月・火・水・木曜13:00-13:30
-
クリス智子
