俳優で作家の松井玲奈が、自宅の本棚や、初の書き下ろしエッセイについて語った。
松井が登場したのは、2月15日(日)放送のJ-WAVE『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:小川紗良)の「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」。本棚からゲストのクリエイティヴを探るコーナーだ。
松井:なかでもハーマイオニーがいちばん憧れの存在だったので、「まさか演じられるなんて!」みたいな感じで、幸せな日々を過ごしております。
小川:夢の舞台だと思いますが、イギリス公演も観に行かれたそうですね。
松井:はい。お稽古に入る前に機会をいただいたので、本場の公演を観てきました。
小川:いかがでしたか?
松井:イギリス版は、日本でやっているものよりも長いものが2026年の秋ごろまで上演しているので、観たことがない新鮮なシーンがありました。また、キャストの方とお話させていただく機会もあったので、すごく勉強になって刺激をもらいました。
小川:日本とイギリスでは、(内容が)ちょっと違うんですね。
松井:そうですね。イギリスのほうがかなり長くて日本にないシーンがあるので、観ると違いに驚いたりします。
小川:逆に、日本版のよさはどんなところでしょうか?
松井:上演している1幕・2幕の4時間のものは、日本だけのものなんです。ポイントをしっかり押さえながらもたっぷり楽しめる上演方法(は、日本版のよさだと思います)。また、そもそも『ハリー・ポッター』は英語圏のものですが、日本語で理解できるのは作品をより楽しめるひとつのポイントです。2026年12月まで上演しているので、この機会にぜひいろいろな方に観てもらいたいですね。
小川:ちなみに、演出家は海外の方ですが、やり取りはどういうふうに行いましたか?
松井:基本的には通訳の方が入ってくださっていましたが、片言の日本語で「ガンバレ」「ダイジョウブ」などと励ましてくれるとすごく場が和んで、お稽古がとても楽しかったです。
小川:そういうちょっとしたひと言がうれしいですね。
小川:最初にタイトルが気になったのが、大前粟生さんの『岩とからあげをまちがえる』(ちいさいミシマ社)。どんな内容ですか?
松井:100篇の超短編小説が連続して書かれていて、それに合わせた絵が添えられている、まるで大人が読む絵本のような作品です。主人公の女の子がいろいろなものを見て好奇心を刺激されるなかで、『岩とからあげをまちがえる』という話が出てくるんですよ。
小川:どう間違えるんだろう(笑)!?
松井:岩がゴツゴツしているのを子どもの目線で見て、「わぁ、からあげだ!」となる。そういう大人が忘れてしまった「物事を違った角度から見る」「常識から外れた感覚で見る」という視点を思い出させてくれる、とても刺激的な作品です。
続いて松井が紹介したのは、山口路子の『私を救った言葉たち』(ブルーモーメント)だ。
松井:山口路子さんが読まれてきた本や触れてきた言葉たちで、自分がどのように救われたのかを書いていらっしゃいます。山口さんを救った言葉が、今度は読み手の私たちを救ってくれると思っていて、お守りのような1冊です。ちょっと悩んだりしているときにパラパラとめくってみると、不意に開いたページが、今の自分にとってすごく必要な考え方や言葉だったりすると思ったので、これもずっと本棚に置いておきたい1冊だと思っています。
小川:同じ言葉に救われると、山口さんに対する親近感も湧きそうですね。
松井:そうですね。「こういうことで悩んだりするんだ」みたいな共感もあるので、ぜひみなさんにも読んでいただきたいです。
3冊目は、橋爪志保の『ハッピーバースデイズ』(機械書房)。
松井:女性の“癖(へき)”というか、「何に興奮するのか」というところが斬新な角度から書かれています。主人公が「自分自身が無意識的に興奮するものが、角度を変えると加害性もあるんだよ」と突き付けられたときの心理描写がすごく巧みで、なかなか触れたことがない作品というか、新しい読後感でした。「自分だったらどうなんだろう?」と、立ち止まって考えさせられる作品で「今、出会えてよかったな」と思いました。
小川:タイトルから想像する内容とは、ちょっと違う感じですね。
松井:そうですね。でも、「生まれる」という“生”に関して、すごく真摯に向き合った作品ではあるなと思います。
小川:気になります。そして、千早 茜さんの『わるい食べもの』(集英社)。これもタイトルが気になります(笑)。
松井:千早 茜さんの、人気の「食エッセイシリーズ」1作目です。私自身、エッセイを書くときに「何かを嫌い」「いやだ」みたいなことを書くのはあんまりよくないと思っていたんですけど、千早さんのエッセイでは「私はこの食べ物がとても嫌いだ!」「あんなものはいやだ」ということを、すごくはっきり書かれていて、「自分が不快感を覚えることも書いていいんだ」とびっくりしました。でも、それを理解してからエッセイを書くときの姿勢がちょっと変わったので、書くことに影響を与えてくれた1冊でもあります。
小川は、エッセイを書くことになったきっかけについて訊く。
松井:SNSで自分が行った場所をシェアしようとしたときに、「それ、幸せ自慢になるかもしれないよ」「自分が楽しかったことやうれしかったことは、誰かにとってはそうじゃない瞬間かもしれない。そういうことって、考えたことある?」と聞かれました。そのときにはたと立ち止まって、「そうか、私のこの幸せな気持ちが違う意味で取られるかもしれないんだ」って考えて、「じゃあ、自分にとっての“幸せ”や“いやなこと”って何なんだろう?」と深く掘り下げていきたいと思い、書き始めた1冊です。
小川:たしかに、松井さんの価値観や日常のなかで感じていることが伝わってきました。エッセイにも「自分のことをわかってほしいというのが原動力としてある」と書かれていましたが、その欲求はいつごろからあるのでしょうか?
