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「レストランの水」に、氷はアリ? ナシ? 日本・アメリカ・ヨーロッパの文化の違いに注目

「レストランの水」に、氷はアリ? ナシ? 日本・アメリカ・ヨーロッパの文化の違いに注目

J-WAVEの番組『STEP ONE』には、ナビゲーターのサッシャ、ノイハウス萌菜が気になる海外ニュースをお伝えする「CHINTAI GLOBAL BEATS」というコーナーがある。ここでは2025年7月にオンエアされた同コーナーから、イチオシトピックとして「アメリカとヨーロッパの水文化の違い」をテキストで紹介する。

【オンエア:2025年7月30日(水)/ナビゲート:サッシャ、ノイハウス萌菜】

アメリカで氷の入った水が広まった背景は?

今回は、サッシャが『CNN』の記事を紹介。「アメリカとヨーロッパ 水文化の違いが奥深い」というニュースをピックアップした。

【元記事】「Why Americans can’t chill out about ice-free European beverages」(外部リンク)

レストランで当たり前のように出される1杯の水。実は、その提供スタイルには国ごとの歴史や価値観が色濃く反映されている。特に「氷を入れるか・入れないか」は、アメリカとヨーロッパで文化が大きく分かれるポイントだ。今回は、アメリカ、ヨーロッパ、そして日本の「水」にまつわる文化の違いと、その背景にある興味深いストーリーを紹介する。

アメリカのレストランでは、席に着くと同時にたっぷりの氷が入った水が無料で提供されるのが一般的だ。おかわりも自由で、グラスが空になる前に店員が注ぎ足してくれることもしばしばある。「冷たさ=サービス」という考え方は、アメリカのホスピタリティの象徴と言えるだろう。

サッシャ:実は、氷の入った水文化は、19世紀のアメリカで生まれたものなんですね。当時、「アイスキング(氷の王様)」と呼ばれた実業家のフレデリック・チューダーさんが、天然の氷をインドやカリブ海といった暑い地域へ輸出するビジネスを始めたんです。「氷で飲料を冷やすとおいしくなる」という価値を広めたのが、氷水文化のきっかけだったそうですよ。

現在では、家庭用冷蔵庫に自動製氷機が標準装備されていることも多く、氷水はアメリカの食文化に深く浸透している。

ヨーロッパで氷水が一般的でない理由

一方、ヨーロッパのレストランで水を注文すると、氷の入っていない常温の水が出てくるのが基本だ。場合によっては、有料のミネラルウォーターか、無料の水道水(タップウォーター)かを選んで注文する必要がある。

この文化の違いは、ときにSNSでも話題になる。アメリカ人旅行者が「氷が入っていない!」と驚く動画が投稿されたり、「なぜヨーロッパ人は氷を入れないのか?」という議論が交わされたりするのは、それぞれの「当たり前」が異なることの証左だ。ドイツ出身のサッシャは、幼少期の思い出を振り返りながら、理由を推測する。

サッシャ:まず、氷が飲み物を薄めてしまうという意見ですね。あとは、体を冷やし過ぎると健康によくないところ。そして、家庭の冷蔵庫には自動製氷機がないから、家で氷を大量に作る文化がない。そういった違いがありますね。

では、日本はどうか。日本はアメリカとヨーロッパの中間的な立ち位置にある。冷たい水が無料で提供される点はアメリカと共通だが、氷の量はアメリカほど多くなく、控えめなことが多い。日本の水文化で特筆すべきは、季節に応じた「気配り」だ。

サッシャ:日本的な飲食店に行くと、夏には冷たい水、冬には温かいお茶が出てきますよね。日本では季節に応じて、提供する飲み物の温度を変えるという、気配りのある文化と言えるかもしれませんね。つまり、日本はアメリカのようなサービスを提供して健康も考える、ちょうど中間地点に位置しているように思います。

1杯の水から、アメリカのサービス精神、ヨーロッパの健康志向、そして日本のおもてなしの心といった、それぞれの国の歴史や価値観が透けて見える。海外旅行の際には、テーブルに出された水にも意識を向けてみてはいかがだろうか。

J-WAVE『STEP ONE』のコーナー「CHINTAI GLOBAL BEATS」では、番組独自の視点で世界を見渡し、国内ではまだ知られていない話題やニュース、ニューミュージックをお届け。放送は月曜~木曜の12時5分ごろから。

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