モデルでタレントのアン ミカが、ルーツである韓国でのエピソードやソウルのおすすめスポットを語った。
アン ミカが登場したのは、ゲストに様々な国での旅の思い出を聞く、J-WAVEで放送中の番組『ANA WORLD AIR CURRENT』(ナビゲーター:葉加瀬太郎)。オンエアは9月2日(土)。
葉加瀬:生まれは韓国で、大阪は何歳からですか?
アン:韓国の5歳で日本の4歳のときに、家族みんなで日本に来たんですけど、大阪生野区の鶴橋・桃谷っていうリトルコリアタウンみたいな、韓国の人たちがたくさん住んでるところがあって、近所の人たちにかわいがられて。『ALWAYS 三丁目の夕日』みたいな文化が今も残ってるので、雨が降ったら近所の人が洗濯物を家に入って取り込んでくれるっていうような、すごくいい場所で育ちました。
葉加瀬:何歳まで大阪にいたの?
アン:39歳ですね。今、52歳なんですけど、13年前に東京に出てきて、まだ東京で右も左もわからなくて、40歳前で東京で仕事していけるのかなってときに、この番組に呼んでいただけてすごくうれしかったのを覚えています。
葉加瀬:最近は韓国に行かれたりしてますか。
アン:先日、自分の第2の故郷を旅する番組でソウルに行かせていただいて。
アンは韓国の済州島も第2の故郷だと話しつつ、記憶が強いのは2002年に日本と韓国で共同開催されたサッカーワールドカップだと言う。
アン:ちょうどワールドカップの半年前から1年と少し(ソウルに)留学をしてたんですね。母が早くに亡くなって、父に「モデルをやりたい」って15歳で伝えたときに、必ず勉学と両立っていう条件があったんですけど、私が大学に行かずにどうしてもモデル1本で可能性にかけたいっていう相談をしたら、ちゃんと新聞を読んで資格を取って、モデルがダメになっても時代と手を繋いで人の役に立てる資格を取るっていうことを約束にモデルになったんですけど。
葉加瀬:なるほど。
アン:パリコレに出て勘当されてたけど、実家に帰って認めてもらえて。でも父が2002年のワールドカップの前年に急死したんですね。そのときもまだ、「知名度が上がっても調子に乗らず、新聞をいつも読んで、モデル以外の視点を持って社会的に役に立てる人間になる」っていう約束だったんですけど、ありがたく忙しくさせていただいた20代後半は、3年ほど資格も取らず新聞も読まず、ふわっと忘れてたんですよね。
そのタイミングでアンの父が亡くなり、アンの家族は済州島へ両親の墓を作りに行ったという。
アン:幼少期に話していた韓国語は日本の教育ですっかり忘れて、両親も日本の生活に馴染むのに子どもの前では日本語だったので、次の日韓ワールドカップが来るのはわかっていたのに、もうちょっとしてから韓国語を勉強しようって先延ばしにしていたときに父が亡くなって。韓国に行ってそこで初めて両親のルーツを親戚に訊きたくても言葉がちゃんと話せない。家族の誰かが韓国語を話せて国のルーツを正しく知りたいなっていうのを思い出して、どうしても留学したいと思って行きました。
葉加瀬:モデルになるっていう夢を果たしたあとのステップっていうことですよね。
アン:今ではお子さんを産んだあとのママタレとかママモデルとかいろんな名称があって市民権を得てる、それを今の時代に言うのはおかしいんですけど、時代って本当に早くて、20年前ってモデルは30歳まで、30歳を超えたら生活感が出るとか、結婚したらとか子どもを産んだらとかっていういろんなカテゴリーが強かったんですよ。
葉加瀬:わかる。なんとなくそうね。
アン:ちょうどモデルとして次のステップを踏み出しましたし、今のところは大阪ではすごく忙しい。そこにちょっとあぐらをかいていた部分があったんですよね。韓国に行ってみて18歳のクラスメイトに「アン ミカちゃんだから『ミカリン』って呼ぶね」って言われたときにカチンと来てしまって。
葉加瀬:あはは(笑)。
アン:15歳からモデルやってると、みんな敬語だったので。
葉加瀬:光輝いてたもんね(笑)。
アン:ありがとうございます(笑)。だから調子に乗っていたなって気付けた韓国留学で。そうだ、ここに来たらみんながクラスメイトで、私は1人の30歳のアン ミカなのに、自分で自分を特別な位置にカテゴライズして勘違いする人生だったと気付けた。韓国留学に行ってよかったです。
話題は最近のソウルのおすすめスポットについて。アンがおすすめを紹介した。
