2024年10月からスタートしたJ-WAVEの新番組『GURU GURU!』(毎週月曜~木曜 22:00-24:00)。世間の常識や多数派の声、あたりまえの事実をあえて逆の視点と発想で考えていく"逆転ラジオ"だ。「推しと恋の違いとは」「お金は使うべきか貯めるべきか」など、ふとしたときに気になることをテーマに設定。ナビゲーターは曜日ごとに異なり、月曜日は加賀 翔(かが屋)、火曜日はダウ90000、水曜日は福留光帆と前田裕太(ティモンディ)、木曜日はエバースだ。
今回は、水曜ナビゲーターである福留&前田にインタビューを実施。当初はお互いについて「好きでも嫌いでもない」(前田)、「この人とどうやって仲良くなったらいいんだろう」(福留)と感じていたそうだが、今やSNSではナイスコンビと評する声も。そんなふたりに、お互いに対して感じていることや、番組で目指すものなどを訊いた。(J-WAVE NEWS編集部)
福留光帆(以下、福留):今回はオーディションという形で。まず最初にデモテープを送ってそこから選考が始まる流れでした。J-WAVEに来て、3つくらいのテーマから1つを選んで15分間喋ってくださいと。最初は「どうなるんだろう?」という気持ちが大きかったし、正直、選ばれるとは全く思っていなくて。決まったと連絡が来たときは嬉しかったですね。
前田裕太(以下、前田):僕は“飲み会との付き合い方”というテーマでオーディションに参加しました。六本木が一望できるこのスタジオには似合わない内容だなと思いつつ(笑)。話のトーンとしては、カチッと喋ることもできますが、くだけたトークもラジオの醍醐味だから、迷う部分がありました。個人的なイメージとしてJ-WAVEはトークよりも音楽の印象が強かったこともあって、こういうテイストの番組をやることがイメージできなくて、楽しみという気持ちはある反面で「どういうつもり?」と思ったり(笑)。オーデイションのときは多方面に攻撃的なことを言っていましたし、でもそれで受かったのならよかったのかな。選ばれた理由も、なぜこのふたりなのかもわからないままここにいますね。
福留:実は、私はJ-WAVEを知らなかったんですよ。
前田:あはは(笑)。まあ、まだ21歳だし、決まったときは20歳だったしね?
福留:J-WAVEで新番組のラジオがあるからということでオーディションに呼ばれたけど、「J-WAVEって何だ?」という感じで。ラジオ自体、好きな芸人さんの番組を聴いたことがあるかなくらいなので。
――そんななか、ラジオのお仕事をやることになりましたが、いかがですか?
福留:ちょうど、10月からGERAさんでも冠ラジオ番組がスタートしたんですけど、そこでひとりで喋ることに慣れてしまっていたので、人と喋るってどんな感じなんだろうと思いました。もちろんゲストに呼ばれてMCの方とお話する機会はこれまでもあったんですけど、この全く知らない人と毎週2時間も何を喋んねん!と思って。
前田:もっとあるだろ! 言い方が!
福留:初めて前田さんと喋ったときも超不安で! この人とどうやって仲良くなったらいいんだろう、ガードが堅すぎるやろ!という感じだったんですけど、いまはもうホームですね。毎週楽しいし、超好きです。守りたいです、この場所を!
前田:J-WAVEを聴いたこともなかったくせに(笑)。
福留:ずっとここで喋っていたい!
――(笑)。前田さんはもともとラジオはお好きだったんですか?
前田:新しく始まった番組やPodcastも含めて全般的に聴いていますね。Podcastで知らないOLさんの番組を聴いていたりもして……。
福留:暇やな〜。
前田:体は忙しいけど、耳は暇なんでね!
前田:J-WAVEのファンの方に「この番組ってどうなんだろう?」と思われる可能性が全然あるなというか。「こっちは野球を観に来たんだけど急にボールを蹴られても」みたいな(笑)。
福留:確かに! うまいな、例え!
