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M1準優勝・ドンデコルテ渡辺、SNSで話題の

M1準優勝・ドンデコルテ渡辺、SNSで話題の"本棚の中身"を公開!『全国アホ・バカ分布考』『奴隷のしつけ方』など

お笑いコンビ・ドンデコルテの渡辺銀次が、自宅の本棚について、そして現在下宿している益々荘について語った。

渡辺が登場したのは、2月8日(日)放送のJ-WAVE『ACROSS THE SKY』(ナビゲーター:小川紗良)の「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」。本棚からゲストのクリエイティヴを探るコーナーだ。

賞レースにYouTube、今大注目の渡辺

渡辺銀次は、2019年に小橋共作とドンデコルテを結成。『M-1グランプリ2019』で、結成1年目ながら準々決勝に進出したことをきっかけに、正式なコンビとして活動を開始。その後、『M-1グランプリ2025』では決勝に進出し、準優勝に輝いた。

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渡辺は現在、お笑いコンビ・カゲヤマの益田康平の実家「益々荘」に下宿中。その暮らしぶりを発信するYouTubeチャンネル『それいけ益々荘』は、ナビゲーターの小川も大好きだという。

小川:『M-1グランプリ』後に、まさかのチャーハンを作る動画がバズりましたね。

渡辺:お笑い芸人過ぎて『M-1グランプリ』がいちばんだと思っていましたけど、断然チャーハンの知名度のほうが高いという。

小川:最近は毎週いろいろな動画が上がっていますが、尺がどんどん伸びていて、基本的に1時間半以上あるんですよ。映画じゃないですか(笑)。

渡辺:そうなんですよ(笑)。「あれで人の1時間半を奪うわけにはいかない」と思うんですけど、益田はそっちを推しているというか……。

小川:2月7日にも1時間38分ある動画をアップされていて、こちらはもう歓喜です!

渡辺:いやぁ、喜んでいただけてます(笑)?

小川:「観られる!」「うれしいな」と思います。

渡辺:益田はとりあえず編集を少なくして、動画を上げるほうを優先していると言ってましたね。

小川:このショート動画の時代に、テロップもない1時間半の動画を観させられるって本当に奇跡です。

渡辺:ありがとうございます(笑)。

小川:でも、いつかは益々荘を出てしまうのでしょうか?

渡辺:そうですね。益田のご両親がお安く住まわせてくださっていますが、「お笑いトキワ荘にしたい」というご意向があるので、「有望な後輩を住まわせたいな」と思っています。

小川:銀次さんのあとって、荷が重すぎませんか?

渡辺:そんなことないです! たまたま(2025年)12月にそうなっただけで……。

小川:でも、益々荘という場がこれだけ有名になってしまったら、あとから入るにも相当な勇気がないと。

渡辺:益々荘に住んで、次の5月で10年なんですよ。「10年売れないがOK」の場所ですから、そう考えてもらえると後任も見つかるかなと思います。

小川:「この日々にもいつか終わりが来てしまう」と思いながら観る、その刹那もいいんですよね(笑)。

渡辺:甲子園みたいな(笑)。

多様なジャンルの本を愛す、渡辺の本棚

「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」では、ゲストの本棚の写真を見ながらトークを展開する。渡辺の本棚は『M-1グランプリ』のアナザーストーリーでも話題になったが、「SNSに載せるのはちょっと……」と恥ずかしそうな様子。

そこで今回は、本棚から渡辺のお気に入りの作品をピックアップしてもらった。

小川:まずは、夢枕 獏の『陰陽師』(文藝春秋)シリーズ。これはどのような作品ですか?

