女優、声優、シンガーの松本梨香と亀田誠治が、「2009年の横浜」をテーマに音楽談議を展開した。
松本が登場したのはJ-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:亀田誠治)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか──時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターの亀田誠治が旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談議を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ここでは5月14日(日)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
今回、松本は空想ドライブのテーマに「2009年の横浜」を選んだ。
松本:私は生まれも育ちも横浜なんですけど、2009年は横浜港開港150周年を記念して「開国博Y150」というのがあって、そのときに「たねまる」っていうキャラクターがいたんですけど、それを私がやっていて。初めてゆるキャラみたいな、ご当地のキャラクターの声をやったのは「たねまる」なんです。これ、みなとみらい駅を降りていただいて、象の鼻パークに行くと石のタイムカプセルと一緒に今も「たねまる」がいて、墓石のようになってます(笑)。
亀田:あはは(笑)。
松本:ライトアップもしないから、夜行くと真っ暗闇の中でぶつかりそうになるんですよ。だから本当に墓石みたいになっていて、お花を手向けたくなるんです。そこに横浜の話をちょっと入れたら、みんなここに行くと思うんですよね。
そんな松本は、空想ドライブミュージックの1曲目としてエンヤの『Orinoco Flow』をセレクトした。
亀田:これは初めて1人で海外に旅立ったときに、友だちと誰かで行くとその人たちだけでしゃべっちゃったりしちゃうけど、1人で行ったときにいろんな人が声を掛かけてくれたんですよ。そうするといろんな出会いがあって、すごく強烈に(印象深かった)。それが22歳のときだったので、いちばん最初に旅に出るというか、ドライブに行くにもそのときのワクワクしたのとかドキドキしたのとか、ちょっとハラハラ不安になったりとか、いろんな気持ちがうわってなっているのがいちばん最初にかかったらいいなと思いました。その旅のデッカい飛行機の中でこれがずっとかかってたんです。
亀田:なるほど。
松本:これを聴きながら気持ちを落ち着かせたりとか、いろんなことがよみがえるんです。
亀田:なぜ1人旅を?
松本:別れの話をしに行ったんですよ。その人がロサンゼルスにちょうどいて、「別れましょう」って言いに行ったんです。もともと「遊びにおいで」って言われていたけど、自分はお別れを言いに行ったんです。今みたいにLINEとかないし、メールとか電話とかでも大丈夫だけど、それだと悪い気持ちがあるじゃないですか。だからちゃんと会いに行って、別れを告げようと思って。1人で行くのは不安でしたけど、行きましたね。
亀田:その背中を……。
松本:エンヤが押したと(笑)。
松本:アニメソングを今まで歌わせていただいて、みんなで一緒に元気が出て、歌って楽しいっていうのがアニソンだと思っていて。1人で歌うというよりは、例えばドライブやどこかに遊びに行ったときに曲をかけるとみんなで歌えるし、それが醍醐味だと思っているので、これを選びました。ドライブでは絶対にこれをかけますから。これをかけるとみんな「うおー!」ってなります。
亀田:(松本)梨香さんの『めざせポケモンマスター』もそうなんだけど、1つのひな型を作った感じがするんですよね。ビフォア梨香さん、アフター梨香さんじゃないけど、今で言うところのメタルサウンドみたいなものに対して、女子と男子のちょっと混じり合ったような声で力強く歌うのが、いわゆる実写じゃなくてアニメの主人公とめちゃくちゃシンクロするんです。それまでのアニメソングは童謡チックな目線でやわらかい感じだったのが、グッとエッジのあるものに変わって、「みんなで歌える」っていうエポックメイキングな時代を切り開いてくださったなって思います。
