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大沢たかおは「いま一生懸命」が楽しい─映画最新作や出演するauのCMについて語る

大沢たかおは「いま一生懸命」が楽しい─映画最新作や出演するauのCMについて語る

俳優の大沢たかおが映画『沈黙の艦隊』最新作への想いや、話題となっているau「三太郎シリーズ」の新CMで登場したキャラクター「天帝」について語った。

大沢が登場したのは、9月27日(土)放送のJ-WAVE『KDDI LINKSCAPE』(ナビゲーター:TENDRE、田中シェン)の「CONNECTORS AVENUE」。エンターテイメントシーンなどで活躍するゲストを迎え、つながることで生まれる可能性やヒントを探っていくコーナーだ。

番組は、Spotifyなどのポッドキャストでも聴くことができる。

・ポッドキャストページ

映画『沈黙の艦隊』の最新作で熱演

大沢たかおは東京都出身。モデルを経て1994年に俳優デビュー。映画『世界の中心で愛を叫ぶ』、ドラマ『JIN-仁-』など数々の大ヒット作品で主演を務めるなど、日本を代表する俳優のひとりだ。最近ではauのCM「三太郎シリーズ」に登場する「天帝」役でも話題になった。9月26日(金)に公開された映画『沈黙の艦隊 北極海大海戦』では、前作に続き主演の海江田四郎役を熱演している。

映画『沈黙の艦隊 北極海大海戦』【ファイナルトレーラー】2025年9月26日(金)公開

TENDRE:『沈黙の艦隊』の原作は累計発行部数3,200万部を超える大人気漫画です。大沢さんは、核を搭載した潜水艦「やまと」の艦長・海江田四郎役を熱演されています。こちらの映画は2023年が最初で、実写映画化されて今回が続編となります。公開されてどのようなお気持ちでしょうか?

大沢:2021、2年頃からこのプロジェクトの準備が始まって本当によくここまできたなと。最初は1作目で終わるかなと思ったのが、おかげさまでいろいろな方に評価をいただいて、この続編の制作までたどり着きました。まず、ここまでこられたことに感謝しています。

TENDRE:あらためて公開おめでとうございます。『沈黙の艦隊』は核ミサイルを積んだ原子力潜水艦を乗っ取り、日本からの独立国「やまと」を宣言する艦長・海江田四郎の姿を映し出す物語です。今回の作品では北の海で繰り広げられる魚雷戦など、前作以上のアクションが展開されています。「やまと」の船内で冷静に指示を出す艦長・海江田役を演じるにあたって、今回、特に意識したことはありましたか?

大沢:1作目を観ていただいた方はそれをベースに2作目を観られます。我々が準備していた「お客さんをこういうふうにサプライズさせよう」とか「ここでいろいろな予定調和じゃないものをやっていこう」というものは、だいたい前作でやり尽くしているんです。でも、映画やエンターテインメントはサプライズなので、「どう驚いてもらうか」というのがベースにあり、さらに新しいサプライズを探していかなければいけない。それは役としても台本的にもそうなので、そのあたりがより慎重になるし、前作よりもみんなで話し合う時間が増えました。

TENDRE:前作もそうですが、この作品の主演兼プロデューサーです。この作品についてプロデューサーとしてどのような想いがありますか?

大沢:実は、この作品の原作は30年前にかわぐちかいじ先生が描かれたものです。それを30年後の現代に実写化することは、吉と出るか、凶と出るかはやってみないとわからない。だけど、原作に描かれている深いメッセージや、世界に対する様々な想いみたいなものは、いまの時代とあまり変わっていない。それどころか、よりいまのほうが深刻に、リアルになっているんじゃないかと。同時に、CG技術ですよね。なによりその技術が30年前、20年前、10年前、7、8年前よりも格段にすばらしくなっていて。この続編を制作している2、3年の間でもまったく別のレベルぐらいまで、クオリティが上がってきています。CGが使えないとこういう作品はできません。北極海のシーンでは、実際にアイスランドに撮影しに行ってもらいました。ただ、実際に撮ってはいるんですが、北極海の水中は撮れないんです。

TENDRE:そうか、そうですよね。

大沢:だけど、それに上からドローンとかで実際に撮った実写の映像を重ね合わせるんです。「なんとなくCGで作りました」だと足りなくて、実際の海の研究を相当して、CGチームがクリエイトしていくような感じでした。

TENDRE:だからこそ、あのリアリティが出ているということですよね。

田中:そのCGの映像を大沢さんは先にご覧になるんですか?

大沢:その過程は僕がいても何かできるわけではないので(笑)。今作のCGを担当したプロフェッショナルなチームに任せています。

TENDRE:映像を観ると本当にこういうことが起きているんじゃないかと、どんどん入り込めてかなり痺れました。1作目の制作で防衛相や海上自衛隊に協力をお願いしにいったというお話を聞きましたが、本当ですか?