渡辺:陰陽師の安倍晴明と源 博雅という貴族が、いろいろな怪異と出会っていく話です。映画的な面白さやアクション的な面白さがありますが、ときどきふたりが「呪(しゅ)」について話すんですよ。言葉の定義や概念についてしゃべるシーンがあって、そこがすごく好きで。話が難しくなってくると、源 博雅という好青年が「お前の話は難しいな」と言って、安倍晴明が笑って終わるみたいな。その空気がすごく好きですね。

小川:言葉がすごくお好きですもんね。

渡辺:そうですね。言い回しとかがすごく好きなので、そこを刺激されているのだと思います。

小川:続いては、松本 修さんの『全国アホ・バカ分布考―はるかなる言葉の旅路―』(新潮文庫)。面白いタイトルですね。

渡辺:これは小説ではないのですが、作者が『探偵!ナイトスクープ』を立ち上げた方です。もともと、昔の民俗学者で柳田國男先生という方が、「方言周圏論」というのを唱えました。これは“カタツムリ”の言い方を研究して「京都を中心に、方言は波紋みたいに全国に広がっている」「青森と鹿児島の言葉は似ている」みたいな説です。しかし、柳田國男先生は晩年、「これはカタツムリだけだったかもしれない」「あまり正しくないかもな」みたいに言っていたのですが、松本 修さんが「アホ」と「バカ」という罵り言葉について調べたんです。そうしたら、「どうやら『方言周圏論』は正しそうだぞ」という感じになっていくという、すごくドラマチックな方言の話ですね。

小川:おぉ~! そこにつながっていくんですね。

続いて渡辺が紹介したのは、半村 良の『講談 碑夜十郎』(講談社)だ。

渡辺:半村 良さんはSF作家の方ですが、この作品は時代小説、なんですけどSF小説ですごいんですよ。

小川:どっちのジャンルも混ざっている?

渡辺:はい。ちょっと前に『JIN-仁-』というマンガがあってドラマ化もされましたが、それよりもだいぶ前の作品で、現代人がタイムスリップした状態で始まります。主人公は記憶がないけど、「どうやら現代人っぽいぞ」というのがわかってくるんですよ。もともと剣道をやっていて、タイムスリップした時代では侍扱いされて、みたいな話で面白いんですよね。

小川:時代小説は(その時代について)詳しくないと入りづらいイメージがありましたが、現代人がタイムスリップするという設定だったらいいですね。

渡辺:入りやすいかもしれないですね。

本棚に残したい1冊はタイトルのインパクト大

さらに渡辺は、ふたつのマンガ作品を紹介。ひとつ目は佐藤タカヒロの『バチバチ』(秋田書店)シリーズだ。

渡辺:私は相撲好きですが、相撲が好きじゃなかったとしても大好きな、本当にたまらない作品です。

小川:どんなところが?

渡辺:相撲って、勝負がつくのが平均10秒くらいなんですけど、ちょっと肘の位置が変わるだけ、まわしの位置が変わるだけで大逆転が起こるというのが、明確に描かれています。ひとコマひとコマ、「こっちが寄り」とわかるように描かれていて、さらにそこから逆転することもあるのがたまらないです。作者の方が本当に魂を削って描いていたそうで、最終章『鮫島、最後の十五日』がシリーズの最後なのですが、完結する直前に佐藤タカヒロ先生がお亡くなりになられました……。あいだあいだのギャグシーンなどもすごく清涼感があって、力むばかりじゃない面白いマンガですね。

小川:そして、最後に中山昌亮さんの『後遺症ラジオ』(講談社)、こちらは?

渡辺:『不安の種』(秋田書店)で跳ねた作者の方が描かれた、オムニバス形式のホラーマンガです。いろいろな怖い話が入っているのですが、タイトルが全部、周波数になっているんですよ。

小川:えぇ~!?

渡辺:これを周波数順に並べたら、ひとつの話になるんです。

小川:うわぁ、そういう仕掛けなんですね……。

渡辺:そうなのですが、まだ全貌は見えないみたいな感じが面白いです。

小川:ゾクゾクしそう!