松本:(ポケットモンスターシリーズの)いちばん最初が『めざせポケモンマスター』で、アレンジをどうしようかってなったときに「梨香ちゃんが歌うからロックがいいよね」と言っていただいて。それを作っていたときはイエローモンキーさん(THE YELLOW MONKEY)が人気だったんですよ。だからイエローモンキーさんみたいなテイストの曲にしようということで、できあがったのがあれなんですよ。
亀田:それは新鮮。
松本:私が歌うんだったら、主人公がみんなと寄り添える歌がいいなと思っていて。友だちと一緒に歌っているような感じ。みんなの代表で歌っているのが私で……というようにしたいなと思っていたので、キャラというよりはカッコよくてみんなが憧れるような感じで表現できたらいいなっていうのがありましたね。
松本:この歌でどれだけ泣かされたかというか、癒されたかというか。
亀田:1993年にリリースされた曲なんですよね。
松本:私がこの曲を知ったのは、リリースからけっこうあとでしたね。うちの母親が亡くなったあとにこの曲に出会うんです。そのときに「本当にこれだ」と思って、これを歌いながら母親に伝えてます。「あなたは嘘つきだね」っていうところなんて、泣きながらしか歌えないよね。
亀田:これまでにスターダスト☆レビューさんとの交流はあったんですか。
松本:tvk(テレビ神奈川)の番組で。
亀田:すごい、キーワードは横浜ですね。ハマの女王(笑)。
松本:あはは、まだ女王にはなってないですね。なりたいけど、ハマっ子で止まってます(笑)。そのときにもこの歌を聴きまして、シビれましたね。長くやってらっしゃる方のパフォーマンスの表現って素晴らしいなって。やっぱり長く歌い続けるって大事だなと思ったし、自分も「自分が歌わなきゃダメだ」っていう曲ってあるじゃないですか。これは他の人じゃだめなんだよっていうものを長く歌わないと曲が死んじゃうし、続けていくことがいいことなんだろうなと思います。
松本は最後の空想ドライブミュージックとしてU.S.A. For AfricaのWe Are the Worldをセレクトした。
松本:シンディ・ローパーが録ってるときに首飾りが鳴っちゃて「ソーリー!」っていうところがすごく好きで。
亀田:今、梨香さんがシンディ・ローパーに見えてきた。
松本:シンディ・ローパーが出てきたときは強烈だったので、私の中でもすごくリスペクトの気持ちがありますね。曲を収録してるときのVTRを観ると、この人たちって大スターなのに普通の人だって思ったんです。そこがすごく親近感がわいて、シンディ・ローパーのシーンをマネしたりしてました。あと、アドリブでシンディが「イェイ、イェイ、イェイ!」って入ってくるじゃないですか。「私、行き過ぎちゃったかしら」くらいの感じで英語がわからなかったんですけど、そんな感じがしてて。ちゃんとしたバージョンも録ってるんですけど、やっぱりやりたくなったっていうバージョンが音源に使われていて。そういうことだな、そういうことなんだなと思って。パッションがうわってきたときに出たものが。やらざるを得ないというか、やりたくなった衝動を生かすのが音楽だな、エンタメだなと思いました。
松本:この曲のタイトルは顔が晴れる「顔晴れ(がんばれ)」で、2011年の(東日本大震災の)ときにいろいろまわらせてもらっていて。みんなに「頑張れ」っていうのが嫌だったので、「顔が晴れる、がんばれです」という話をさせてもらいながらまわっていたので、そこから『顔晴れワッショイ!』っていうタイトルになって。最初のタイトルは普通の「頑張れ」だったんですけど「顔晴れ」のほうにしてくれって頼んでやらせてもらいました。ワッショイって和を背負うって意味みたいなんですよ。
亀田:そうなんですか。
松本:私は大衆演劇の父を持っていて、和のものとか、日舞もやってましたし三味線もちょっと弾けたりとかいろいろするんですけど、その和のものでワッショイって盛り上がっていけたらいいなと思って、その思いで作らせてもらいました。私はみんなの強力ビタミン剤になりたいなという気持ちもあって。
亀田:名言。
松本:歌とかでも“私のよさ”ってそういうところだろうなと思っていて。
亀田:よどみなく揺るぎなくそれが伝わってますよ。
松本:これからもそういう風にやっていきたいなって思っています。
松本梨香の最新情報は、公式Twitterまで。
松本が登場したのはJ-WAVEで放送中の『Mercedes-Benz THE EXPERIENCE』(ナビゲーター:亀田誠治)。その時代、その場所で、どんな音楽を聴きたいか──時代を越えて、国境を越えて、ナビゲーターの亀田誠治が旅好き・音楽好きのゲストと共に音楽談議を繰り広げる、空想型ドライブプログラムだ。ここでは5月14日(日)にオンエアした内容をテキストで紹介する。