前田:いつものJ-WAVEのテイストとは異なるから受け入れてもらえるのか不安ではあったんですけど、前の枠だった『SONAR MUSIC』のナビゲーター・あっこゴリラさんが「私も新しく番組を持ったときにすごく叩かれたから、次の枠の子たちには攻撃的なメッセージを送らないでね」とおっしゃってくれていて。その言葉があったからなのか、そもそもリスナーさんに愛があるのか、すごくやりやすくさせてもらっています。普段はJ-WAVEを聴かない方も聴いてくれている感覚があります。
福留:最高です〜!
前田:最初はそんなこと思ってなかっただろ!
福留:最初はそうですね。どうなるか本当にわからなかったし、未知数でした。でも、1回目の放送が終わってこのふたりで行けるなと確信しました。これまでいじられることってなかったんですけど、前田さんはいじってくれるし、攻守交代して話していくなかで、本当に野球のように1回表・1回裏のようにトークを繰り返していて、どちらかが毒を吐いて、カバーする、その様子が瞬く間に交代していく感じがすごく楽しい。前田さんは。自分の周りにはいないタイプで、人間的にもこんな人はいないし!
前田:それだと、悪いニュアンスで受け取られるよ。もうちょっといい言葉を補足して!
福留:こんなふてくされた方はいない……。
前田:悪い言葉じゃないか!
福留:(笑)。でも逆にそれが楽しいんです。お互い人間として似ている気がするので、意外と意気投合じゃないですけど、わかり合える部分もあって……。
前田:鼻で笑いながら言うなよ(笑)。
福留:もうお兄ちゃんみたいな感覚です。ときどき敬語とかも忘れているし(笑)。
前田:それは気をつけろ!
福留:こういうことを言ってくれる人もあまりいないので嬉しいです。
――番組のスタート当初、前田さんのことを未知の生物とおっしゃっていましたが、今はどうですか?
福留:本当に未知の生物でしたからね。前田さんが32歳で、出会ったとき私は20歳──つい1ヶ月前くらいの話ですけど(笑)。その歳で私の前で堂々とふてくされているわけですから! ただ、いい意味で、我が強い! お互い、我が強いので、いまはラーメンとチャーハンみたいな感じですかね。セットで食べたらよりおいしい。そんな感じです。これ、めっちゃいい例えじゃないですか?
前田:そういうのは、自分で言わないのがオシャレだから!
福留:でも、本当にそんな感じ。単品でもおいしいし、合わせたらもっとおいしい! いいな〜、完璧な例えです!
前田:最初は、いわゆる元アイドルという時点で苦手だな……という。
福留:最初はね?! 今が大事なので!
前田:今もときおり「アイドルやってんな〜」と感じる瞬間もありますけど(笑)。ただ、個人的にはJ-WAVEの意図もいろいろ考えながら、どういうことを求めて僕が選ばれたのか、このふたりなのかとなったとき、僕が普通に受けに回ることもできると思うんですけど、だったら、ほかにもいただろうと思うんです。だから、僕もどうなるかはわからないけど、0か100かみたいな放送になってもいいかなと思って、どうにでもなれの第1回でしたね(笑)。
福留:そんな気持ちでやってたんだ!
前田:半分、自暴自棄というかね(笑)。福留氏は、言葉を選ばずに言うなら達者というか。下手な芸人よりは、よほどやりやすい。ただ達者だなというところは、ある意味でスターとも言えるんですけど、福留氏がもしも周りのことを気にせず我が道を走り続けられる人だったら、確実に僕が受けになっていたと思うんですけど、彼女はバランスよく周りを見ることができる。結果として聴くにたえない第1回になる可能性もあったなかで、福留氏の存在には救われましたね。
福留:へえ〜、そうか(笑)。
前田:本当はもっといい言葉がありましたけど、彼女が図に乗らない程度の言葉で収めました(笑)。
福留:こういうところも全部、見透かされているんですよね。
――それが逆にやりやすかったり?