渡辺:はい、ミステリー感もあります。

幅広いジャンルの本を読んでいる渡辺に、「最近読んだ作品で、本棚に残したいと思ったもの」を訊く。

渡辺:『奴隷のしつけ方』(ちくま文庫)です。

小川:またすごいタイトルですね(笑)。ジェリー・トナーさんという方が書いていらっしゃいますが、どんな本ですか?

渡辺:『奴隷のしつけ方』という本はジェリー・トナーさんが書いたのですが、本のなかではマルクス・シドニウス・ファルクスという人が書いたことになっています。

小川:「架空の人が書いた話ですよ」みたいな?

渡辺:そうです。架空の古代ローマ貴族の人が我々に向けて書いたということになっています。「我が誇り高きローマ帝国を支える奴隷たちは、こういうふうに扱うんですよ」というのを、当時の感覚でしゃべってくれるという設定がすごく面白いですね。「ローマ帝国をいかに強くするか」という、(現代とは)感覚の違う人たちの話ですが、読んでいくと「そんなに違うか?」と思えてくるんです。“奴隷”という強い言葉になっているから危機感があるけど、「今の俺らと違うのか? 違わなさそうだな」みたいな。

小川:この本は、どういうきっかけで手に取ったのですか?

渡辺:いとこが送ってくれました。「俺をどういう人間だと思っているんだ!?」と思って開いて読み始めたら、「なるほど、そういうことか」と。タイトルを見て怖い本かと思いましたが、そうではありませんでしたね。

大人になって感じ方が変わった、小説の一節力

渡辺は、ライフスタイル、人生に影響を与えた本の一節としてヘルマン・ヘッセの小説『少年の日の思い出』から台詞を挙げた。

小川:1931年の本ですが、どのような内容なのでしょうか?

渡辺:「昔話を聞いてくれ」と言って、少年の日の思い出を雰囲気のあるところでしゃべるみたいな始まりで、めちゃくちゃキツい話を聞かせるんですよ。だいぶ昔の思い出で、もちろん傷はありますが、その傷と向き合っている人がしゃべるという内容です。

小川:いつ読まれたのですか?

渡辺:小学校のときに、国語か道徳の授業で読んで、大人になってもう1回出会いました。30歳くらいだったかな。そのときもやっぱり、「きみはそういうやつだったんだね」というような一節がキツすぎて……。

小川:その一節は、どういうシチュエーションで出てきたのでしょうか?

渡辺:主人公が子どものときに昆虫採集をしていて、ずっと憧れていたヤママユガというきれいなガがいました。それを自分は持っていないのに、ちょっと裕福な子どもが持っていて、その子どもがいないあいだに手に取って壊してしまうんです。盗んだわけではなかったのですが、それがバレたときに言われた台詞です。

小川:キツい……。

渡辺:相手は詰めもしないけど、(主人公が)盗ったと思ってるんです。そして、主人公がこの台詞を言われたあとに、自分の採集した昆虫を全部つぶしていくというオチで、印象に残ってますね。

衝撃的な一節とストーリーだが、渡辺は子どものころと大人になってからでは、「感じ方が変わった」と言う。

渡辺:子どものときは「そんなひどいことを言うなよ」と思いましたが、(今は)「思うし、言うなあ」となりましたね。「言わないようにしているだけで、みんな思うんだろうな」というか。でも、言った側も間違ってるんですよね。「そんなことない」と弁明する余地がないように決めつけていて、「この繰り返しで人間関係が進んでいっているんだろうな」と思いましたね。

小川:これもまた世のなかの縮図というか、すごい人間関係が見えますね。人生の一節で苦々しい言葉が出てくるというのは、面白いなと思いました。

ドンデコルテの最新情報は吉本興業の公式サイトまで。

『ACROSS THE SKY』のコーナー「DAIWA HOUSE MY BOOKSHELF」では、本棚からゲストのクリエイティブを探る。オンエアは10時5分ごろから。

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