アン:昔から好きで、今変化を遂げてもやっぱり美しいなって思うのが三清洞(サムチョンドン)です。ここはドラマなんかでも使われる景福宮(キョンボックン)っていう王様が住んでた宮廷や、近くに青瓦台(チョンワデ)って大統領が住まう邸宅があったり、昔の貴族が住んでいた昔ながらの邸宅がそのまま棚田のように残っていて、1つ1つがリノベーションされてパン屋さんになってたりカフェになってたり。みんながオシャレに西洋とアジアのドッキング、情報が入っていて、すごく韓国らしさもありながら、今の韓国の旬なものもある。あと現代美術の街なので小さいギャラリーがたくさんあるんですね。ここはすごく大人ですし、流行りもわかるし、芸能人にも会えますし。
葉加瀬:あはは(笑)。
アン:いろんな意味で素敵です。レンタルチョゴリを着たら、みんなスタイルがよく見えるし、おなかいっぱいになってもわからないから。風通しもよくて暑くても寒くてもいい。これで写真を撮ったりできるのが大好き。汝矣島(ヨイド)っていう場所はテレビ局とかがあって、9月になると世界中の花火大会をする場所があるんですけど、ここに大きい百貨店ができて。そこは体の悪い方とかベビーカーの方とかも廊下が広くて(移動しやすく)、中に自然の空中庭園があって、日本で考える百貨店とはちょっと違う大型のファッションビルみたいな感じで。今流行のファッションから小物から携帯とか機器とか、全部が見やすくそろう百貨店ができたので、この辺りはゆっくり自然も楽しめますし散歩も楽しめますし、ぜひ行ってもらいたいですね。
『Let’s Doアンミカ! アン ミカのポジティブ相談室』
悩んでいるのは、一生懸命生きてる証(あかし)。今、暗闇を感じているあなたへ、アン ミカが温かい言葉で光の出口へ導く。みんなの悩みの中に、あなたの答えがきっとある。寄せられお悩みと真摯に向き合い、アン ミカ流の哲学を語っている。
アン:相談を寄せていただくことで、私も答えながら気付かせていただいていることがあって。なぜ相談本を今発売されたのかってよく訊かれるんですけど、今って閉塞感がある時代を経て、みんなが自分の正義感をぶつけ合うことが、私もコメンテーターとして多かったなって、反省の部分だったりいろいろ感じることがあるんです。でもみんな教育も育った環境も違う。その中で自分の正義をぶつけ合うとけんかになる。だけど誰かの悩みや痛みに寄り添うって、結果お互いが優しくなれて和合できる。だからこそ今悩んでいるのはあなた1人じゃないよって。何か誰かの悩みに誰かが一生懸命に向き合って答えて、そういう文章を読んでいただくことで心が優しくなったり、似たような悩みを持ってる方だったらちょっとでも役に立てればうれしいですし、逆に悩み相談にのる側の方もネガポジ変換のアン ミカなりの考え方をさせていただいているので、そこも何かみなさんのお役に立てたらうれしいなって気持ちで書かせていただきました。
葉加瀬:表紙を見ただけで解決しそうだよね(笑)。
この本は購入者特典としてオリジナル楽曲『アンミカーニバル』のスペシャルミュージックビデオの視聴用QRコードが付いている。
葉加瀬:この本をめくってるとアン ミカらしい答え方が素晴らしいですね。みんなで元気になろうって言ったところで……。
アン:心を建て替えるって難しいですからね。
葉加瀬:元気になりましょうって言うべき人が言わないと意味がないわけよ。その人が元気だからいいわけで。それは助かりますよね。
アン:とんでもないです。私も能天気ではなくて、ちゃんと暗闇というか悲しい思い、小さいときの差別とか自分なりのコンプレックス、顔にケガをしたりして自信がなかった時代もあって。暗闇を知ってるから光のありがたみがすごくわかるので、そういう方の心の建て替え方、ずっとポジティブを押し付けているわけではない本なので、そういう心を建て替える何かのきっかけになるような本だったらうれしいなと思います。
アン ミカの最新情報は、Instagramの公式アカウントまで。
葉加瀬太郎がお届けする『ANA WORLD AIR CURRENT』は、J-WAVEで毎週土曜の19:00-19:54オンエア。
アン ミカが登場したのは、ゲストに様々な国での旅の思い出を聞く、J-WAVEで放送中の番組『ANA WORLD AIR CURRENT』(ナビゲーター:葉加瀬太郎)。オンエアは9月2日(土)。
どうしても韓国留学したかった理由
アンは1972年韓国・済州島生まれ大阪育ち。93年のパリコレ初参加後は映画、舞台、テレビなどで幅広く活動し、その前向きな生き方が共感を呼んでいる。葉加瀬:生まれは韓国で、大阪は何歳からですか?