福留:前田さんは洞察力というか、勘がものすごくいいんです。周りのことを見ているし、ほかの曜日の並びのことも考えている。隣にそういう人がいるからこそ私が自由にできる。すごくありがたい存在。本当に前田さんとで良かったなと思ってます。
前田:なんかこの褒め合う時間、嫌だな〜。
前田:いやあ、まだ他人ですよ(笑)。ただ、嫌いではないかな。
福留:これ、嬉しいんですよ。最初は何も感情がないと言っていた前田さんが、2回目の放送が終わったときくらいかな、私について改めて訊いたら「一緒にいるのが苦じゃない」と言ってくれて! それがめちゃくちゃ嬉しかった。ツンデレさんなんです!
――番組が始まって1ヶ月が経過しましたが、手応えはありますか?
前田:ほかの仕事だと、自分はキャッチャー的な役回りになることが多いので、このラジオは自由にできて楽しいです。この場所を大きくできたらいいなと思える。ここ最近、「ラジオはもう終わり」という風潮もありましたけど、結局、力があると思うんです。だからこそ、J-WAVEといったら『GURU GURU!』と言ってもらえるような、「おもしろいことやってるらしいじゃん」と言われるようなことができたらなと。
――ほかの番組だと、ティモンディとして相方の高岸さんと出演する機会が多いなかで、今回は前田裕太個人としてやれていることが、自由度の高さに繋がっている?
前田:福留氏と一緒だからということは関係があると思います。ほかの人だと結局、キャッチャー的な立ち回りになると思う。
福留:これ、カップルのインタビューみたいになってません?
前田:なってません(笑)。気にしなくていいというのが楽です。
――ベストコンビだったということですね?
前田:どうなんですかね〜? もっとベストな相手がお互いにいたかもしれないけど(笑)。
福留:これ以上はないですよ。だいぶ相思相愛ですから。
――福留さんはどう手応えを感じていますか?
福留:自分のファンの方たちが前田さんとのコンビがいいと言ってくださるんですよ。「福留ちゃんが受け手に回っているのも新鮮」、「暴走しても前田さんがどうにかしてくれる」みたいな。みなさん、このコンビに信頼を置いてくれている。手応えというより、ただただ自分が楽しいだけですね(笑)。ずっとこの番組が続けばいいなと思います。
――年齢差が11歳離れているわけですけど、年上・年下と絡むことについてはどう考えていますか?
前田:たまに出す単語や例えに「はて?」という顔をされることが多々ありますね。でも、これって僕らの世代(※前田は1992年生まれ)が、例えばキン肉マンの例えを聞いてもピンと思うのと同じことなのかなと思ったり(笑)。知識をアップデートしていかないといけないなと思う反面、自分の例えを押し付けたいと思うときもあります。とはいえ、この人も関係なく話してくるので。
福留:基本、私はボートの話しかしないので(笑)。
前田:そうそう(笑)。そういう意味では何を言っても構わないという感じではあるんですけど、改めて(年代差を)考えさせられる部分ではありますね。
――福留さんはいかがですか?
福留:お仕事で絡む人も年上の方が多いですし、逆に年下や同年代と関わることがあまり上手ではないので、ちょうどいいです。むしろ、同い年だと思ってます。そんな感覚で年上だからひるむとかはないですね! 前田さんだし!
福留:最近、初めてバンドのライブを観に行きました! ラランドのサーヤさんがボーカルを務める礼賛というバンドのライブに行ったんですけど、生演奏の迫力に衝撃を受けました。イントロも生で聴くことで味が全然違う! 1曲目からずっと口が開きっぱなしで喉が乾いちゃいました!
前田:いや、口は閉じろよ!
