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Chara、息子・HIMIとの“実家”での共作秘話を明かす「たまたま詞を書こうと思ったときに…」

Chara、息子・HIMIとの“実家”での共作秘話を明かす「たまたま詞を書こうと思ったときに…」

デビュー35周年イヤーを迎えたCharaが、11月5日(水)にリリースしたラブソング・ベストアルバム『The Love Songs of Chara "Lush Life"』に込めた想いを語った。

Charaが登場したのは、クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』。この番組は毎週ひと組、クリスがいま声を届けたい人を迎える30分のトークプログラムだ。月曜から木曜はラジオでオンエアされ、翌金曜には放送された内容に加えて、限定トークも含むポッドキャストが配信される。

ここでは、11月10日(月)にオンエアしたトーク内容をテキストでお届けする。

・ポッドキャストページ

新曲のイメージは“忘れられないほど美しくて悲しい”

Charaは、2025年9月にデビュー35周年イヤーがスタートした。11月5日(水)には、新曲を含めたラブソング・ベストアルバム『The Love Songs of Chara "Lush Life"』をリリース。『Junior Sweet』『やさしい気持ち』『タイムマシーン』など、恋や愛、はかない気持ちを歌った楽曲を本人が選曲し収録している。

クリス:ラブソング・ベストアルバム『The Love Songs of Chara "Lush Life"』、おめでとうございます。

Chara:こんなこともないとあんまり過去を振り返るってこともなくて。「このアルバムは30曲くらい入れられます」って言われて。でも、35年を振り返ると200曲以上あって、どれもいいけど、ただ『Lush Life』と『僕は残像』って新曲を軸に選んだので、それでけっこうはかない、切ない曲を自分で選びました。

クリス:Charaさんの曲は90パーセントくらいそうじゃないですか。

Chara:そうなんだけど、ときどき恋したときの曲、『あたしなんで抱きしめたいんだろう?』とかもあって、でもそういうのはほぼ入れなかった。そういうのじゃなくて、自主制作の曲とかを入れて。今回、ソニーのレガシープラスってレーベルに移籍したんですよ。担当の方が「この曲、いいですね」って言ってくださった曲もあらためて聴いたらいいから、『ミスターロンリー』を入れたり。

「そもそも『Lush Life』というタイトルの曲を作りたかった」とCharaは制作の裏側を明かす。

Chara「Lush Life」Official Music Video

クリス:それは言葉から入ったんですか。

Chara:私の妹の旦那がアメリカ人で音楽がめっちゃ好きで。私はネイティブじゃないから「これ、いいと思うけどどうかな」とかいろいろ話をしたりするときに、「Lush Life」の捉え方が人によって違うんだけど、彼の友だちでアメリカの学者さんは「忘れられないほど美しくて悲しい」っていう捉え方をしたのを教えてくれて。「そうそう、私、そんな感じ」と思って、それをもとに曲を選びました。

クリス:「Lush Life」っていう言葉はもともとご自身の中にあったんですか。

Chara:その前に、他の言葉からどんどん変化して「Lush」にたどり着いたの。

クリス:「美しい」って、たとえば「Beautiful」とかあるとしても、「Lush」って悲喜こもごもあるけれど、どれも豊かで受け入れられる感じもしますよね。

Chara:年齢がこのくらいになった「Lush Life」って違う気がして。朝、雨が上がったあとの街もそういう感じかもしれないし、いろいろあるかなと思うんだけど、ちょっとグッときたので。

しまってある種が、ふとあふれてくる

新曲『Lush Life』の作詞は、Charaの息子・HIMIとの共作となった。

Chara:よくHIMIがうちにきたときに、「曲作ろうよ」とかよくやってるんだけど、小さいころから彼の言葉の使い方が面白いなと思っていて、影響を受けてきたアーティストのひとりで。うちで私がたまたま詞を書こうと思ったときに、彼が来たんだよね。ふいに来るときがあって、実家だからね。「いまから詞を書くんだけど、一緒にやらない?」「いいよ」みたいな感じで、ギターを持って「どんなメロディーなの?」「こういうメロディーだよ」って。最初やってたんだけど、適当な時間になると「じゃあ、帰るわ」って(笑)。