1人旅の記憶がよみがえる1曲
松本は1997年からテレビアニメ『ポケットモンスター』シリーズ(テレビ東京系)の主人公・サトシを演じてきた。亀田は「うちの2人の子どもたちがジャストポケモン世代で、我が家の家庭平和にポケモン、そして松本梨香さんの声が貢献してくれた」と感慨深い様子。今回、松本は空想ドライブのテーマに「2009年の横浜」を選んだ。
松本:私は生まれも育ちも横浜なんですけど、2009年は横浜港開港150周年を記念して「開国博Y150」というのがあって、そのときに「たねまる」っていうキャラクターがいたんですけど、それを私がやっていて。初めてゆるキャラみたいな、ご当地のキャラクターの声をやったのは「たねまる」なんです。これ、みなとみらい駅を降りていただいて、象の鼻パークに行くと石のタイムカプセルと一緒に今も「たねまる」がいて、墓石のようになってます(笑)。
亀田:あはは(笑)。
松本:ライトアップもしないから、夜行くと真っ暗闇の中でぶつかりそうになるんですよ。だから本当に墓石みたいになっていて、お花を手向けたくなるんです。そこに横浜の話をちょっと入れたら、みんなここに行くと思うんですよね。
そんな松本は、空想ドライブミュージックの1曲目としてエンヤの『Orinoco Flow』をセレクトした。
亀田:これは初めて1人で海外に旅立ったときに、友だちと誰かで行くとその人たちだけでしゃべっちゃったりしちゃうけど、1人で行ったときにいろんな人が声を掛かけてくれたんですよ。そうするといろんな出会いがあって、すごく強烈に(印象深かった)。それが22歳のときだったので、いちばん最初に旅に出るというか、ドライブに行くにもそのときのワクワクしたのとかドキドキしたのとか、ちょっとハラハラ不安になったりとか、いろんな気持ちがうわってなっているのがいちばん最初にかかったらいいなと思いました。その旅のデッカい飛行機の中でこれがずっとかかってたんです。
亀田:なるほど。
松本:これを聴きながら気持ちを落ち着かせたりとか、いろんなことがよみがえるんです。
亀田:なぜ1人旅を?
松本:別れの話をしに行ったんですよ。その人がロサンゼルスにちょうどいて、「別れましょう」って言いに行ったんです。もともと「遊びにおいで」って言われていたけど、自分はお別れを言いに行ったんです。今みたいにLINEとかないし、メールとか電話とかでも大丈夫だけど、それだと悪い気持ちがあるじゃないですか。だからちゃんと会いに行って、別れを告げようと思って。1人で行くのは不安でしたけど、行きましたね。
亀田:その背中を……。
松本:エンヤが押したと(笑)。
一緒に元気が出て、歌って楽しいのがアニソン
続いて、松本は空想ドライブミュージックの2曲目として、自身が声優を務めた『ポケットモンスターシリーズ』のサトシの『XY&Z』をセレクトした。松本:アニメソングを今まで歌わせていただいて、みんなで一緒に元気が出て、歌って楽しいっていうのがアニソンだと思っていて。1人で歌うというよりは、例えばドライブやどこかに遊びに行ったときに曲をかけるとみんなで歌えるし、それが醍醐味だと思っているので、これを選びました。ドライブでは絶対にこれをかけますから。これをかけるとみんな「うおー!」ってなります。
亀田:(松本)梨香さんの『めざせポケモンマスター』もそうなんだけど、1つのひな型を作った感じがするんですよね。ビフォア梨香さん、アフター梨香さんじゃないけど、今で言うところのメタルサウンドみたいなものに対して、女子と男子のちょっと混じり合ったような声で力強く歌うのが、いわゆる実写じゃなくてアニメの主人公とめちゃくちゃシンクロするんです。それまでのアニメソングは童謡チックな目線でやわらかい感じだったのが、グッとエッジのあるものに変わって、「みんなで歌える」っていうエポックメイキングな時代を切り開いてくださったなって思います。
松本:(ポケットモンスターシリーズの)いちばん最初が『めざせポケモンマスター』で、アレンジをどうしようかってなったときに「梨香ちゃんが歌うからロックがいいよね」と言っていただいて。それを作っていたときはイエローモンキーさん(THE YELLOW MONKEY)が人気だったんですよ。だからイエローモンキーさんみたいなテイストの曲にしようということで、できあがったのがあれなんですよ。
亀田:それは新鮮。