福留:(笑)。生の音楽っていいなと思ったので、これからいろんなライブにも行きたいですし、J-WAVEで好きな曲を見つけたいです!
前田:ずっとラジオを聴いてきた身からすると、自分が選んだ曲が初めて流れたときは感動しました。ぐっときたというか、自分もこっち側に立ったんだなと感慨深かった。でも、なぜかわからないけどそのときに選曲したのが、アニメ『忍たま乱太郎』のED曲の「四方八方肘鉄砲」。もっとあっただろうと自分でも思いつつ、曲を振って、曲が流れて、それを受けてという経験はずっと残っていますね。高岸なんか、泣いてましたからね(笑)。
福留:なぜ?
前田:ふたりで昔、ラジオごっこをやっていたんですよ。白いお手拭きをお便りに見立てて、「お便り、誰々さんから」と遊んでいたんですよね。
――いいお話ですね。それは野球の練習終わりとかに?
前田:引退してからです。いろんなラジオに支えられてというか。来週この曜日にあの番組があるからもうちょっと頑張ろうと思えていた。甲子園も行けず、生きる気力がないなかでラジオが楽しみで生き永らえている節が自分には少しあったので、『GURU GURU!』も誰かのそういう存在になれたらなと思います。
前田:僕は、ラジオって盛り上がってるじゃんと思わせたい。いろんな人を取り込んで大きく、ゆくゆくは武道館?
福留:東京ドームでしょ! 私も前田さんと同じでもっと大きくして、リスナーさんと作り上げる『GURU GURU!』のイベントをやりたいですね!
――夢は大きいですね!
福留:だいぶ大きいです。ラジオのファンの方ってすごく根強いと思うから、そういう人たちをどんどん増やして、番組を盛り上げたいですね。欲を言えば、水曜日のリスナーさんがたくさん増えてほしい(笑)。ちなみに、なぜこのインタビューに水曜日が選ばれたのかだけ教えてもらっていいですか!?
前田:そんなこと聞かなくていいよ(笑)。
福留:(笑)。でも、みんなで切磋琢磨していきたいですよね。
前田:そうだね! だって、並びを見たらみんなオシャレだぜ? こんな野良犬みたいなのは水曜日しかない(笑)。
――野良犬って(笑)。そんなことないですよ! それでは最後に視聴者の方へ向けて番組の魅力について教えてください!
前田:どうですか? 福留さん!
福留:月曜から木曜まで、同じ『GURU GURU!』という番組ではあるんですけど、カラーはまるっきり違います。例えるなら、アイスにもいろんな味があるように『GURU GURU!』にもいろんな味があると思うので、みんなの好きな味を見つけていただけたらなと! ちなみに水曜日はバニラ味です! 王道!
前田:水曜日はいちばん変な味だろ! 異端児だよ、俺たちは。
福留:マックだとビッグマック。いちばんおいしいし、いちばんお腹がいっぱいになる。守っていきたいので、協力してください、みなさん! お願いします。
前田:水曜日が楽しみになるようにしたいと思っています。そして「J-WAVEっておもしろいことをしているらしいじゃん」と僕らがやっている行動から言われるようになっていくのが理想。聴いていて損のない放送にしていくつもりですし、極論、クラスの誰かにオススメできるような番組、水曜の楽しみを提供したいです。
福留:詩人やな〜。
前田:僕自身、ラジオを聴きながらひとり悶々とした夜を明かしたことがあるし、こんな楽しい曜日があるなら別にひとりでも構わないと思えたりもしたから。世の中に不安を持ったこのふたりにシンパシーを感じる人も多いと思うので、着いてきてもらえたらと思います。行けるとこまで行けたらと思っています!