クリス:実家ですからね(笑)。

Chara:それで、この曲のサビはけっこう彼の「こういうのがいいんじゃない?」っていうのを出してくれたけど、結局、私がやって。でも、そういうスタートがあったからね。

クリス:そうやって言葉のかけらをもらうと、反応して違うのが出てくるから。

Chara:そうそう。たとえば、忘れてたものとかでも音を聴いたりとか、何かきれいなものを感じたときに、ふと感覚が出てきたりするようなことって多いし、私たちみたいなものづくりの人って、しまってある種がいっぱいあるから、ふと、それがあふれてくるというか。そういうのも使ったりするから面白いなって。

時代、楽器、ライブ… いろんな想いを詰め込んだベストアルバム

ベストアルバムの選曲は、他にもさまざまな意図を持って制作されたという。

Chara:「96年の曲ばっかり」とかじゃなくて、いろんな年代の曲にして。あと、ライブで育ったりしてる曲も多くて、たとえば『Junior Sweet』はシングルじゃないのにずっとライブで歌い続けていて、育っているような曲だからそれも入れたりとか。

Junior Sweet

Chara:でも、自分らしい曲を。もしかしたら『Swallowtail Butterfly ~あいのうた~』とか『やさしい気持ち』しか知らないけど、偶然聴く人もいるから。私、ピアノで弾き語りがふるさとなので、そういう曲も入れてみたりしてます。

クリス:このアルバムを聴いていると、ピアノとかギターの弾き語りもあれば、ゴリゴリの曲とかキラキラした曲とかもあったり、いろんな音をやってきているんだなって感じました。そういう音色とかはそのときどきで?

Chara:それは、流行りもあったりするし、若いときはいまみたいにPCの中だけで完結できるような、誰でも手軽に宅録できる状況ではなかったから、わりと実機を使ったり。でも、だからアナログシンセが好きになったりとか、それぞれ仲間とセッションすることになったりとかするし。バンドもやるけど、ローラーディスコ(ローラースケート場とディスコとが融合した施設)に行ってバイトしてって高校生で。あれからそんなに経っちゃったんだと思ったらびっくりしちゃうんだけど。

「昔から好きなものは、あんまり変わらない」とCharaは続けた。

クリス:一度、それくらいハマると、またハマるときにそこにすぐ戻れるというか。

Chara:ローラースケートも子育てで1回離れてたんですけど、友だちの病気を機に、昔の仲間が集まるようになって、私も新しい(ローラースケート)シューズを作って。みんなで楽しいじゃないですか。道具が揃うと俄然、「私、できる!」みたいな意識が出てきて、やる気になるし。けっこう道具が好きで。

クリス:それって音楽とかも?

Chara:音楽も。レコーディング期間っていうか常にそうなんだけど、新しいおもちゃがほしいって思うんですよ。新しい楽器とかシンセサイザーとか、エフェクターとか。デザインで見るしかないけど、いちおうYouTubeでどんな音かチェックしたり、試奏させてもらったりして。意外とそういうのやってて。いまは曲を書きたいから楽器もほしくて。

クリス:もともとピアノとかシンセとかで、でもギターも弾きますよね。

Chara:ギターはいまだに指弾きしかできないけど、私の大好きなリンダ・ルイスさんが指弾きでしか弾かないっていうのを聞いて、私は大丈夫だって(笑)。ボブ・マーリーだって指だったよなって。

Charaは現在、東名阪にてワンマンライブ「Chara Live 2025 ~Lush Life~」を開催中。そのほか、最新情報は公式サイトまで。

クリス智子がお届けする『TALK TO NEIGHBORS』は、J-WAVEで月曜〜木曜の13時よりオンエア。ポッドキャストでも配信中。

・ポッドキャスト限定のエピソードはこちらから

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番組情報
TALK TO NEIGHBORS
月・火・水・木曜
13:00-13:30