松本:私が歌うんだったら、主人公がみんなと寄り添える歌がいいなと思っていて。友だちと一緒に歌っているような感じ。みんなの代表で歌っているのが私で……というようにしたいなと思っていたので、キャラというよりはカッコよくてみんなが憧れるような感じで表現できたらいいなっていうのがありましたね。
やりたくなった衝動を生かすのが音楽
続いて、松本は3曲目にスターダスト☆レビューの『木蘭の涙』を選曲した。松本:この歌でどれだけ泣かされたかというか、癒されたかというか。
亀田:1993年にリリースされた曲なんですよね。
松本:私がこの曲を知ったのは、リリースからけっこうあとでしたね。うちの母親が亡くなったあとにこの曲に出会うんです。そのときに「本当にこれだ」と思って、これを歌いながら母親に伝えてます。「あなたは嘘つきだね」っていうところなんて、泣きながらしか歌えないよね。
亀田:これまでにスターダスト☆レビューさんとの交流はあったんですか。
松本:tvk(テレビ神奈川)の番組で。
亀田:すごい、キーワードは横浜ですね。ハマの女王(笑)。
松本:あはは、まだ女王にはなってないですね。なりたいけど、ハマっ子で止まってます(笑)。そのときにもこの歌を聴きまして、シビれましたね。長くやってらっしゃる方のパフォーマンスの表現って素晴らしいなって。やっぱり長く歌い続けるって大事だなと思ったし、自分も「自分が歌わなきゃダメだ」っていう曲ってあるじゃないですか。これは他の人じゃだめなんだよっていうものを長く歌わないと曲が死んじゃうし、続けていくことがいいことなんだろうなと思います。
松本は最後の空想ドライブミュージックとしてU.S.A. For AfricaのWe Are the Worldをセレクトした。
松本:シンディ・ローパーが録ってるときに首飾りが鳴っちゃて「ソーリー!」っていうところがすごく好きで。
亀田:今、梨香さんがシンディ・ローパーに見えてきた。
松本:シンディ・ローパーが出てきたときは強烈だったので、私の中でもすごくリスペクトの気持ちがありますね。曲を収録してるときのVTRを観ると、この人たちって大スターなのに普通の人だって思ったんです。そこがすごく親近感がわいて、シンディ・ローパーのシーンをマネしたりしてました。あと、アドリブでシンディが「イェイ、イェイ、イェイ!」って入ってくるじゃないですか。「私、行き過ぎちゃったかしら」くらいの感じで英語がわからなかったんですけど、そんな感じがしてて。ちゃんとしたバージョンも録ってるんですけど、やっぱりやりたくなったっていうバージョンが音源に使われていて。そういうことだな、そういうことなんだなと思って。パッションがうわってきたときに出たものが。やらざるを得ないというか、やりたくなった衝動を生かすのが音楽だな、エンタメだなと思いました。
私はみんなの強力ビタミン剤になりたい
空想ドライブ後、番組では松本の楽曲『顔晴れワッショイ!』をオンエアした。松本:この曲のタイトルは顔が晴れる「顔晴れ(がんばれ)」で、2011年の(東日本大震災の)ときにいろいろまわらせてもらっていて。みんなに「頑張れ」っていうのが嫌だったので、「顔が晴れる、がんばれです」という話をさせてもらいながらまわっていたので、そこから『顔晴れワッショイ!』っていうタイトルになって。最初のタイトルは普通の「頑張れ」だったんですけど「顔晴れ」のほうにしてくれって頼んでやらせてもらいました。ワッショイって和を背負うって意味みたいなんですよ。
亀田:そうなんですか。
松本:私は大衆演劇の父を持っていて、和のものとか、日舞もやってましたし三味線もちょっと弾けたりとかいろいろするんですけど、その和のものでワッショイって盛り上がっていけたらいいなと思って、その思いで作らせてもらいました。私はみんなの強力ビタミン剤になりたいなという気持ちもあって。
亀田:名言。
松本:歌とかでも“私のよさ”ってそういうところだろうなと思っていて。
亀田:よどみなく揺るぎなくそれが伝わってますよ。
松本:これからもそういう風にやっていきたいなって思っています。
松本梨香の最新情報は、公式Twitterまで。
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- Mercedes-Benz THE EXPERIENCE
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亀田誠治