(取材・文=笹谷 淳介)
オンエア開始から一週間、radikoタイムフリー機能で楽しめます。
今回は、水曜ナビゲーターである福留&前田にインタビューを実施。当初はお互いについて「好きでも嫌いでもない」(前田)、「この人とどうやって仲良くなったらいいんだろう」(福留)と感じていたそうだが、今やSNSではナイスコンビと評する声も。そんなふたりに、お互いに対して感じていることや、番組で目指すものなどを訊いた。(J-WAVE NEWS編集部)
オーディションで話したことは?
――番組に出演することが決まったときの気持ちは?福留光帆(以下、福留):今回はオーディションという形で。まず最初にデモテープを送ってそこから選考が始まる流れでした。J-WAVEに来て、3つくらいのテーマから1つを選んで15分間喋ってくださいと。最初は「どうなるんだろう?」という気持ちが大きかったし、正直、選ばれるとは全く思っていなくて。決まったと連絡が来たときは嬉しかったですね。
前田裕太(以下、前田):僕は“飲み会との付き合い方”というテーマでオーディションに参加しました。六本木が一望できるこのスタジオには似合わない内容だなと思いつつ(笑)。話のトーンとしては、カチッと喋ることもできますが、くだけたトークもラジオの醍醐味だから、迷う部分がありました。個人的なイメージとしてJ-WAVEはトークよりも音楽の印象が強かったこともあって、こういうテイストの番組をやることがイメージできなくて、楽しみという気持ちはある反面で「どういうつもり?」と思ったり(笑)。オーデイションのときは多方面に攻撃的なことを言っていましたし、でもそれで受かったのならよかったのかな。選ばれた理由も、なぜこのふたりなのかもわからないままここにいますね。
福留:実は、私はJ-WAVEを知らなかったんですよ。
前田:あはは(笑)。まあ、まだ21歳だし、決まったときは20歳だったしね?
福留:J-WAVEで新番組のラジオがあるからということでオーディションに呼ばれたけど、「J-WAVEって何だ?」という感じで。ラジオ自体、好きな芸人さんの番組を聴いたことがあるかなくらいなので。
――そんななか、ラジオのお仕事をやることになりましたが、いかがですか?
福留:ちょうど、10月からGERAさんでも冠ラジオ番組がスタートしたんですけど、そこでひとりで喋ることに慣れてしまっていたので、人と喋るってどんな感じなんだろうと思いました。もちろんゲストに呼ばれてMCの方とお話する機会はこれまでもあったんですけど、この全く知らない人と毎週2時間も何を喋んねん!と思って。
前田:もっとあるだろ! 言い方が!
福留:初めて前田さんと喋ったときも超不安で! この人とどうやって仲良くなったらいいんだろう、ガードが堅すぎるやろ!という感じだったんですけど、いまはもうホームですね。毎週楽しいし、超好きです。守りたいです、この場所を!
前田:J-WAVEを聴いたこともなかったくせに(笑)。
福留:ずっとここで喋っていたい!
――(笑)。前田さんはもともとラジオはお好きだったんですか?
前田:新しく始まった番組やPodcastも含めて全般的に聴いていますね。Podcastで知らないOLさんの番組を聴いていたりもして……。
福留:暇やな〜。
前田:体は忙しいけど、耳は暇なんでね!
普段はJ-WAVEを聴かない人も巻き込んで盛り上がり中!
――実際に番組をやってみていかがですか?前田:J-WAVEのファンの方に「この番組ってどうなんだろう?」と思われる可能性が全然あるなというか。「こっちは野球を観に来たんだけど急にボールを蹴られても」みたいな(笑)。
福留:確かに! うまいな、例え!
前田:いつものJ-WAVEのテイストとは異なるから受け入れてもらえるのか不安ではあったんですけど、前の枠だった『SONAR MUSIC』のナビゲーター・あっこゴリラさんが「私も新しく番組を持ったときにすごく叩かれたから、次の枠の子たちには攻撃的なメッセージを送らないでね」とおっしゃってくれていて。その言葉があったからなのか、そもそもリスナーさんに愛があるのか、すごくやりやすくさせてもらっています。普段はJ-WAVEを聴かない方も聴いてくれている感覚があります。
トークで攻守交代する関係性が「すごく楽しい」
――なるほど。このコンビについてはどう考えていますか?福留:最高です〜!