アン:韓国の5歳で日本の4歳のときに、家族みんなで日本に来たんですけど、大阪生野区の鶴橋・桃谷っていうリトルコリアタウンみたいな、韓国の人たちがたくさん住んでるところがあって、近所の人たちにかわいがられて。『ALWAYS 三丁目の夕日』みたいな文化が今も残ってるので、雨が降ったら近所の人が洗濯物を家に入って取り込んでくれるっていうような、すごくいい場所で育ちました。
葉加瀬:何歳まで大阪にいたの?
アン:39歳ですね。今、52歳なんですけど、13年前に東京に出てきて、まだ東京で右も左もわからなくて、40歳前で東京で仕事していけるのかなってときに、この番組に呼んでいただけてすごくうれしかったのを覚えています。
葉加瀬:最近は韓国に行かれたりしてますか。
アン:先日、自分の第2の故郷を旅する番組でソウルに行かせていただいて。
アンは韓国の済州島も第2の故郷だと話しつつ、記憶が強いのは2002年に日本と韓国で共同開催されたサッカーワールドカップだと言う。
アン:ちょうどワールドカップの半年前から1年と少し(ソウルに)留学をしてたんですね。母が早くに亡くなって、父に「モデルをやりたい」って15歳で伝えたときに、必ず勉学と両立っていう条件があったんですけど、私が大学に行かずにどうしてもモデル1本で可能性にかけたいっていう相談をしたら、ちゃんと新聞を読んで資格を取って、モデルがダメになっても時代と手を繋いで人の役に立てる資格を取るっていうことを約束にモデルになったんですけど。
葉加瀬:なるほど。
アン:パリコレに出て勘当されてたけど、実家に帰って認めてもらえて。でも父が2002年のワールドカップの前年に急死したんですね。そのときもまだ、「知名度が上がっても調子に乗らず、新聞をいつも読んで、モデル以外の視点を持って社会的に役に立てる人間になる」っていう約束だったんですけど、ありがたく忙しくさせていただいた20代後半は、3年ほど資格も取らず新聞も読まず、ふわっと忘れてたんですよね。
そのタイミングでアンの父が亡くなり、アンの家族は済州島へ両親の墓を作りに行ったという。
アン:幼少期に話していた韓国語は日本の教育ですっかり忘れて、両親も日本の生活に馴染むのに子どもの前では日本語だったので、次の日韓ワールドカップが来るのはわかっていたのに、もうちょっとしてから韓国語を勉強しようって先延ばしにしていたときに父が亡くなって。韓国に行ってそこで初めて両親のルーツを親戚に訊きたくても言葉がちゃんと話せない。家族の誰かが韓国語を話せて国のルーツを正しく知りたいなっていうのを思い出して、どうしても留学したいと思って行きました。
アン ミカ推薦「ソウルのおすすめスポット」
韓国への留学を決めたアンは「ワールドカップまでの間に、日韓でテレビ放映や取材など、何か役に立ちたいという夢があった」と当時を振り返る。葉加瀬:モデルになるっていう夢を果たしたあとのステップっていうことですよね。
アン:今ではお子さんを産んだあとのママタレとかママモデルとかいろんな名称があって市民権を得てる、それを今の時代に言うのはおかしいんですけど、時代って本当に早くて、20年前ってモデルは30歳まで、30歳を超えたら生活感が出るとか、結婚したらとか子どもを産んだらとかっていういろんなカテゴリーが強かったんですよ。
葉加瀬:わかる。なんとなくそうね。
アン:ちょうどモデルとして次のステップを踏み出しましたし、今のところは大阪ではすごく忙しい。そこにちょっとあぐらをかいていた部分があったんですよね。韓国に行ってみて18歳のクラスメイトに「アン ミカちゃんだから『ミカリン』って呼ぶね」って言われたときにカチンと来てしまって。
葉加瀬:あはは(笑)。
アン:15歳からモデルやってると、みんな敬語だったので。
葉加瀬:光輝いてたもんね(笑)。
アン:ありがとうございます(笑)。だから調子に乗っていたなって気付けた韓国留学で。そうだ、ここに来たらみんながクラスメイトで、私は1人の30歳のアン ミカなのに、自分で自分を特別な位置にカテゴライズして勘違いする人生だったと気付けた。韓国留学に行ってよかったです。
話題は最近のソウルのおすすめスポットについて。アンがおすすめを紹介した。