大沢:そもそもこの作品は、日本の海上自衛隊の自衛官が潜水艦を奪って、世界に戦いを挑み……簡単に言うと世界を敵に回すような行為をします。現在起こっている様々な事象と向き合い検証しないといけないし、潜水艦はどうしても本物を使いたかったこともあり、日本の政府の方々や防衛相の方にもご協力いただけないと、おそらく作品としては完成しないだろうというのが最初にあったんです。必ずその許諾をいただくというのが、このプロジェクトのミッションでした。そのために、この企画が決まる前から打ち合わせを重ね、そして最終的に防衛相にお伺いしてプレゼンしに行きました。

auのCMで「天帝」役のオファーを受けて…

大沢といえば、auのCM「三太郎シリーズ」に登場する「天帝」役がSNSでも話題だ。大沢自身もオファーを受けたときにはとても驚いたそう。

TVCM│auバリューリンクプラン「無敵の父、登場」篇

大沢:すごい企画だなと。もちろん、この広告自体はよく知っていました。出演しているのもよく知っている後輩たちなので。いつもとても面白い作品を作っているなと思っていた中でオファーを頂いて。絵コンテを見たときに「天帝」とあり「また人間じゃない役か」と思いました(笑)。でもそれがまた、とても面白いと感じ、ここまで想像力の端っこまで勝負してくれる企画って、人生でそんなにないですよね、映画でもドラマでも。自分にはどこまでできるかわからなかったですけど、ぜひ参加させていただきたいという想いでした。

TENDRE:撮影の現場の空気感は和気あいあいとしていたんですか?

大沢:(始まって)10年と聞いていて、本当に現場の空気が馴染んでいて、みんなが当たり前のようにスッと本番に入るんですよね。そこに突然、僕みたいなインパクトの強い「天帝」が、あの格好で登場したから、みんながとても気を遣ってくれました(笑)。

TENDRE:「本物が降臨している」みたいになりますよね。

大沢:並んで写真を撮っても、どう考えても僕だけ違和感があるので「大丈夫ですか?」と、監督に何度か確認しました。

TENDRE:すさまじい存在感でしたから。

大沢:あの格好ですからね(笑)。撮影だけではなく、準備にもとても驚かされました。衣装合わせは2度、本当は3度やりたいというぐらいでした。わずか15秒、30秒の短い時間のために、たくさんの人たちがこだわり、時間をかけて作っているんだなと。人気の秘訣がわかりました。

「いま」を一生懸命に

最後に、「夢や目標を叶えるためにご自身が大切にされていること」について訊かれ、大沢はこう答えた。

大沢:僕は意外となくて。もちろん、プロジェクトに入ると成績を求められることはあります。それは仕事上の結果ですけど、みなさんと同じで仕事なので。自分の生きている目標や夢は、僕は「いま」がすごく大事だと感じています。なにか目標を持って頑張って、がむしゃらにやっていると「いま」は完璧じゃないというということになる。だけど僕は、とにかく「いま一生懸命」がすごく楽しいんです。「今日はいい1日だったな」と思うんです。そのほうが僕は大切で。きっと目標を持っても、そこをクリアしてもまた次の目標が出てきてしまうので。それは仕事上の部分だけで僕はいいかなと思っていて。いわゆる数字で解決できるような目標になるんだけど、それ以外はたとえば現場で絶対に悔いのないような表現を必ずするとか、自分のベストを尽くす。日常生活だったら食べるものをちゃんとおいしいと思うとか、当たり前のことなんですが、そういうことが僕はすごく輝いて見えて。20代のころはそんなことを思わなかったから、歳を取ったのかなとは思いますけど。「いま」いること、それが自分にとっては最高の夢だし、目的だし、目標ではあるんです。

TENDRE:なるほど、「いま」ですね。

田中:目の前の選択に迷ったときはどうしますか?

大沢:これも本当に難しくて。特に仕事ですよね。おそらく仕事のプロジェクトがたくさんあって、それはもう本当に最後まで悩み尽くします。たとえば、「その仕事をやります」と言うと、そこでプロジェクトが動き出す。そうするとたくさんの人と多くのお金がかかってきてしまう。なんとなく自分の好き嫌いで片づけられなくなってしまうので、そこはギリギリまで「どうなんだろう?」と考えます。でも、最初にパッと思ったことがだいたい正しくて。

TENDRE:直感ですか?

大沢:これは直感なのかな。みなさんもあると思いますが、一瞬「いいな」と思うんです。一瞬「よくないな」と思う場合は、その1秒、2秒後ぐらいから打算が働くんです(笑)。「やったらこんないいことあるかも」とか「こうなったらこんなふうになるかも」と感じた瞬間、僕は選択を間違えます。だから、最初に聞いた瞬間、読んだ瞬間に、「いいな」と思うか。たとえばauさんの広告も、パッと見たら「天帝」が印象に残った。その瞬間に、「面白い」と思いません?

TENDRE:インパクトはデカいです。

大沢:そのあとに「これ、本当にやって大丈夫かな」みたいに不安にもなるんです(笑)。でも最初に見たとき、なにかわからないけどわくわくしました。そこに計算も自分のキャリアがどうこうとかはなくて。「こういう人間じゃない役をやり続けて、俳優としていいんだろうか」と。でも関係ない、やっぱり最初に思ったときに打算もなにもないときのほうが、だいたい自分はいつも自分をいい方向に導いてもらっているなと、選択に迷ったときは感じます。

大沢たかおの最新情報は公式サイトまで。

人、街、そして、音楽やカルチャーでつながる「ワクワクする未来」を描くプログラム『KDDI LINKSCAPE』は毎週土曜16時からオンエア。

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