前田:最初はそんなこと思ってなかっただろ!
福留:最初はそうですね。どうなるか本当にわからなかったし、未知数でした。でも、1回目の放送が終わってこのふたりで行けるなと確信しました。これまでいじられることってなかったんですけど、前田さんはいじってくれるし、攻守交代して話していくなかで、本当に野球のように1回表・1回裏のようにトークを繰り返していて、どちらかが毒を吐いて、カバーする、その様子が瞬く間に交代していく感じがすごく楽しい。前田さんは。自分の周りにはいないタイプで、人間的にもこんな人はいないし!
前田:それだと、悪いニュアンスで受け取られるよ。もうちょっといい言葉を補足して!
福留:こんなふてくされた方はいない……。
前田:悪い言葉じゃないか!
福留:(笑)。でも逆にそれが楽しいんです。お互い人間として似ている気がするので、意外と意気投合じゃないですけど、わかり合える部分もあって……。
前田:鼻で笑いながら言うなよ(笑)。
福留:もうお兄ちゃんみたいな感覚です。ときどき敬語とかも忘れているし(笑)。
前田:それは気をつけろ!
福留:こういうことを言ってくれる人もあまりいないので嬉しいです。
――番組のスタート当初、前田さんのことを未知の生物とおっしゃっていましたが、今はどうですか?
福留:本当に未知の生物でしたからね。前田さんが32歳で、出会ったとき私は20歳──つい1ヶ月前くらいの話ですけど(笑)。その歳で私の前で堂々とふてくされているわけですから! ただ、いい意味で、我が強い! お互い、我が強いので、いまはラーメンとチャーハンみたいな感じですかね。セットで食べたらよりおいしい。そんな感じです。これ、めっちゃいい例えじゃないですか?
前田:そういうのは、自分で言わないのがオシャレだから!
福留:でも、本当にそんな感じ。単品でもおいしいし、合わせたらもっとおいしい! いいな〜、完璧な例えです!
「福留氏の存在には救われました」その理由
――前田さんは福留さんとご一緒していかがでしょう?前田:最初は、いわゆる元アイドルという時点で苦手だな……という。
福留:最初はね?! 今が大事なので!
前田:今もときおり「アイドルやってんな〜」と感じる瞬間もありますけど(笑)。ただ、個人的にはJ-WAVEの意図もいろいろ考えながら、どういうことを求めて僕が選ばれたのか、このふたりなのかとなったとき、僕が普通に受けに回ることもできると思うんですけど、だったら、ほかにもいただろうと思うんです。だから、僕もどうなるかはわからないけど、0か100かみたいな放送になってもいいかなと思って、どうにでもなれの第1回でしたね(笑)。
福留:そんな気持ちでやってたんだ!
前田:半分、自暴自棄というかね(笑)。福留氏は、言葉を選ばずに言うなら達者というか。下手な芸人よりは、よほどやりやすい。ただ達者だなというところは、ある意味でスターとも言えるんですけど、福留氏がもしも周りのことを気にせず我が道を走り続けられる人だったら、確実に僕が受けになっていたと思うんですけど、彼女はバランスよく周りを見ることができる。結果として聴くにたえない第1回になる可能性もあったなかで、福留氏の存在には救われましたね。
福留:へえ〜、そうか(笑)。
前田:本当はもっといい言葉がありましたけど、彼女が図に乗らない程度の言葉で収めました(笑)。
福留:こういうところも全部、見透かされているんですよね。
――それが逆にやりやすかったり?