松井:仕事を始めてからかもしれないです。応援してくださる方には「自分が思っていることを100パーセント伝えたい」という気持ちが常にありましたが、自分がそのとき発した言葉だけでは伝わりきらなくて、「それって難しいことなんだな」とわかりながらも、もがく自分が今もずっと続いている感じですね。パブリックなイメージと、本当の自分の差を埋めていきたいみたいなところは、常にあります。
小川:そうなんですね。本当に赤裸々というか、書くのに勇気がいることもあるのかなと思いましたが、書いていていかがですか?
松井:「すごく赤裸々に書きますね」と言ってもらえますが、書けることを、書けるように書いていて、「見せていないところもまだまだたくさんあるんだよ」と。でも5年、10年経ったら、今だからこそ書けることも出てくると思うので、エッセイはずっと書いていきたいです。
松井玲奈の最新情報はA-Plusの公式サイトまで。
『ACROSS THE SKY』のコーナー「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」では、本棚からゲストのクリエイティブを探る。オンエアは10時5分ごろから。
松井が登場したのは、2月15日(日)放送のJ-WAVE『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:小川紗良)の「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」。本棚からゲストのクリエイティヴを探るコーナーだ。
憧れのキャラクターを演じる舞台が絶賛上演中
松井玲奈は1991年生まれ、愛知県出身。2008年より俳優として映画やドラマ、舞台と幅広く活躍している。また、小説やエッセイを出版するなど作家活動にも精力的。1月30日(金)には、初の書き下ろしエッセイ『ろうそくを吹き消す瞬間』(KADOKAWA)が発売となった。現在は、舞台『ハリー・ポッターと呪いの子』にハーマイオニー・グレンジャー役で出演中。もともと松井は『ハリー・ポッター』シリーズの大ファンだと言う。松井:なかでもハーマイオニーがいちばん憧れの存在だったので、「まさか演じられるなんて!」みたいな感じで、幸せな日々を過ごしております。
小川:夢の舞台だと思いますが、イギリス公演も観に行かれたそうですね。
松井:はい。お稽古に入る前に機会をいただいたので、本場の公演を観てきました。
小川:いかがでしたか?
松井:イギリス版は、日本でやっているものよりも長いものが2026年の秋ごろまで上演しているので、観たことがない新鮮なシーンがありました。また、キャストの方とお話させていただく機会もあったので、すごく勉強になって刺激をもらいました。
小川:日本とイギリスでは、(内容が)ちょっと違うんですね。
松井:そうですね。イギリスのほうがかなり長くて日本にないシーンがあるので、観ると違いに驚いたりします。
小川:逆に、日本版のよさはどんなところでしょうか?
松井:上演している1幕・2幕の4時間のものは、日本だけのものなんです。ポイントをしっかり押さえながらもたっぷり楽しめる上演方法(は、日本版のよさだと思います)。また、そもそも『ハリー・ポッター』は英語圏のものですが、日本語で理解できるのは作品をより楽しめるひとつのポイントです。2026年12月まで上演しているので、この機会にぜひいろいろな方に観てもらいたいですね。
小川:ちなみに、演出家は海外の方ですが、やり取りはどういうふうに行いましたか?
松井:基本的には通訳の方が入ってくださっていましたが、片言の日本語で「ガンバレ」「ダイジョウブ」などと励ましてくれるとすごく場が和んで、お稽古がとても楽しかったです。
小川:そういうちょっとしたひと言がうれしいですね。
自宅の本棚から5冊を厳選
「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」では、ゲストの本棚の写真を見ながらトークを展開する。エッセイで「本棚を見られるのが恥ずかしい」と明かしていた松井は、ピックアップした5冊の本の写真を公開してくれた。DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF📚#松井玲奈 さんの本棚を拝見#jwave #sky813 pic.twitter.com/hyAi9q0rhR
— ACROSS THE SKY (@acrossthesky813) February 15, 2026
松井:100篇の超短編小説が連続して書かれていて、それに合わせた絵が添えられている、まるで大人が読む絵本のような作品です。主人公の女の子がいろいろなものを見て好奇心を刺激されるなかで、『岩とからあげをまちがえる』という話が出てくるんですよ。
小川:どう間違えるんだろう(笑)!?
