J-WAVEの番組『STEP ONE』には、ナビゲーターのサッシャ、ノイハウス萌菜が気になる海外ニュースをお伝えする「CHINTAI GLOBAL BEATS」というコーナーがある。ここでは2025年10月にオンエアした同コーナーのなかから、イチオシトピックとして「坂本龍一さんと世界のアーティストたちによるキャンペーンについて」をテキストで紹介する。
【オンエア:2025年10月23日(木)/ナビゲート:サッシャ、ノイハウス萌菜】
【元記事】「Ryuichi Sakamoto’s estate removes his music from streaming in Israel and joins ‘No Music For Genocide’ campaign」
坂本さんの遺産管理団体・The Estate of Ryuichi Sakamotoが、「No Music For Genocide」というキャンペーンに参加し、イスラエルでの音楽配信を停止した。海外の音楽サイトやカルチャーメディアでは話題となっているニュースだが、日本では取り上げているメディアは非常に少ない。
ノイハウスは、坂本さんに関するこのニュースから、音楽界で何が起こっているのかを説明する。
ノイハウス:「No Music For Genocide」は、国連の調査委員会なども認定している、ガザでの虐殺行為、そしてヨルダン川西岸地区での民族浄化に対して、アーティストが「自分たちにできる具体的な行動を示すもの」として、9月に始まったキャンペーンです。アーティスト、そしてレーベルが自身の作品をイスラエル国内のストリーミングプラットフォームから削除したり、特定のエリアでは聴けないようにするジオブロックをしたりして、抗議の意味を示しています。
現在、1,000以上のアーティスト、レーベルが参加していると言われる「No Music For Genocide」。J-WAVEリスナーにも馴染みがあるアーティストのなかでも、マッシヴ・アタックやフォンテインズDC、リナ・サワヤマ、ジャパニーズ・ブレックファスト、ニーキャップ、MØなどは第1弾の参加者として、ウェブサイトに名前が挙がっている。その後、ビョークやロード、クレイロ、ミソ・エクストラ、オーロラ、ウルフ・アリスなどのアーティスト名も追加された。
坂本さんのほか、リナ・サワヤマやミソ・エクストラなど、日本人アーティストの名前も複数挙がっている状況に、ノイハウスは「国際的な連帯の象徴だと思います」とコメントした。
ノイハウス:「現在行われている虐殺や人権障害に対して沈黙せず、音楽という力を通じて責任を問う」と書かれています。今回、各アーティストが参加するという表明もありますが、大手レーベルにも同じ対応を求めている流れがあります。その理由のひとつとして挙げられるのが、たとえばロシアがウクライナに侵攻したときに、そのあとすぐに世界の主要レーベルのいくつかが、ロシアでのカタログ配信を停止するなどのアクションを取ったことです。「ロシアのときは停止したのに、今回はどうなのか」と、世界各地のアーティストたちが矛盾を感じているのを、示しているキャンペーンでもあります。
ノイハウスはさらに、「今回のニュースで大事だと思うことは『ボイコット=特定の個人への敵意』ではない」と続ける。
ノイハウス:「No Music For Genocide」は“個人”ではなく、“構造”を変えるためにやっているものです。過去の歴史のなかでも、たとえば南アフリカのアパルトヘイトの時代には、経済的なボイコット、または文化的なボイコットが、最終的に制度を崩す大きな圧力になったと言われています。いま、同じように音楽の世界で行動を取る、何かできることはないかということで、このような選択が広がっているそうです。音楽は平和の象徴でもあるので、「その力をどうやって使っていくのか」が非常に問われていますが、このムーブメントがいろいろな議論にもつながっているのかなと思います。このあと、「No Music For Genocide」の参加者がどのように増えていくのか、この動きがどういうことにつながるのかは、いますごく注目されています。今後は日本のメディアで紹介される機会も増えていくのかなと思い、今回はこちらのニュースをピックアップしました。
J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「CHINTAI GLOBAL BEATS」では、番組独自の視点で世界を見渡し、国内ではまだ知られていない話題やニュース、ニューミュージックをお届け。放送は月曜~木曜の12時5分ごろから。
【オンエア:2025年10月23日(木)/ナビゲート:サッシャ、ノイハウス萌菜】
1,000を超えるアーティスト、レーベルが参加する「No Music For Genocide」