アン:昔から好きで、今変化を遂げてもやっぱり美しいなって思うのが三清洞(サムチョンドン)です。ここはドラマなんかでも使われる景福宮(キョンボックン)っていう王様が住んでた宮廷や、近くに青瓦台(チョンワデ)って大統領が住まう邸宅があったり、昔の貴族が住んでいた昔ながらの邸宅がそのまま棚田のように残っていて、1つ1つがリノベーションされてパン屋さんになってたりカフェになってたり。みんながオシャレに西洋とアジアのドッキング、情報が入っていて、すごく韓国らしさもありながら、今の韓国の旬なものもある。あと現代美術の街なので小さいギャラリーがたくさんあるんですね。ここはすごく大人ですし、流行りもわかるし、芸能人にも会えますし。
葉加瀬:あはは(笑)。
アン:いろんな意味で素敵です。レンタルチョゴリを着たら、みんなスタイルがよく見えるし、おなかいっぱいになってもわからないから。風通しもよくて暑くても寒くてもいい。これで写真を撮ったりできるのが大好き。汝矣島(ヨイド)っていう場所はテレビ局とかがあって、9月になると世界中の花火大会をする場所があるんですけど、ここに大きい百貨店ができて。そこは体の悪い方とかベビーカーの方とかも廊下が広くて(移動しやすく)、中に自然の空中庭園があって、日本で考える百貨店とはちょっと違う大型のファッションビルみたいな感じで。今流行のファッションから小物から携帯とか機器とか、全部が見やすくそろう百貨店ができたので、この辺りはゆっくり自然も楽しめますし散歩も楽しめますし、ぜひ行ってもらいたいですね。
誰かの悩みや痛みに寄り添うことでお互いが優しくなれる
アンの著書『Let’s Doアンミカ! アン ミカのポジティブ相談室』(講談社)が7月に発売された。『Let’s Doアンミカ! アン ミカのポジティブ相談室』
悩んでいるのは、一生懸命生きてる証(あかし)。今、暗闇を感じているあなたへ、アン ミカが温かい言葉で光の出口へ導く。みんなの悩みの中に、あなたの答えがきっとある。寄せられお悩みと真摯に向き合い、アン ミカ流の哲学を語っている。
アン:相談を寄せていただくことで、私も答えながら気付かせていただいていることがあって。なぜ相談本を今発売されたのかってよく訊かれるんですけど、今って閉塞感がある時代を経て、みんなが自分の正義感をぶつけ合うことが、私もコメンテーターとして多かったなって、反省の部分だったりいろいろ感じることがあるんです。でもみんな教育も育った環境も違う。その中で自分の正義をぶつけ合うとけんかになる。だけど誰かの悩みや痛みに寄り添うって、結果お互いが優しくなれて和合できる。だからこそ今悩んでいるのはあなた1人じゃないよって。何か誰かの悩みに誰かが一生懸命に向き合って答えて、そういう文章を読んでいただくことで心が優しくなったり、似たような悩みを持ってる方だったらちょっとでも役に立てればうれしいですし、逆に悩み相談にのる側の方もネガポジ変換のアン ミカなりの考え方をさせていただいているので、そこも何かみなさんのお役に立てたらうれしいなって気持ちで書かせていただきました。
葉加瀬:表紙を見ただけで解決しそうだよね(笑)。
この本は購入者特典としてオリジナル楽曲『アンミカーニバル』のスペシャルミュージックビデオの視聴用QRコードが付いている。
葉加瀬:この本をめくってるとアン ミカらしい答え方が素晴らしいですね。みんなで元気になろうって言ったところで……。
アン:心を建て替えるって難しいですからね。
葉加瀬:元気になりましょうって言うべき人が言わないと意味がないわけよ。その人が元気だからいいわけで。それは助かりますよね。
アン:とんでもないです。私も能天気ではなくて、ちゃんと暗闇というか悲しい思い、小さいときの差別とか自分なりのコンプレックス、顔にケガをしたりして自信がなかった時代もあって。暗闇を知ってるから光のありがたみがすごくわかるので、そういう方の心の建て替え方、ずっとポジティブを押し付けているわけではない本なので、そういう心を建て替える何かのきっかけになるような本だったらうれしいなと思います。
アン ミカの最新情報は、Instagramの公式アカウントまで。
葉加瀬太郎がお届けする『ANA WORLD AIR CURRENT』は、J-WAVEで毎週土曜の19:00-19:54オンエア。
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番組情報
- ANA WORLD AIR CURRENT
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毎週土曜19:00-19:54
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葉加瀬太郎