松井:岩がゴツゴツしているのを子どもの目線で見て、「わぁ、からあげだ!」となる。そういう大人が忘れてしまった「物事を違った角度から見る」「常識から外れた感覚で見る」という視点を思い出させてくれる、とても刺激的な作品です。
続いて松井が紹介したのは、山口路子の『私を救った言葉たち』(ブルーモーメント)だ。
松井:山口路子さんが読まれてきた本や触れてきた言葉たちで、自分がどのように救われたのかを書いていらっしゃいます。山口さんを救った言葉が、今度は読み手の私たちを救ってくれると思っていて、お守りのような1冊です。ちょっと悩んだりしているときにパラパラとめくってみると、不意に開いたページが、今の自分にとってすごく必要な考え方や言葉だったりすると思ったので、これもずっと本棚に置いておきたい1冊だと思っています。
小川:同じ言葉に救われると、山口さんに対する親近感も湧きそうですね。
松井:そうですね。「こういうことで悩んだりするんだ」みたいな共感もあるので、ぜひみなさんにも読んでいただきたいです。
3冊目は、橋爪志保の『ハッピーバースデイズ』(機械書房)。
松井:女性の“癖(へき)”というか、「何に興奮するのか」というところが斬新な角度から書かれています。主人公が「自分自身が無意識的に興奮するものが、角度を変えると加害性もあるんだよ」と突き付けられたときの心理描写がすごく巧みで、なかなか触れたことがない作品というか、新しい読後感でした。「自分だったらどうなんだろう?」と、立ち止まって考えさせられる作品で「今、出会えてよかったな」と思いました。
小川:タイトルから想像する内容とは、ちょっと違う感じですね。
松井:そうですね。でも、「生まれる」という“生”に関して、すごく真摯に向き合った作品ではあるなと思います。
小川:気になります。そして、千早 茜さんの『わるい食べもの』(集英社)。これもタイトルが気になります(笑)。
松井:千早 茜さんの、人気の「食エッセイシリーズ」1作目です。私自身、エッセイを書くときに「何かを嫌い」「いやだ」みたいなことを書くのはあんまりよくないと思っていたんですけど、千早さんのエッセイでは「私はこの食べ物がとても嫌いだ!」「あんなものはいやだ」ということを、すごくはっきり書かれていて、「自分が不快感を覚えることも書いていいんだ」とびっくりしました。でも、それを理解してからエッセイを書くときの姿勢がちょっと変わったので、書くことに影響を与えてくれた1冊でもあります。
エッセイには“今書けること”を存分に詰め込んで
松井の書き下ろしエッセイ『ろうそくを吹き消す瞬間』には、出演中の舞台のエピソードや、日常の些細な出来事、心模様などが書かれている。小川は、エッセイを書くことになったきっかけについて訊く。
松井:SNSで自分が行った場所をシェアしようとしたときに、「それ、幸せ自慢になるかもしれないよ」「自分が楽しかったことやうれしかったことは、誰かにとってはそうじゃない瞬間かもしれない。そういうことって、考えたことある?」と聞かれました。そのときにはたと立ち止まって、「そうか、私のこの幸せな気持ちが違う意味で取られるかもしれないんだ」って考えて、「じゃあ、自分にとっての“幸せ”や“いやなこと”って何なんだろう?」と深く掘り下げていきたいと思い、書き始めた1冊です。
小川:たしかに、松井さんの価値観や日常のなかで感じていることが伝わってきました。エッセイにも「自分のことをわかってほしいというのが原動力としてある」と書かれていましたが、その欲求はいつごろからあるのでしょうか?
松井:仕事を始めてからかもしれないです。応援してくださる方には「自分が思っていることを100パーセント伝えたい」という気持ちが常にありましたが、自分がそのとき発した言葉だけでは伝わりきらなくて、「それって難しいことなんだな」とわかりながらも、もがく自分が今もずっと続いている感じですね。パブリックなイメージと、本当の自分の差を埋めていきたいみたいなところは、常にあります。
小川:そうなんですね。本当に赤裸々というか、書くのに勇気がいることもあるのかなと思いましたが、書いていていかがですか?
松井:「すごく赤裸々に書きますね」と言ってもらえますが、書けることを、書けるように書いていて、「見せていないところもまだまだたくさんあるんだよ」と。でも5年、10年経ったら、今だからこそ書けることも出てくると思うので、エッセイはずっと書いていきたいです。
松井玲奈の最新情報はA-Plusの公式サイトまで。
『ACROSS THE SKY』のコーナー「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」では、本棚からゲストのクリエイティブを探る。オンエアは10時5分ごろから。
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番組情報
- ACROSS THE SKY
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毎週日曜9:00-12:00
-
小川紗良