福留:前田さんは洞察力というか、勘がものすごくいいんです。周りのことを見ているし、ほかの曜日の並びのことも考えている。隣にそういう人がいるからこそ私が自由にできる。すごくありがたい存在。本当に前田さんとで良かったなと思ってます。
前田:なんかこの褒め合う時間、嫌だな〜。
だけど「いやあ、まだ他人ですよ(笑)」
――ちなみに前田さんは、福留さんのことを好きでも嫌いでもないと当初はおっしゃっていましたけど、現在はいかがですか? 先ほど福留さんはお兄ちゃんみたいな感覚と言われました。前田:いやあ、まだ他人ですよ(笑)。ただ、嫌いではないかな。
福留:これ、嬉しいんですよ。最初は何も感情がないと言っていた前田さんが、2回目の放送が終わったときくらいかな、私について改めて訊いたら「一緒にいるのが苦じゃない」と言ってくれて! それがめちゃくちゃ嬉しかった。ツンデレさんなんです!
――番組が始まって1ヶ月が経過しましたが、手応えはありますか?
前田:ほかの仕事だと、自分はキャッチャー的な役回りになることが多いので、このラジオは自由にできて楽しいです。この場所を大きくできたらいいなと思える。ここ最近、「ラジオはもう終わり」という風潮もありましたけど、結局、力があると思うんです。だからこそ、J-WAVEといったら『GURU GURU!』と言ってもらえるような、「おもしろいことやってるらしいじゃん」と言われるようなことができたらなと。
――ほかの番組だと、ティモンディとして相方の高岸さんと出演する機会が多いなかで、今回は前田裕太個人としてやれていることが、自由度の高さに繋がっている?
前田:福留氏と一緒だからということは関係があると思います。ほかの人だと結局、キャッチャー的な立ち回りになると思う。
福留:これ、カップルのインタビューみたいになってません?
前田:なってません(笑)。気にしなくていいというのが楽です。
――ベストコンビだったということですね?
前田:どうなんですかね〜? もっとベストな相手がお互いにいたかもしれないけど(笑)。
福留:これ以上はないですよ。だいぶ相思相愛ですから。
――福留さんはどう手応えを感じていますか?
福留:自分のファンの方たちが前田さんとのコンビがいいと言ってくださるんですよ。「福留ちゃんが受け手に回っているのも新鮮」、「暴走しても前田さんがどうにかしてくれる」みたいな。みなさん、このコンビに信頼を置いてくれている。手応えというより、ただただ自分が楽しいだけですね(笑)。ずっとこの番組が続けばいいなと思います。
――年齢差が11歳離れているわけですけど、年上・年下と絡むことについてはどう考えていますか?
前田:たまに出す単語や例えに「はて?」という顔をされることが多々ありますね。でも、これって僕らの世代(※前田は1992年生まれ)が、例えばキン肉マンの例えを聞いてもピンと思うのと同じことなのかなと思ったり(笑)。知識をアップデートしていかないといけないなと思う反面、自分の例えを押し付けたいと思うときもあります。とはいえ、この人も関係なく話してくるので。
福留:基本、私はボートの話しかしないので(笑)。
前田:そうそう(笑)。そういう意味では何を言っても構わないという感じではあるんですけど、改めて(年代差を)考えさせられる部分ではありますね。
――福留さんはいかがですか?
福留:お仕事で絡む人も年上の方が多いですし、逆に年下や同年代と関わることがあまり上手ではないので、ちょうどいいです。むしろ、同い年だと思ってます。そんな感覚で年上だからひるむとかはないですね! 前田さんだし!
思い出に残る音楽体験
――本当にナイスコンビですね! J-WAVEは音楽に力を入れている局ですが、思い出に残る音楽体験はありますか?福留:最近、初めてバンドのライブを観に行きました! ラランドのサーヤさんがボーカルを務める礼賛というバンドのライブに行ったんですけど、生演奏の迫力に衝撃を受けました。イントロも生で聴くことで味が全然違う! 1曲目からずっと口が開きっぱなしで喉が乾いちゃいました!