今回は、ノイハウスが『NME』の記事を紹介。「音楽界に広がる文化的ボイコットの動き」に関するニュースをピックアップした。【元記事】「Ryuichi Sakamoto’s estate removes his music from streaming in Israel and joins ‘No Music For Genocide’ campaign」
坂本さんの遺産管理団体・The Estate of Ryuichi Sakamotoが、「No Music For Genocide」というキャンペーンに参加し、イスラエルでの音楽配信を停止した。海外の音楽サイトやカルチャーメディアでは話題となっているニュースだが、日本では取り上げているメディアは非常に少ない。
ノイハウスは、坂本さんに関するこのニュースから、音楽界で何が起こっているのかを説明する。
ノイハウス:「No Music For Genocide」は、国連の調査委員会なども認定している、ガザでの虐殺行為、そしてヨルダン川西岸地区での民族浄化に対して、アーティストが「自分たちにできる具体的な行動を示すもの」として、9月に始まったキャンペーンです。アーティスト、そしてレーベルが自身の作品をイスラエル国内のストリーミングプラットフォームから削除したり、特定のエリアでは聴けないようにするジオブロックをしたりして、抗議の意味を示しています。
現在、1,000以上のアーティスト、レーベルが参加していると言われる「No Music For Genocide」。J-WAVEリスナーにも馴染みがあるアーティストのなかでも、マッシヴ・アタックやフォンテインズDC、リナ・サワヤマ、ジャパニーズ・ブレックファスト、ニーキャップ、MØなどは第1弾の参加者として、ウェブサイトに名前が挙がっている。その後、ビョークやロード、クレイロ、ミソ・エクストラ、オーロラ、ウルフ・アリスなどのアーティスト名も追加された。
坂本さんのほか、リナ・サワヤマやミソ・エクストラなど、日本人アーティストの名前も複数挙がっている状況に、ノイハウスは「国際的な連帯の象徴だと思います」とコメントした。
世界の状況に“沈黙しない”という姿勢を音楽でも見せる
「No Music For Genocide」のウェブサイトによると、キャンペーンの目標は「文化的ボイコット」だと、ノイハウスは言う。ノイハウス:「現在行われている虐殺や人権障害に対して沈黙せず、音楽という力を通じて責任を問う」と書かれています。今回、各アーティストが参加するという表明もありますが、大手レーベルにも同じ対応を求めている流れがあります。その理由のひとつとして挙げられるのが、たとえばロシアがウクライナに侵攻したときに、そのあとすぐに世界の主要レーベルのいくつかが、ロシアでのカタログ配信を停止するなどのアクションを取ったことです。「ロシアのときは停止したのに、今回はどうなのか」と、世界各地のアーティストたちが矛盾を感じているのを、示しているキャンペーンでもあります。
ノイハウスはさらに、「今回のニュースで大事だと思うことは『ボイコット=特定の個人への敵意』ではない」と続ける。
ノイハウス:「No Music For Genocide」は“個人”ではなく、“構造”を変えるためにやっているものです。過去の歴史のなかでも、たとえば南アフリカのアパルトヘイトの時代には、経済的なボイコット、または文化的なボイコットが、最終的に制度を崩す大きな圧力になったと言われています。いま、同じように音楽の世界で行動を取る、何かできることはないかということで、このような選択が広がっているそうです。音楽は平和の象徴でもあるので、「その力をどうやって使っていくのか」が非常に問われていますが、このムーブメントがいろいろな議論にもつながっているのかなと思います。このあと、「No Music For Genocide」の参加者がどのように増えていくのか、この動きがどういうことにつながるのかは、いますごく注目されています。今後は日本のメディアで紹介される機会も増えていくのかなと思い、今回はこちらのニュースをピックアップしました。
J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「CHINTAI GLOBAL BEATS」では、番組独自の視点で世界を見渡し、国内ではまだ知られていない話題やニュース、ニューミュージックをお届け。放送は月曜~木曜の12時5分ごろから。
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2025年10月30日28時59分まで
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番組情報
- STEP ONE
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月・火・水・木曜9:00-13:00
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サッシャ、ノイハウス萌菜