前田:いや、口は閉じろよ!
福留:(笑)。生の音楽っていいなと思ったので、これからいろんなライブにも行きたいですし、J-WAVEで好きな曲を見つけたいです!
前田:ずっとラジオを聴いてきた身からすると、自分が選んだ曲が初めて流れたときは感動しました。ぐっときたというか、自分もこっち側に立ったんだなと感慨深かった。でも、なぜかわからないけどそのときに選曲したのが、アニメ『忍たま乱太郎』のED曲の「四方八方肘鉄砲」。もっとあっただろうと自分でも思いつつ、曲を振って、曲が流れて、それを受けてという経験はずっと残っていますね。高岸なんか、泣いてましたからね(笑)。
福留:なぜ?
前田:ふたりで昔、ラジオごっこをやっていたんですよ。白いお手拭きをお便りに見立てて、「お便り、誰々さんから」と遊んでいたんですよね。
――いいお話ですね。それは野球の練習終わりとかに?
前田:引退してからです。いろんなラジオに支えられてというか。来週この曜日にあの番組があるからもうちょっと頑張ろうと思えていた。甲子園も行けず、生きる気力がないなかでラジオが楽しみで生き永らえている節が自分には少しあったので、『GURU GURU!』も誰かのそういう存在になれたらなと思います。
目指すは東京ドーム!?
――今後、ラジオでやりたいことはありますか?前田:僕は、ラジオって盛り上がってるじゃんと思わせたい。いろんな人を取り込んで大きく、ゆくゆくは武道館?
福留:東京ドームでしょ! 私も前田さんと同じでもっと大きくして、リスナーさんと作り上げる『GURU GURU!』のイベントをやりたいですね!
――夢は大きいですね!
福留:だいぶ大きいです。ラジオのファンの方ってすごく根強いと思うから、そういう人たちをどんどん増やして、番組を盛り上げたいですね。欲を言えば、水曜日のリスナーさんがたくさん増えてほしい(笑)。ちなみに、なぜこのインタビューに水曜日が選ばれたのかだけ教えてもらっていいですか!?
前田:そんなこと聞かなくていいよ(笑)。
福留:(笑)。でも、みんなで切磋琢磨していきたいですよね。
前田:そうだね! だって、並びを見たらみんなオシャレだぜ? こんな野良犬みたいなのは水曜日しかない(笑)。
――野良犬って(笑)。そんなことないですよ! それでは最後に視聴者の方へ向けて番組の魅力について教えてください!
前田:どうですか? 福留さん!
福留:月曜から木曜まで、同じ『GURU GURU!』という番組ではあるんですけど、カラーはまるっきり違います。例えるなら、アイスにもいろんな味があるように『GURU GURU!』にもいろんな味があると思うので、みんなの好きな味を見つけていただけたらなと! ちなみに水曜日はバニラ味です! 王道!
前田:水曜日はいちばん変な味だろ! 異端児だよ、俺たちは。
福留:マックだとビッグマック。いちばんおいしいし、いちばんお腹がいっぱいになる。守っていきたいので、協力してください、みなさん! お願いします。
前田:水曜日が楽しみになるようにしたいと思っています。そして「J-WAVEっておもしろいことをしているらしいじゃん」と僕らがやっている行動から言われるようになっていくのが理想。聴いていて損のない放送にしていくつもりですし、極論、クラスの誰かにオススメできるような番組、水曜の楽しみを提供したいです。
福留:詩人やな〜。
前田:僕自身、ラジオを聴きながらひとり悶々とした夜を明かしたことがあるし、こんな楽しい曜日があるなら別にひとりでも構わないと思えたりもしたから。世の中に不安を持ったこのふたりにシンパシーを感じる人も多いと思うので、着いてきてもらえたらと思います。行けるとこまで行けたらと思っています!
(取材・文=笹谷 淳介)
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2024年11月27日28時ごろ
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